12回
2019/12 訪問
玄英(ふゆ)の"鴨(かも)" あきなき"切麥(うどん)" 靑陽(はる)は軈而(そこ)
"玄關(げんくわん)"
"灰皿(はひざら)"
"爪楊枝(つまやうじ)"
"鴨蒸籠温飩(かもせいらうゝんどん)"
"温飩(うんどん)"
"温飩(うんどん)"の捩率(よれ)、亂雜性(みだれ)、光澤(てかり)
"温飩(うんどん)"の捩率(よれ)、亂雜性(みだれ)、光澤(てかり)《擴大圖(おほきなるゑ)》
"鴨汁(かもじる)"、鴨肉(かもにく)
"鴨汁(かもじる)"、金針茹(えのきたけ)
"鴨汁(かもじる)"に"温飩(うんどん)"#BCMKR! ©ドクシマぱいせん ①
"鴨汁(かもじる)"に"温飩(うんどん)"#BCMKR! ©ドクシマぱいせん ②
"蔥(ねぶか)+生薑(くれのはじかみ)"
"胡麻(ごま)"
"橘(みかん)"
"橘(みかん)"
"橘(みかん)"
"菜單(しながき)"
"菜單(しながき)"
"菜單(しながき)"
"菜單(しながき)"
"菜單(しながき)"
"菜單(しながき)"
"菜單(しながき)"
"菜單(しながき)"
2020/01/01 更新
2019/10 訪問
巖(いはを)は千曳(ちびき)、染垂阿爺(おやぢ)は鼾(いびき)、旨(うま)き温飩(うどん)は『ひゞき庵』
『惠菓』が消滅(き)え、この近邊(あたり)は久方(ひさかた)ぶり。
「"あの口味(あぢ)"難忘(わすれがた)く」と云ふのも然(さ)ることながら、
"讃岐(さぬき)"を標榜(うた)ふ『根の津』の"切麪(きりむぎ)"と較(くら)ぶるが、
最大(もつともおほきな)る目的(ねらひ)。
"彈力性(はごたへ)"、"黏(ねば)り"、"平滑性(なめらかさ、したざはり)"、
は勿論(いふまでもなく)、
"光澤(つや)"、"亂雜性(みだれ)"、"捩率(よれ)"、"稜線(かどのするどさ)"、
と云ふが着目點(みるべきところ)。
"彈力性(はごたへ)"は两者(どちら)も、
「不硬不軟(かたからず、やはらかきにすぎず)」
然(さ)りながら、"黏(ねば)り"ばかりは『根の津』の"それ"が優越(まさる)。
當家(こちら)の"それ"は、筯(はし)にも臼齒(おくば)にも不黏(ねばらず)。
茹(ゆ)でゝ漉水囊(みづこし)に掬(すく)ひ、
冷水(つめたきみづ)に漱(すゝ)ぎたる時點(とき)には旣(すで)に短(みじか)く、
"两不黏(はしにもおくばにもねばらぬ)"は、當然(あたりまへ)。
愚按(やつがれおもふに)、"足踏(あしぶみ)"不足(たらざる)に起因(よるもの)。
およそ"温飩(きりむぎ)"なるもの、
"彈塑性體(かたさとねばりづよさをもつもの)"として把握(とらふ)べきものなれど、
當家(こちら)の"それ"は、
"降伏點(かうふくてん)"から黏(ね)ばりきれずに破斷(たちきれ)てしまふ。
"平滑性(なめらかさ、したざはり)"、"光澤(つや)"、"稜線(かどのするどさ)"、
に不平不滿(くびひぬるところ)皆無(な)く、
"亂雜性(みだれ)"、"捩率(ねぢれ、よれ)"、では『根の津』を"太刀山(たちやま)"。
"四十五日(ひとつきはん)"、否(いな)、"不戰勝(たゝかはづしてかてり)"。
これぞ、"孫氏兵法(そんしいくさのきはみ)"。
"太刀山(たちやま)"の"睨出(にらみだ)し"と云ふもこの等類(たぐひ)なるべし。
若(も)し懐疑者(うたがひをいだくもの)存在(あ)らば、
刮目(まなこゝすり)てこの圖繪(ゑ)を注視(よくみ)よ!
鴨汁(かもじる)"の"ξ(ぐざい)"と"溏油(だし)"は、
旣述(すでにいくたびもしるせ)しことなれば、省略之(これをはぶく)。
敢(あ)へて一點(ひとつ)だけ演述(い)ふなら、
笹搔(さゝがき)にせし"牛蒡(うまふゞき)"の重要(おも)き役割(やくわり)。
南蠻紅毛暦(あちらのこよみ)十月朔日(じふがつゝいたち)、
消費税(あきなひにかゝるおかみへのみつぎもの)が一割(いちわり、=10%)に、、。
御内儀(おかみ)、これを冷笑(ちやんちやらをかしきことゝわらひとばす)。
價格(ね)は以前(まへ)と不變(かはら)ぬ一千二百圓(いつせんにひやくゑん)。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 賓得(Pentax) S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.8~F4
福倫達(Voigtlaender) COLOR-SKOPAR 4/21 P VM @F11
外觀(かまへ)
灰皿(はひざら)
蔥(ねぶか)
生薑泥(くれのはじかみおろし)
胡麻(ごま)
"鴨蒸籠温飩(かもせいらうゝんどん)"、鴨汁(かもじる)
鴨汁(かもじる)の牛蒡(うまふゞき)など
鴨汁(かもじる)の金針茹(えのきたけ)
鴨汁(かもじる)の鴨肉(かもにく)+胡蔥(あさつき)
鴨汁(かもじる)の牛蒡(きたきす)
切麪(きりむぎ)
切麪(きりむぎ)
2019/10/03 更新
2018/12 訪問
貪(むさぼ)るは 『ひゞきの葊(いほ)』の 鴨蒸籠(かもせいらう) わが口唇(くちびる)は 汁(つゆ)に濡(ぬ)れつゝ
過年(としこし)に不可缺(かゝせぬ)×河漏(楚者゛きり)、〇切麪(きりむぎ)。
やはり、"鴨南蠻(かもなんばん)"より"鴨蒸籠(かもせいらう)"。
"鴨蒸籠(かもせいらう)"なれど、拔群(なみよりもたかし)。
by 丸十將軍(さつましやうぐん)放屁老(へィひるらう)。
溏油(だし)の效(き)ゝたる暗黑醤油(あんこくしやうゆ)※©ドクシマぱいせん。
殘酷(ざんこく)、遲刻(ちこく)、狗邪韓國(くやかんこく)、
欽察汗國(キプチャク・ハンこく)、伊兒汗國(イル・ハンこく)、
伊漢(イルハン)媼(めのこ)にひつぱりだこ、このタコ~ッ!、奴凧(やつこだこ)。
若(なんじ)、若(も)し、隻眼(ひとつでもまなこ)所有(あ)らば、
眼精(めんたま)全開(ヒンむき)て仔細(よ)く凝視之(これをみよ)!
