酔狂老人卍さんが投稿した銀座 飛雁閣(東京/新橋)の口コミ詳細

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『此世をハ と里(り)や お暇尓(に) せん古(こ)う能(の) 煙りと供尓(に) 者(は)ひ 左樣なら』 (十返舎一九)

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酔狂老人卍 (70代以上・男性) 認証済

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銀座 飛雁閣新橋、銀座、東銀座/中華料理

1

  • 昼の点数:4.5

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 3.0
      • |酒・ドリンク -
1回目

2011/06 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP3.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

紙ほどに 薄くて破れぬ この皮を ちぎりてみれば しる奔(ほとばし)る

贔屓(ひいき)の出演(で)る芝居(しばゐ)でも觀(み)ばや久かた方ぶりの銀座。
腹拵(はらごしら)への晝飧(ひるめし)は豫(かね)て狙ひの『飛雁閣』。
食通(あぢしるたべて)にして、襃(ほ)めちぎらざる者はなく、
その名の大きなること、宛然(あたかも)雷鳴(いかづち)が耳を貫(つらぬ)くがごとし。

午の刻、電梯(えれヴェいた)出(いづ)るや尤(いと)叮嚀(ねんごろ)なる管待(もてなし)。
支配人(しはいにん)と思(おぼ)しき黒服(くろふく)に導(みちび)かれ席(せき)に、、、。
餐巾(なぷきん)の載る皿は紛(まが)ふ方なき洪牙利(はんがり)ヘレンド窯(がま)。
(はし)の向きは縱置(たてお)きと、正統派(せいとうは)の格式(かくしき)を誇る。

倩(つらつら)その菜譜(しながき)を眺(なが)むれば、
大約(およそ)壹萬圓の『松(まつ)』より五千圓餘の『梅(むめ)』、
さらには『飛雁(ひがん)冷やし中華(ちゆうくわ)』なるものまでが竝(なら)ぶ。
恭(うやうや)しく給仕(きふじ)に擔(あた)るは【●●●●●●●●●●●●●←削除】。

物腰(ものごし)こそ柔(やは)らかなれど、【●●●●●●●●●●●●●←削除】。
それを見かねて、忽地(たちまち)現(あらは)で出(いで)し黒服の支配人(しはいにん)。
菜(れうり)は勿論(いふにおよばず)、店開(みせびら)きの經緯(いきさつ)、
老板(あるじ)の爲人(ひとゝなり)、 一つとして識らざることなき手煆煉(てだれ)。

およそ扶桑(わがくに)『紅燒排翅(ふかひれにこみ)』なるもの、
樓外樓』、『中國飯店』、『維新號』など、江東(ひむがし)に源流(みなもと)を持つ廛(みせ)は
紅焼(しやうゆあぢすがたに)通例(つね)なれど、
港粤(みなみ)の『福臨門』では姥鯊(うばざめ)などの太き翅(ひれ)を何より重視(おもん)ず。

上湯(よきしる)を用(つか)ひ、味附けは淡(うす)めの蠔油(おいすたそおす)。
その姿、さながら薄紅(うすべに)の蜜汁(みつ)に浮(う)かむ葛切(くづき)りのごとし。
あしらひは、『隨園食單』以來(よりこのかた)風習(ならひ)の豆芽(もやし)。
當店(こちら)は排翅(すがたに)なれど港粤風味(みなみ)とのよし。

さるによつて、音(おと)に聞く『小籠包(しやおろんぱお)』を含む一揃(ひとそろ)ひに、、。
冷盤(さきづけ)』、『小籠包(しやおろんぱお)』、『紅燒排翅(ふかひれにこみ)』、
泰式油淋鶏(たいふうぢどりからあげ)』、『蒸冬茹鶏湯(しいたけとゝりのすましゞる)』、
海鮮炒飯(かいせんやきめし)』、『芒果布甸(まんごぷりん)』。

