酔狂老人卍さんが投稿した青空(東京/新橋)の口コミ詳細

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『此世をハ と里(り)や お暇尓(に) せん古(こ)う能(の) 煙りと供尓(に) 者(は)ひ 左樣なら』 (十返舎一九)

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酔狂老人卍 (70代以上・男性) 認証済

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移転青空新橋、内幸町、銀座/寿司

1

  • 夜の点数:4.0

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 3.5
      • |CP 3.0
      • |酒・ドリンク -
1回目

2009/07 訪問

  • 夜の点数:4.0

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.5
    • | CP3.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

居丈高 夜鷹(よたか)はいたか それみたか 腹は空(す)いたか すしの青空(はるたか)

【2009-07-31追記、評價變更】:
暫(しばら)く前(まへ)とかや、卑彌呼(ひみこ)さま青空に御御脚(おみあし)運(はこ)びたまふ。
その喰(く)ひざまを訊(たづ)ぬるに、人(ひと)に外(はづ)れた夥(おびたゞ)しき數(かず)。
穴子(あなご)十六(とあまりむつ)、玉子燒(たまごや)きなどあはせて少なくとも三十七(みそあまりなゝつ)。
卑彌呼(ひみこ)さま好(この)みたまひし鮪(しび)脂身(あぶらみ)を除(のぞ)きても次(つぎ)のごとし。

穴子(あなご)、穴子(あなご)、穴子(あなご)、穴子(あなご)、
玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、
穴子(あなご)、穴子(あなご)、穴子(あなご)、穴子(あなご)、
玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、

穴子(あなご)、穴子(あなご)、穴子(あなご)、穴子(あなご)、
玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、
穴子(あなご)、穴子(あなご)、穴子(あなご)、穴子(あなご)、
玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き、玉子燒(たまごや)き
(推定)

この日(ひ)の夕(ゆふ)べ、新橋停車場(ていしやば)に降(お)り立(た)つもまだ申(さる)の刻(こく)。
さらば、烏森に在(あ)りて畏(おそ)れ多(おほ)くも卑彌呼(ひみこ)さまの御聲(みこゑ)を伺(うかゞ)ふ。
戲(たはむ)れに青空の名(な)を出すも、呆(あき)れ鼻(はな)でせゝら笑(わら)ひたまふばかり。
某(それがし)、愈々(いよいよ)依怙地(いこぢ)になりて青空の暖簾(のれん)を潛(くゞ)る。

遍(あまね)く知(し)らる、
青空の席(せき)を取(と)ること、銀行(ぎんかう)の金藏(かねぐら)破(やぶ)るよりなほ難(かた)しと。
ところが思(おも)ひがけぬ「六時半までなれば」との答(こたへ)に俄(には)かに色(いろ)めきたつ。
鮨はま田鶴八くま寿司に續(つゞ)き、この日(ひ)も口開(くちあ)けで客(かく)の姿(すがた)なし。

先(ま)づは酒(さけ)を貰(もら)ひ、唐墨(からすみ)を酒菜(さかな)に舌(した)を洗(あら)ふ。
眞子鰈(まこがれひ)、星鰈(ほしがれひ)、星鰈(ほしがれひ)縁側(えんがは)、新子(しんこ)*二つ、
眞鯵(まあぢ)、蒸(む)し鮑(あはび)*二つ、蝦蛄(しやこ)、鮪(しび)赤身(あかみ)、
鮪(しび)中とろ、鮪(しび)脂身(あぶらみ)、鰹(かつを)、穴子(あなご)*四つ、玉子燒(たまごや)き*二つ。

酒(さけ)と酒菜(さかな)に握(にぎ)り鮨(すし)十九(とあまりこゝのつ)で値(あたひ)十九みなほん。
握(にぎ)り鮨(すし)一(ひと)つ當(あた)りおよそ零點九みなほんと前囘(ぜんくわい)竝(なみ)。
土地(とち)、設(しつら)へ、頭數(あたまかず)の差(さ)こそあれ、くま寿司の倍(ばい)に近(ちか)し。
とは云へ、一(ひと)つ當(あた)りおよそ一點五みなほんのすきやばし次郎より遙(はる)かに安(やす)め。

舎利(しやり)は粒(つぶ)が立(た)ち、舌觸(したざは)り滑(なめ)らかなるも酢(す)が際立(きはだ)つ。
「☆は前(まへ)の儘(まゝ)」と思(おも)ひしに、何時(いつ)しか酢(す)の馴染(なじ)むぞめでたし。
甘味(あまみ)を感(かん)ぜぬほど僅(わづ)かな糖(たう)を用(つか)ひ、口(くち)に爽(さは)やか。
小半時(こはんとき)を經(へ)て、舎利(しやり)鮨種(すしだね)と妙(たへ)なる調(しら)べを釀(かも)す。

中(なか)でも穴子(あなご)とこの舎利(しやり)との相性(あいしやう)は飛(と)び切(き)り。
ぽい舎利(しやり)*)を除(のぞ)かば、握(にぎ)りの技(わざ)も巧(たく)み。
「僅(わづ)かに沈(しづ)み、口(くち)にするやはらりと解(ほど)け」云々(うんぬん)は戲言(たはごと)。
以爲(おもへらくは)、粒(つぶ)が立(た)ち、舌觸(したざは)り滑(なめ)らかなるが何(なに)より。

この日の白眉(はくび)は、蒸(む)し鮑(あはび)、穴子(あなご)、玉子燒(たまごや)き。
鮨はま田鶴八くま寿司の鮑(あはび)より大(おほ)ぶりで柔(やは)らかく香(かをり)豐(ゆた)か。
穴子(あなご)は某(それがし)にはくどく感(かん)ずるほどのめくるめく脂(あぶら)乘(の)り。
かの卑彌呼(ひみこ)さま、なほ十六(とあまりむつ)を貪(むさぼ)りたまふも、さもありなん。