正雄(まさを)と正男(まさを)に淺田美代子(あさだみよ)、
艷(つや)、齒觝觸(はあたり)、亂雜性(みだれ)、とも、夢幻之境(ゆめかうつゝか)。
太陽暦(きりしたんごよみ)では、今日(けふ)は大晦日(おほつごもり)。
將(まさ)に、
戌(いぬ)去(さ)りて、豬(ゐのこ)向來(きたりなん)とす。 ←閲覽注意!!
新年好(いざ、ともに、あらたなるとしをいはゝむ)!
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.8
×廣瀬すゞ〇鈴(すゞ)、だらけ
"鴨蒸籠(かもせいらう)"、鴨汁(かもじる)、靑蔥(あをねぎ)
"鴨蒸籠(かもせいらう)"、鴨汁(かもじる)、合鴨肉(あひがもにく)精肉(よきにく)
"鴨蒸籠(かもせいらう)"、鴨汁(かもじる)のξ(ぐざい)
切麪(きりむぎ)
切麪(きりむぎ)、部分擴大圖(ぶゞんかくだいづ)
芝蔴(ごま)
蔥末(ねぶかこぐち)と生薑泥(くれのはじかみのおろし)
2018/12/31 更新
2018/12 訪問
苦橙(だいだい)が 今(いま)だに當家(こゝ)の 庭(には)になる 實(み)を摘(つ)みてなほ 剩餘(あまれ)るとぞおもふ
愚按(やつがれおもふに)、
"鴨蒸籠(かもせいらう)"の饂飩(うんどん)こそ頂點(いたゞき)なれど、
此度(こだみ)は、敢(あ)へて"鴨南蠻(かもなんばん)"を選擇(えらむ)。
對價(あたひ)、一千六百圓也(いつせんろつぴやくゑんなり)。
溏油(だし)も切麥(うどん)も"鴨蒸籠(かもせいらう)"に共通(おなじ)とは云へ、
この怒(いか)れる大蛇(をろち)、猛々(たけだけ)しき切麥(きりむぎ)には、
やはり、濃厚(こ)き"滲汁(つけじる)"が最適(よくあふ)。
この饂飩(うんどん)に"かけ汁(じる)"では力不足(ちからおよぶところにあらず)。
辭別(いとまごひ)に際(あた)り、
×雞眼(うをのめ)、〇鵜眼(うのめ)・鷹眼(たかのめ)、棚(たな)を物色(さぐる)。
今(いま)は、"月桂葉(げつけいゑふ)"に柹(かき)。
"月桂葉(げつけいゑふ)"を貰(もら)ひ、"苦橙(だいだい)"をも撈(さぐ)らんとす。
御内儀(おかみ)應答(いらへ)て説明(い)ふやう:
「色附(いろづ)きつゝあるも、庭(には)にはまだいくらでも、、」
この辭(ことば)に甘(あま)へ、
庭(には)の苦橙樹(き)より"苦橙實(だいだい)"五箇(いつゝ)收穫(つみていたゞく)。
雙方(どちらも)利用價値大(おほいにやくにたつ)た川(がは)、
唐紅(からくれなゐ)の燉牛肉(ビフ・シチュウ)、
夢中(むちゆう)、ハイチュウ・プレミアム。
檸檬水(レモネード)、擬制(もどきてつく)る苦橙水(だいだいすい)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-Macro 2/50 @F2.8
茶(ちや)
灰皿(はいざら)
七香粉(なゝいろたうがらし)
牙簽(やうじ)
鴨南蠻(かもなんばん)饂飩(うんどん)
鴨南蠻(かもなんばん)、合鴨肉(かもにく)
鴨南蠻(かもなんばん)饂飩(うんどん)、蔥(ねぎ)
鴨南蠻(かもなんばん)饂飩(うんどん)、青蔥(あをねぎ)
蔥(ねぎ)小口(こぐち)
切麥(うんどん)
月桂葉(げつけいゑふ)
苦橙(だいだい)
2018/12/15 更新
2018/10 訪問
千切(ちぎ)れすぎ 蒸籠(せいろ)の温飩(うどん) しばきつゝ 鴨(かも)の滲汁(つけじる) つゆ殘(のこ)さじと
通例(つね)のごとく、" 鴨蒸籠(かもせいらう)"、
對價(あたひ)、一千二百圓也(いつせんにひやくゑんなり)。
"鴨汁(かもじる)"に限定(かぎ)るなら、當家(こちら)より
『千壽 竹やぶ』門下(もんか)『ふか川』のそれ が贏(まさ)る。
やはり、當家(こちら)は"温飩(うんどん)"。
艶(つや)、平滑性(なめらかさ)、硬(かた)からず適度(ほどよ)き腰(こし)、
亂雜性(みだれ・ばらつき)、縒(よ)れ、鋭角性(かど)、
何(いづ)れも、老生(おひぼれ)が嗜好(このみ)。
惜(を)しむらくは、
細(こま)かに千切(ちぎ)れたる切麪(きりむぎ)少(すく)なからざること。
「先代(さきつおやかた)に比較(くら)べ、まだまだ、、」
とは女將(おかみ)の歎息(ためいき)。
庭(には)に生(な)る"苦橙(だいだい)"を貰(もら)ふ。
「いくらでも、、」との言質(ことば)に甘(あま)へ四箇(よつ)。
古來(いにしへよりこのかた)、
"ポンス"には、香橙(ゆ)、酢橘(すだち)ならで、"苦橙(だいだい)"が風習(ならひ)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.8~F4
苦橙(だいだい)
鴨蒸籠(かもせいらう)、鴨汁(かもじる)
温飩(うんどん)
蔥(ねぎ)
