酔狂老人卍さんが投稿した涵梅舫 銀座店(東京/銀座一丁目)の口コミ詳細

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『此世をハ と里(り)や お暇尓(に) せん古(こ)う能(の) 煙りと供尓(に) 者(は)ひ 左樣なら』 (十返舎一九)

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涵梅舫 銀座店銀座一丁目、有楽町、銀座/中華料理、飲茶・点心

2

  • 夜の点数:4.2

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
  • 昼の点数:4.4

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 4.4
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
2回目

2024/11 訪問

  • 昼の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

"鼈(かはかめ)"を 罐燜(つぼもてむしに) "裙邊(えんがは)"の 風味佳絕(あぢとかをりに ことばうしなふ)

將(いまゝさ)に向盡(つきなん)とする所有(てもち)の"冩眞鏡玉(たま)"。
これを銀座(ざぎん)の"二手照相機店(せこはんや、≒ふるだうぐやのたぐひ)"に持參(もちこ)み、
相知(なじみ)の店長(みせをさ)と×强談判〇價格交渉(はなしあひ)、
先方値附(あちらのいひね)ゟ(より)七千圓高(しちせんゑんだか)にて售(てばな)すことに、、。

茲(こゝ)は「質素儉約(しつそけんやく)」、悋嗇(しはんばう)を徹(つらぬ)くべし!
と云ふ仔細(わけ)にて、名物(なにしおふ)"油炸鮮蠔(かきフリャー)を狙(ねら)ひ『三州屋』。
西洋時辰儀(あちらのとけい)十一字十五分(じふいちじ志゛じふごふん、11:15)と云ふに、
滿席(せきはうまり)、空席(あき)を虎視眈々(うかゞ)ふ者(もの)も幾人(いくたり)。

これは不能寛容(たまらん)!
卽(すぐに)踵(くびす)を返(かへ)し、斜對面(はすむかひ)の"大厦高樓(たかどの)"に、、。
かくなる上(うへ)は、八樓(うへ)の『涵梅舫』となるが、
常道(つね)であり、三十六策一無方策(いかなるはかりごとも、ほかにうつてなし)と云ふもの。

開店(みせびらき)の十一字三十分(じふいちじはん、11:30)には時間(ま)があり、
已(や)むことを得(え)ずして、"其處(そこ)"で霎時(しばし)待機(てぐすねひ)くことに、、。
軈(やが)て開門(とびらがひらき)、"肆内(なか)"へと闖入(おしいる)。
窗際(まどぎは)に着席(すは)るや、通常(つね)のごとく"菜譜(しながき)"を拜借(もらふ)。

かゝる餐廳(めしや)で"午套餐(ひるのきまりめし)"餐(くら)ふは丈夫(をのこ)の恥辱(はぢ)
然而(とはいへ)、
"參鮑翅肚(さんはうしと、むやみにねのはるたはらものゝたぐひ)"は、
高嶺之花(たかねのはな)」であり、「狐狸與葡萄(えびかづらのみをとれぬきつね)」と云ふもの。

勿愕(おどろくなかれ)、"菜譜(しながき)"に、
"春魚肉皮凍(うをゝかたどりたるにこゞり)"、"龍鬚麪(たつのひげをかたどりたるひきむぎ)"無(な)く、
廚藝劣化(あぢおち)の危惧(おそれ・うれひ)を遺(のこ)す。
"膳夫(かしはて)"交代(かは)るや味道(あぢ)も變化(かはる)は通例(つねのこと)

かくして、
"水晶肴蹄(ぶたのすねにくにこゞり)"、"罐燜裙邊(かはかめのえんがはいりつぼにこみ)"、
"揚州炒飯(ごもくやきめし)"の三品(みしな)を選擇(えらむ)ことに、、。
對價(あたひ)、七千三百八十一圓也(しちせんさんびやくはちじふいちゑんなり、=¥7,381)。

劈頭(いやさき)に"水晶肴蹄(ぶたのすねにくにこゞり)"。
以前(まへ)の"水晶肴蹄(それ)"と比較(くらべ)、些(いさゝ)か彩度(わびたるいろみ)。
"水晶肴蹄(このしな)"は"鎭江名菜(ちんかうめいさい)"にして、
"鎭江香醋(ちんかうかうず)"で賞味(あぢはふ)が風習(ならひ)。

その儘(まゝ)賞翫(くら)ふも吉(よし)、"鎭江香醋(このす)"で堪能(くら)ふも佳(よし)
鳥(とり)を象(かたど)りたる"胡蘿蔔(せりにんじん)"に、
廚藝(わざ)、就中(わきても)、刀工(はものづかひ)の高水準(たかさ)に瞠目(めをみはる)。
ま、これが要不要(いるかいらぬか)は懐疑的(くびかしぐるところ)

扨(さて)、
颯爽(かたでかぜき)り登塲(あらはれいで)しは、"罐燜裙邊(かはかめのえんがはつぼにむしに)"。
その菜名(な)のとほり、
"裙邊(かはかめのえんがは)"などを"(つぼ)"に封(い)れ"(むしに)"せしもの。

その姿(すがた)と云ひ、烹飪法(やりかた)と云ひ、
かの"閩名菜(ふつけんになだかき)"佛跳牆(ぶつてうしやう、≒ほとけなほへいをとびこすつぼ)"、
或(あるい)は、"杭州名菜(かうしうにてなにしおふ)"東坡肉(とうばにく)"を髣髴(おもはす)。
氣分昂揚(むねときめかせ)御開帖(ぱかッ©毒さま✨.:*゚:.。:.)!