最初(いやさき)に運(はこ)ばれ來たりしは小茶壺(きふす)入りの茶(ちや)。
俗(よ)に云ふ『花茶(はなちや)』にて、茉莉(じやすみん)に(らん)を加へたるもの。
玻璃(びいどろ)の小茶壺(きふす)なれば、開水(ゆ)の少なくなるや、
蓋(ふた)を開け*)ずとも女給(ぢよきふ)能(よ)く開水(ゆ)を繼ぎ足すところとなる。

白磁(はくじ)の皿(さら)に竝(なら)ぶ『冷盤(さきづけ)』は九品(くしな)。
就中(わきても)印象(いんしやう)深きは『明爐叉燒(やきぶた)』。
薩州黒豬(さつまくろぶた)の肩裏脊肉(かたろーす)を食紅を用(つか)はず炙り燒きたるもの。
かの名にし負ふ『福臨門』ですら紅(べに)で人目を欺(あざむ)く。

聞けば、どこぞの賞(しやう)を獲得(え)たる榮譽(ほまれ)高き品(しな)とか、、。
さもありなん。
次いで琥珀(こはく)と見紛ふ美しき『烏骨鶏(うこつけい)の皮蛋(ぴいたん)』。
匂ひもなく、清(きよ)らかに澄みて『春秋』をも凌ぐ逸品(よきしな)。

案下某生再説(それはさておき)、巷間(ちまた)で噂の『小籠包(しやおろんぱお)』。
下膨(しもぶく)れとなりつゝも丸(まろ)き姿の中に肉汁(にくじる)を留(とゞ)め、
その一端(はぢ)を齧(かじ)るや肉汁(にくじる)口中(くちのなか)へと奔(ほとばし)る。
しだらなく擴散(ひろ)がり、皮破(やぶ)れて肉汁(にくじる)を損なふ品に雋(すぐ)る。

小籠包(しやおろんぱお)の啖(くら)ひ方指南(しなん)』を卓上(つくゑ)に置くは、
偏(ひとへ)に作法(さはふ)を辯(わきま)えぬ白徒(しれもの)多き證據(あかし)。
新亞飯店』も見事(みごと)なれど、皮の厚さでは雲壤(うんじやう)の相違(たがひ)。
慥(たしか)に小籠包(しやおろんぱお)の頂點(いたゞき)と云ふべきか。

扨(さて)御次(おつぎ)に控(ひか)へし『紅燒排翅(ふかひれにこみ)』。
附合はせは勿論(いふまでもなく)古き風習(ならひ)の『豆芽(もやし)』。
豫(あらかじ)め根を切り芽を去りしものを、汁(しる)に絡(から)めて堪能(あぢはふ)。
本朝(わがくに)では青梗菜(ちんげんつァい)をあしらふが尋常(つね)。

豆芽(もやし)にかゝる手間隙(てまひま)・時の費(つひえ)たるや幾許(いくばく)ぞ。
それに觸るゝや、支配人(しはいにん)顏(かほ)綻(ほころ)ばせ喜ぶこと限りなし。
本丸(ほんまる)排翅(ふかひれ)の口味(あぢ)は、嗜(この)むところに非(あら)ず。
九段(くだん)『全家福』、今はなき『大上海飯店』の排翅(ふかひれ)が上。

疲れて痛(いた)む胃腑(いふ)を洗ふ『蒸冬茹鶏湯(どんことゝりのむしすましゞる)』。
金腿(きんたい)**)豬肩肉(かたにく)、より叮嚀(ねんごろ)に抽出(ひ)きたるもの。
火腿(はむ)特有(とくいう)のみあらねば、その理由(ことわり)を訊(たづ)ぬるに、
囘答(いら)へて、『周圍(まはり)の黴(かび)を剥ぎ、脂を削ぎしものなれば、、、』とぞ。

金腿(きんたい)なるもの、浙江省(せつかうしやう)あたりでの用法(つかひかた)をみるに、
正(まさ)しく本朝(わがくに)鰹節(かつをぶし)に相當(あた)る。
(しる)、蒸物(むしもの)は云ふに及ばず、纖切(せんぎ)りをあしらひに、、、。
黴着(かびづ)けしたる周圍(まはり)に雜味(ざつみ)の殘(のこ)るもまた同じ。