芝蔴(ごま)
鴨蒸籠(かもせいらう)、鴨肉(かもにく)+温飩(うんどん)
鴨蒸籠(かもせいらう)、鴨肉(かもにく)+金針茹(えのきたけ)+牛蒡(ごばう)+温飩(うんどん)
饂飩(うんどん)の乱雑性(みだれ・ばらつき)、縒(より)、艶(つや)、、短小(みじかめ)
2018/10/15 更新
2018/09 訪問
紫(むらさき)の 汁(つゆ)の佳味(あぢよ)き 饂飩店(うどんや)に 切麪(きりむぎ)咋(くら)ふ 龝(あき)の僕(やつかれ)
小人(それがし)、
"蕎麥切(そばきり)"より"饂飩(うんどん)"を嗜(この)む。
世(よ)に、"索麪(さくめん)"、"餺飥(はくたく)"、"切麪(きりむぎ)"、、、
"饂飩(うんどん)"に相似(あひに)たるもの少(すく)なからず。
"索麪(さくめん)"は元々(もともと)"索餠(さくべい)"と記(かきしる)す。
往古(いにしへ)、唐土(もろこし)で"餠(べい)"が"麪(めん)"と變化(かはりぬ)。
"餠(べい)"は纔(わづ)かに、
烤鴨(あぶりがも)"春餠(しゆんべい)"などにその名(な)を殘(のこ)すのみ。
麪(こむぎのこ)を用(つか)ひ、
字面(じづら)のみ似(に)て姿形(すがたかたち)の異(こと)なる"餛飩(こんとん)":
そも"餛飩(こんとん)"とは、"渾沌(こんとん)"に由來(ちなむ)。
"渾沌(こんとん)"とは無七竅(なゝつのあなゝ)き神話生物(ものがたりのいきもの)。
"渾沌(こんとん)"は"混沌(こんとん)"に同(おな)じ。
白麪(こむぎ)を練(ね)りて餡(あん)を包(つゝ)み竅(あな)なき故(ゆゑ)、
その姿(すがた)より"混沌(こんとん)"と喚做(よびな)す。
嬉遊笑覽(きいうせうらん)*)に曰(いは)く:
「按ずるに、"混沌"、後に食偏に書かへたるなり。
煮て熱湯に漬して進る故、此方にては一名を"温飩"ともいひしなり。」
「今世"温飩"は、名の取違へなり。
それは、温麪にて"あつむぎ"といふものなりといへり。」
とは云へ、"日葡辭書(につぽじゝよ)"には、
"Vdon(うどん)"、もしくは"Vndon(うんどん)"の説明(はなし)として、
「麪粉(こむぎこ)を捏(こ)ねて甚薄(いとうす)く作(つく)り、煮(に)たものにて、
索麪(さくめん)、あるいは切麥(きりむぎ)のごとき餗(たべもの)」
江戸初期(えどのはじめ)"料理物語(れうりものがたり)"にも、
"うどん"と"切麥(きりむぎ)"を峻別(きびしくわ)けて記述(しる)さる。
兩者(ふたつ)の相違(たがひ)は太(ふと)さ。
"うどん"は太(ふと)く、"切麪(きりむぎ)"は細(ほそ)し。
因(ちな)みに、"切麥(きりむぎ)"と"索麪(さくめん)"の差(さ)は、
"切麥(きりむぎ)"は庖丁(はうちやう)にて截(き)り、
"索麪(さくめん)"は油(あぶら)を混(ま)ぜて拉(ひきの)ばすにあり。
これ、異朝(もろこし)も本朝(わがくに)も共通(おなじこと)。
案下某生再説(それはさておき)、
當家(こちら)の饂飩(うんどん):
亂雜性(みだれ)、腰(こし)、平滑性(なめらかさ)、
一(ひと)つとして嗜好(このみ)に適合(あ)はざるは無(なし)。
大多數(おほく)の讃岐饂飩(さぬきうどん)は齊一(とゝのひすぎてみだれなく)、
武藏野饂飩(むさしのうどん)は臼齒(おくば)に頼哩(あらが)ひ、
待塲饂飩(まちばうどん)に腰(こし)はなし。
食獸(しよくじう)何(いづ)れの渾沌(こんとん)にも無竅(あなはなし)。
五秒(ごびやう)~十秒(じふびやう)、
鴨汁(かもじる)に滲(ひた)して咋之(これをくら)ふ。
實言(まこと)、味美也(よきあぢなり)!
鴨(かも)、蔥(ねぎ)、牛蒡(ごばう)、都(すべ)て吉(よし)。
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*)コマ番號 223/359
【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4~F4
鴨蒸籠(かもせいらう)一式(ひとそろひ)
鴨汁(かもじる)
鴨肉(かもにく)
金針茹(えのきたけ)
切麥(きりむぎ)
鴨汁(かもじる)に切麥(きりむぎ)
鴨汁(かもじる)に饂飩(うんどん)
剩餘(のこり)は蕎麥湯(そばゆ)にて
2018/09/12 更新
2018/04 訪問
足踏(あしぶ)みの よき腰(こし)のある 切麪(きりむぎ)を 汁(つゆ)に潛(くゞ)らせ 單獨(ひとり)鴨汁(かもじる)
久方(ひさかた)ぶりの『ひゞき庵』。
佳(よ)き鄙温飩(ゐなかうどん)を求(もと)め、彼此(をちこち)彷徨(さまよ)へど、
『ひゞき庵』に如(し)くは皆無(なし)の飛礫(つぶて)、
四九(しく)三十六計、走爲上計(さんじふろくけいにぐるにしかず)。
否(いな)、否(いな)、否(いな)!
