酔狂老人卍さんが投稿した彩雲瑞(東京/経堂)の口コミ詳細

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『此世をハ と里(り)や お暇尓(に) せん古(こ)う能(の) 煙りと供尓(に) 者(は)ひ 左樣なら』 (十返舎一九)

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彩雲瑞経堂、千歳船橋、宮の坂/中華料理

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク -
1回目

2012/05 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

現世(うつしよ)で 雁字(がんじ)に搦む 土蜘蛛が 彩雲(にじのくも)なら 瑞(めでた)きものを

【2012-05-21追記】:
豐蘆原(とよあしはら)の瑞穗(みづほ)の國(くに)大倭(おほやまと)。
四方(よも)を海(うみ)に圍(かこ)まれ、山(やま)が迫(せま)りて水(みづ)に富(と)む。
されば、海(うみ)の幸(さち)、山(やま)の幸(さち)に恵(めぐ)まれ、
菜(くひもの)、自(おの)づとそれを生(い)かし、妄(みだ)りに捏繰(こねく)り廻(まは)すを嫌(きら)ふ。

扶桑(わがくに)と異(こと)なり震旦(もろこし)に佳(よ)き食材(しよくざい)は稀(まれ)。
殊(こと)の外(ほか)珍重(おもんず)るは、"鮑參肚翅(ぱおしェんどゥちー)"などの"乾貨(かんぶつ)"。
就中(わきても)、"鮑參翅(あはび・いりこ・ふかひれ)"の俵物(たはらもの)三品(みしな)は、
清朝(しんてう)の昔(むかし)より日本産(ひのもとのもの)を最佳(もつともよし)とす。

近會(ちかごろ)蓬莱(わがくに)にても、頓(にはか)に"魚翅(ふかひれ)"を嗜(この)み啖(くら)へど、
鮑魚(あはび)・海參(なまこ)は生(なま)の儘(まゝ)に嗜(たしな)むが通常(つね)。
唐山(もろこし)にてはこれを戻(もど)し、宴席(うたげ)の海八珍(うみのちんみ)となす。
これ、能(よ)く彼我(ひが)の相違(たが)ひを物語(ものがた)りて餘(あま)すところなし。

"鮑參肚翅(ぱおしェんどゥちー)"の内(うち)馴染(なじ)み薄(うす)きが"魚肚(うきぶくろ)"。
"(にべ)"すなはち石首魚(いしもち)の類(たぐひ)の鰾(うきぶくろ)を乾燥(ほした)るものにて、
本朝(わがくに)石首魚(いしもち)より大(おほ)きさは上(うへ)。
港粤(ほんこん・くわんとん)の産(もの)を最上(よし)とす。

この日(ひ)の白眉(はくび)は"蝦子魚肚(えびこあぢうきぶくろ)"。
"(にべ)"の(うきぶくろ)に二種(ふたくさ)の乾燥(ほし)茸(きのこ)、
すなはち、"姫松茸(ひめまつたけ)"と"草茹(ふくろたけ)"に青梗菜(ちんげんつァい)を合(あ)はせ、
"蝦子(しャーず、えびこ)"にて味附(あぢつ)けしたるもの。

これに加(くは)へ、"腐乳空芯菜(ふにゆうあぢくうしんさい)"も本邦(わがくに)では珍(めづら)しき品(しな)。
腐乳(ふにゆう)は粥(かゆ)などに屡(しばしば)用(つか)はるゝ醗酵食品(はつかうしよくひん)にて、
かの"くさや"のごとき強烈(つよ)き臭氣(にほひ)を放(はな)つ"臭豆腐(しうどうふ)"とは別物(べつもの)。
まろやかにして奧深(おくぶか)き味(あぢ)はひ。

他(ほか)に"江珧金針菜(たひらぎとゆりのつぼみいため)"、"筍乾扣肉(ぶたばらとめんまのにこみ)"、
"水煮牛肉(しせんふうゝしにくにこみ)"、〆には"杏仁豆腐(きやうにんどうふ)"。
どの皿(さら)も適切(ほどよ)き味附(あぢつ)け
油脂(あぶら)のくどさもなく、寔(まこと)、その力量(うで)慥(たしか)なるをあらためて識(し)れり