玉子燒(たまごや)きは常(つね)のごとく、カステイラの姿(すがた)にスフレの味(あぢ)はひを保(たも)つ。
その舌觸(したざは)りの滑(なめ)らかなること、すきやばし次郎鮨水谷をも凌(しの)ぐ。
とは云へ、寿司幸一門(いちもん)の玉子燒(たまごや)には顏(かほ)の色(いろ)を失(うしな)はん。
藁(わら)で燻(いぶ)したる鰹(かつを)もまた珠玉(しゆぎよく)の味(あぢ)はひ。

蝦蛄(しやこ)は頗(すこぶ)る身(み)厚(あつ)く、能登(のと)は七尾(なゝお)で漁(いさ)りしものとか。
何(なん)の故(ゆゑ)か豫(あらかじ)め茹(ゆ)で置(お)くは訝(いぶ)しき限(かぎ)り。
溜池寿々なれば車蝦(くるまえび)に倣(なら)ひて茹(ゆ)で上(あ)げを剥(む)きて握(にぎ)る。
「漬(つ)け込(こ)み」に比(くら)ぶれば味(あぢ)よしと云へど茹(ゆ)で上(あ)げに如(し)くはなし。

【2008-02-14記、拔粹】:
主(あるじ)の眼(まなこ)を見、その人の聲(こゑ)を聞かば、なかなかに肝(きも)座りたるけはひ。
漬け臺は檜の一枚板にて厚さおよそ一寸半。
かの小笹寿し鮨さいとうなどに比べ聊(いさゝ)かつたなし。

・鮃、魴鯡(はうばう)、小鰭、鯵、鯖、鮪赤身、鮪中トロ、蛤(はまぐり)、穴子、車蝦、海苔卷き(干瓢)、
 玉子燒き、酒(手取川)一合、値一萬一千圓也。

ぬばたまの黒き光を放つ刄(やいば)一閃(いっせん)、鮃は忽(たちま)ち眞二つ。
漁(いさ)りし海によりてか、時季か、切り附けか詳(つまび)らかならざれど、香(かをり)は今ひとつ。
身の活(い)きたるものに比べ齒應(ごた)へに乏(とも)し。
魴鯡(はうばう)は厚く切り附けたせゐか思ひのほか旨みを伴(ともな)ふ。

小鰭はやゝ厚みあるものを半身に作る。
口に抛(はふ)りこむや、鹽(しほ)はほどほどながら、酢際(きは)立ちてすきやばししみづを思はす。
千川すゞ木のごとく〆た鮨種の鹽(しほ)きつき店、二葉鮨のごとく舎利の鹽(しほ)きつき店、
すきやばし一門のごとく〆た鮨種と舎利の酢きつき店とさまざま。

蛤は鹿島灘朝鮮(てうせん)蛤か?。
漬け込み加減ほどよしとは云へ聊(いさゝ)か煮詰め薄し。
穴子は鮨さいとう鶴八一門のそれに劣る。煮詰めも薄く、今一つの出來榮え。

車蝦はすきやばしと同じ大車(おほぐるま)。
茹で上げ端(ばな)を冷まし芝蝦の朧(おぼろ)を挾み、尾を去らぬ儘(まゝ)二つに斷つ。
その味はひ、鮨さいとう小笹(銀座)に劣る。
およそ車蝦の味を決むるは大きさにあらず。

海苔は特別に拵(こしら)へさせた千葉(房州か總州か不詳)のアサクサ海苔と云ふ。
嘗(かつ)て大森から品川にかけては淺草海苔の名産地なれど、絶えて久し。
その味、おぼろげに憶えたりと云へど、この海苔の古(いにしへ)の味か否か定かならず。

玉子燒きは、芝蝦と山の芋を摺り込み、カステラのごとく厚燒きにしたもの。
肌理(きめ)いとも滑らかにて、くま寿司のそれと對照をなす。
思ふに、滑らかなることすきやばし鮨水谷をも凌(しの)ぐ。
この日の白眉(はくび)なれど、鱧(はも)でも摺り込めば更に味はひの深さを増さん。

鮨の姿容(すがたかたち)は親方にそれに似るも聊(いさゝ)か小ぶりで、細長き鮨水谷とも異なる。
横より眺(なが)むれば「扇(あふぎ)の地紙」。
左手親指と右手人差し指を利(き)かして前を押さへ横の面(つら)も殘りの指で綺麗に押さへ込む。
親方の眞似か、捨て舎利するは、ものゝ理(ことわり)に適(かな)わぬ惡(あ)しき倣(なら)ひ。

客あしらひは上々で、居心地のよさは一門の中で拔きん出てをり久兵衞一門に迫る。
主(あるじ)のほか、二番手らしき職人と小僧、更に、茶を運ぶ女二人。
握るは主(あるじ)一人。
この日、偶(たま)さか、名高き作曲家席に連(つら)なるも、主(あるじ)媚びへつらふことなし。

居心地と玉子燒きを除きすきやばしを超えるものはなく、今をときめく若手と較べて聊(いさゝ)か見劣り。
この日はおよそ一つ八・九百圓と、銀座で竝(なみ)。
鮨処しみづに嘗(かつ)ての値ごろ感乏(とも)しくくま寿司の安さばかりが際(きは)立つ。

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*)餘(あま)れる舎利(しやり)を千切(ちぎ)りて櫃(ひつ)に戻(もど)すを、みなほさまかく號(よびな)したまふ。
 「捨(す)て舎利(しやり)」に同じ。

2009/10/16 更新

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