爰(こゝ)で逐電(にぐ)るは漢(をのこ)にあらず。
石見銀山不要猫(いはみぎんざんねこいらず)、
遠山金四郎(とほやまきんさん)水野(みづの)を惶(おそれ)ず。
僕(やつかれ)卍(まんじ)、鴨(かも)を忘却(わす)れず。
かくて、尋常(つね)のごとく、
"鴨蒸籠温飩(かもせいらうゝんどん)"、
對價(あたひ)、一千二百圓也(いつせんにひやくゑんなり)。
温飩(うんどん)は舌(した)に滑(なめ)らかにして、
適度(ほどよ)き齒觝觸(こし)を留(とゞ)む。
縒・亂雜性(よりとばらつき)も常態(つね)に異(こと)なるところなし。
溏油(だし)もまた然(しかり)。
"こし"と"だし"の存在(あ)る容(さま)、
宛然(あたかも)、神社(かむやしろ)の收納藏(くら)のごとし。
"だし"は慢慢(ゆるり)と引(ひ)き、
"こし"は激(はげ)しく肩(かた)に擔(かつ)ぎ、强(つよ)く足(あし)に踏(ふ)む。
足踏(あしぶみ)、繪踏(ゑぶみ)、これ 一二三(ひふみ)。
無齒(はなし)、無宿(やどなし)、狼藉(やりぱなし)。
田無(たなし)、龜無(かめなし)、雜談(むだばなし)。
温飩(うどん)啜(すゝ)りや、完食(のこりなし)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4~F4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Flektogon 2.8/20 @F6.3~F11
玄關(げんくわん)
玄關(げんくわん)
裏(うら)の駐車塲(くるまどめ)
鴨蒸籠温飩(かもせいらうゝんどん)
鴨蒸籠(かもせいらう)
温飩(うんどん)
温飩(うんどん)剩餘(あまり)
鴨汁(かもじる)に温飩(うんどん)
鴨汁(かもじる)に温飩(うんどん)
鴨汁(かもじる)に+蕎麥湯(そばゆ)
蔥(ねぎ)+生薑(はじかみ)
芝蔴(ごま)
灰皿(はいざら)
灰皿(はいざら)
牙簽(やうじ)
桌子(つくゑ)
2018/05/01 更新
2018/02 訪問
『ひゞき庵』 この界隈(あたり)なる 合鴨(あひがも)の 鮮(うまみ)ある身(み)を 獨(ひと)り鴨(かも)喰(は)む
『更科』にて觸(ふ)れたごとく、
小人(それがし)、
漸(やうや)う、"うどん山(やま)"の宏大(ひろ)き裾野(すその)に到達(いたれり)。
當家(こちら)『ひゞき庵』の位置附(いちづけ)は如下(つぎのとほり)。
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【麪條(きりむぎ)太(ふと)さ】 【麪條(きりむぎ)彈力(はごたへ)】
↑ ↑
| ◎(武藏㙒) | ◎(武藏㙒)
| |
| ■『ひゞき庵』 |
| | △(加須)
| | ■『ひゞき庵』
| △(加須) |
| |
| |
| |
| |
+----------→ +----------→
【亂雜性(みだれ・ばらつき)】 【掛汁(かけじる)←→滲汁(つけじる)】
======================================
淡醎(しほからさ)適度(ほどよ)く、多量(おほ)き汁(しる)には、
"掛汁(かけじる)"のごとく全體(すべて)を滲(ひた)すが適切(よい)。
その儘(まゝ)では、冷(つめ)たく、硬(かた)めの麪條(きりむぎ)も、
涮牛肉(しやぶしやぶ)のごとく泅(およ)がせば、軟化(やはらかに)、、。
『ひゞき庵』の温飩(うどん)が正(まさ)にこれ。
その容(さま)、
宛然(あたかも)、工藝茶(こうげいちや)の熱水(ゆ)に開花(はなひら)くがごとし。
この温飩(きりむぎ)を汁(しる)に潛(ひた)さぬは愚昧(おろか)。
御内儀(おかみ)曰(いへら)く:
「合鴨(あひがも)は腿肉(もゝ)ばかりを用(つか)ひ、
厚(あつ)く切附(きりつ)くるを旨(むね)とす。」
「その理由(ことわり)、只顧(ひたすら)鮮(うまみ)を重視(おもんず)ればなり。」
「麪條(きりむぎ)の短小(みじか)きは、
二代目東道(にだいめあるじ)たる倅(せがれ)が所爲(せゐ)。」
「勿使用之(これをつかふことなかれ)!と諭(さと)すも、
聽(き)く耳(みゝ)持(も)たず!」
と、先代(さきつおやかた)との相違(たがひ)をうち哭(なげ)く。
とは云へ、
「多(おほ)くの賓(まらうど)、
"難冷(さめがたし)"と、この汁(しる)を絶賛(てばなしでほめたゝへたまふ)。」
倩(つらつら)"汁(しる)"と"温飩(うどん)"の相性(なか)を窺(うかゞ)ふに、
實(げ)に、
"比翼連理(ひよくれんり)"、"偕老同穴(かいらうどうけつ)"の趣(おもむき)。
卍(まんじ)、善哉(よき)、善哉(よき)!
