7回
2020/06 訪問
「よくぞ茲(こゝ)まで、、」
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 ※2020-06撮影
"黑牛(くろうし)"
玻瓈杯(がらすおうつは)に"黑牛(くろうし)"
鮓種(すしだね)
鮓種(すしだね)
"海膽(うに)"
蝦夷噴火灣(えぞふんくわゝん)の"毛蠘(けがに)"、三百四十七匁(≒1.3kg)
"葡萄鰕(ぶだうえび)"
"富山鰕(とやまえび。=ぼたんえび)"
薩州出水(さつまいづみ)の"竹筴魚(あぢ)"
有明(ありあけ)の"小鰭(こはだ)"
"魨精巣(まふぐのしらこ)"
江州琵琶湖(あうみびはこ)の"鰻(むなぎ)"、三百六十匁(≒1.35kg)六日熟成(うらすことむいか)
常磐(ひたちいはき)の"黃蓋鰈(まこがれひ)"、四百匁(≒1.5kg)+ 房州勝浦(あはかつうら)の"金目鯛(きんめだひ)"、七百二十匁(≒2.7kg)
鹽釜(しほがま)の"鮪(しび)"、七十二貫(≒271kg)、巻網(まきあみ)、熟成六日(うらすことむいか)
御殿塲(ごてんば)田代農園(たしのなうゑん)の"眞妻山葵(まづまわさび)"
"毛蠘(けがに)"+"海膽(うに)"+俄羅斯(ヲロシア)"鱘子醬(てふざめのこしほづけ)"
江州琵琶湖(あうみびはこ)の"鰻(むなぎ)"、三百六十匁(≒1.35kg)六日熟成(うらすことむいか)
吉備兒島灣(きびこじまわん)の"鰻(むなぎ)"、百三十匁(≒500g)十日熟成(うらすことゝほか)
吉備兒島灣(きびこじまわん)の"鰻(むなぎ)"、百三十匁(≒500g)十日熟成(うらすことゝほか)
江州琵琶湖(あうみびはこ)の"鰻肝臓(むなぎのきも)"
常磐(ひたちいはき)の"黃蓋鰈(まこがれひ)"、+"魨精巣(まふぐのしらこ)"
"菹(にらぎ)"
薩州出水(さつまいづみ)の"春子鯛(かすご)"
房州勝浦(あはかつうら)の"金目鯛(きんめだひ)"、七百二十匁(≒2.7kg)
陸州鹽釜(むつしほがま)の"鮪(しび)"、七十二貫(≒271kg)、巻網(まきあみ)、熟成六日(うらすことむいか)
陸州鹽釜(むつしほがま)の"鮪(しび)"、七十二貫(≒271kg)、巻網(まきあみ)、熟成六日(うらすことむいか)
有明(ありあけ)の"小鰭(こはだ)"
蝦夷與市(えぞよいち)の"北紫靈螺子(きたむらさきうに)"
"葡萄鰕(ぶだうえび)"
丹後舞靏(たんごまひづる)の"鳥蛤(とりがひ)"(+肝付(きもつき))
"沙鮻(きすご)"、昆布〆(こぶじめ)→醋洗(すあら)ひ
薩州出水(さつまいづみ)の"竹筴魚(まあぢ)"
薩州出水(さつまいづみ)の"竹筴魚(まあぢ)"
【汁椀(しるわん)】、肥後天草(ひごあまくさ)の"海鰻(はむ)"+羽州秋田(ではあきた)の"蓴(ぬなは)"、溏油(だし):"鼈(かはかめ)"+"利尻一等檢海帶(りしりのいとよきあらめ)"+"鮪脯(しびぶし)"
對馬(つしま)の"星鳗(はかりめ)"
"雞蛋糕(にはとりのたまごやき)"、對蝦(くるまえび)+毛蠘(けがに)
蝦夷羅臼(えぞらうす)の"蝦夷馬糞靈螺子(えぞばふんうに)"+陸州鹽釜(むつしほがま)の"鮪(しび)"
日向(ひむか)の芒果(まんご)"太陽(たいやう)の卵(たまご)"
草莓(いちご)、"越後姫(ゑちごひめ)プレミアム"
2020/06/08 更新
2019/02 訪問
生死(いきしに)を 分(わ)くる狹門際(せとぎは) 今(いま)こそは 行(ゆ)くも不行(ゆかぬ)も 各人(おのおの)ゝ責(せき)
久方(ひさかた)ぶりの『三笠鮨』。
鮓好(すしず)きには徐々(ゆるやか)に認知(し)られつゝあるものゝ、
まだまだ閑散(ひとけもまばら)。
當日(このひ)も臣僕(やつかれ)のほかは、食桌(めしづくゑ)の兩個(ふたり)のみ。
ま、邊鄙(かたゐなか)ゆゑ、致(いた)し方(かた)のなきところ歟(か)?
漬塲(つけば)には最上質(いとよき)魚介(うみのさち)が列(なら)ぶも、
生簀(いけす)は空(から)天竺(てんじく)鼠輩(ねづみのともがら)いけ好(す)かぬ。
何(なん)でも、「生簀(いけす)の魚(いを)は不味(あぢあし)」との説明(よし)。
實(げ)にも!
最佳(いとよ)き魚介(うみのさち)を最惜(いとをし)み、
勞(いた)はり、犒(ねぎら)ひ、慈(いつく)しむの神社(かむやしろ)。
雪櫃(ひむろ)に貯藏(たくは)へ、適宜(ときには)熟成之(これをねかしうらす)。
閑話休題(それはさておき)、
この日(ひ)晝飧(ひるめし)として頂戴(いたゞ)きたるもの:
掃愁帚(さけ)を貰(もら)ひ、餚(さかな)、胾(さしみ)、燒物(やきもの)、
鮓(すし)、椀(しるもの)、果子(くだもの)、と云ふ構成(ながれ)。
掃愁帚(さけ)の餚(さかな)として、盃(さかづき)の"靈螺子醬油(うにじやうゆ)":
無忌憚(はゞかりなく)言(い)ふなら、
「半點(いさゝか)醬油(しやうゆ)が强(つよ)め。」
山葵(わさび)は今(いま)や稀少(まれ)なる御殿塲(ごてんば)の"眞妻種(まづま)"。
盤(さら)の"胾(さしみ)"に驚愕(まなこしろくろ)。
"雲子(くもこ)"+"藜鰕(あかざえび)"+"魚子醬(てふざめはらこ)"、
噴火灣(ふんかわん)の"毛蟹(けがに)"、"葡萄鰕(ぶだうえび)"、
"槍魷魚(やりいか)"、と、豪華絢爛(きらぎやか)なること無限(かぎりなし)。
"槍魷魚(やりいか)"の火候(ひいれ)は完璧(ひのうちどころなし)。
盌(まり)の"葉形仔魚(のれそれ)"は鰹脯溏油(かつをだし)仕立(じた)て。
鮮(なま)の"葉形仔魚(のれそれ)"とは雲壤(くもとつち)ほどの相違(たがひ)。
可惜(をしむらく)は、鰹脯(かつを)の風味(あぢかをり)强(つよ)きこと。
防・長州(すわう・ながと)にて漁(すなどら)れたる"馬鮫(さはら)"は、
一貫目超(いつくわんめごえ、≒4kg)と云ふ立派(みごと)さ。
表面(おもて)ばかりを炭火(すみび)にて叮嚀(ねんごろ)に炙(あぶりや)く。
上品(そこはかとなくやむごとな)き魫(うをのあぶら)に陶醉(よ)はずといふことなし。
鮓(すし)として、
方頭魚(あまだひ)、甲烏賊(かふいか)、南鮪(みなみのしび)、
鮪醬油漬(しびしやうゆづけ)、鮪肥肉(しびのあぶ)、小鰭(こはだ)、
蚶(あかゞひ)、鮏鮞(さけはらこ)、"蝦夷馬糞靈螺子(えぞばふんうに)。
一(ひと)つとして不味(あぢあしき)もの皆無(なし)。
就中(わきても)、
小鰭(こはだ)の絶妙(このうへなき)醢醯(しほとす)には脱帽(したをまく)。
淺(あさ)く〆(しめ)て、なほ、腥(なまぐさ)みと無縁(ゆかりなし)。
靈臝子(うに)の仲卸(なかおろし)でも頂點(いたゞき)と演述(い)ふ、
南千島(みなみちしま)が"蝦夷馬糞靈螺子(えぞばふんうに)"の美味(よきあぢ)にも、
敬服(おそれいり)やの蕣市(あさがほいち)、海膽中之一(うにのいち)。
その費用(つひへ)幾許(いくばく)ぞ?