その顏色(いろ)(き)を佩(お)び、眼精(まなこ)穿(うが)ちて已(や)むことなし。
湯匙(さじ)に拯(すく)ひて一口(ひとくち)するに、風味佳絕(あぢとかをりにことばをうしなふ)。
"(かはかめ)"は"身肉(みにく)"も"手腳(てあし)"も愛好(このむところ)なれど、
皇帝(みかど)は"裙邊(えんがは)"のみを賞翫(あぢはふ)もの」とか。 ※眞僞不明

かゝる"罐燜(つぼむしに)"のみならず、
中夏(もろこし)は"(むし)"と云ふ烹調法(やりかた)が巧妙(たくみ)。
"江南(かうなん)"の"叫化童雞(こつじきどり)"、"(くわうしう)"の"蝦餃(えびむしかうじ)"、
"淸蒸鮮魚(うをのすがたむし)"となると全土(あまねくつゝうらうら)に、、。

"港粤(かうかう・くわうしう)"では"石斑魚(はたのたぐひ)"が珍重(おもんぜ)られ、
臨海(うみちか)き"臨安(りんあん)"では、何故(なんのゆゑ)か知らぬが"淡水魚(かはうを)"。
"海水魚(うみのうを)"ではこの風味(あぢ)になりえぬ!
と、"杭州(このち)"の饕餮(たべて)は斷言(むねはりていひきる)。

西湖樓外樓』でも樓下(した)は水槽(みづおけ)に"淡水魚(かはやみづうみのうを)"
杭州錢塘縣(このちのせんたう)に出身(うまれそだち)し"袁枚(ゑんばい)"も、
隨園食單》中(のなか)に"江鮮單(かはやみづうみのうをのつくりかた)"を特筆大書(おほがき)。
"北京(ほくけい)"の"淸蒸鮮魚(それ)"も"淡水魚(かはやみづうみのうを)"なりき。

掉尾(いやはて)に"揚州炒飯(ごもくやきめし)"。
"金華火腿(きんくわぶたのもゝにくしほづけ)"、"海參(もどしほしこ)"は勿論(いふにおよばず)、
"乾貝(ほしかひばしら)"、"纜魚(いか)"、"鰕仁(むきえび)"、"雞蛋(にはとりのたまご)"、
"豌豆(のらまめ)"、"蝦子(えびのたまご)"まで、五味五色(いろとりどり)。

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【暗匣】:日本光學 尼康(Nikon)Zf 無反光鏡可換鏡頭照相機(MILC、みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtländer)APO-LANTHAR 2/50 @F2.8~F4
     福倫達(Voigtländer)Super Wide-Heliar 4.5/15 Asph. III @F11

  • 『三州屋』

  • 『涵梅舫』が店子(たなこ)の"大厦高樓(たかどの)"

  • 『涵梅舫』前(まへ)の"廊(ほそどの)"

  • "外觀(かまへ)"

  • "肆内(なか)"

  • "菜譜(しながき)"

  • 窗際(まどぎは)に"作料(あぢつけぐすり)"

  • "菜譜(しながき)"の"罐烔裙邊(かはかめのえんがはつぼにこみ)""水晶肴蹄(ぶたのすねにくにこゞり)"

  • "水晶肴蹄(ぶたのすねにくにこゞり)"

  • "水晶肴蹄(ぶたのすねにくにこゞり)"

  • "水晶肴蹄(ぶたのすねにくにこゞり)"、斷面(きりくち)

  • "水晶肴蹄(ぶたのすねにくにこゞり)"、鎮江香醋(ちんかうす)+生薑絲(くれのはじかみせん)

  • "水晶肴蹄(ぶたのすねにくにこゞり)"、生薑絲(くれのはじかみせんぎり)

  • "水晶肴蹄(ぶたのすねにくにこゞり)"、鳥(とり)を象(かたど)る紅蘿蔔(せりにんじん)

  • "菜譜(しながき)"の"罐烔裙邊(かはかめのえんがはつぼにこみ)"

  • "罐燜裙邊(かはかめのえんがはつぼむしに)"、罐(つぼ)

  • "罐燜裙邊(すつぽんのえんがはつぼむしに)"、御開帖(ぱかッ©毒さま✨.:*゚:.。:.)