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 賓得(Pentax)Super 琢磨(Takumar)8枚玉 1.4/50 @F2.4~F4
蔥(ねぎ)
生薑(はじかみ)
芝蔴(ごま)
鴨汁(かもじる)
鴨汁(かもじる)の合鴨肉(あひがもにく)
温飩(うどん)
温飩(うどん)、擴大圖(おほきなるゑ)
亂雜性(みだれ・ばらつき)
鴨汁(かもじる)+温飩(うどん)
鴨汁(かもじる)+温飩(うどん)
牙簽(やうじ)
灰皿(はいざら)
2018/03/28 更新
2018/01 訪問
よく冷(ひ)やし 温飩(うどん)で啖(くら)へ 鴨蒸籠(かもせいらう) 稜(かど)・縒(より)ともに 汁(しる)に合(あ)ふなり
小人(それがし)、
"鴨南蠻(かもなん)"より"鴨蒸籠(かもせいらう)"を嗜(この)む。
その理由(ことわり)、
暖(あたゝ)かき鴨汁(しる)と冷(つめ)たき温飩(うどん)との邂逅(であひ)にあり。
この日(ひ)課題(つまびらかにすべきこと)は、
温飩(うんどん)の最適温度(ほどよきあたゝかさ)、
并(なら)びに、
鴨汁(かもじる)と温飩(うんどん)との最適温度差(もつともよきあたゝかさのさ)。
そも、食感(はごたへ・したざはり)の對比(たがひ)、
たとへば、
・外皮(そと)は脆(もろく)←→ 中實(なかご)は嫩(やはらか)
は、誰(たれ)しもが意識(きにかく)るが常態(つね)。
然(さ)れば、
齒觝觸(はあたり)のみならず、
温度差(あたゝかさのさ)も、吾儕(わなみ)が研究課題(きはむべきこと)。
鮓(すし)の舎利(すめし)と鮓種(すしだね)との關係(あひだがら)などなど。
室温(へやのあたゝかさ)に馴染(なじ)ますが近會(ちかごろ)風習(ならひ)。
しかはあれど、
舎利(すめし)と鮓種(すしだね)が等温(おなじぬるさ)では、
何(なん)とも締(し)まりなき味(あぢはひ)と墮(な)るほかなし。
案下某生再説(それはさておき)、
件(くだん)の、温飩(うんどん)←→ 鴨汁(かもじる):
饂飩(うんどん)は冷水(つめたきみづ)に晒(さら)され、
大畧(およそ)攝氏十度(せつしゞふど、=10℃)ほど。
一方(かたや)、鴨汁(かもじる)は攝氏七十度(せつしなゝじふど、=70℃)ほどか?
①、饂飩(うんどん)を鴨汁(かもじる)に一秒(いちびやう)滲(ひた)す。
②、饂飩(うんどん)を鴨汁(かもじる)に五秒(ごびやう)滲(ひた)す。
③、饂飩(うんどん)を鴨汁(かもじる)に十秒(じふびやう)滲(ひた)す。
一秒(いちびやう)では、差(さ)が激(はげ)しくて違和感(ゐわかん)、
十秒(じふびやう)だと、馴染(なじ)み過(す)ぎて、まるで"鴨南蠻(かもなん)"。
此度(こだみ)の實驗(こゝろみ)では五秒(ごびやう)が最善(もつともよし)。
人(ひと)に依(よ)り、太(ふと)さに從(したが)ひ、差異(さい)あるべし。
"鴨蒸籠(かもせいらう)"なるもの、
讃州(さぬき)で號(い)ふ"ひやあつ"に相當(あたる)。
"ひやあつ"を如何(いか)にして啖(くら)ふを「吉(よし)」とするか、
興味(ひかるゝところ)こそあれ、小人(それがし)、不案内(あづかりしらぬ)。
玻璃(がらす)と錯覺(みまが)ふばかりの透明感(すけてきよらかなるさま)、
舌觸(したざは)りの平滑(なめ)らかさ、彈力(はごたへとねばり)、
縒(より)、稜線(かどのするどさ)、亂雜性(ばらつき・みだれ)、
一(ひと)つとして、僕(やつかれ)が嗜好(このみ)と相違點(ことなるところ)なし。
鴨汁(かもじる)もまた秀逸(すばらしきもの)。
倩(つらつら)鴨肉(かも)の脊(そびら)を窺(うかゞ)ふに、
燒蔥(やきねぎ)ならで青々(あをあを)たる淺蔥(あさつき)を負(お)ふ。
笹搔牛蒡(さゝがきごばう)用(つか)ふは、東都(えど)にもなき智慧(ちゑ)。
この鴨(かも)、
畏(おそ)れ多(おほ)くも越谷御狩塲(こしがやのおんかりば)より、
五右衞門(ごゑもん)が盜(ぬす)み、次郎吉(じらきち)ばら撒(ま)きたるもの。
、、と云ふは、眞赤(まッか)な虚談(うそ)つきは泥棒(ぬすびと)の濫觴(はじまり)。
扨(さて)、御立合(おたちあひ)!
武州越谷(むさしこしがや)に飼育(そだて)られましたる合鴨(あひがも)。
御狩塲(おかりば)の青首(あをくび)に比較(くら)べ、
己(おのれ)の醜惡(みにく)き姿(すがた)に駭(おどろ)き脂汗(あぶらあせ)。
と演述(い)ふは、妄想(ゑそらごと)なれど、
蔬菜(あをもの)と一緒(とも)に燉(トロリトロリとにつむ)ること、霎時(しばし)。
相互(たがひ)に鮮(うまみ)を補(おぎな)ひ、高(たか)め、