讃州(さぬき)の"蚶(あかゞひ)"も、まァ御立派(ごりつぱ)! ©ドクシマぱいせん
親方(おやかた)演述(い)ふやう:
「奧州(むつ)閖上(ゆりあげ)は名(な)のみにて、味(あぢ)ならこちら」
と自慢(むねをはる)。
上總竹岡(かみつかさのくにたけをか)の”太刀魚(たちうを)”の美味(よきあぢ)は、
勿論(いふもさらなり) 。
根津(ねづ)の鮮魚肆(あたらしうをゝあきなふいちくら)以來(よりこのかた)、
價格(ね)が昂騰(はねあが)りて停止(とゞま)る兆(きざし)なしとか。
"方頭魚(あまだひ)"の骨邊肉(あら)は、
"椎蕈(しいたけ)"などゝ椀(しるもの)に、、。
やはり"潮汁(うしほじる)"の類(たぐひ)なら『うを徳 』に匹敵(し)くはなし。
とまれ、茲(こゝ)が生死(いきしに)を分(わ)くる狹門際(せとぎは)なるべし。
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【暗箱】 :東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【受象珠】:旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-12撮影分
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 ※2017-12撮影
漬塲(つけば)
高脚盞(ぐらす)に掃愁帚(さけ)
"霊螺子(うに)"醬油(じやうゆ)
"雲子(くもこ)"+"藜鰕(あかざえび)"+"魚子醬(てふざめはらこ)"
蝦夷地(えぞち)噴火灣(ふんかわん)の"毛蟹(けがに)"
蝦夷地(えぞち)の"葡萄鰕(ぶだうえび)"
蝦夷地(えぞち)の"葡萄鰕(ぶだうえび)"
"槍魷魚(やりいか)"
"葉形仔魚(のれそれ)"
防州(すわう)~長州(ながと)の一貫目超(いつくわんめごえ、≒4kg)"馬鮫(さはら)"
防州(すわう)~長州(ながと)の一貫目超(いつくわんめごえ、≒4kg)"馬鮫(さはら)"
"葅(にらぎ)"
防州(すわう)~長州(ながと)の"方頭魚(あまだひ)"
甲烏賊(かふいか、=すみいか)
喜望峯(きばうほう)"南鮪(みなみのしび)"
陸州(むつ)大間(おほま)の"鮪(しび)"、四十四貫(しゞふしくわん、≒164kg)、醬油漬(しやうゆづけ)
陸州(むつ)大間(おほま)の"鮪(しび)"、四十四貫(しゞふしくわん、≒164kg)、肥肉(あぶ)
"小鰭(こはだ)"
讃州(さぬき)の"蚶(あかゞひ)" まァ御立派(ごりつぱ)! ©ドクシマぱいせん
"鮏鮞(さけはらこ)"
"方頭魚(あまだひ)"の骨邊肉(あら)+"椎蕈(しいたけ)"の椀(しるもの)
南千島(みなみちしま)の"蝦夷馬糞霊螺子(えぞばふんうに)"
南千島(みなみちしま)の"蝦夷馬糞霊螺子(えぞばふんうに)"
上總(かみつかさ)竹岡(たけをか)の”太刀魚(たちうを)”
”菓子(くだもの)”:"草莓(いちご)"、"あまおう"
”菓子(くだもの)”:"草莓(いちご)"、白(しろ)
”菓子(くだもの)”:橘(みかん)の類(たぐひ)
2019/02/09 更新
2018/09 訪問
天離(あまさか)る 鄙(ひな)の僻地(へきち)の 松伏(まつぶし)の 『三笠(みかさ)』の舎利(すめし) 大變貌(いたくかはりぬ)
先般(さきごろ)、不本意(こゝろならず)も急病(にはかやまひ)を罹患(わづら)ふ。
折(をり)しも、颱風(のわき)續(つゞ)きで海上(うみ)は時化(しけ)。
かくて、訪問日(たづぬべきひ)が延(の)び延(の)びとなり、
當日(このひ)、遲(おく)れ馳(ば)せの 『三笠鮨』:
東道(あるじ)と御内儀(おかみ)の老生(それがし)を迎(むかふ)ること、
宛然(あたかも)、
千年來(ちとせまへから)の舊友(ふるきとも)でも歡迎(むか)ふるがごとし。
須臾(たちまち)、積(つも)る思(おも)ひ溢(あふ)れて堰(せき)を切(き)る。
あれやこれや、あれもこれも、これもあれも、なにもかも、、
「これほどに最上質(いとよ)き素材(もの)を仕入(しいれ)、
丹精込(まごゝろこめてまをゝしま)ず工作(しごと)するも鮮報(むくひすくなし)!」
疑義(うたがひ)あらば、颳目(まなこけづ)りてよく觀察(み)よ!
仔細(こまかきこと)は省略(はぶく)。
窮理(ものゝことわりをきは)めんと、舎利(すめし)を大改革(おほいにあらたむ)。
近會(ちかごろ)巷(ちまた)では、
醋(す)を際立(た)ゝせ、鹽(しほ)を强(つよ)くするが流行(はやり)。
舎利(すめし)を熱(あつ)くし、
時(とき)に、
鮓種(すしだね)ごとに温度(あたゝかさ)を變化(か)ふる試行(こゝろみ)も、、。
個々(ひとつひとつ)の實驗(こゝろみ)は尊重(うやまふ)に値(あたひ)す。
當家(こちら)も、
甜(あまみ)を控(ひか)へ、醋(す)を强(つよ)く變更(あらたむ)。
口中(くちのなか)へ抛(はう)り込(こ)むや、酸(すみ)浮騰(ほとばし)り、
三噛(みかみ)ほどで、舎利(すめし)、雲散霧消(くもきりときえうせぬ)。
醋(す)は以前同樣(まへとおなじく)紅白二色(あかしろふたくさ)。
米(こめ)、醋(す)、鹽(しほ)、温度(あたゝかさ)、、
舎利(すめし)の味(あぢ)を左右(さいう)する要素(もの)少(すく)なからず。
參考(ちな)みに、古今名店(むかしといまのなだかきみせ)は、
米一升(こめいつしやう)に、
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酢(cc) 鹽(g) 砂糖(g) 酢
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一)華屋與兵衞(小泉清三郎)90 80 ---- 中埜"山吹"
90 90 ---- 「すし通」、
「家庭鮓のつけ方」
二)美佐古鮨 270 90 ---- 「すし通」
三)新富鮨 270 135 ---- 「すし通」
四)毛拔鮓 225 豬口1.5 ---- 「すし通」
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五)乃池 135 100 ---- 赤酢?