  • "罐燜裙邊(どろがめのえんがはつぼむしに)"、裙邊(かはかめのえんがは)

  • "罐燜裙邊(かはかめのえんがはつぼむしに)"、裙邊(かはかめのえんがは)

  • "罐燜裙邊(かはかめのえんがはつぼむしに)"、蚫片(あはびうすぎり)

  • "罐燜裙邊(かはかめのえんがはつぼむしに)"、香茹片(しひたけうすぎり)

  • "罐燜裙邊(かはかめのえんがはつぼむしに)"、笋片(たかむなうすぎり)

  • "菜譜(しながき)"の"揚州炒飯(ごもくやきめし)"

  • "揚州炒飯(ごもくやきめし)"

  • "揚州炒飯(ごもくやきめし)"

  • "揚州炒飯(ごもくやきめし)"、蝦子(えびのたまご)

  • "揚州炒飯(ごもくやきめし)"、海參(ほしなまこ)

  • "揚州炒飯(ごもくやきめし)"、纜魚(いか)

2024/11/22 更新

1回目

2016/12 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人
  • 昼の点数:4.4

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥5,000~¥5,999
    / 1人

『涵梅舫(かんめいほ)』は 都(みやこ)のたつみ 大厦(びる)の上 「味(あぢ)横綱(よこづな)」と 我(われ)は云ふなり

【2016-12-24追記】:
今宵(こよひ)の宴(うたげ)は未曾有(いまだかつてな)き顏(かほ)ぶれ。
左(ゆんで)には、綺羅(きら)星(ほし)のごとき美食家(うまきをしるもの)、
右(めて)には、稀有(まれにみ)る味覺(した)の持主(もちぬし)。
武州(むさし)の鬼(をに)ゝ、藝州(あき)の虎(とら)、などなど、、。

點菜(しなえらみ)は、
豫(あらかじ)め以下(つぎのとほり)濟(す)ませてあり、
あとは、只顧(ひたすら)、次々(つぎからつぎに)啖(くら)ふのみ。
菜(れうり)と唐茶(さけ)で大約(およそ)一萬四千圓(いちまんよんせんゑん)。

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【前菜四拼盤(よくさのさきづけ)】
 ・水晶肴蹄(ぶたすねにくのにこゞり)
 ・烤豬腩(かはつきぶたばらにくのあぶりやき)
 ・揚州燙干絲(やうしうふう、せんぎりおしどうふ)
 ・春魚肉皮凍(うをゝかたどりたる、にこゞり)

【湯(しるもの)】
 ・茶香一品鮮(まつたけときぬがさだけの、すましゞる)

【點心(くちなほし、むしやしなひ)】
 ・羊眼包子(ひつぢのまなこをかたどりたる、まんぢゆう)
 ・芝麻餡餠(ごまパイ)
    
【主菜、魚(うを)】
 ・烏龍戲珠(さんとうふう、きんことうづらのかひごにこみ)

【主菜、獸(けだもの)】
 ・爐肉火鍋(ぶたばらにくとはくさいゝり、いとよきしるのなべ)
 ・金牌扣肉(かはつきぶたばらにく、"たふ"がたむしに)
 ・乾燒鴨條(あひるとアスパラガス、さんとうふういためもの)

【主食(めしがはり)】
 ・肉餠(ほくへいふうのおやき)

【甜品(あまきくわし)】
 ・桃子包子(もゝまんぢゆう)
 ・拔絲葡萄(ぶだうのあめだき)
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"前菜四拼盤(よくさのさきづけ)":
鎭江名菜(ちんかうめいさい)"水晶肴蹄(ぶたすねにくのにこゞり)"はじめ、
かの"脆皮肉片(ゼイピーローピェン)"を髣髴(おもは)す、
"烤豬腩(かはつきぶたばらにくのあぶりやき)"など、佳味(よきあぢ)盡(づ)くし。

就中(わきても)白眉(はくび)は"(しるもの)"。
金華火腿(きんくわハム)、乾貝(ほしかひばしら)、家鴨(あひる)、(にはとり)、
などより拵(こしら)へたる(しる)が基本(もとゐ)。
これより、"清湯(すましゞる)"、煮詰(につ)めて"奶湯(にごりじる)"となす。

"茶香一品鮮(まつたけときぬがさだけのすましゞる)":
松茸(まつたけ)に竹蓀(きぬがさだけ)の清湯(すましゞる)を、
桂花(きんもくせい)が馨(かをり)の烏龍茶葉(うりようちやのは)に沃(そゝ)ぐ。
松茸(まつたけ)、竹蓀(きぬがさだけ)とも頗(すこぶ)る小振(こぶ)り。

この松茸(まつたけ)は、
"(なま)"とも"(かんぶつ)"とも異(こと)なる、"袋詰(ふくろづめ)"とのよし。
さはあれ、驚歎(おどろ)くほどの芳香(かをり)の強(つよ)さ
竹蓀(きぬがさだけ)の食感(はごたへ、したざはり)は勿論(いふもさらなり) 。

"爐肉火鍋(ぶたばらにくはくさいゝり、いとよきしるのなべ)":
これまた、纔(はつ)かに鹹(しほから)めなれど、
聲(こゑ)を失(うしな)ひ、魂(たましひ)を消(け)すほどの美味(うま)さ
芳醇馥郁(かをりゆたか)にして、複雜玄妙(いみじうをかし)き味覺(あぢはひ)。

"羊眼包子(ひつぢのまなこをかたどりたる、まんぢゆう)"と云ふは、
清(しん)の康熙帝(みかど)に因(ちな)む由緒(すぢめ)正(たゞ)しきもの。
(すめらみこと)變裝(すがたをいつは)り、巷(ちまた)に出(い)で給(たま)ひ、
包子(まんぢゆう)穿(ほじ)れど羊眼(ひつぢのまなこ)なしと、云々(うんぬん)。

價格(ね)の廉(やす)き宴(うたげ)なれど、
かゝる點心(むしやしなひ)に加(くは)へ、
かの"滿漢全席(まんかんぜんせき)"に不可缺(かゝせ)ぬ、
"八珍(やつのいとめづらしきたべもの)"も幾(いく)つか、、。