これにある鴨油(かものあぶら)と成(な)りまする。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-Macro 2/50 @F2.8~F4
七味蕃椒(なゝいろたうがらし)
牙簽(やうじ)
鴨蒸籠(かもせいらう)、鴨汁(かもじる)
薬味(やくみ)
鴨汁(かもじる)の淺蔥(あさつき)
鴨汁(かもじる)の合鴨(あひがも)
"亂雜性(みだれ)"と”縒(よ)り”のある温飩(うんどん)
透明(すけてきよらかな)る温飩(うんどん)
温飩(うんどん)、殘(のこ)り纔(わづ)か
温飩(うんどん)の"亂雜性(ばらつき・みだれ)"
鴨汁(かもじる)に温飩(うんどん)、"縒(よ)り"
鴨油(かものあぶら)
2018/01/22 更新
2017/12 訪問
晦(つごもり)の 蕎麥(そば)より好(す)きな 饂飩(うんどん)を 拔驅(ぬけが)けせんと 單獨(ひとり)鴨南蠻(かもなん)
二日(ふつか)拔驅(ぬけが)けの晦日饂飩(つごもりうんどん)。
勿論(いふまでもなく)、行方(ゆくへ)は手打饂飩(てうちうどん)『ひゞき庵』。
此度(こだみ)、初(はじめ)て"鴨南蠻温飩(かもなんばん)"を擇(えら)む。
對價(あたひ)、一千六百圓也(いつせんろつぴやくゑんなり)。
愚按(やつがれおもふに)、
"かへし"や溏油(だし)そのものは"鴨蒸籠(かもせいらう)と"共通(おなじもの)。
なれど、冷水(つめたきみづ)に〆る"蒸籠(せいらう)"と、
暖(あたゝ)かき儘(まゝ)の温飩(うどん)では齒觝觸(はあたり)が異(こと)なる。
加旃(しかのみならず)、
"かけ汁(じる)"と"つけ汁(じる)"とでは濃度(こさ)に相違(たがひ)。
利尻昆布(りしりこんぶ)+鰹本枯節(かつをほんがれぶし)+鯖節(さばぶし)、
なる構成(くみあはせ)は"つけ汁(じる)"に吉(よし)。
そもそも、利尻昆布(りしり)・鰹本枯節(ほんがれ)は、
懐石(くわいせき)・割烹(かつぱう)の椀(わん)に用(つか)ふもの。
縱令(たとひ)、これに鯖節(さばぶし)を加(くは)へたとて、
"かけ汁(じる)"に不可缺(かゝ)せぬ"下手味(げてみ)"に乏(とも)し。
"鴨蒸籠(かもせいらう)"が★4.5なら、"鴨南蠻(かもなん)"は★3.8ほど。
とは云へ、食(た)べ進(すゝ)めど、
一向(すこしも)「食(た)べ疲(づか)れ」する豫兆(きざし)なく、
爽快(さはやか)にして、咽喉(のみど)も怡(よろこ)ぶ。
そもそも、小人(それがし)、かの『室町砂塲』でも、
"天麩羅蕎麥(てんぷらそば)"より、
"天(てん)もり"、もしくは"天(てん)ざる"選擇(えらむ)が通例(つね)。
冷(つめ)たき蕎麥切(そばきり)に、温(あたゝ)かき滲汁(つけじる)。
讃州(さぬき)ではこれを「ひやあつ」と號(い)ふ。
あまりに大名(なのおほき)な"讃州(さぬき)"に比較(くら)ぶれば、
温飩(うどん)の世界(よ)で、"武州(むさし)"など塵芥(ちりあくた)。
しかはあれど、"手截(てぎり"は"讃州(さぬき)"にも稀有(まれ)。
"手截(てぎり)"の特長(よさ)は、
一、無機的均一性(つまらぬひとしさ)がなく、ほどよき亂雜性(みだれ)あること
一、稜線(かど)の鋭角(するど)きこと
一、"縒(よ)れ"を隨伴(ともな)ふこと
この近邊(あたり)、
武里(たけさと)に"讃岐饂飩(さぬきうどん)"『基藏』、
越谷(こしがや)に"武藏野饂飩(むさしのうどん)"『うちだや』など、
若手職人(わかて)"手截(てぎり"の舖(みせ)あれど、やはり『ひゞき庵』が吉(よい)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4~F4
鴨南蠻温飩(かもなんばんうどん)
鴨南蠻温飩(かもなんばんうどん)
鴨南蠻温飩(かもなんばんうどん)
鴨南蠻温飩(かもなんばんうどん)、饂飩(うんどん)
鴨南蠻温飩(かもなんばんうどん)
鴨南蠻温飩(かもなんばんうどん)
取皿(とりざら)に
鴨肉(かもにく)皮(かは)
鴨(かも)の膩(あぶら)
汁(つゆ)
菜單(しながき)
菜單(しながき)
2017/12/30 更新
2017/12 訪問
大間野(おほまの)ゝ 茜色(あかね)の葊(いほ)の 温飩(うどん)喰(く)ひ わが衣手(ころもで)は 汁(つゆ)に濡(ぬ)れつゝ
やはり温飩(うんどん)は手截(てぎり)に限(かぎ)る。
琵琶湖(びはこ)に繁殖(はびこ)るブルーギル、
『丸龜(まるがめ)』嘯(うた)ふトリドール、
饂飩(うどん)打(う)つのは製麪機(せいめんき)。
今(いま)や、彼此(をちこち)に跳梁跋扈(はびこ)る『丸龜製麪(こちら)』。
その容(さま)、
瞬(またゝ)く中(うち)に子孫(こやまご)を増殖(ふ)やし、
天(そら)を覆(おほ)ひ、地(ち)に滿(み)つる螽(いなご)を髣髴(おもはす)。
温飩(うどん)は"讃州(さぬき)"のみにあらず!!
