酔狂老人卍さんが投稿したル・メッサージュ(神奈川/弘明寺)の口コミ詳細

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『此世をハ と里(り)や お暇尓(に) せん古(こ)う能(の) 煙りと供尓(に) 者(は)ひ 左樣なら』 (十返舎一九)

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ル・メッサージュ弘明寺(横浜市営)、弘明寺(京急)、蒔田/フレンチ

1

  • 昼の点数:4.0

    • ¥3,000~¥3,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 3.5
      • |雰囲気 3.5
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク -
1回目

2009/11 訪問

  • 昼の点数:4.0

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥3,000~¥3,999
    / 1人

この邊(あた)り 何を喰ふても 氣に召(め)さず 口に合ふのは メッサージュばかり

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撮影掲載了承濟み
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【2009-11-16追記】:
九月に「佛蘭西産鴨肉のソテエ」、この日は再(ふたゝ)び「牛頬(ほゝ)肉赤葡萄酒(わいん)煮(に)」。
菜蔬(あをもの)の火の通(とほ)し方、肉の煮込(にこ)み加減(かげん)、悉(ことごと)く前(まへ)に同じ。
かゝる鄙(ひな)の地(ち)にありて、老(お)いたる夫婦(めをと)二個(ふたり)、のんびり商(あきな)ふ。
舎密(せいみ)實驗(じつけん)か手品(てじな)のごとき今の佛伊料理(れうり)とは縁遠(えんどほ)き店。

【2009-08-09登録】:
この地にまともな味(あぢ)求(もと)むるは、海月(くらげ)を探(さぐ)りて骨(ほね)を得るに似たり。
愚(おろ)かなること、恰(あたか)も、海(うみ)に潛(もぐ)りて茸(きのこ)を探(さぐ)るに等(ひと)し。
あるいは、山(やま)に登(のぼ)りて蛤(はまぐり)漁(すなど)るに異(こと)ならず。
倩(つらつら)この地(ち)のめしやを檢(あらた)むるに、東京(とうけい)に敵(かな)ふは稀(まれ)。

佛蘭西(フランス)料理(れうり)なれば上大岡京急百貨店内LePin(=ルパンバーラヴァン)、
伊太利(イタリ)料理(れうり)なれば伊太利庵厨房 四季の庭osteria crisantemoアラ・コンタディーナ
界隈(あたり)の洋食(やうしよく)で名高(なだ)きは津久志亭レストラン マコト(弘明寺)、
懐石(くわいせき)花里、拉麪一力、鮨寿司割烹 鹿島、何(いづ)れも取(と)るに足(た)らず。

思(おも)ふに、江戸(えど)のめし屋(や)に劣(おと)らぬは以下(いか)の店(みせ)に限(かぎ)る。
素(もと)の味(あぢ)に頼(たよ)らず優(やさ)しき味(あぢ)を求(もと)むる廣東名菜 福鼓樓
香(かをり)り高(たか)く、味(あぢ)はひ深(ふか)きインドカレーハウス サニー・タージ
そして、かの蒲田にも引(ひ)けを取(と)らぬ餃子(ぎやうざ)王家菜館

さらに粉物(こなもの)に擴(ひろ)ぐれば弘明寺のたこ燒き梅鉢流まみぃにお好み燒きいなちゃん
梅鉢流まみぃは一舟(ひとふね)五(いつ)ゝ入(い)りで零點二八みなほん、
いなちゃんは晝(ひる)なれば飮(の)み物(もの)附(つ)きで僅(わづ)か零點五みなほんの安(やす)さ。
さればこの日(ひ)はいなちゃんでと心(こゝろ)に固(かた)く誓(ちか)ひ、弘明寺詣(まう)で。

遠目(とほめ)に幟(のぼり)を檢(あらた)め、店(みせ)の前(まへ)に至(いた)りて愕然(がくぜん)。
「今日(けふ)明日(あす)夏休(なつやす)み」との貼(は)り紙(がみ)に濡(ぬ)らす兩(りやう)の袖(そで)。
邊(あた)りに店(みせ)はなく、破(やぶ)れかぶれ、まゝよとばかりにこちらの敷居(しきゐ)を跨(また)ぐ。
未(ひつじ)の刻(こく)も近(ちか)しと云ふに席(せき)なほ半(なか)ば埋(う)まりて賑(にぎ)やか。