惜(を)しむらくは"玉珧(たひらぎ)"への火(ひ)、強(つよ)きに過(す)ぐること。。
およそ貝類(かひ)と烏賊(いか)は火(ひ)が過(す)ぐれば忽地(たちまち)柔(やは)らかさを失(うしな)ふ。
玉珧(たひらぎ)も名(な)にし負(お)ふ鮨店(すしや)にそれに比(くら)ぶれば、
生(む)まれて間(ま)もなき嬰兒(みどりご)に等(ひと)しく、屑(くづ)にも似(に)たる貨物(しろもの)。

勿論(いふまでもなく)、"水煮牛肉(すいづゥにュうろー)"とは麻辣(からみ)豐(ゆた)かなる川菜(しせんれうり)。
御内儀(おかみ)の奬(すゝ)めに從(したが)ひ炒麪(やきそば)と合(あ)はせこれを堪能(あぢは)ふ。
正宗(ほんばもの)と較(くら)ぶれば麻辣(からみ)なきがごとしと云へど、
能(よ)く吾儕(わなみ)が味覺(した)を悦(よろこ)ばしむ。

〆の甜點(くわし)は"杏仁豆腐(きやうにんどうふ)"。
菜譜(しながき)に敢(あ)へて"シンレン豆腐(どうふ)"を謳(うた)ふは、普通話(ぷーとんほわ)、
すなはち、彼地(かのち)での標準語(ひやうじゆんご)たる北京官話(まんだりん)に遵(したが)ひてか。
桂花(きんもくせい)の芳香(かぐはしきかをり)鼻竅(はな)を穿(うが)つ逸品(よきしな)。

格式(かくしき)を誇(ほこ)る廛(みせ)のごとき亞麻布(りんねる)、
すはなち、卓布(てえぶるくろす)・餐巾(なぷきん)の類(たぐひ)こそあらねど、
皿(さら)は温(あたゝ)められ、箸(はし)は縱置(たてお)き
隅(くま)なく掃除(さうじ)が行(ゆ)き屆(とゞ)きたる容(さま)、實(げ)に心持(こゝち)よきかぎり。

【2010-03-12記】:
ある日(ひ)"若旦那(わかだんな)"より誘(いざな)はれ經堂(きやうだう)に。
買(か)ひ物(もの)せんと、久々(ひさびさ)に徘徊(うろつ)く内藤新宿(ないとうしんじゆく)。
伊勢丹百貨店(いせたん)の變貌(かはりぶり)に目(め)を瞠(みは)り、
池袋(いけぶくろ)を根城(ねじろ)とする冩眞機商(しやしんきしやう)の賑(にぎは)ひに驚歎(おどろ)く。

この日(ひ)は"親方(おやかた)"も一緒(いつしよ)。
ともに類稀(たぐひまれ)なる食(た)べ手(て)にして、名(な)にし負(お)ふ語(かた)り部(べ)。
冷盤(さきづけ)に始(はじ)まり甜點心(あまきもの)で終(を)はる「一通(ひとゝほ)り」に、、。
仔細(しさい)は冩眞(しやしん)のごとく、玉薤(さけ)など加(くは)へ一人(ひとり)六千圓餘(あまり)。

唐山(もろこし)傳來(わたり)とも思(おも)へぬ纖細(こま)やかな味(あぢ)の數々(かずかず)。
鮑參翅肚(あわび、きんこ、ふかひれ、うきぶくろ)」など値(ね)の張(は)る乾貨(かんぶつ)や、
鮨屋(すしや)と見紛(みまが)ふばかりの海鮮(うみのさち)など、
一(ひと)つとして虚假(こけ)を威(おど)す素材(もの)なし。

さりとて、濫(みだ)りに調味料(てうみれう)で誤魔化(ごまか)すこともせず、
油脂(あぶら)ばかりか、鹹(しほからさ)、甜(あまさ)、旨味(うまみ)ともに控(ひか)へめ。
さあらば、そこに顯在化(あらは)るは、唯(たゞ)主人(あるじ)の技倆(うで)のみ。
なんでも、音(おと)に聞(き)くかの「竹爐山房」の出身(で)とか。

最初(いやさき)より最後(いやはて)まで、一皿(ひとさら)とて口(くち)に合(あ)はざるはなし。
先(ま)づは冷盤(さきづけ)。
鯛白子(たひしらこ)の燻製(いぶし)、蕨(わらび)・蕗(ふき)、生(なま)の木耳(きくらげ)など。
口味(あぢ)は清(きよ)らかに澄(す)み、仄(ほの)かなる香(かをり)鼻腔(はな)を穿(うが)つ。