六)辯天山美家古壽司 180 40 20 酒粕添加の米酢、
横井"珠玉"
"赤酢"とも言へる
七)淺草"壽司清" 300 25 12.5 赤酢
八)福元 200 60 60
九)鮨わたなべ 200 18 8
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山葵(わさび)は、
不問晝夜(ひるよるとはで)、漬塲前(つけばまへ)なら、
價格(ね)の高(たか)き、御殿塲眞妻種(ごてんばまづま)を專用(もつぱらつかふ)。
今(いま)や貴重品(いとたふたきしな)。
東道(あるじ)菅山親方(すがやまおやかた)、
「暴騰(はげしくねのあがる)こと、鮪(しび)に同(おな)じ」、
「今(いま)や、亞細亞(アジア)どころか、杜拜(ドバイ)まで!」
と、うち哭(なげ)き袖(そで)を濡(ぬ)らす。
最上質(いとよきもの)用(つか)ふからには、
それなりの費用(つひへ)が必要(いる)。
これに無視(めをとざ)し、したりし顏(がほ)にゴチャゴチャ論(ぬ)かすは、
贋者(にせもの)・愚者(しれもの)ゝ類(たぐひ)。
遠州(とほとほみ)棘鋸蝤蛑(とげのこぎりがざみ、どうまんがに)、
肥前串野(ひぜんくしの)赤海膽(あかうに)、
仙鳳趾(せんぽうし)の眞蠔(まがき)、二種(ふたくさ)の天然鰻(てんねんむなぎ)、
信州(しなの)ゝ松茸(まつたけ)など山海珍味(うみやまのさち)盡(づ)くし。
就中(わきても)感服(したをま)きしが、蝦夷(えぞ)余市(よいち)の鰤(ぶり)。
時季(とき)得(え)たる氷見寒鰤(ひみのかんぶり)に無遜色(まさるともおとらず)。
余市(よいち)で狂騒(さはぎ)となりしは、極最近(つひさきごろ)のこと。
"麗玉(れいぎよく)"なる李(すもゝ)にも肝魂(きもたましひ)を失(うしな)ふ。
巷(ちまた)の"蛤(はまぐり)"は過半(あらかた)"朝鮮蛤(てうせんはまぐり)"。
當家(こちら)のは、その手(て)は桑名(くはな)の文蛤(ほんはまぐり)
『うを徳』に比較(くらべ)て半點(いさゝか)小振(こぶ)り。
「大(おほ)きなもの求(もと)むれど、魚市塲(いちば)に皆無(なし)」とのこと。
「雲州(いづも)宍道湖(しんじこ)の鰻(むなぎ)も入手不可(えられず)。」
と、口惜(くちを)しがる。
「皮(かは)を脆(もろ)く、身(み)は蕩(とろ)けんばかりに嫩(やはらか)」
と云ふ「廚藝(わざ)」も『うを徳』に一日之長(いちじつのちやう)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :福倫達(Voigtlaender) NOKTON 1.5/50 As. VM @F2.4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-12撮影分
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 ※2017-12撮影
遠州(とほとほみ)濱名湖(はまなこ)棘鋸蝤蛑(とげのこぎりがざみ、どうまんがに)
信州(しなの)松茸(まつたけ)
蝦夷馬糞海膽(えぞばふんうに)
對馬(つしま)星鳗(あなご)
肥前串野(ひぜんくしの)赤海膽(あかうに)+上總大原(かづさおほはら)黑蚫(くろあはび)
遠州(とほとほみ)濱名湖(はまなこ)棘鋸蝤蛑(とげのこぎりがざみ、どうまんがに)
蝦夷馬糞海膽(えぞばふんうに)?
江州(とほとほみ)琵琶湖(びはこ)鰻(むなぎ)白燒(しらやき)
羽州(では)八郎潟(はちらうがた)鰻(むなぎ)蒲燒(かばやき)、十日熟成(とほかねかし)
蝦夷(えぞ)仙鳳趾(せんぽうし)の眞蠔(まがき)
九百匁(≒3.5kg)鮃(ひらめ)、四日熟成(よつかねかし)
二貫七百匁(≒10kg)蝦夷(えぞ)余市(よいち)の鰤(ぶり)
墨烏賊(すみいか)の新子(しんこ)
七十貫卅百匁(≒290kg)米利堅(めりけん)波士頓(ボストン)の鮪(しび)
七十貫卅百匁(≒290kg)米利堅(めりけん)波士頓(ボストン)の鮪(しび)肥肉(あぶらみ)
四十貫卅百匁(≒160kg)陸州(むつ)大間(おほま)の鮪(しび)肥肉(あぶらみ)
肥後(ひご)天草(あまくさ)小鰭(こはだ)の新子(しんこ)
蝦蛄(しやこ)漬込(つけこみ)
子持蝦蛄(こもちしやこ)漬込(つけこみ)
蝦夷(えぞ)北寄貝(ほつきがひ)
信州(しなの)焼松茸(やきまつたけ)
松茸(まつたけ)と車鰕(くるまえび)の土瓶蒸(どびんむし)
その手(て)は桑名(くはな)の文蛤(ほんはまぐり)
對馬(つしま)星鳗(あなご)、煮詰(につめ)
對馬(つしま)星鳗(あなご)、鹽(しほ)
蝦夷馬糞海膽(えぞばふんうに)+(おほま)の鮪(しび)
信州(しなの)李(すもゝ)"麗玉(れいぎよく)"
信州(しなの)李(すもゝ)"麗玉(れいぎよく)"
"麗玉(れいぎよく)"
信州(しなの)葡萄(ぶだう)”長野パープル”
甜瓜(めろん)
2018/10/02 更新
2018/04 訪問
時不利兮客不入(ときにりあらずひといらず)、客不入兮可奈何(ひといらざるをいかにせん)
「手藥煉(てぐすね)引(ひ)きて待機(まちかまへ)、、」
とは、正(まさ)にこのこと。
「何日頃(いつごろ)伺(うかゞ)ふべきや?」と打電話(たづ)ぬるに、
「今日(けふ)、これから直(す)ぐにでも!」との應答(いらへ)。
これには、吃驚(びつくり)、燒栗(やきぐり)、I agree(アイアグリー)。
己(おのれ)の顏(つら)は、超(まじ)Ugly(アグリー)。
「なら、今(いま)」、と云ふ經緯(やりとり)にて四ヶ月(よつき)ぶりの『三笠鮨』。
この日(ひ)も、最上鮓種(いとよきすしだね)盡(づ)くしの晝飧(ひる)。
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■最上素材(このうへなきすしだね)
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「魚河岸一番(かしいちばん)」と云ふ房州勝浦(あはかつうら)の"鮪(しび)"、
一貫目超(いつくわんめをこ)す、
"障泥烏賊(あふりいか)"、"星鰈(ほしがれひ)"、"金目鯛(きんめだひ)"、など、
枚舉(かぞ)ふるに遑(いとま)あらず。
倩(つらつら)、
大(おほ)ぶりの鮓種(すしだね)の處理(あつかひ)を注視(うかゞひみる)に、
その厚(あつ)さに挑戰(いど)むがごとく、
巧妙(たくみ)、かつ、叮嚀(ねんごろ)に庖丁(はうちやう)を施(ほどこ)す。
纖維(すぢ)を斷(た)ち、
煮切豉油(にきり)を絡(から)み易(やす)くせんとする奧技(ひめわざ)。
温度(あたゝかさ)、熟成(うらしかた)、ともに適切(ほどよし)。
舎利(すめし)との相性(つりあひ)また然(しか)り。
一方(かたや)、"金目鯛(きんめ)"には炭火責(すみびぜ)め。
火(ひ)に遭(あ)ひてその全身(み)より膩(あぶら)の浮騰(ほとばし)ること、
盛期(さかり)の"狹眞魚(さまうを)"に異(こと)ならず。
熱源(ひ)は日向備長炭(ひむかびんちやうたん)。
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■鰻(むなぎ)に長足進歩(めをみはるほどのすゝみかた)
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"鰻(うなぎ)"も日向備長炭(しろずみ)にて烤(あぶりや)く。
龝(あき)の鰻(うなぎ)には不及(およばね)ど、
技倆(うで)は、前囘(まへ)に較(くら)べて長足進歩(めをみはるほどのすゝみかた)。
"地燒(ぢやき)"は食感(はごたへ・したざはり)の對比(たがひ)が命(いのち)。
i.e.,「脆(もろ)き皮(かは)に、蕩(とろ)けんばかりの身(み)」
と云ふが、"地燒(ぢやき)"の理想(めざすべきところ)。
倩(つらつら)菅山親方(すがやまおやかた)の烹調(しごとぶり)を觀察(うかゞ)ふに、
炙(あぶ)ること大約(およそ)十分(じッぷん)。
俚諺(ことわざ)に曰(いは)く、
「身皮(みかは)の炙(やき)に終焉(をはり)なし!」
愚按(やつがれおもふに)、
文火(よはび)で氣長(きなが)に烤(あぶりや)くが最善(なにより)。
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■無缺(あしきところなし)と云へど、無尖(とがりたるところもなし)
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扨(さて)、舎利(すめし):
醢醯(しほかげん、すかげん)、温度(あたゝかさ)、水分量(みづけ)、
平滑性(なめらかさ)、粒立(つぶだ)ち、、、
悉(ことごと)く無問題(くびかしぐるところなし)。
口中(くち)に抛(はう)り込(こ)むや、
須臾(たちまち)炸裂(はぢけちる)こと、鳳仙花(ほうせんくわ)のごとし。
鮓種(すしだね)との相性(あひしやう)も適切(なかなか)。
一(ひと)つとして無缺(あしきところな)きが、缺點(かくるところ)歟(か)?
