酔狂老人卍さんが投稿したラチュレ(東京/渋谷)の口コミ詳細

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『此世をハ と里(り)や お暇尓(に) せん古(こ)う能(の) 煙りと供尓(に) 者(は)ひ 左樣なら』 (十返舎一九)

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酔狂老人卍 (70代以上・男性) 認証済

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ラチュレ表参道、渋谷、明治神宮前/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2016/11 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

この度(たび)は 野鳥(のゝとり)喰(く)ひに 青山(あをきやま) 雌雉(めきじ)の錦(にしき) 膀胱内(ヴェシーのうち)に

「今(いま)向絶滅(たへな)んとする膀胱包(ヴェッシー、ばうくわう)づゝみ」
「庶幾(こひねが)はくは、一緒(とも)にこれを啖(くら)はん!」
とのありがたき誘(さそ)ひ。
「据膳(すゑぜん)喰(く)はねば肚(はら)が減(へ)る。」

瞬時(またゝくいとま)もあらで、快諾(よろこびいさみてこれをうけたまはる)。
その容(さま)、
草花(くさばな)の風(かぜ)に靡(なび)き、
猫(ねこ)が木天蓼(またゝび)に酩酊(ゑ)ふがごとし。

新派法國菜(しんぱフランスれうり)が旗頭(はたがしら)、
"ポール・ボキューズ"が"ブレス雞(どり)膀胱包(ばうくわうづゝ)み"は、
あまりに高名(なだかし)。
そも、"膀胱包(ばうくわうづゝ)み"は昔(いにしへ)より傳承(つたは)る技法(わざ)

往古(そのかみ)以來(よりこのかた)多用(おほくもちゐ)られ、
現代(いまの)"眞空調理(しんくうてうり)"へと連(つら)なる。
ラグビー蹴球(けまり)の球(たま)の歪(いびつ)なる縁由(ことのよし)、
偏(ひとへ)に豬(ぶた)膀胱(ばうくわう)の形状(かたち) に由來(よる)。

誘(さそ)ひ主(ぬし)と東道(あるじ)室田總主廚(むろたをやかた)とは、
舊知(ふるきなじみ)の間柄(あひだがら)。
吉野建親方(よしのたてるおやかた)の薫陶(をしへ・てほどき)を受(う)け、
古典法國菜(ふるきフランスれうり)に長(た)くるとの噂(うはさ)。

小人(それがし)、傳統(ふるきもの)を愛(め)づること、
宛然(あたかも)、
蝶(てふ)が花(はな)を戀(こ)ひ、
鰻(むなぎ)が坑(あな)に執着(とりすが)るに似(に)たり。

この日(ひ)の宴(うたげ)は、
アミューズに始(はじ)まり、前菜(オルドゥーヴル)、魚(ポアソン)、
肉(ヴィアンド)、菓子(デセール)なる構成(ながれ)。
但(たゞ)し、事情(わけ)ありて菓子(デセール)には到達(いた)らず。

最初(いやさき)に、
蘇格蘭産(スコットランドさん)雷鳥(らいてう、グルーズ)と
琉球産(りうきうさん)高麗雉(かうらいきじ、フェザ)の御披露目(おひろめ)。
桌子(つくゑ)には、狩獵(かり)にて殺害(あや)められし鳥(とり)二羽(には)。

詳細(つぶさ)にその顏色(かんばせ)を觀察(うかゞ)ふに、
海(うみ)よりも深甚(ふか)き遺恨(うらみ)を抱(いだ)き、
無念(むねん)極(きは)まりなき憤怒(いかり)の形相(ぎやうさう)。
、、と云ふは眞赤(まつか)な嘘僞(うそいつはり)。

さながら、
安(やす)らかに眠(ねむ)る童蒙(わらんべ)のごとし。
これを攝氏(せつし)五・六度(ごろくど)にて熟成(ねかしうらす)
雷鳥(らいてう)七日(なのか)、雉(きじ)十四日(とほかあまりよつか)。

前菜(オルドゥーヴル)?として、
"梭魚(かます)冷燻(れいくん)"に"パテ・アンクルト(パイ包み)"。
近會(ちかごろ)巷(ちまた)に跋扈(はびこ)るは、
"パテ"と詐稱(あざむ)き"パイ生地(きぢ)"用(つか)はぬ貨物(しろもの)。

當家(こちら)の"パテ・アンクルト(パイ包み)":
これぞ王道(わうのみち)」と賞賛(ほめたゝ)ふべき一品(ひとしな)。
倩(つらつら)その内容(なかみ)を窺(うかゞ)ふに、
鹿肉(かのしゝ)、野豬肉(ゐのしゝ)、熊肉(くまのしゝ)、鵝肝(フォアグラ)、、。