"駝峰(らくだのこぶ)"、"大烏參(おほくろきんこ)"、"竹蓀(きぬがさだけ)"、これなり。
"駝峰(らくだのこぶ)"は"芝麻餡餠(ごまパイ)"に、
"大烏參(おほくろきんこ)"は"烏龍戲珠(さんとうふうきんことうづらかひごにこみ)"に、
"竹蓀(きぬがさだけ)"は"茶香一品鮮(まつたけときぬがさだけのすましゞる)"に、、。

"金牌扣肉(かはつきぶたばらにく、"たふ"がたむしに)":
その形状(すがたかたち)は金字塔(ピラミッド)を髣髴(おもは)せ、
顏色(いろあひ)は"東坡肉(とうばにく)"にも似(に)たり。
浙江名菜(せつかうめいさい)の一(ひとつ)。

會計(しはらひ)濟(す)ませんとする折(をり)しも、
後方(あとべ)より雷鳴(いかづち)のごとき聲(こゑ)あり。
ふりさけ見(み)れば、その聲(こゑ)の主(ぬし)は女人(をんな)。
口(くち)耳(みゝ)まで裂(さ)け、眼(まなこ)烈火(もえさかるほむら)のごとし。

おんどれ、ナニ、モタモタさらしとんねん!、迷惑(めいわく)なんじャ、ボケ~~!
儂儕(わてら)を先(さき)ィせんかいィーー!!」と、
大音聲(だいおんじやう)に喚(をめ)き、凄味(すごみ)を利(き)かす。
吾儕(わがともがら)、この恫喝(おどし)に凍(こほりつ)かざるは皆無(なし)

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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-Macro 2/50 @F2

【2015-07-22追記】:
銀座(ぎんざ)に移轉後(うつりてより)これが二度目(にどめ)。
遊里(さと)の辭(ことば)に倣(なら)ふなら、これを「裏(うら)を返(かへ)す」と云ふ。
此度(こだみ)點菜(えらみ)しは、"烤豬腩(かはつきぶたばらやき)"、
"豆豉炒飯(とうちやきめし)"、"龍鬚麪(りようひげめん)"の三品(みしな)。

最初(いやさき)に、"烤豬腩(かはつきぶたばらやき)"。
かの粤(くわんとん)の"燒味(やきもの)"、"脆皮肉(ぶたばらやき)"に髣髴(さもにたり)。
そもそも、"脆皮肉(ゼイピイロー)"なるもの、
脆(もろ)くも臼齒(おくば)に崩(くづ)るゝ口感(はごたへ)こそが最重要(いのち)。

然(しか)るに、この日(ひ)の"烤豬腩(ガオチョナン)"を瞻(み)るに、
脆(さくさく)とした口感(はごたへ)に缺(か)く
調味(あぢつけ)そのものは、言舌(ことば)に盡(つ)くしがたきものあり。
噛(か)むほどに旨味(うまみ)迸(ほとばし)りて已(や)むことなし。

"豆豉炒飯(とうちやきめし)"には、
その名(な)のごとく、豆豉(ドウチ、だいとくじなつとう)に加(くは)へ、
胡瓜魚(からふとすゝはむ)、紅椒(ぱぷりか)、鶏蛋(かひご)、(ねぎ)。
紛(まが)ふことなき豆豉(だいとくじなつとう)の味(あぢはひ)。

さはあれ、
半點(いさゝか)鹽氣(しほけ)淡(あは)く、米粒(こめつぶ)は油膩(あぶらぎる)
粟米湯(たうきびじる)にて咽喉(のみど)に流(なが)し、
時(とき)に普洱茶(プーアルチャ)にて漱(くちすゝ)ぐ。

最後(いやはて)は、口直(くちなほ)しの"龍鬚麪(りようひげめん)"。
その細(ほそ)さたるや、
老翁(おきな)の白髮(しらが)と見紛(みまが)ひ、
針(はり)の穴(あな)をも容易(たやす)く通過(とほりぬく)るほど。

どれほどの手煆煉(てだれ)のなせる所業(わざ)?
神(かみ)の所爲(しわざ)か、惡鬼羅刹(ばけもの)が惡戲(いたづら)か?
麪(めん)を拉(ひ)き、復(ま)たも引(ひ)くこと幾度(いくたび)。
これを油(あぶら)に炸(あ)ぐるも、寸毫(つゆ)色着(いろづ)く兆(きざ)しなし。

上(うへ)に載(の)るは幹果(ほしくだもの、ドライフルーツ)。
細(こま)やかに刻(きざ)まれ、適度(ほどよ)き彩(いろど)りをなす。
杏子(あんず)の蜜汁(みつ)をかけ、これを啖(くら)ふ。
門牙(まへば)に脆(もろ)くも崩(くづ)れ、臼齒(おくば)に抗(あらが)ふことなし。

小茶壺(きふす)には雲南(うんなん)近邊(あたり)の普洱茶(ふじちや)。
普洱茶(プーアルチャ)固有(ならでは)、
霎時(しばし)、黴(かび)を彷彿(おもは)す馨(かをり)を愉(たの)しむ。
小茶壺(きふす)の中(なか)、茶葉(ちやば)は踊(をど)りて熱水(ゆ)に舞(ま)ふ。