精麁(よしあし)は另(べつ)にして、
特徴(しるし)ある舎利(すめし)は、耳目(みゝとめ)を奪(うば)ふもの。
『初音鮨』、『豬股』、嘗(かつ)ての『とかみ』、『佐竹』、『やまだ』、
何(いづ)れも然(しか)り。
複數(いくつも)の醋(す)を用(つか)ひ分(わ)け、
醢醯(しほとす)を强(つよ)くし、粒立(つぶだち)を突出(きはだゝ)す。
温度(あたゝかさ)、その昇降(あがりさがり)など、千差萬別(みせごとにさまざま)。
中(なか)には芯(しん)の殘存(のこ)るほどに激烈(はげし)き舎利(すめし)も、、。
今(いま)や「日本一(ひのもといち)」とも賞賛(たゝへら)るゝ『さいたう』、
それに肉薄(せま)る『すぎた』、長期熟成(ながきうらしの)『喜邑』:
元來(もとより)、特徴(きはだちたるしるし)なき鮓店(すしや)なりしかど、
何(いづ)れもこの十年(とゝせ)で變身(かはりみ)を果(は)たす。
『すぎた』は嘗(かつ)ての『都壽司』。
廉(やす)きばかりで顯著(あらは)なる特徴(しるし)なきに、
互聯網(ねッと)にて騒(さは)がれて以來(よりこのかた)、
技藝(わざ)を磨(みが)き、素材(すしだね)も上質(よ)きものへと變更(きりかへ)。
小人(それがし)、
獨立(ひとりだち)して『すぎた』と化(な)りてからは不案内(しらね)ど、
「地位(くらゐ)が職人(ひと)を作(つく)る」、
あるいは、「虚談(うそ) から出(いで)し眞實(まこと)」とでも評(い)ふべき。
窮餘(きゆうよ)の策(さく)で長期熟成(ながきうらし)に賭(か)けた『喜邑』、
前述(くだん)の『初音鮨』、『豬股』も、長期熟成(ながきうらし)を得手(えて)とす。
ともあれ、
舎利(すめし)and/or鮓種(すしだね)に、顯著(あらは)なる特徴(しるし)あり。
熟成(うらし)を避(さ)け、舎利(すめし)も陳腐(ありきたり)でありながら、
俄頃(にはか)に人氣店(ひとのあつまるみせ)となりしが『うを德』。
京割烹(みやこのわざ)を自家藥籠中(わがもの)となし、
鰻(むなぎ)と水果(くだもの)に雋(すぐ)る。
閑話休題(それはさておき)、當家(こちら)『三笠鮨』:
魚介(うみのさち)こそ他(よそ)を睥睨(みお)ろすほどに秀逸(とびきり)なれど、
舎利(すめし)は半點(いさゝか)謙虚(おとなしく・ひかへめ)。
爪先(つまさき)ほどの缺點(あしきところ)もなき優等生(かしこすぎるをとこ)。
=======================================
■不足(たらざる)ものとは?
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女(をんな)が不良(わる)に惹(ひ)かるゝがごとく、
客人(ひと)は何(なん)らかの新規性(めあたらしさ)、
時(とき)に「邪道(よこしま)」と譏(そし)らるゝものを希求(もとむ)。
特選素材(とびきりのすしだね)ばかりでは東都(えど)から客(ひと)を呼(よ)べぬ。
東都(えど)から客(ひと)を呼(よ)ぶに不可缺 (かくべからざる)もの:
それが何(なに)なの歟(か)?
敢(あ)へて不良(わる)になるべき歟(か)?
それとも、屋號(みせのな)・普請(しつらへ)を變化(か)へるの歟(か)?
改裝(しつらへをか)へるには、
孔方(ぜに)が必要(い)り、鮓(すし)の味(あぢ)にも直結(むすびつか)ず。
小人(それがし)に解決策(よきちゑ)は思(おも)ひ浮(う)かばず、
親方(おやかた)も日々(ひゞ)暗中摸索中(てさぐりのさなか)とか、、。
『すぎた』は、
「地位(くらゐ)が職人(ひと)を作(つく)る」、
「妄語(うそ) から出(いで)し眞實(まこと)」。
しかし、「虚談(うそ)も百度(もゝたび)、、 」と云ふ惡例(あしきためし)も、、。
互聯網(ねッと)を惡用(よこしまにもてあそ)び、
「虚談(うそ)も百度(もゝたび)反復(くりかへ)さば眞實(まこと) 」となるは、
親方(おやかた)希望(のぞ)むところにあらず。
冀(こひねが)はくは、諸兄(みなさま)の忌憚(はゞかること)なき直言(こゑ)を!