およそ(かます)と云ふは水氣(みづけ)多(おほ)き魚(うを)なれば、
開(ひら)きて鹽(しほ)して乾(ほ)すが慣習(ならひ)。
鮓店(すしや)なれば"棒鮓(ぼうずし)"と做(な)すが通常(つね)。
當家(こちら)、鹽(しほ)したる後(のち)、冷燻(れいくん)を施(ほどこ)す。

その身(み)は柔(やは)らかく、適度(ほどよ)き水氣(みづけ)を保持(たもつ)
實言(まこと)、拔群(ひとにひいで)たる火入(ひい)れ
ソースの美(うつ)しさも特筆大書(おほいにかきしるす)べきもの。
翡翠(ひすい)かと疑(うたが)はれ、マーブル紙(し)と錯覺(みまがふ)。

"(ポアソン)"はと覽(み)るに、
傳統(いにしへよりつたは)る"ソール・ボン・ファム(したびらめ)"。
由緒(すぢめ)正(たゞ)しき法國魚料理(フランスうをれうり、ポアソン)。
纔(わづ)かながらも鹹(しほから)く、白葡萄酒(さけ)以(も)て漱(くちすゝ)ぐ。

扨(さて)、お次(つぎ)に控(ひか)へし"膀胱包(ばうくわうづゝ)み":
調理前(てうりまへ)の"あの惡臭(にほひ)"に首傾(くびかしぐ)るも、
膀胱(ばうくわう)を切開(きりひら)くや豹變(にはかにさまがはり)。
須臾(たちまち)周邊(あたり)に漂流(たゞよ)ふ妖(あや)しき馨(かをり)

實(げ)に、
惡臭(あしきかをり)と芳香(かぐはしきかをり)は紙一重(かみひとへ)。
就中(わきても)、松露(せうろ、トリュフ)がその證左(あかし)。
桌上(つくゑのうへ)には、分割(とりわけ)濟(ずみ)の銘々皿(めいめいざら)。

僕(やつかれ)、(きじ、フェザ)・雷鳥(らいてう、グルーズ)とも、
口(くち)にするは此度(こだみ)でこれが二度目(にどめ)。
とは云へ、高麗雉(かうらいきじ)は初(はじめて)。
それも(めす)。

雌(めす)の食味(あぢ)は雄(をす)に優(まさ)る。」
とは、御招(おんまね)き頂(いたゞ)きたる方(かた)の説(はなし)。
欝血(ちがたま)りて二週間(にしうかん)の長(なが)きに亙(わた)れど、
その身(み)は想定外(おもひのほか)に白(しろ)く、臭氣(くさみ)もなし

かくて、
只顧(ひたすら)、手羽肉(てば)を喰(く)らひ、腿肉(もゝ)を貪(むさぼ)る。
その容(さま)、惡鬼羅刹(あつきらせつ)に異(こと)ならず。
(にく)のみならず、(かは)の美味(うま)さも一入(ひとしほ)。

慥(たしか)に、雷鳥(らいてう)には臭氣(くさみ)と苦味(にがみ)が伴(ともな)ふ。
然(しか)はあれど、
エスポワールにて閉口(くちをとざ)したるほどの惡臭(あしきかをり)にあらず
然(さ)れば、瞬(またゝ)く中(うち)に皿(さら)は空(から)と化(な)る。

膀胱(ばうくわう)と雷鳥(らいてう)と云ふ惡臭(あしきかをり)の共演(きそひあひ)
實(げ)に、「毒(どく)以(も)て毒(どく)を制(せい)す。」
元來(もとより)、癖(くせ)のある馨(かをり)は嗜(この)むところ。
"くさや"、"臭豆腐(しうどうふ)"、何(いづ)れも同様(しかり)。

故(ゆゑ)ありて、菓子(デセール)を前(まへ)に辭別(いとまごひ)。
女洋菓子職人(パティシエール)の技藝(わざ)を見逃(みのが)したるは、
僕(やつかれ)一世一代(いつせいちだい)の大不覺(だいふかく)。
この女職人(パティシエール)「手煆煉(てだれ)」との評判(うはさ)あり。

桌子(つくゑ)には純白(まし)き亞麻布(リネン)の桌布(テーブルクロス)。
亞麻布(あまぬの)の餐巾(ナプキン)に加(くは)へ、御絞(おしぼ)りまで、、。
麪麭(ぱん)を手掴(てづか)みする洋食(やうしよく)でこそ
御絞(おしぼ)りは不可缺(かくべからざるもの)

そも、眞白(ましろ)き亞麻布(リンネル)は裝飾(かざり)にあらず
周圍(まはり)を柔(やは)らかに照(て)らし返(かへ)す效果(きゝめ)あり。
鮓店(すしや)の(ひのき)もこれに同(おな)じ。
高脚杯(ぐらす)も(さら)も、菜(れうり)を活(い)かす上質品(よきもの)