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【照相機】:旭光學賓得士K-三數碼單鏡反光照相機
【鏡頭】 :smc 賓得(Pentax)A 2.0/35 @F2.4

【2015-02-01記】:
有一日(あるひ)、内藤新宿(ないとうしんじゆく)なる兩替商(りやうがへしやう)に、、。
晝飧(ひる)は赤坂臺町(あかさかだいまち)より銀座(ぎんざ)に移轉(うつ)りし『涵梅舫』。
眞新(まあらた)しき大厦高樓(たかどの)ゝ八樓(はちかい)。
かつては"宮廷菜(きゆうていれうり)"の美名(な)を恣(ほしいまゝ)にせし舖(みせ)。

老板(あるじ)朱慶東(しゆけいとう)、
白猫黒猫(しろねこくろねこ)の舌(した)を虜(とりこ)にし、
郵政民營化(いうせいみんえいくわ)が袖(そで)を濡(ぬ)らせしと云ふ、
今(いま)や傳説(かたりぐさ)の厨師(いたまへ)

その名の大きなること、宛然(あたかも)、如雷貫耳(いかづちがみゝをつらぬくがごとし)。
朱(しゆ)老板(おやかた)が得手(えて)とする"宮廷菜(きゆうていれうり)"に加(くは)へ、
新(あらた)に、唐山(もろこし)より手煆煉(てだれ)を招聘(まね)き、
"淮揚菜(やうしうれうり)"をも招牌(かんばん)の一(ひと)つに、、。

■【宮廷菜(きゆうていれうり)】:

そもそも夏華(もろこし)"宮廷菜(きゆうていれうり)"と云ふは、
古來(いにしへより)清代(しんのみよ)に至(いた)るまで、
禁裏(おそれおほきところ)にて皇帝(すめらみこと)などやむごとのなき方々に供(いださ)れ、
辛亥革命・大戰(あさのごときよのみだれ)を經(へ)て、今日(いま)に傳(つた)はるもの。

代(しゆうのみよ)以來(よりこのかた)、"八珍(はつちん)"と號(よびな)すものあり。
、王朝(よ)は替(か)はり、洛(みやこ)こそ遷(うつ)れど、
御世(みよ)毎(ごと)に"八珍"なるものあり。
就中(わきても)、清朝(しんのみよ)"滿漢全席(まんかんぜんせき)"があまりに有名(なだか)し。

この滿漢全席(つどひ)では、
"(やま)"、"(うみ)"、"(とり)"、"(きのこのたぐひ)"、
各々の"八珍(はつちん)"を集(あつ)めし"四八珍(よくさのはつちん)"なるものも、、。
現今(いま)"宮廷菜(きゆうていれうり)"を名乘(なの)るは樣々(さまざま)。

仿膳飯莊』、『厲家菜』など、
清朝(いにしへ)御茶膳房(だいばんどころ)が流(なが)れを汲(く)むものも、、。
一時(いッとき)、秋津島大倭(あきつしまおほやまと)に舖(みせ)構(かま)ふるものありき。
六本木(ろつぽんぎ)『厲家菜』に椿山莊(ちんざんさう)『釣魚臺 養源齋*)、これなり。

ともに、その姿(すがた)今(いま)に留(とゞ)めず。
以爲(おもへらく)、
その口味(あぢ)の理解(わか)る者(もの)本朝(わがくに)に稀有(まれ)なればなり。
かくて、漫(みだり)に、粤菜(くわんとん)・川菜(しせん)ばかりが跳梁跋扈(はびこ)る。

■【淮揚菜(やうしうれうり)】:

維基大典(うゐきたいてん)曰(いへらく)、
「その藝(わざ)刀(はうちやうづかひ)を重(おもん)じ
片(うすぎり)は紙(かみ)のごとく、その絲(せんぎり)は髮(かみ)かと疑(うたが)はれ
骨(ほね)を脫(ぬ)きて、なほ、その皮(かは)を破(やぶ)らず。」と。

素材(もと)の味(もちあぢ)を重視(おも)んじ
濃(こ)くして膩(あぶら)強(つよ)きにすぎず
淡(あぢあは)くしてなほ薄(うす)きに偏(かたよ)らず
色彩(いろ)鮮艷(あざやか)にして、造型(かたち)美觀(うつくし)

火(ひ)を用(つか)ふこと巧妙(たくみ)にして
居多(あまた)煮炊(にたき)の諸藝(わざ)に雋(すぐ)る
製湯(しるづく)りに擅長(いちじるしくた)け、
"清湯(すましゞる)"、"奶湯(にごりじる)"とも恣(ほしいまゝ)。

嘗(かつ)て『秦淮春』には正宗(ほんば)淮揚菜(やうしうれうり)ありしかど、
今(いま)は昔(むかし)。
主厨(はないた)去(さ)りて、ありし日(ひ)の姿(すがた)を留(とゞ)めず。
可惜(をしむべし)、寔(まこと)、可惜(をしむべし)!