因(ちな)みに、當日(このひ)の菜譜(こんだて)は如下(つぎのとほり):
=======================================
【殽(さかな)】:
・先附(さきづけ)
・長州(ながとのくに)蚫(あはび)、二百四十匁(≒900g)
・肥後天草(ひごあまくさ)鰻(むなぎ)、百六十匁(≒600g)
・土瓶蒸(どびんむし)
巻(まき)、文蛤(はまぐり)、櫻鰕(さくらえび)、香茹(しいたけ)
【鮓(すし)】:
・相州佐島(さがみのくにさじま)障泥烏賊(あふりいか)、一貫六十七匁(≒4kg)
・星鰈+縁側(ほしがれひ+えんがは)、一貫六十七匁(≒4kg)
・播州明石(はりまのくにあかし)眞鯛(まだひ)、一貫目(≒3.8kg)
・房州勝浦(あはかつうら)金目鯛炙(きんめだひあぶり)、一貫六十七匁(≒4kg)
・NZ(ニュージーランド)南鮪豆油漬(みなみまぐろしやうゆづけ)、
・房州勝浦(あはかつうら)鮪中肥肉(しびちゆうあぶ)、四十三貫七百匁(≒164kg)
・房州勝浦(あはかつうら)鮪肥肉(しびあぶ)、四十三貫七百匁(≒164kg)
・小鰭(こはだ)
・車鰕(くるまえび)
・淡路嶋(あはぢしま)、眞鰺(まあぢ)
・羽根田(はねだ)星鳗(はかりめ) ※←無写真(とりわすれ)
・雞蛋焼(たまごやき) 車鰕(くるまえび)、山藥(やまのいも)
・手卷鐵火(てまきてつくわ)
【甜品(あまみ)】:
・橘バヴァロア(オレンヂ・バヴァロア)の類(たぐひ)
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 ※2017-12撮影
高脚杯(ぐらす)に掃愁帚(さけ)
先附(さきづけ)
相州佐島(さがみのくにさじま)障泥烏賊(あふりいか)
長州(ながとのくに)蚫(あはび)
肥後天草(ひごあまくさ)鰻(むなぎ)
肥後天草(ひごあまくさ)鰻(むなぎ)
星鰈(ほしがれひ)+縁側(えんがは)
播州明石(はりまのくにあかし)眞鯛(まだひ)
房州勝浦(あはかつうら)金目鯛(きんめだひ)
NZ南鮪(みなみまぐろ)紅肉(あかみ)
房州勝浦(あはかつうら)鮪(しび)中肥肉(ちゆうあぶ)
房州勝浦(あはかつうら)鮪(しび)肥肉(あぶ)
小鰭(こはだ)
車鰕(くるまえび)
淡路嶋(あはぢしま)、眞鰺(まあぢ)
雞蛋焼(たまごやき)
土瓶蒸(どびんむし)
手卷(てまき)鐵火(てつくわ)
橘バヴァロア(オレンヂ・バヴァロア)
2018/04/15 更新
2017/12 訪問
太鼓腹(たいこばら) 美酒(よきさけ)呷(あふ)り 三厩(みんまや)てふ 『三笠』の鮪(しび)に 出(いで)し息(いき)かも
泡沫(うたかた)の狂騒(ばかさはぎ)に浮(う)かるゝ東都(えど)の鮓店(すしや)。
他方(かたや)、天離(あまさか)る鄙(ひな)に佳店(よきみせ)は稀(まれ)。
前日(まへのひ)の惡(あ)しき記憶(おもひ)を拂拭(ふりはら)はんと、
口直(くちなほ)しに當家(こちら)『三笠鮨』を訪問(たづぬ)。
鮪(しび)、眞鯖(さば)、星鳗(あなご)は紅醋(あか)、
白身(しろみ)などは米醋(しろ)と、
鮓種(すしだね)に依存(よ)り紅醋(あかず)を用(つか)ひ分(わ)くるは、
前二囘(まへ)に寸毫(つゆ)異(こと)なることなし。
醢醯(しほかげん、すかげん)、温度(あたゝかさ)、水分量(みづけ)、
平滑(なめ)らかさ、粒立(つぶだ)ち、ほゞ無缺點(あしきところな)く、
口中(くち)に抛(はう)り込(こ)むや、口中(くちのなか)に炸裂(はぢけちる)。
たゞ、『初音』、『やまだ』、『佐竹』ほどの「尖鋭性(あらぶるたましひ)」はなし。
『初音』はや「高嶺(たかね)の花(はな)」。
と云ふより、今(いま)や夜空(よぞら)の月(つき)よりなほ遠(とほ)く、
十月十日(とつきとほか)俟(ま)てど、暮(く)らせど、
暖簾(のれん)潛(くゞ)るは不可能(かなはず)といふ景状(ありさま)。
『初音』に、衆人(もろびと)殺到(おしあひへしあひ)する容(さま)、
宛然(あたかも)、
正月(しやうがつ)の福袋(ふくぶくろ)に蝟集(むらが)る群衆(たみ)のごとし。
あな、うたてしやな!
當家(こちら)の舎利(すめし):
肝魂(きもたましひ)を奪(うば)ひ、瞠目(まなこをひら)かすほどにはあらねど、
往古(ふる)き烹調法(たつき)を墨守(かたくなにまも)る老舖(しにせ)より、
一日之長(いちじつのちやう)、羊膓(ひつぢのちやう) 、夜之蝶(よるのてふ)。
毛蟹(けがに)ばかりは、半點(いさゝか)握(にぎ)りが緩(ゆる)く、
指(ゆび)に向崩潰(くづれな)んとするも、
その餘(ほか)は、
能(よ)く、老(お)いさらばへ震える櫡(はし)にも耐(た)へたり。
『豬股』と同樣(おな)じく、
鮪(しび)と海膽(うに)は市塲(いちば)でも最上質(とびきりのもの)。
小鰭(こはだ)、星鳗(はかりめ)には技倆(うで)が要(い)り、
技藝(わざ)あれど、鄙(ゐなか)に客(かく)呼(よ)ぶは至難(いとかた)きこと。
小鰭(こはだ)、眞鯖(さば)の〆方(しめかた)も纖細(こまやか)で、
味覺(した)に逆(さか)らふこともなし。
やはり、「鄙(ひな)には稀(まれ)なる佳舖(よきみせ)」
と賞賛(てばなしでほめたゝふ)ほか術策(すべ)なし。
山葵(わさび)は御殿場(ごてんば)の眞妻種(まづま)。
鮫皮(さめがは)用(つか)ひ、頻繁(こまめ)に卸之(これをおろす)。
「お任(まか)せ」を嫌(きら)ひ、
魚介(うを)より廚藝(わざ)を重視(おもんず)る眼(め)にも怡(よろこ)ばしきこと。
因(ちな)みに、當日(このひ)の菜譜(こんだて)は如下(つぎのとほり):
=======================================
・玉薤(さけ)
・殽(さかな)
・上総竹岡(かづさたけおか)眞鯛(まだひ)
一貫目九十匁(≒4.1kg)竹岡沖(たけおかおき)、四日目(よつかめ)
・相州佐島(さがみさじま)甘鯛(あまだひ) 四日目(よつかめ)
・相州佐島(さがみさじま)障泥烏賊(あふりいか) 四日目(よつかめ)
・陸州三厩(むつみんまや)鮪(しび)三十六貫(≒137kg) 紅肉(あかみ)
・陸州三厩(むつみんまや)鮪(しび)三十六貫(≒137kg) 中肥肉(ちゆうあぶ)
・陸州三厩(むつみんまや)鮪(しび)三十六貫(≒137kg) 肥肉(あぶ)
・小鰭(こはだ) 立鹽(たてじほ)●分、醋(す)▲分半
・長州萩(ながとはぎ)海鸛貝(あかゞひ)
・蝦夷噴火灣(えぞふんくわゝん)毛蟹(けがに)+茨蟹(いばらがに)
・豐後別府(ぶんごべつぷ)大車蝦(おほくるまえび)
活(いけ)の茹上(ゆであ)げ
・眞鯖(まさば) 四日目(よつかめ)
・蝦夷濱中(えぞはまなか)蝦夷馬糞海膽(えぞばふんうに)
・奥州大間(むつおほま)の鮪(しび)
手卷(てまき)鐵火(てつくわ)、廿六日(はつかあまりむいか)
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 ※2017-12撮影
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 ※2017-12撮影
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 ※2017-12撮影
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 ※2017-12撮影
三厩(みんまや)鮪(しび)
蝦夷濱中(えぞはまなか)蝦夷馬糞海膽(えぞばふんうに)
玉薤(さけ)
殽(さかな)
殽(さかな)
殽(さかな)
上総竹岡(かづさたけおか)眞鯛(まだひ)
相州佐島(さがみさじま)甘鯛(あまだひ)
相州佐島(さがみさじま)障泥烏賊(あふりいか)
奥州三厩(むつみんまや)鮪(しび)
奥州三厩(むつみんまや)鮪(しび)中肥肉(ちゆうあぶ)
奥州三厩(むつみんまや)鮪(しび)肥肉(あぶ)
小鰭(こはだ)
長州萩(ながとはぎ)魁蛤(あかゞひ)
蝦夷噴火灣(えぞふんくわゝん)毛蟹(けがに)
豐後別府(ぶんごべつぷ)大車蝦(おほくるまえび)
豐後別府(ぶんごべつぷ)大車蝦(おほくるまえび)
眞鯖(さば)
蝦夷濱中(えぞはまなか)蝦夷馬糞海膽(えぞばふんうに)
星鳗(はかりめ)
手卷(てまき)鐵火(てつくわ)
生薑(はじかみ)
甘味(あまきもの)
茶(ちや)
2017/12/10 更新
2017/07 訪問
誰(たれ)もかも 行(ゆ)く人(ひと)のなき 葛飾(かつしか)の 松伏町(まつぶしまち)の 鮓(すし)なら喰(く)ふに
鮓種(すしだね)の上質(よ)さは既知(すでにしらる)ゝところ。
此度(こだみ)は、
築地一(つきぢいち)と云ふ蝦夷紫海膽(えぞむらさきう尓)に、
駭(おどろ)くほどに價格(ね)の張(は)る大車鰕(おほくるまえび)などなど、、。
舎利(しやり)の精麁(よしあし):
これこそ、握(にぎ)り鮓(すし)の好醜(よしあし)を測(はか)る尺度(ものさし)。
倩(つらつら)その米粒(こめつぶ)を窺(うかゞ)ふに、
粒(つぶ)が立(た)ちて、しかも舌(した)に滑(なめ)らか。
口中(くち)に抛込(はうりこ)むや、
米粒(こめつぶ)の四角八方(よも)に跳躍(はねをど)ること、
鳳仙花(ほうせんくわ)の種(たね)の爪先(つまさき)に炸裂(はぢけち)るがごとし。
前囘(まへ)に比較(くら)べ、小人(それがし)が嗜好(このみ)に接近(ちかづく)。
その縁由(ことのよし)、
偏(ひとへ)に水分量(みづけ)の調整(とゝのへかた)にあり。
これに停滯(とゞまること)なく、更(さら)に改良(よくせ)ばやと、
日々(ひゞ)鋭意努力中(てさぐりのさなか)と云ふ。
紅白(あかしろ)二種(ふたくさ)の醋(す)を用(つか)ひ分(わ)け、
鮓種(すしだね)を活(い)かすは、前(まへ)に寸毫(つゆ)異(こと)なるところなし。
酸(す)は纔(わづ)かながらも弱(よは)め歟(か)?