白瓷器(はくじ)若(も)しくは玻璃(がらす)の碟(さら)にソースを垂(た)らし、
小賢(こざか)しき繪畫(ゑ)を描(ゑが)く近會(ちかごろ)の作法(やりかた)とは、
雲壤(くもとつちほど)の相違(たがひ)
漫(みだり)に賓(ひと)の眼(め)を欺(あざむ)くは廚師(いたまへ)に非(あら)ず

當家(こちら)、かゝる小手先(こてさき)の技藝(わざ)とは無縁(ゆかりなし)
肉用(にくやう)餐刀(ナイフ)の利(するど)さ、使(つか)ひ易(やす)さ
適切(たゞし)き碟(さら)の温度(あたゝかさ)
悉(ことごと)く、小人(それがし)が琴線(こゝろ)に觸(ふ)れて止(や)むことなし。

金屬洋食器(カトラリ)の設置法(おきかた)は英國式(エゲレスしき)。
仰向(あふむ)けとし刻印(こくいん)を表(おもて)となすは、
當家(こちら)老板(あるじ)固有(ならでは)の創意工夫(やりかた)にて、
師匠(おやかた)は法國式(フランスしき)」とのよし。

野獸(のゝけだもの)、野鳥(のゝとり)を扱(あつ)ひながらも、
突(つ)き進(すゝ)むは正統(せいとう)にして王道(わうだう)。
(れうり)、(うつは)、金屬洋食器(カトラリ)、接客(もてなしぶり)、
何(いづ)れも然(しか)り。

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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4

  • 老板(あるじ)室田總主廚(むろたおやかた) 【掲載許可濟】

  • 亭主(あるじ)室田親方(むろたおやかた) 【掲載許可濟】

  • 御絞(おしぼ)り

  • 餐巾(ナプキン)置(お)き

  • 魚用(うをやう)金属洋食器(カトラリ)

  • シャンパーニュ

  • 高脚杯(ぐらす)にシャンパーニュ

  • 膀胱(ヴェッシー、ばうくわう)

  • 雷鳥(らいてう)

  • 雷鳥(らいてう)の首(くび)

  • 琉球産(りうきう)雌高麗雉(めすかうらいきじ)、兜(かぶと)

  • 琉球産(りうきう)雌高麗雉(めすかうらいきじ)、爪(つめ)

  • アミューズ、鹿血(しかのち)、マカロン

  • 胡桃(くるみ)

  • 梭魚(かます)冷燻(れいくん)

  • 梭魚(かます)冷燻(れいくん)、ソース

  • 麪麭(パン)

  • 牛酪(バタ)

  • パテ・アンクルト(パイ包み)

  • パテ・アンクルト(パイ包み)

  • パテ・アンクルト(パイ包み)、棗(なつめ)

  • パテ・アンクルト(パイ包み)、無花果(いちじく)

  • パテ・アンクルト(パイ包み)、蔬菜(あをもの)

  • 白葡萄酒(さけ)

  • 玻璃盞(グラス)に白葡萄酒(さけ)

  • ソール・ボン・ファム(舌鮃)

  • 肉用(にくやう)金属洋食器(カトラリ)

  • 肉餐刀(にくナイフ)

  • 餐叉(フォーク)

  • 餐匙(さじ)

  • 琉球産(りうきうさん)高麗雉(かうらいきぢ)膀胱(ヴェッシー)包(つゝ)み

  • 琉球産(りうきうさん)高麗雉(かうらいきぢ)膀胱(ヴェッシー)包(つゝ)み、蔬菜(あをもの)

  • 琉球産(りうきうさん)高麗雉(かうらいきじ)膀胱(ヴェッシー)包(つゝ)み

  • 琉球産(りうきうさん)高麗雉(かうらいきじ)膀胱(ヴェッシー)包(つゝ)み

  • 琉球産(りうきうさん)高麗雉(かうらいきじ)膀胱(ヴェッシー)包(つゝ)み、高麗雉(かうらいきぢ)

  • 琉球産(りうきうさん)高麗雉(かうらいきじ)膀胱(ヴェッシー)包(つゝ)み、茸(きのこ)

  • 琉球産(りうきうさん)高麗雉(かうらいきじ)膀胱(ヴェッシー)包(つゝ)み、高麗雉(かうらいきぢ)の脚(あし)

  • ブルゴーニュ産(さん)、赤葡萄酒(さけ)

  • 高脚杯(グラス)

  • 玻璃盞(グラス)に赤葡萄酒(さけ)

  • 雷鳥(らいてう)膀胱(ヴェッシー)包(つゝ)み、膀胱(ばうくわう)

  • 膀胱(ばうくわう)の切開(きりさき)

  • 現出(あらはれいで)し雷鳥(らいてう)

  • 雷鳥(らいてう)

2016/12/02 更新

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