女將(おかみ)、黒板(こくばん)持(も)ち來(き)たりてこの日(ひ)の獻立(こんだて)を告(つ)ぐ。
生憎(あやにく)、主菜(しゆさい)は「牛(うし)頬肉(ほゝにく)赤葡萄酒(あかぶだうしゆ)煮込(にこ)み」、
「鱸(すゞき)のポアレ」、「佛蘭西(ふらんす)鴨(かも)ソテ」と、頗(すこぶ)る月竝(つきな)み。
恰(あたか)も唐土(もろこし)より來(き)たりし麻婆豆腐(まあぼどうふ)、干燒蝦仁(えびちり)のごとし。

そのほかは、信州松本の有機(いうき)蔬菜(そさい)、薩州放(はな)し飼(が)ひ黒豚(くろぶた)など。
こゝは小手調(こてしら)べ、前菜(ぜんさい)から水菓子(みづがし)までの三みなほんの晝(ひる)めしに。
主菜(しゆさい)は件(くだん)の「牛(うし)頬肉(ほゝにく)赤葡萄酒(あかぶだうしゆ)煮込(にこ)み」。
グラス葡萄酒、前菜(ぜんさい)、茶碗(ちやわん)蒸(む)し、水菓子(みづがし)、麪麭(ぱん)附(つ)き。

前菜(ぜんさい)は、花甘藍(カリフラワ)の凝乳(クレム)和(あ)へ、アイスプラント、 胡瓜(きうり)酢漬け、
果物(フルウツ)蕃茄(トマト)、薩州放(はな)し飼(が)ひ黒豚(くろぶた)テリイヌ、などなど。
花甘藍(カリフラワ)の凝乳(クレム)和(あ)へはJ.ロブションの作(さく)として夙(つと)に名高(なだか)し。
匙(さじ)に掬(すく)ひて一口(ひとくち)含(ふく)むに、なかなかの味(あぢ)はひ。

次(つぎ)に運(はこ)ばれ來(き)たりしは「鵞鳥肝(フォアグラ)茶碗(ちやわん)蒸(む)し」。
油(あぶら)で肝(きも)煎(い)り附(つ)けたる後(のち)、マデラ酒(しゆ)でフランベし上(うへ)に。
強(つよ)き甘(あま)さを伴(ともな)ふ照(て)り燒(や)きのごとき確(たし)かな味(あぢ)と香(かをり)り。
思(おも)ふに、これ、好(この)みの分(わ)かるゝところならん。

主菜(しゆさい)の皿(さら)は暖(あたゝ)められ、附(つ)け合(あは)せは温(おん)蔬菜(そさい)。
すなはち、紅蘿蔔(にんじん)、蘿蔔(すゞしろ)、隱元(いんげん)、マッシュトポテト、これなり。
箸(はし)ほどの拍子木(ひやうしぎ)に切られ、能(よ)く鮮(あざ)やかなる彩(いろど)りを留(とゞ)む。
齒應(はごた)へもほどよく、皿毎(さらごと)に叮嚀(ねんごろ)に調理(こしら)へたるは明(あき)らか。

頬肉(ほゝにく)は童(わらべ)の拳(こぶし)ほどの大(おほ)きさでく元(もと)の姿(すがた)を留(とゞ)む。
菜刀(ナイフ)を入れるや、抗(あらが)ふこともせず二(ふた)つの塊(かたまり)に泣(な)き別(わか)れ。
その一(ひと)缺片(かけら)を頬張(ほゝば)るに、忽(たちま)ち解(ほど)けで喉(のみど)に消(き)ゆ。
鹽氣(しほけ)、甘味(あまみ)、酸味(さんみ)、どれもがほどよく、姿形(すがたかたち)も麗(うるは)し。