海鮮炒飯(やきめし)』に長粒米(いんでィか)を用(つか)ふは、
厨師(いたまへ)の修業先(しゆげふさき)『福臨門』を髣髴(おもはす)。
蝦(えび)は下味(したあぢ)が不足(たら)ず今一(いまひと)つ。
芒果布甸(まんごぷりん)』は寔(まこと)に濃厚(あぢこ)く舌に滑(なめ)らか。

辭別(いとまごひ)せんとするに、『飛雁蠔油(おいすたそーす)』の小瓶を家苞(いへつと)に。
カラメルを避け、味精(あぢのもと)に頼らぬ一品(ひとしな)。
李錦記蠔油(りきんき)』と比ぶれば、旨味(うまみ)に大差(おほきなるさ)なし。
並(なみ)の二倍(にばい)にも及ぶ蠔抽出物(かきえきす)の賜物(たまもの)か?

・・・・

管待(もてなし)ぶりは至上(このうへもな)く、居心地(ゐごゝち)もすこぶる良好(よい)。
染(し)み一(ひと)つなき皿(さら)は美(うつく)しく程良(ほどよ)く暖(あたゝ)か。
厠(かはや)の手入(てい)れもおさおさ怠(おこた)りなし。
福臨門』出身(で)と云ふ厨師(いたまへ)の力量(うで)は勿論(いふもさら)なり。

當店(こちら)の老板(あるじ)は滬(さんへ)より來(き)たりし凄腕(すごうで)女將(おかみ)。
その名藤本飛呂(ふじもとひろ)と稱(とな)へ、
徒(いたづら)に目先(めさき)の錢儲(ぜにまう)けに走(はし)らず、
質(しつ)の高さと信用(しんやう)を只顧(ひたすら)追求(おひもとむ)る器量(うつは)。

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*)飮茶(やむちや)での作法(さはふ)
**)浙江省(せつかうしやう)金華周邊(きんくわあたり)に産(さん)する『金華火腿』をかく號(なづ)く。
  雲南省(うんなんしやう)宣威周邊(せんゐあたり)で産(さん)する『雲南火腿』と雙璧(さうへき)。
  これを約(つゞ)めて『雲腿(うんたい)』、『宣腿(せんたい)』と云ふ。

  • 洪牙利(はんがり)ヘレンド窯(がま)の皿(さら)

  • 洪牙利(はんがり)ヘレンド窯(がま)の皿(さら)

  • 茶(ちや)、茉莉(じやすみん)+蘭(らん)

  • 縦置(たてお)きの筷(はし)

  • 水母(くらげ)

  • 烏骨鶏(うこつけい)の皮蛋(ぴいたん)

  • 鱈(たら)

  • 猪舌(ぶたのした)

  • 明爐叉燒(やきぶた)

  • 香茹(しいたけ)豆腐皮(ゆば)卷(ま)き

  • 失念(わすれたり)

  • 烏魚子(からすみ)

  • 小籠包(しやうろんぱお)の醋(す)

  • 小籠包(しやうろんぱお)

  • 小籠包(しやうろんぱお)

  • 大紅醋(あかす)

  • 豆芽(もやし)

  • 紅焼排翅(ふかひれにこみ)

  • 紅焼排翅(ふかひれにこみ)

  • 泰式油淋鶏(たいふうぢどりからあげ)

  • 付(つ)け合(あ)はせ

  • 時菜(きせつのあをもの)、廣東白菜(くわんとんはくさい)

  • 蒸冬茹鶏湯(どんことゝりのむしすましゞる)

  • 芒果布甸(まんごぷりん)

  • 飛雁蠔油(ひがんおいすたそーす)

  • 飛雁蠔油(ひがんおいすたそーす)の成分(せいぶん)

  • 李錦記(りきんきおいすたそーす)の成分(せいぶん)

  • 李錦記蠔油(左)と飛雁蠔油(右)の相違(たが)ひ

2015/01/30 更新

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