3回
2018/05 訪問
通常利用外口コミ
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雉子(きじ)が啼(な)き 肘(ひじ)の强(つよ)きが 彎(ひ)く弓(ゆみ)の 狙(ねら)ふその先(さき) 旅籠(はたご)の野雞(よたか)
海原大親方(かいばらひろしおやかた)【掲載許可濟】 2018-05撮影
廚(くりや)の海原親方(かいばらおやかた)
廚(くりや)の海原親方(かいばらおやかた)
掃愁帚(さけ)の菜單(しながき)
雉酒(きじざけ)
古酒(ひねざけ)
雉子清湯(きじすましゞる、コンソメ)+青山椒油(あをざんせうあぶら)
雉子(きゞす)膾(なます)+木耳(きくらげ)、梅醋(うめず)+山葵(わさび)
雉肉(きじにく)炙(あぶ)り豆乳(まめのちゝ)がけ、+聖羅勒(かみめばうき、ホーリーバジル)の花(はな)
雉笹身肉(きじさゝみにく)+糯米强飯(もちごめこはいひ)
棘栗蟹(とげくりがに)+黃韭菜(きにら)
棘栗蟹(とげくりがに)+笋(たけのこ)
新洋蔥(しんたまねぎ)+鹽(しほ)+古酒(ひねざけ)
雉肉(きじにく)各部位(さまざまなるぶい)
涮雉肉(ゆびき)
雉肝臓(きじのきも)炭火焼(すみびやき)
雉腿肉(きゞすもゝにく)炭火焼(すみびやき)
雉頭(きじのかぶと)炭火焼(すみびやき)
雉頭(きじのかぶと)炭火焼(すみびやき)
芝鰕(しばえび)眞薯(しんじよ)の椀(わん)
芝鰕眞薯(しばえびしんじよ)椀(わん)、布袋竹(ほていだけ)笋(たけのこ)+濱防風(はまばうふう)
芝鰕(しばえび)
"さゝにしき"姫飯(ひめいひ)
"さゝにしき"姫飯(ひめいひ)
雉肉未醤(きじみそ)
止椀(とめわん)
雉膩(あぶら)+穗紫蘇(ほじそ)
朧琵琶(おぼろびは)に寒天(かんてん)
2018/05/24 更新
2018/04 訪問
通常利用外口コミ
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温故知新(ふるきをたづねてあたらしきをしる)、烹飪鰹魚乾湯(にたきにつかふはかつをぶしのしる)
三ヶ月(みつき)ぶりの『太華』:
當日(このひ)は、
海原大親方(かいばらひろしおやかた)が江戸割烹(えどかつぱう)と、
●●師傅(▲▲▲▲おやかた)が法國割烹(フランスかつぱう)の協演(うでくらべ)。
これを殽(さかな)に、
嚴選(えらびぬか)れし古酒(ふるきさけ)を堪能(あぢは)ふ宴(うたげ)。
古酒(ふるきさけ)は、"達磨正宗十年物(だるまゝさむね、とゝせもの)"、
"達磨正宗廿年物(だるまゝさむね、はたとせもの)"の二種(ふたくさ)。
より正確(たゞしく)は、
卅年物古原酒(みそとせものゝふるきもとざけ)を新酒(あたらしきさけ)に割(わ)りて、
各々(おのおの)、三分之一(さんぶんのいち)、三分之二(さんぶんのに)、
含有(ふくむ)ものと云ふ。
烹飪(てうり)にも縱横無盡(ほしいまゝ)に古酒(ふるきさけ)を驅使(あやつる)。
加旃(しかのみならず)、
三百年(みもゝとせ)・四百年(よもゝとせ)前(まへ)の史料(ふみ)に探索(ふ)れ、
往古(いにしへ)の烹飪(やりかた)・醢醯(あぢつけ)に學(まな)ぶ。
かくて、豉油(しやうゆ)を忌避(さ)けて未醤(みそ)用(つか)ひ、
沙糖(さたう)を嫌惡(きら)ひ、素材(もと)の個性(もちあぢ)を活用(いかす)。
鹽(しほ)は藻鹽(もじほ)。
鰹脯(かつをぶし)用(つか)へど、海帶(こんぶ)に頼(たよ)らず。
味醂酒(みりんざけ)すら、古(ふる)きものに限定(かぎる)。
その縁由(ことのよし)、
偏(ひとへ)に、「温故知新(ふるきをたづねてあたらしきをしる)」ことにあり。
古人(いにしへのひと)曰(いへら)く、「和食(わしよく)は減算(ひきざん)」
しかはあれど、
漫(みだり)に古式(いにしへ)の烹調法(やりかた)を摸倣(まぬ)るにあらず!