鹽(しほ)は適度(ほどよ)く、餘(あま)ることも足(た)らざることもなし。
鮪(しび)や魷魚(いか)への庖丁技藝(はうちやうわざ)も、前囘同樣(まへにおなじ)。
穴子(あなご)はまたも稀少(まれ)なる羽根田沖(はねだおき)。
やはり"星鳗(あなご)"は老舖(しにせ)に限(かぎ)る。
「鮃(ひらめ)に甘鰕(あまえび)」といふ"煎雞蛋(たまごやき)"も今一(いまひと)つ。
小人(それがし)一人(ひとり)のため、
一時間半前(いちじかんはんまへ)から、
叮嚀(ねんごろ)に炙(あぶ)りたる鰻(むなぎ)白燒(しらやき):
狙(ねら)ひは理解(わか)るものゝ、方法(やりかた)には首(くび)を傾(かし)ぐ。
「備長炭(しろずみ)の遠火(とほび)」
との説明(はなし)なれど、百九十匁(≒500g強)の大(おほ)きさで、
一時間半(いちじかんはん)では半點(いさゝか)火(ひ)の遠(とほ)過(す)ぎ。
その二倍(にばい)の鰻(むなぎ)でも四十分(よんじつぷん)も不要(いらぬ)。
適切(ほどよ)き火候(ひいれ)なら、
皮(かは)は脆皮(カリカリ)に、
身(み)は膩(あぶら)と瑞々(みづみづ)しさを保(たも)ちつゝ、
蕩(とろ)けんばかりの嫩(やはらか)さとなるが常識(よのならひ)。
賓(まらうど)は僕(やつかれ)一人(ひとり)。
一人(ひとり)のために、
炭(すみ)を熾(おこ)し、鰻(むなぎ)を燒(や)き、
飯(めし)を炊(た)きて、二種(ふたくさ)の舎利(しやり)と成(な)す。
これには、鐵面(あつかま)しき僕(やつかれ)も恐縮(おそれい)るほかなし。
雞卵燒(たまごやき)、鰻(むなぎ)など、
改良(あらた)むべき餘地(ところ)は散見(いくつかあ)れど、
眞摯(まじめ)に他人(あだしひと)の意見(はなし)にも傾聽(みゝをかたぶく)。
粗削(あらけづ)りなれど、大器(おほもの)ゝ片鱗(しるし)あり。
直向(ひたむ)きに精進努力(おのれをみが)ゝんとする意欲(こゝろざし)や吉(よし)!
されば、これからの發展可能性(のびしろ)は無限(かぎりなし)。
鮓通(よくすしをしるかた)の嚴正(きびし)き指摘(をしへ)を希(こひねが)ふ!
因(ちな)みに、この日(ひ)の菜譜(こんだて)は如下(つぎのとほり):
========================================
鮃(ひらめ)
鮪(しび)、三種(みくさ)
新子(しんこ)八枚漬(はちまいづけ)
春子(かすご)のごとく黄身酢魚鬆(きみずおぼろ)漬(づ)けの眞鯛(まだひ)
眞鰺(まあぢ)
大車鰕(おほくるまえび)
鰻(むなぎ)白燒(しらやき) 霞ヶ浦(かすみがうら)百九十匁(≒500g強)
劍先烏賊(けんさきいか) 三日熟成(みつかねかし)
毛蟹(けがに)?
蒸鰒(むしあはび)
蝦夷紫海膽(えぞむらさきうに)
小柱(こばしら)
蝦夷馬糞海膽(えぞばふんうに)
星鳗(あなご) 羽根田沖(はねだおき)
蛋糕(かすていら)雞卵燒(たまごやき)
出汁卷(だしまき)雞卵(たまご)
咖啡果凍(コーヒー・ゼリ)
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-Macro 2/50 @F2~F4
東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-04撮影分
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 ※2017-04撮影
高脚杯(ぐらす)に掃愁帚(さけ)
大原(おほはら)黒鰒(くろあはび)
大原(おほはら)黒鰒(くろあはび)
鮃(ひらめ)
鮪(しび)
鮪(しび)
鮪(しび)
新子(しんこ)八枚漬(はちまいづけ)
春子(かすご)のごとき眞鯛(まだひ)黄身酢魚鬆(きみずおぼろ)
眞鰺(まあぢ)
大車鰕(おほくるまえび)
大車鰕(おほくるまえび)
大車鰕(おほくるまえび)
鰻(むなぎ)白焼(しらやき)
鰻(むなぎ)白焼(しらやき)
劍先烏賊(けんさきいか)
毛蟹(けがに)?
蒸鰒(むしあはび)
蝦夷紫海膽(えぞむらさきうに)
小柱(こばしら)
蝦夷馬糞海膽(えぞばふんうに)
星鳗(あなご)
蛋糕(かすていら)焼(やき)
出汁巻(だしまき)雞卵(たまご)
咖啡果凍(コーヒー・ゼリ)
生薑(はじかみ)
菜譜(しながき)
2017/07/15 更新
2017/04 訪問
偶(たま)の乘合自動車(バス) 鐵路(てつろ)も遠(とほ)き 松伏(まつぶし)の 『三笠(みかさ)』の鮓(すし)に 出(いで)し歎息(ためいき)
現在(いま)の埼玉縣北葛飾郡松伏町(さいたまけんきたかつしかぐんまつぶしまち):
そもそも葛飾郡(かつしかのこほり)と云ふは、
古來(いにしへより)下總國(しもふさのくに)なりしが、
徳川(とくがは)の御世(みよ)になりて武藏國(むさしのくに)と編入(な)る。
明治(めいぢ)となり、南(みなみ)、北(きた)、東(ひがし)に分割(わかたる)。
すなはち、南葛飾郡 (みなみかつしかのこほり)は東京府(とうきやうふ)、
北葛飾郡(きたかつしかのこほり)は埼玉縣(さいたまのあがた)、
東葛飾郡(ひがしかつしかのこほり)は千葉縣(ちばのあがた)と云ふ工合(ぐあひ)。
東葛飾郡(ひがし)は"東葛地域(とうかつちいき)"として名(な)のみを殘(のこ)し、
南葛飾郡(みなみ)はその一部(ひとかけら)が後(のち)の"葛飾區(かつしかく)"、
北葛飾郡(きた)は"北葛飾郡(きたかつしかのこほり)"として名(な)を殘(のこ)すも、
今(いま)や、そこには、杉戸町(すぎとまち)と松伏町 (まつぶしまち)のみ。
日光街道(につくわうかいだう)、
東武伊勢嵜線(いせざきせん)の通(とほ)る杉戸町(すぎと)と比較(くら)べても、
松伏町(まつぶし)は陸(くが)の孤島(はなれこじま)のごとき景状(ありさま)。
乘合自動車(バス)のみが唯一(たゞひとつ)の公共交通機關(あし)。
それすらも甚(いと)少(すく)なく、
往復(ゆきもかへり)も悲慘(なさけな)き憂目(うきめ)に、、。
當家(こちら)『三笠鮨』は、
かゝる地(ところ)に二代(ふたよ)續(つゞ)く鮓店(すしや)。
二代目(いまの)主人(あるじ)は菅山浩(すがやまひろし)。
この日(ひ)が生日(うまれたるひ)にして、年齢(よはひ)四十代半(よそぢのなかば)。
和食修業(ひのもとのめしづくりをまな)び、
『をざは』と『きどぐち』にて鮓(すし)を習得(おのがものに)。
『をざは』出身(にてまなびし)『やまだ』山田祐介(やまだいうすけ)とは、
同門(おなじまなびや)なれど、「無面識(そのかほをみしらず)」とのよし。
『をざハ』は周圍(あたり)に三店舖(みつ)も構(かま)ふる大店(おほだな)。
相不知(たがひにあひしらぬ)も諾(うべ)なる哉(かな)!