小鉢(こばち)の乾豆腐絲(せんぎりおしどうふ)は箸(はし)着(つ)くるまでもなし。
色(いろ)淡(あは)く儚(はかな)げなる出汁(だし)は蝦米(ほしえび)などから製(こしら)へたるものか。
乾絲(せんぎりおしどうふ)に加(くは)へ、胡瓜(きうり)に火腿(はむ)のごときものゝ纖切(せんぎ)り。
磤(はた)と膝(ひざ)打つ、容姿(すがたかたち)に寸毫(つゆ)と相違(たが)はぬその美味(うま)さ。

穴子(あなご)は衣(ころも)を塗(まぶ)して炸(あ)げたものに甜鹹(あまから)き餡(あん)。
餡(あん)かゝりて、穴子(あなご)のなほサクサク感(かん)を留(とゞ)むるぞあはれなり。
穴子(あなご)そのものは時季(じき)に外(はづ)れ、棹(さを)に等(ひと)しき骨立(やせからだ)。
ほどよく辣椒(たうがらし)が效(き)、今(いま)ゝでの鹽味(しほあぢ)とは異(こと)なる趣(おもむき)。

麪條(そば)には、玉蘭笋(しほづけたけのこ)と豕(ゐのこ)を炖(にこ)み溜(あんかけ)をほどこす。
高名(なだか)き川菜(しせんれうり)”水煮牛肉”よりもこちらを選(えら)みしは”玉蘭笋”にあり。
唐土(もろこし)で”玉蘭片”、”乾(干)笋”などゝ云ふものかと思へど馴染(なじ)みの「麪碼(めんま)」。
燒(や)き目(め)こそあれ、麪條(そば)は聊(いさゝ)か茹(ゆ)ですぎの恨(うら)みあり。

”何(いづ)れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)”の佳品(よきしな)揃(ぞろ)ひながら、
この日(ひ)の白眉(はくび)は”金華火腿(きんくわはむ)”に”大山鶏(だいせんどり)”の湯(しる)。
口味(あぢ)複雜(ふくざつ)にして玄妙(げんめう)、薫香(よきかをり)四方(よも)に漂(たゞ)よふ。
とは云へ、鶏好(とりず)きの親方(おやかた)は”大山鶏”に首(くび)捻(ひね)ること頻(しき)り。

"杏仁豆腐"を敢(あ)へて北京(ぺきん)讀(よ)みで"シンレン豆腐"と銘打(めいう)つ所以(ゆゑん)、
師匠直傳(おやかたじきでん)"北杏(ほくきやう)"誇(ほこ)るにありと。
巷(ちまた)に溢(あふ)るゝ甜(あま)き汁(しろつぷ)ならで梅酢(うめず)味(あぢ)。
寔(まこと)に、掉尾(てうび)を飾(かざ)るに相應(ふさは)しき一品(ひとしな)。

白痴(こけ)を脅(おど)すばかりの高級食材(ねた)の軛(くびき)より逃(のが)れ、
皿(さら)を彩(いろど)る虚飾(むだなかざり)の桎(てかせ)を解(と)き放(はな)ち、
夥(あまた)調味料(てうみれう)からなる梏(あしかせ)を粉碎(くだ)き毀(こぼ)つ。
さながら化粧(けわひ)なしで太夫(たいふ)を顏色(がんしよく)なからしむる標致(きりやう)よしのごとし。

  • 蝦子魚肚(えびこあぢうきぶくろ)、姫松茸(ひめまつたけ)・草茹(ふくろたけ)

  • 蝦子魚肚(えびこあぢうきぶくろ)、魚肚(うきぶくろ)

  • 腐乳空芯菜(ふにゆうあぢくうしんさい)

  • 江珧金針菜(たひらぎとゆりのつぼみいため)

  • 筍乾扣肉(ぶたばらとめんまのにもの)

  • 水煮牛肉(しせんふううしにくにこみ)

  • 炒麪(やきそば)

  • "杏仁豆腐(きやうにんどうふ)"

  • 紹興酒(さけ)

  • 冷盤(さきづけ)

  • 乾豆腐絲など(前ピン御免)

  • 乾豆腐絲(おしどうふ)、部分擴大圖

  • 蝦仁(えび)

  • 穴子(あなご)

  • 玉蘭片(乾笋)・豬肉の炖(にこみ)

  • 麪條(そば)

  • 大山鶏と金華火腿の湯(しる)

  • 甜點心(くわし)

  • 甜點心(杏仁豆腐)、(ピンボケ御免)

  • 小田急線新型ロマンスカー(經堂には止まらず)

2012/06/12 更新

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