巷(ちまた)に溢(あふ)るゝありふれたる品(しな)なればこそ、その腕(うで)巧(たく)みなるを知(し)る。
普段(ふだん)遣(づか)ひの晝(ひる)めしなれば赤坂オステルリー・スズキをも凌(しの)ぐ出來(でき)。
オステルリー・スズキは幾(いく)つもの菓子(デセエル)に加(くは)へ茶菓子(プチフウル)まで。
こちらは食後(しよくご)に皿(さら)に盛(も)られたる二(ふた)つの菓子(デセエル)が附(つ)くのみ。

この日の菓子(デセエル)は燒(や)き布丁(プリン)に冷凍ヨウグルト果物(くだもの)添(そ)へ。
果物(くだもの)はキウイ、パイナップル、メロン、など時季(じき)のもの。
燒(や)き布丁(プリン)はバニラビインズが目立(めだ)ち、クレエム・ブルレとつゆ異(こと)なるところなし。
冷(つめ)たきものは冷たく、温(あたゝ)かきものは温かくと、基本(きほん)に違(たが)はず。

麪麭(パン)は自(みづか)ら拵(こしら)へた丸麪麭(まるパン)に加(くは)へ市販(しはん)の品(しな)も。
惜(を)しむらくはこの市場(いちば)で求(もと)めたる麪麭(パン)の味(あぢ)よろしからざること。
泡沫(うたかた)が痕(あと)は細(こま)やかで、手(て)に掴(つか)むや驚(おどろ)くべき輕(かる)さ。
皿(さら)に餘(あま)れる醤(ソオス)を拭(ぬぐ)ふためとは云へ、あまりに古臭(ふるくさ)き姿(すがた)。

餐巾(ナプキン)はなく、卓布(テエブルクロス)は二重(ふたへ)ながらも亞麻布(リンネル)にあらず。
粗末(そまつ)な紙(かみ)お絞(しぼ)りがあり、これにて手(て)を拭(ぬぐ)ひ清(きよ)む。
鍋(なべ)の類(たぐひ)は磨(みが)き込(こ)まれ、鏡(かゞみ)と見紛(みまが)ふ。
かゝるものゝ隅々(すみずみ)まで手入(てい)れ行き屆(とゞ)きたるは、味(あぢ)よきことの證(あかし)。

洋食(やうしやく)は、明治の頃(ころ)に生(む)まれ、本朝(ほんてう)に根附(ねづ)きて久(ひさ)し。
思(おも)ふに、何處(いづく)の店(みせ)にもある馴染(なじ)みの品(しな)もこれに似(に)たり。
民(たみ)の口(くち)に合(あ)ふものばかりが長(なが)らく品書(しなが)きに留(とゞ)まる。
件(くだん)の「牛(うし)頬肉(ほゝにく)赤葡萄酒(あかぶだうしゆ)煮込(にこ)み」もまた然(しか)り。

云はゞ、「平成(へいせい)の新(あら)たなる洋食(やうしよく)」とでも號(よびな)すべき代物(しろもの)。
さらば、こちら、家族(かぞく)ばかりで商(あきな)ふ街(まち)の叮嚀(ねんごろ)なる洋食屋(やうしよくや)。
邊(あた)りに根(ね)ざし、この邊(あた)りでは眩(まばゆ)きばかりに光(ひか)り輝(かゞ)やく。
わざわざ出向くには及(およ)ばねど、ルパンバーラヴァン津久志亭レストラン マコトより遥(はる)かに上。

  • 主(あるじ)

  • 赤葡萄酒(わいん)杯(ぐらす)

  • 【肉料理】、附け合せの蔬菜

  • 【デセエル】

  • 赤葡萄酒(わいん)壜(ぼとる)

  • 【前菜】

  • 【前菜】、カリフラワピュレ

  • 【前菜】、放牧黒豚のテリイヌ

  • 【前菜】、蔬菜

  • 【汁碗(しるわん)】、南瓜(かぼちやん)のボタアジュ

  • 【肉料理】、牛頬(うしほゝ)肉赤葡萄酒(あかわいん)煮(に)

  • 【デセエル】、ソルベ(林檎)

  • 【デセエル】、プリン

  • 珈琲(かうふい)

2010/11/12 更新

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