店内(なか)の野點傘 (のだてがさ)は、『きどぐち』に倣(なら)ひしものか?
しかはあれど、
『やまだ』は『をざは』とは異質(ことな)る流儀(やりかた)を貫(つらぬ)き、
『三笠鮨』も獨自技法(おのがやりかた)を指向(めざす)。
"雞卵燒(たまごやき)"こそ陳腐(ありきたり)の出汁卷(だしまき)なれど、
最上級(いとよ)き鮨種(すしだね)を仕入(しい)れ、
大多數(そのおほく)を適宜(ほどよく)熟成(ねかしおく)。
酢飯(すめし)も紅白(あかしろ)二種(ふたくさ)。
就中(わきても)、
"鮪(しび)"と"海膽(うに)"の仕入(しいれ)には力(ちから)を入(い)れ、
「川口(かはぐち)『豬股』と一二(いちに)を爭(あらそ)ふ」ほど。
その原價(しいれね)、幾許(いかばかり)か?
漬場(つけば)に列(なら)ぶ鮨種(すしだね)も、
"牡丹蝦(ぼたんえび)"、"介黨鱈卵巣(すけこ)"、"鎌倉蝦(いせえび)"、
"鰒精巣(ふぐしらこ)"など、「江戸前(えどまへ)」らしからぬもの。
生簀(いけす)に泅(およ)ぐ は、車蝦(くるまえび)に虎魚(おこぜ)。
紅醋(あかず)は横井(よこゐ)の酒粕酢(さけかすゞ)"與兵衞(よへゑ)"、
白醋(しろず)は中埜(みつかん)の米酢(よねず)"白菊(しらぎく)"。
魷魚(いか)や白身魚(しろみ)には米酢(しろ)、
鮪(しび)、穴子(あなご)などには、酒粕酢(あか)を用(つか)ふ。
「白身魚(しろみ)でも赤鯥(あかむつ)など膩多(あぶらおほ)きものは紅醋(あか)」
とのよし。
舎利(しやり)を口(くち)に抛込(はうりこ)むて吟味之(これをあぢはふ)に、
鹽(しほ)・醋(す)ともに穩(おだ)やか。
實言(まこと)、
『初音鮨 』、『とかみ』、『豬股』、『やまだ』ほどの駭(おどろ)きはなし。
炊(た)きて直後(すぐさま)醋(す)を合(あ)はせて舎利(すめし)となすは、
僕(やつかれ)知(し)る限(かぎ)り、『初音鮨 』、『やまだ』の二店(ふたつ)のみ。
「粒(つぶ)が立(た)ちて易解(ほどけやす)く、舌(した)に滑(なめ)らか」、
と云ふが小人(それがし)が理想(ねがふところ)。
そこまでは到達(ゆ)かぬにせよ、嫌(いや)な粘着(ねばり)は皆無(なし)。
温度(あたゝかさ)も適温(ほどよし)。
すなはち、
所謂(よにい)ふ「尖鋭(とが)りたる舎利(しやり)」とは異質(ことな)り、
鮨種(すしだね)に適合(あ)はせ、
快適(こゝちよ)き酢飯(すめし)となすが當家(こちら)の技藝(わざ)か?
鹽(しほ)は豆州(いづ)。
山葵(わさび)も豆州(いづ)御殿場(ごてんば)の眞妻種(まづま)。
鮫皮(さめがは)の山葵卸(わさびおろ)しを用(つか)ふ。
香(かをり)と、辛(からみ)、滑(なめ)らかさでは鮫皮(さめがは)が優(まさ)る。
"雉羽太(きぢはた)"は四日目(よつかめ)。
鹽(しほ)と酢橘(すだち)に訝(くびかし)げつゝも、
"雉羽太(きぢはた)"固有(ならでは)の個性(もちあぢ)を、
熟成(ねかしうら)せて抽出(ひきいだ)せし技倆(うで)には脱帽(おそれいる)。
良(よ)くも惡(あ)しくも驚嘆(おどろ)かされしは"障泥烏賊(あふりいか)"。
一貫目強(いつくわんめあまり、≒4kg)の素材(もの)に振鹽(しほをふ)り、
熟成(ねかしおくこと)二週間(にしゆうかん)。
これを寸々(ずたずた)に刻(きりきざ)みて鮓(すし)となす。
その芳香(かぐはしきかをり)は紛(まが)ふ方(かた)なき魷魚(いか)なれど、
顏色(いろ)白(しろ)く、甜(あま)く柔(やは)らかきこと、
越中富山(ゑつちゆうとやま)の白蝦(しらえび)と錯覺(みまが)ふほど。
甲烏賊(かふいか)偏執愛(ず)きの僕(やつかれ)も駭(おどろ)く一品(ひとしな)。
那智勝浦(なちかつうら)の"鮪(しび)"は三週間(さんしうかん)。
旨味(うまみ)が極大化(いたゞきとな)るほどに寢(ね)かさるゝも、
やはり、冬場(ふゆば)の鮪(しび)とは乾坤・天淵(あめつち)ほどの相違(たがひ)。
古人(いにしへのひと)曰(いは)く「時節須知(すべからく、ときをしるべし)!」
"小鰭(こはだ)"は鹽(しほ)を効(き)かせ、
醋(す)は鹽(しほ)の半分(なかば)ほどの短時間(みじかさ)。
かゝるが故(ゆゑ)に、
慥(たしか)なる鹵味(しほけ)ながらも瑞々(みづみづ)しさを保持(たもつ)。
"障泥烏賊(あふりいか)"、"鮪(しび)"、"小鰭(こはだ)"に光(ひか)るは、
纖細(いとこまやか)なる庖丁技(はうちやうわざ)。
周知(あまねくしら)るゝごとく、
"鹿子(かのこ)"は、 懐石(くわいせき)・割烹(かつぱう)で多用(おほくつかはる)。
火候(ひいれ)の廚藝(わざ)も見事(みごと)。
"車蝦(くるまえび)"に、その手(て)は桑名(くはな)の"蛤(ほんはまぐり)"。
悋嗇(しはんばう)は鈔(ぜに)を惜(を)しみ、
蝦(えび)・貝(かひ)は火(ひ)を惜(を)しむが最善(なにより)。
「今季初(こんきはじめて)」と自慢(むねをは)る"羽根田(はねだ)の穴子(あなご)":
やはり、時季(とき)未到(いまだいたらず)と云ふべきか、、?
以爲(おも)ふに、
"煎雞蛋(たまごやき)"と"星鳗(あなご)"は老舖(しにせ)に限(かぎ)る。
外觀(みせがまへ)も内裝(なかのしつらへ)も、
天離(あまさか)る鄙(ひな)の飮食店(くひものや)そのもの。
櫃臺(かうんた)にも僞漆(ニス)が塗(ぬ)られ、
上質(よ)き鮓種(すしだね)ともども、七里(なゝさと)『大壽司』を髣髴(おもはす)。
しかはあれど、
味道(あぢ)に限(かぎ)るなら、當家(こちら)『 三笠鮨』が上(うへ)。
『豬股』と比較(くらべ)て如何(どう)か?