■【午餐(ひる)の涵梅舫】:

赤坂時代(あかさかにありしころ)『涵梅舫』を覘(のぞ)くこと四度(よたゝび)。
川菜(しせんれうり)、否(いな)、
(しせん)の小喫(むしやしなひ)に過ぎぬ"麻婆豆腐(からみどうふ)"で有名(なだかし)。
その餘(ほか)とて取(と)るに足(た)るものなかりき。

甜點心(あまきもの)ゝ馬拉羹(むしかすていら)は咽喉(のみど)に逆(さか)らひ
豆芽(もやし)の根(ね)は切(き)ることなく打棄(うちや)りし儘(まゝ)
名(な)にし負(お)ふ舖(みせ)なら、かくのごとき暴舉(ふるまひ)は稀(まれ)。
加旃(しかのみならず)、汁碗(しるわん)は陳腐(ありきたり)の粟米湯(たうきびじる)。

有左程(さるほど)に、この中餐(ひる)の菜譜(こんだて)はと瞻(み)るに、
"麻婆豆腐(しせんからみどうふ)"など、兒戲(つまら)ぬ品(しな)ばかり。
堪(たま)りかね、給仕係(きふじ)に「宮廷菜(きゆうていれうり)は?」と訊(たづ)ぬれば、
あるよ~!**)との粗野(あらあら)しき應答(いらへ)。

一頁(いちまい)、また一頁(いちまい)、晩餐(よる)の菜單(しながき)を捲(めく)れば、
慥(たしか)に、"宮廷菜(きゆうていれうり)"、"淮揚菜(やうしうれうり)"盡(づ)くめ。
"黄燜魚翅(ふかひれ)"、"裙邊(すつぽんのえんがは)"、"魚唇(さめのくちびる)"。
さらに、"駝峰(らくだのこぶ)"、"熊掌(くまのたなぞこ)"まで、、。

"裙邊(すつぽんのえんがは)"、"魚唇(さめのくちびる)"、"魚翅(ふかひれ)" は、
何(いづ)れも 清朝(しんのみよ)"水八珍(みづはつちん)"に連(つら)なり、
"龍鬚麪(りやうひげそば)"は、
類稀(たぐひまれ)なる凄腕(すごうで)麪點師(そばうち)の居(ゐ)る證明(あかし)

"拔絲葡萄(ぶだうあめだき)"なるは、かの"拔絲地瓜(からいもあめだき)"と同樣(おなじ)く、
名高(なだか)き魯菜(さんとうれうり)、もしくは魯點(さんとうぐわし)。
客席(きやくせき)での見榮(みばえ)は、かの"叫化童鶏(こじきどり)"、
"烤鴨(あぶりあひる)"、"●●鍋耙(おこげ)"に列(なら)ぶ豪奢(はなや)かさ。

一方(かたや)、"淮揚菜(やうしうれうり)"はと檢(み)るに、
"水晶肴蹄(ぶたすねにくにこゞり)"、"揚州燙干絲(せんぎりおしどうふたれがけ)"、
さらに、近隣(ちかく)の"浙菜(せつかうれうり)"、"東坡肉(とうばにく)"と、
綺羅(きら)星(ほし)のごとき景状(ありさま)。

■【(えら)みし品(しな)】:
あまりのことに周章(うろた)へ、心(こゝろ)ならずも眩暈(めまひ)を覺(おぼ)ゆ。
魂(たましひ)身(み)に沿(そ)はず、
"水晶肴蹄(ぶたすねにくにこゞり)"、"春魚肉皮凍(うをがたのにこゞり)"、
"揚州燙干絲(せんぎりおしどうふたれがけ)"と、つぎつぎ止(とゞ)まるところを知らず。

給仕係(きふじ)、狼狽(あはて)ゝ「結構(けつかう)多(おほ)いよ!」と靜止(おしとゞむ)。
かくて、先(ま)づはこの三品(みしな)に、
家苞(いへつと)ゝして"肉包(にくまん)"を注文(たのむ)。
その勘定(かんじやう)、大約(およそ)五千圓餘(ごせんゑんあまり)。

最初(いやさき)に運(はこ)ばれ來(き)たりし"水晶肴蹄(ぶたすねにくにこゞり)"。
"水晶肴肉"、あるいは單(たん)に"肴肉"と喚做(よびな)さるゝ鎭江名菜(ちんかうめいさい)。
三百有餘年(みもゝとせあまり)の歴史(れきし)を誇(ほこ)り
鹽(しほ)と硝石(しやうせき)とを誤(あやま)ちて偶然(たまさか)成(な)れりとぞ。

これ、"叫化童鶏(こじきどり)"の故事(ふるきはなし)に似(に)る。
遍(あまね)く"杭菜(かうしうれうり)"として世(よ)に認識(し)らるゝも、
源流(みなもと)を薀(たづ)ぬれば、蘇州(そしう)へと辿(たど)り着(つ)く。
因(ちな)みに、『秦淮春』では"肴肉"を"揚州肴肉"と號(よびな)す。

肉(にく)の色(いろ)鮮(あざ)やかなる紅(くれなゐ)にして、
皮凍(にこゞり)は、玻璃(はり)と見紛(みまが)ひ、水晶(すいしやう)かと疑(うたが)はる
何(なに)より驚異(おどろき)は、薑絲(はりしやうが)の(ほそ)さ。
細(ほそ)いばかりか、その太(ふと)さまでもが相均(あひゝとし)