人(ひと)を騙(だま)すは狸"(たぬき)"のみにあらず 。
副知事(ふくちじ)は要(かなめ)のみにあらず。
妖怪(ばけもの)は垢甞(あかなめ)のみにあらず。
當家(こちら)の溏油(だし)は、
利尻昆布(りしりこんぶ)+鰹本枯節(かつをほんがれぶし)+鯖節(さばぶし)。
味精(あれ)を不使用(つかふことな)く、この魂消(たまぐ)るばかりの鮮(うまみ)。
漿醤(しやうゆ)は銚子(てうし)の"濱口儀兵衞(やまさ)"。
當肆(こちら)の饂飩(うんどん)、
足踏(あしにてふ)み、手切(てぎり)し、一日(ひとや)熟成(ね)かす。
舌(した)に滑(なめ)らかで、絶妙(このうへな)き齒觝觸(はあたり)を殘(のこ)す。
何(なに)より、麪條(きりむぎ)の縒(より)と亂雜性(ばらつき)が白眉(かなめ)。
連鎖店(れんさてん)『丸龜製麪(あそこ)』は勿論(いふまでもなく)、
讃州(さぬき)で名店(なのあるみせ)ですら、
菜刀(はうちやう)で手截(てぎ)りするは稀有(まれ)。
縒(より)と亂雜性(ばらつき)は手截(てぎ)りなればこそ。
この色艷(いろつや)は美女(たをやめ)の口唇(くちびる)を髣髴(おもは)せ、
その光輝(かゞやき)は燕流鏡面研磨(みがきやのかゞみしあげ)の如(ごと)く、
鴨汁(かもじる)に浮(う)く膩(あぶら)も天目茶碗(あれ)に似(に)たり。
愚按(やつがれおもふに)、味(あぢ)も姿(すがた)も讃岐(さぬき)を凌駕(しのぐ)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :蔡司(Carl Zeiss)C Sonnar T* 1.5/50 ZM @F2.2~F4
菜譜(こんだて)
七味蕃椒(なゝいろたうがらし)
牙簽(やうじ)
灰皿(はいざら)
蔥(ねぎ)に生薑(はじかみ)
芝蔴(ごま)
”鴨蒸籠(かもせいらう)”、鴨汁(かもじる)
”鴨蒸籠(かもせいらう)”、鴨汁(かもじる)蒸籠(かもせいらう)”
”鴨蒸籠(かもせいらう)”、鴨汁(かもじる)、油滴(あぶらのしづく)、後暈(あとぼけ)
”鴨蒸籠(かもせいらう)”、鴨汁(かもじる)、油滴(あぶらのしづく)前暈(まへぼけ)="Soap bubble bokeh"
温飩(うんどん)
饂飩(うんどん)
饂飩(うんどん)、手切(てぎり)による縒(よ)れ
”鴨蒸籠(かもせいらう)”、鴨汁(かもじる)に温飩(うんどん)
”鴨蒸籠(かもせいらう)”、鴨汁(かもじる)に温飩(うんどん)
食後(たべをはり)の鴨汁(かもじる)
2017/12/29 更新
2017/11 訪問
蕎麥前(そばまへ)に 冷酒(ひやざけ)呑(の)めば 溏油(だし)馨(かを)る 東(あづま)の汁(つゆ)に 出(いで)し合鴨(あひがも)
日光街道(につくわうかいだう)に佳店(よきみせ)なきこと、
宛然(あたかも)、
蛙(かはづ)に臍(ほぞ)なく、和尚(おしやう)に髮(かみ)なきがごとし。
「土龍(むぐら)が天空(そら)を飛翔(と)ぶ」と言(い)ふべき歟(か)?
「蒙御免、餐廳番附、行司=價格公司(ごめんかうむるくひものやばんづけ)」に、
四星(よつぼし)は稀有(まれ)。
加旃(しかのみならず)、
番附上位(うへ)も新派拉麪(あたらしきもろこしのきりむぎ)ばかり。
往古(いにしへ)以來(よりこのかた)、
當地(このあたり)は小麥(こむぎ)に恵(めぐ)まれ、
家々(いへいへ)で打(う)つほど"温飩(うんどん)"は身近(みぢか)。
"餛飩(うんどん)"とは元來(もとより)"餛飩(こんとん、ワンタン)"のこと。
羊羹(ひつぢのあつもの)が紅豆果凍(あづきのにこゞり)に變化(ば)け、
"餛飩(ワンタン)"は"切麥(きりむぎ)"へと"收斂進化(かはりはてぬ)"。
因(ちな)みに、
"切麥(きりむぎ)"は異朝(もろこし)"切麪(きりめん、せつめん)"が濫觴(はじまり)。
巧拙(よしあし)ありと雖(いへど)も、
この近邊(あたり)では麪粉(うどんのこ)を捏(こ)ねて延(の)し、
これを庖丁(はうちやう)で切斷(たちき)りて温飩(うんどん)となすが通例(ならひ)。
其處(そこ)の蕎麥店(そばや)も、彼處(かしこ)の温飩店(うどんや)も、、。
とは云へ、
山葵(わさび)は粉(こな)、蝦(えび)は冷凍物(あれ)と云ふ爲體(てゐたらく)。
「如何(いか)に山葵(わさび)と蝦(えび)を囘避(さ)くるか」、が、
温飩(うんどん)啖(くら)ふ要諦(かなめ)となる。
「饂飩(うんどん)は讃州(さぬき)に限(かぎ)る!」が衆目一致(ひとしきみかた)。
さはあれ、その多(おほ)くは舶來麪粉(あちらのこな)を用(つか)ひ、
庖丁(はうちやう)ならぬ器械(うちもの)にて截斷之(これをきる)。
"亂雜性(みだれ)"も"縒(より)"もなき陳腐(ありきたり)の麪條(きりむぎ)。
反之(これにひきかへ)、
武州(むさし)、就中(わきても)、この近邊(あたり)の温飩(うんどん)は、
"亂雜性 (みだれ)"も"縒(より)"もあり、 角(かど)が立(た)つ。
されば、血沸(ちわ)き、肉踊(にくをど)り、魂(たましひ)も搖(ゆ)さぶらる。
かの"刀削麪(とうしやうめん)"は勿論(いふまでもなく)、
便宜店(こんびに)の蕎麥切(楚者゛きり)ですら、
"亂雜性(みだれ)"を重視(おもん)ずるが近會(ちかごろ)の烹飪法(やりかた)。
"彈力性(こし)"と"平滑性(なめらかさ)"は肆(みせ)に依存(よりけり)。
御内儀(おかみ)に據(よ)らば、
「麪粉(うどんのこ)は、何季節(いつ)でも"あかぎ "、"百合星 (ゆりぼし)"。」
六(むつ)かしき東瀛(ひのもと)の麪粉(うどんのこ)を用(つか)ふは、
激賞(てばなしでほめたゝ)ふるに價値(あたひ)す。
當家(こちら)の麪粉(こ)は糠 (ふすま)を除去(のぞ)きたるものなれど、
全粒粉(ふすまいりうどんのこ)を用(つか)ふ家(いへ)も、、。
幸手宿(さつてじゆく)『中村製麪所』これなり。
二升五合(にしやうはん)糠(ふすま)の舌觸(したざは)り。
およそ、"温飩(うんどん)"なるもの、
地域(ところ)により千變萬化(さまざまにかはる)。
"平滑性(なめらかさ)"なら"稻庭(いなには)"、
"亂雜性(みだれ)"ならこの界隈(あたり)のものが最善(なにより)。
扨(さて)、
その溏油(だし)はと惟(おもんみ)るに、
讃州(さぬき)なら"いりこ"すなはち"鰯煮干(いはしのにぼし)"に昆布(こんぶ)、
東國(あづま)では"鰹節(かつをぶし)"+"鯖節(さばぶし)"が主體(おも)。
當家(こちら)の溏油(だし)は、
利尻昆布(りしりこんぶ)+鰹本枯節(かつをほんがれぶし)+鯖節(さばぶし)。
京師(みやこ)で嗜(この)まるゝ利尻(りしり)も、東國(あづま)では稀有(まれ)。
「東道(あるじ)、板前出身(いたまへあがり)なれば、、」との説明(はなし)。
汁(つゆ)の鹵味(しほけ)は慣習(ならひ)の濃口豆油(こいくちしやうゆ)。
具材(ぐ)は、合鴨(あひがも)、小蔥(こねぎ)、牛蒡(ごばう)、金針菇(えのき)。
上記(くだん)の溏油(だし)と濃口生抽(こいくちしやうゆ)に、
合鴨(あひがも)の鮮(うまみ)と膩(あぶら)が共鳴(ひゞきあふ)。
その音色(ねいろ)、
笙(しやう)、篳篥(ひちりき)の名匠達(たくみたち)の協奏(かな)づる、
絲竹艷曲(しちくえんきよく)に異(こと)ならず。
善哉(よきかな)、善哉(よきかな)!