舎利(しやり)の嗜好(このみ)で判斷(い)ふなら、やはり『豬股』が優越(まさる)。
とは云へ、
研究熱心(ひたむ)きさでは、『豬股』に寸毫(すこしも)劣(おと)ることあらで、
管待(もてなし)ぶりも『豬股』に肉薄(せま)る水準(たかみ)。
實(げ)に、「鄙(ひな)には稀有(まれ)」なる佳舖(よきみせ)!!
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Flektogon 2.8/20 @F8
東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Flektogon 2.4/35 @F5.6
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】
菅山浩(すがやまひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】
乾酪(ちいず)の類(たぐひ)
生薑(はじかみ)
蕗未醤(ふきみそ)
梅干(うめぼし)
高脚杯(ぐらす)に掃愁帚(さけ)
雉羽太(きぢはた)
障泥烏賊(あふりいか)
三州(みかは)の海松食(みるくひ)
那智勝浦(なちかつうら)の鮪(しび)
那智勝浦(なちかつうら)の鮪(しび)
天草(あまくさ)小鰭(こはだ)
紫海膽(むらさきうに)
三州(みかは)の玉珧(たひらぎ)
馬糞海膽(ばふんうに)
車蝦(くるまえび)
赤貝(あかゞひ)、身(み)+紐(ひも)
羽根田沖(はねだおき)の穴子(あなご)、煮詰(につめ)
羽根田沖(はねだおき)の星鳗(あなご)、鹽(しほ)
その手(て)は桑名(くはな)の蛤(ほんはまぐり)
鐵火卷(てつくわまき)に用(つか)ふの鮪(しび)
鐵火卷(てつくわまき)
未醤椀(みそわん)
那智勝浦(なちかつうら)の鮪(しび)
"東澤"牌(ひがしざはじるし)の紫海膽(むらさきうに)
鮓種(すしだね)
牡丹蝦(ぼたんえび)
御殿場(ごてんば)眞妻山葵(まづまわさび)
外觀(かまへ)
暖簾(のれん)
店内(なか)
2017/04/30 更新
前囘(まへ)に當家(こちら)を訪問(たづね)てゟ(より)一年半餘(ひとゝせあまり)。
「"雞卵燒(たまごやき)"未完(いまだならず)」との説明(はなし)を受(う)け、
「赤貧如洗(あらふがごとまづしさ)」までもが共振(くはゝ)り、かくなりぬ。
否(いな)!、それこそが「心腹之疾(ねぶかきなやみ)」と云ふべき歟(か)?
此度(このたび)の"特別定額給附金(おすくひまい)"は
正(まさ)に「旱天之慈雨(めぐみのあめ)」、と云ふより「守株待菟(たなぼた)」。
これを懐中(ふところにしのば)せ、
いざ、武州葛飾郡松伏村(むさしのくにかつしかのこほりまつぶしむら)に、、。
"靈螺子(うに)"など素材(すしだね)の良質(よ)さを再認識(あらためてしれり)。
當地(このち)にありて銀座(ざぎん)に無所遜色(ひけをとら)ぬ水準(たかみ)なるは、
勿論(いふもさらなり)。
それでゐて、價格(ね)は半値未滿(なかばにもみたぬ)。
通例(つね)のことながら、
"山葵(わさび)"は豆州御殿場(いづごてんば)の"眞妻種(まづま)"。
かの"田代農園(たしをなうゑん)"の産(もの)。
「瀬戸(せと)さんが上(うへ)なれど、現在入手困難(いまはてにいれがたし)。」
、、と、菅山親方(おやかた)口惜(くちをし)がること頻(しき)り。
これを摺卸(すりおろ)すは、かの"鋼鮫(はがねざめ)"。
「"鯊皮(さめがは)"よりも肌理(きめ)微細(こまか)く滑(なめ)らか」
との評判(はなし)なれど、親方(おやかた)、「鯊皮(さめがは)が吉(よい)」と、、。
不變(かはらぬ)ことや、蟭螟(こまけーこと©ドクシマぱいせん)は保留(さてお)き、
此度(こだみ)、感銘(ひざをうち)たるは、次(つぎ)の二點(ふたつ)。
一)、"汁椀(しるわん)"の溏油(すひぢ)がより洗煉(とぎすまされた)ること。
一)、"雞蛋糕(にはとりのたまごやき)"の鮮美(あぢよき)こと。
■【汁椀(しるわん)】:
(い)、一等檢(いとよき)"利尻海帶(りしりのあらめ)"
(ろ)、血合拔(ちあひぬき)の"鮪脯(しびぶし)"
(は)、"鼈(かはかめ)"
眞言(まこと)、
(い)と(ろ)の配搭(くみあはせ)は、華洛(みやこ)の膳(ぜん)を髣髴(おもはす)。
徒(いたづら)に"鰹脯(かつをぶし)"の風韻(かをり)漂(たゞ)よはすは、
天離(あまさか)る鄙(ひな)の膳(ぜん)。
"吸地(すひぢ)"に"鼈(かはかめ)"が要不要(いるか、いらぬか)?
評者(ひと)に依存(よ)り分離(わ)かるゝところなれど、
風味(あぢ・かをり)ともに淸冽(きよらかにすみわた)り、
"甲魚(かはかめ)"が顯著(きはだ)つことなき調和性(しらべのよさ・とゝのひかた)。
■【雞蛋糕(たまごやき)】:
「"對蝦(くるまえび)"と"毛蠘(けがに)"を擂込(すりこ)みたるもの」と云ふ。
"薯蕷(やまのいも)"の等類(たぐひ)に"泡立卵白(メレンゲ)"まで、、。
その两箇(ふたつ)を併用(あはせもちゐ)るは愕(おどろ)き。
東都(えど)で高名(なのあ)る鮓店(すしや)はその二者擇一(どちらか)。
"薯蕷派(やまのいもは)"は、
修業先(わざをならひおぼえたるさき)の廚藝(わざ)を繼承(うけつ)ぎ、
"泡立卵白派(メレンゲは)"は、"薯蕷(やまのいも)"の匂(にほ)ひを嫌(きら)ふ。
これも賛否兩論(よしとするものと、あしとするもの)存在(あ)らん。
冢中枯骨(くたばりそこなひのそれがし)が味覺(した)には、
"甜(あまみ)"も"食感(はごたへ・したざはり)"とも絶妙(このうへなきたかみ)。
「よくぞ茲(こゝ)まで、、」と云ふが、不僞(いつはらざ)る心境(おもひ)。
老骨(それがし)、
稚(いとけな)きより"冩眞鏡珠(しやしんのたま)"に溺愛(おぼる)。
名匠(たくみ)の設計(て)になる"透镜(たま)"、
名玉(なのあるたま)は、簡素(かんそ)であり、無虚飾(かざりけなきもの)。
工作(つくり)容易(いとやす)く、費(つひえ)・價格(ね)も控(ひかへ)め。
輕小(かろくちいさ)く、携帶(もちはこび)も樂(らく)。
「"鮓(すし)"も、かくあるべし!」
と云ふが持論(そもそものかんがへ)。
しかはあれど、當家(こちら)の所在地(あるところ)は、かゝる邊鄙(かたゐなか)。
いきなり贅肉(ぜいにく)を削落(そぎお)とし、
枯淡(かれ)たる鮓(すし)にしたところで、理會(わか)る客(ひと)も纔(わづ)か。
愚按(やつがれおもふに)、現狀(いまのまゝ)で吉(よい)のでは?
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:莱茨(Leitz)Elmarit-R 2.8/35 @F4~F4.5
莱茨(Leitz)Elmarit-R 2.8/90 @F2.8 ※菅山親方(すがやまおやかた)