口味(あぢ)の清冽(きよらかにす)めるは勿論(いふもさらなり)。
その儘(まゝ)啖(くら)ふも吉(よし)、香醋(す)を附(つ)くるも好適(よし)、
薑絲(はりしやうが)を添(そ)ふるもまた美味(よし)。
實(げ)に、名菜(めいさい)の尊稱(な)に恥(は)ぢぬ逸品(よきしな)

次(つ)いで"春魚肉皮凍(うをがたのにこゞり)"。
(うを)を象(かたど)りたる肉皮凍(ぶたがはのにこゞり)。
あしらひは黄瓜(きうり)の(うすぎり)。
薄(うす)く均一(ひとし)きは、腕利(うできゝ)の手(て)になる證明(あかし)

姿容(すがたかたち)こそ魚(うを)なれど、
色(いろ)は眩(まばゆ)きばかりの金(こがね)を呈(な)し
鮮明(あざ)やかに透(す)けること、上質(よ)き琥珀(こはく)に髣髴(さもにたり)。  
この世(よ)のものとも思(おも)はれぬ至高(このうへな)き秀麗(うつく)しさ。

一切(ひときれ)箸(はし)に取(と)りてこれを堪能(あぢはふ)。
豬皮(ぶたがは)の膠原纖維(こらあげん)が明膠(ぜらちん)と化(な)りて溶(と)け、
冷(ひ)え固(かた)まりてかくのごとき象(かたち)に、、。
この佐料(たれ)も香醋(す)なれど、香油(ごまあぶら)と大蒜(おほひる)の馨(かをり)。

最後(いやはて)に"揚州燙干絲(せんぎりおしどうふたれがけ)"。
これまた(やうしう)で名菜(なだかきれうり)"燙干絲(せんぎりおしどうふたれがけ)"。
干豆腐絲(せんぎりおしどうふ)に温(あたゝ)かき汁(しる)をかけ、
上(うへ)に薑絲(はりしやうが)をあしらひたるもの。

薑絲(はりしやうが)は"水晶肴蹄(ぶたすねにくにこゞり)"をも凌駕(しの)ぐ細(ほそ)さ。
正(まさ)しく、これぞ、神業(かみわざ)。
但(たゞ)し、丸子(だんご)のごとく固(かた)まり、味(あぢ)にも癖(くせ)。
元來(もとより)、水(みづ)に晒(さら)して漿水(にがり)を拔(ぬ)くが風習(ならひ)。

家苞(いへつと)の"肉包(ぶたまん)"はと瞻(み)るに、
多(おほ)く均(ひと)しき襞(ひだ)に、平伏(ひれふす)ほか術(てだて)なし。
およそ、點心師(てんしんし)の巧拙(よしあし)を窺(うかゞ)ふに、
襞(ひだ)を觀察(み)るに若(し)くはなし

■【結論(まとめ)】:
異朝(もろこし)より本朝(わがくに)ゝ來(き)たりし大物(おほもの)厨師(いたまへ)は、
涵梅舫朱慶東(しゆけいとう)、『趙楊趙楊(ちやうやう)、
全家福蓋文魯(がいぶんろ)、『孫成順(そんせいじゆん)など、
指(ゆび)を折(を)りて數(かぞ)ふるほど。

宮廷菜(きゆうていれうり)に淮揚菜(やうしうれうり)を誇(ほこ)る『涵梅舫』、
正宗川菜(ほんばしせんれうり)を貫(つらぬ)く『趙楊』、魯菜(さんとうれうり)『』、
全家福』は魯菜(さんとうれうり)から滬菜(さんはいれうり)まで何(なん)でもござれ。
やはりその技倆(うで)の凄(すご)さは中國大使館(もろこしたいしくわん)附(づ)きならでは

粤菜(くわんとんれうり)で高名(なだか)き『福臨門』、
新派粤菜(しんぱくわんとんれうり)『白金亭』は何(いづ)れも香港(あちら)の支店(してん)。
新派滬菜(しんぱさんはいれうり)『飛雁閣』は女東道(あるじ)ばかりが目立(めだ)つ。
やり手(て)なれど、主厨(はないた)の技倆(うで)と顏(かほ)が要諦(かなめ)

晝(ひる)の『趙楊』は二度(ふたゝび)、晝(ひる)の『涵梅舫』には四度(よたび)。
ともに午餐(ひるめし)に限(かぎ)るなら、周邊(あたり)の舖(みせ)にも劣(おと)る
しかはあれど、晩餐(よるめし)となるや豹變(へうへん)
須臾(たちまち)、江戸(えど)でも屈指(ゆびをり)の名店(めいてん)と化(な)る

宛然(あたかも)、眠(ねむ)れる獅子(しゝ)の陽(ひ)が沈(しづ)むや
獲物(えもの)を襲(おそ)ひ、讐敵(あだかたき)を蹴散(けち)らすに似(に)たり。
晝(ひる)の顏(かほ)瞻(み)て夜(よる)の貌(かほ)窺(うかゞ)ふは
さながら、蚤蝨(のみしらみ)の象(ざう)を賞(なが)むるにひとしき暴舉(ふるまひ)

家族(うから)ばかりで買賣(あきな)ひ、
厨師(いたまへ)も麪點師(めんてんし)も一人(ひと)でこなす趙楊』。
方(かたや)、夏華(もろこし)を背負(せお)ふ凄腕(すごうで)職人(しよくにん)の
幾人(いくたり)も揃(そろ)ふ涵梅舫』。