「鰯煮干 溏油(いりこだし)に薄口秋油(うすくちしやうゆ)」、
と云ふ 讃州(さぬき)ばかりが温飩(うんどん)にあらず!
關東(あづま)の温飩(うんどん)にも精麁(よしあし)あり。
當家(こちら)の饂飩(うんどん)、紛(まが)ふ方(かた)なき上等品(よきしな)。
藥味(やくみ)の蔥(ねぎ)は、
東都(えど)の老舖(しにせ)とは天淵冰炭(おほきなるたがひ)。
山葵(わさび)・蝦(えび)は勿論(いふもさらなり) 。
茶(ちや)も出涸(でが)らし。
五十嵐(いがらし)、木枯(こが)らし、來(き)にけらし。
そもそも東都(えど)では茶(ちや)は提供(いださ)ぬが慣習(ならはし)。
かゝるところに眼(まなこ)瞑(つぶ)るなら、
この"鴨蒸籠(かもせいらう)"、胸(むね)を張(は)るべき佳品(よきしな)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4~F3.5
東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Flektogon 2.8/20 @F8
駐車塲(くるまどめ)より第(やしき)を窺(うかゞ)ふ
招牌(かんばん)
第(やしき)
掃愁帚(さけ)
豬口(ちよく)
鴨蒸籠(かもせいらう)
鴨蒸籠(かもせいらう)、鴨蔥(かもねぎ)
鴨蒸籠(かもせいらう)、鴨肉(かものにく)
鴨蒸籠(かもせいらう)、鴨肉(かものにく)と鴨油(かものあぶら)
饂飩(うんどん)
温飩(うんどん)
温飩(うんどん)
温飩(うんどん)の縒(よ)り
饂飩(うんどん)の亂雜性(みだれ)
蕎麥汁(そばつゆ)に饂飩(うどん)
蕎麥汁(そばつゆ)に温飩(うんどん)
牙簽(やうじ)
楊枝(やうじ)
七味蕃椒(なゝいろたうがらし)容器(いれ)
七味蕃椒(なゝいろたうがらし)
蔥(ねぎ)
生薑(はじかみ)
芝蔴(ごま)
灰皿(はいざら)
凧(たこ)
小上(こあ)がりの疉(たゝみ)
團扇(うちは)
鈴(すゞ)
2017/11/09 更新
冢中枯骨(それがし)、"河漏津(楚者゛きり)"より"切麥(きりむぎ)"を嗜(この)む。
Hence, Therefore, かゝるがゆゑに、
"大晦蕎麥(おほつごもり楚者゛)"が"大晦温飩(おほつごもりうどん)"と化(な)るは、
道理(よろづのものゝことわり)と云ふもの。
となると、渦潮(うずしほ)、樢布(わかめ)、阿波踊(あはをど)り。
雞(とり)より甘香美(うま)き玄英(ふゆ)の"鴨(かも)"。
と云ふ次第(わけ)で、通例(つね)のごとく、"鴨蒸籠温飩(かもせいらうゝどん)"、
對價(あたひ)、一千二百圓也(いつせんにひやくゑんなり)。
仔細(こまけーこと©ドクシマぱいせん)は、
旣(すで)に幾度(いくたび)も記述(しる)せしことなれば、畧之(これをはぶく)。
武具馬具(ぶぐばぐ)、武具馬具(ぶぐばぐ)、三武具馬具(みぶぐばぐ)。
系統(システム)に"蟲(バグ)"は附物(つきもの)、厄介者(やつかいもの)。
贖物(かひもの)に錢(ぜに)の要(い)るは、これまでの、
世界(よ)は大(おほ)きく遷移(うつろ)ひて、
孔方(ぜに)の用(つか)へぬ店(みせ)までも、
出(いで)し世間(よのなか)、哭(なげ)き頼哩(あらが)ふ、この卍(まんじ)。
大晦日(おほつごもり)の當日(このひ)は、
御内儀(おかみ)も子女(むすことむすめ)も大童(おほわらは)。
两個(ふたり)の初見(みなれ)ぬ中居(なかゐ)までもが、
忙(いそがは)しく疉敷(たゝみじき)の間(ま)を動(うご)き囘(まは)る。
軈而(やがて)靑陽(はる)、
朱明(なつ)はその先(さき)、玄英(ふゆ)の"鴨(かも)"、
何時(いつ)にても、白藏(あき)無(な)き"切麥(きりむぎ)"堪能(あぢはひ)て、
貰(もら)ふ"橘(みかん)"の重要性(おもみ)かな!
當家(こちら)、
口味(あぢ)も、商賣(あきなひ)の方法(やりかた)も往古(そのかみ)の儘(まゝ)。
潔(いさぎよ)し!、これで吉(よし)!、これが正解(よし)!
可惜(をしむらく)は、"饂飩(うんどん)"の寸々(ずたずた)なること。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.8~F5.6
高千穗光學(Olympus)Zuiko Auto 3.5/21 @F11