敢(あ)へて譬(たと)ふるなら、その相違(たがひ)、
"東道(あるじ)一個(ひとり)の鮓店(すしや)と房(ざしき)ある料理茶屋(れうりぢャや)"
舖(みせ)擴大(ひろ)げばやと血道(ちみち)をあぐる『全家福』、
あまりの大店(おほだな)『福臨門』には眼中(まなこのなか)になし。
 
晝(ひる)俗(よ)に阿(おもね)るは、かつての『趙楊』も『涵梅舫』に同(おな)じなれど、
趙楊』は衆人(もろびと)が味覺(した)に媚諂(こびへつら)ふを嫌(きら)ひ
夜(よる)のみの商賣(あきなひ)とす。
かくて、口味(あぢ)知(し)る客(きやく)ばかりが敷居(しきゐ)を跨(また)ぐことに、、。

老板(あるじ)・主厨(はないた)の顏(かほ)が見(み)えず
供(いださ)るゝ皿(さら)に驚(おどろ)きのなき福臨門』、『白金亭』、『飛雁閣』。
老板(あるじ)の面(おもて)こそ見ゆるも、菜(れうり)に驚(おどろ)きのなき全家福』。
東都(えど)では『趙楊』、『涵梅舫』こそ東西(ひがしとにし)の横綱(よこづな)

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*)明々地(あからさま)に「宮廷菜(きゆうていれうり)」とは稱(とな)へざりき。
**)ありま~す!」に非(あら)ず。

【照相機】:日本光學 尼康(Nikon) Df 數碼單鏡反光照相機
【鏡頭】:.....蔡司(Carl Zeiss) Makro Planar T* 2.0/50 ZF.2 @F2.0

  • 春魚肉皮凍(うをゝかたどりたる、にこゞり)

  • 烤豬腩(かはつきぶたばらやき)

  • 水晶肴蹄(ぶたすねにくにこゞり)

  • 春魚肉皮凍(うをゝかたどりたる、にこゞり)

  • 茶香一品鮮(まつたけときぬがさだけの、すましゞる)

  • 烏龍茶葉(うりようちやのは)

  • 烏龍戲珠(さんとうふう、きんことうづらのかひごにこみ)

  • 金牌扣肉(かはつきぶたばらにく、"たふ"がたむしに)

  • 芝麻餡餠(ごまパイ)

  • 羊眼包子(ひつぢのまなこをかたどりたる、まんぢゆう)

  • 爐肉火鍋(ぶたばらにくとはくさいゝり、いとよきしるのなべ)

  • 肉餠(ほくへいふうのおやき)

  • 桃子包子(もゝまんぢゆう)

  • 拔絲葡萄(ぶだうのあめだき)

  • 拔絲葡萄(ぶだうのあめだき)

  • 菜單(しながき)

  • 屏風(びやうぶ)

  • 小茶壺(きふす)

  • 烤豬腩(かはつきぶたばらやき)

  • 豆豉炒飯(とうちやきめし)

  • 龍鬚麪(りようひげめん)、杏子蜜汁(あんずみつ)

  • 龍鬚麪(りようひげめん)

  • 粟米湯(たうきびじる)

  • 烤豬腩(かはつきぶたばらやき)

  • 烤豬腩(かはつきぶたばらやき)

  • 豆豉(ドウチ、だいとくじなつとう)

  • 龍鬚麭(りようひげめん)

  • 龍鬚麭(りようひげめん)+杏子蜜汁(あんずみつ)

  • 普洱茶(ふじちや)

  • 水晶肴蹄(ぶたすねにくにこゞり)

  • 春魚肉皮凍(うをがたのにこゞり)

  • 水晶肴蹄(ぶたすねにくにこゞり)、薑絲(はりしやうが)に枸杞子(くこのみ)

  • 揚州燙干絲(せんぎりおしどうふたれがけ)、蝦米(ほしえび)に薑絲(はりしやうが)

  • 水晶肴蹄(ぶたすねにくにこゞり)

  • 春魚肉皮凍(うをがたのにこゞり)斷面(きりくち)

  • 春魚肉皮凍(うをがたのにこゞり)

  • 水晶肴蹄(ぶたすねにくれいせい)の佐料(たれ)

  • 春魚肉皮凍(ぶたがはにこゞり)の佐料(たれ)

  • 黄瓜(きうり)の片(うすぎり)

  • 揚州燙干絲(せんぎりおしどうふたれがけ)

  • 薑絲(はりしやうが)

  • 干豆腐絲(せんぎりおしどうふ)

  • 肉包(ぶたまん)

  • 窗際(まどぎは)

お店からの返信

涵梅舫 銀座店

2017/01/23

ごコメントをいただいてありがとうございます。中国料理と歴史をここまでご理解いただいて驚きました。本当に勉強になりました。調理人の一番の誇りは自分の料理をお客様の喜びと理解する事です。ご褒美の言葉いただいて調理人も大喜びでした。今度ご都合のよい時間にお越しいただいて劉さんの龍須麺の実演をします。銀座涵梅舫全体ののスタッフが心をこめて感謝いたします。
ありがとうございます。

2016/12/27 更新

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