法國割烹(おフランス)の智慧(ちゑ)を借用(か)り、
寡(かずゝくな)き醢醯(てうみれう)を活(い)かさんとす。
二種(ふたくさ)の古酒(ふるきさけ)に加(くは)へ、
樫樽貯藏貴釀酒(かしだるにたくはへたるよきさけ)も貰(もら)ふことに、、。
その風味(あぢとかをり)、
切支丹伴天連(きりしたんばてれん)の南蠻酒(なんばんしゆ)を髣髴(おもは)す、
どの碟(さら)も奇(き)を衒(てら)うことなく、
春特有(はるならでは)、季(とき)に適(かな)ふものばかり。
櫻鱒(さくらます)、蕗の薹(ふきのたう)、笋(たけのこ)、玉珧(たひらぎ)、、。
唯一(たゞひとつ)の例外(れいがい)が芝鰕入雞蛋燒(しばえびいりたまごやき)。
是(これ)、「當家(こちら)の招牌(かんばん)」とも云ふべき品(しな)。
仄(ほの)かなる甜(あまみ)は古酒(ふるきさけ)に起因(よ)るものと云ふ。
前囘(まへ)との相違點(たがひ)、不詳(つまびらかならず)。
不味(あぢあし)き品(しな)は皆無(ひとつとしてみあたらず)。
小人(それがし)、法國菜(フランスめし)に盲目(めしひ)なること、
宛然(あたかも)、鼴鼠(むぐら)が碧空(あをきそら)を知(し)らざるがごとし。
然(さ)れば、その精麁(よしあし)を論(あげつら)ふを得(え)ず。
とまれ、温故知新(ふるきをたづねてあたらしきをし)らんとする尖鋭的試行(こゝろみ)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-Macro 2/50 @F2
高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto 2/21 @F5.6
旭光學 賓得(Pentax)S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.4 ※2018-01撮影
芝増上寺山門(しばぞうじやうじさんもん)
大厦高樓(たかどの)に映(うつ)る東京電波塔(とうきやうでんぱたふ)
大名駕籠(だいみやうかご)
行燈光(あんどんのひかり)漏(も)るゝ外觀(かまへ)
東道(あるじ)海原大(かいばらひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 2018-01撮影
酒一覧表(さけいちらん)
達磨正宗(だるまゝさむね)十年物(とゝせもの)
達磨正宗(だるまゝさむね)廿年物(はたとせもの)
達磨正宗(だるまゝさむね)二種(ふたくさ)
達磨正宗(だるまゝさむね)十年物(とゝせもの)
達磨正宗(だるまゝさむね)廿年物(はたとせもの)
常州(ひたちのくに)泥鰌(どぢやう) ※手振れ御免
泥鰌(どぢやう)法式濃湯(ビスク)
泥鳅(どぢやう)法式濃湯(ビスク)
芝鰕(しばえび)入(いり)雞蛋焼(たまごやき)
泥鳅(どぢやう)炭火焼(すみびやき)
泥鳅(どぢやう)炭火焼(すみびやき)の蘿蔔(すゞしろ)卸(おろ)し
蕗の薹(ふきのたう)味(あぢ)の揚物(あげもの)に蕗未醤(ふきみそ)
樫樽貯藏貴釀酒(かしだるにたくはへたるよきさけ)
樫樽貯藏貴釀酒(かしだるにたくはへたるよきさけ)
山州長岡京(やましろのくにながをかきやう)の笋(たけのこ)
玉珧(たひらぎ)
鮪(しび)顎肉(あごにく)煮込(にこみ)
櫻鱒(さくらます)
米飯(こめのいひ)に奈良漬(ならづけ)
これを溏油(だし)を沃(そゝ)ぎて茶漬(ちやづけ)となす
利休焼(りきうやき)
利休焼(りきうやき)
2018/05/22 更新
2018/01 訪問
通常利用外口コミ
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衆人(もろびと)よ 曇(くも)れる眼精(まなこ)を よく擦(こす)り 東道(あるじ)の姿(すがた) 楚(しか)と留(とゞ)めよ
「"江戸(えど)"の眞味(あぢ)芝(しば)にあり」
「所在地(そのあるところ)、新堀町(しんぼりちやう)廿八番地(にじふはちばんち)」
なるありがたき託宣 (おつげ)に遵(したが)ひ、
この日(ひ)、芝(しば)『太華』を初訪問(はじめてたづぬ)。
廚(くりや)に在(あ)りて、莞爾(につか)と迎(むか)ふるは、
東道(あるじ)海原大親方(かいばらひろしおやかた)、その人(ひと)。
昭和五十三(せうわごじふさん)戊午歳(つちのえひつぢどし)、
武州荏原郡(むさしのくにえばらのこほり)生(む)まれ、數(かぞ)へで四十(よそぢ)。
安普請(やすぶしん)ながらも、
骨董品(ふるだうぐ)を驅使(たくみにつかひこなす)。
熱源(ひ)の業務用天火(さらまんだ)なるは致(いた)し方(かた)なきところ。
櫃臺(かうんた)、また、粗末(そまつ)な造築(つくり)。
推薦者(すゝめたまひしかた)の印籠(もんどころ)が威力(ちから)歟(か)?
この夜(よ)は貸切(かしきり)。
然(さ)れば、共(とも)に温故知新(ふるきをたづねあらたしきをし)らんと、
江戸(えど)を語(かた)り、啖(くら)ひ、古文書(ふるきふみ)を探究(さぐる)。
劈頭(いやさき)に供(いだ)されしは、
豬口(さかづき)の"銀魚(しらうを)煎溏油(いりだし)"。
一口(ひとくち)啜(すゝ)るや、
複雜玄妙(あやしげな)る風味(あぢとかをり)、五感(ごかん)を震(ふる)はす。
煎附(いりつけ)たる銀魚(しらうを)を、吸地(すひぢ)に煮出(にいだ)せしもの。
この吸地(すひぢ)、鰹本枯節(ほんがれ)より抽出(ひ)きたるものと演述(い)ふ。
東道(あるじ)、昆布(こんぶ)を避(さ)くること、
宛然(あたかも)、盜人(ぬすびと)が人目(ひとめ)を嫌(きら)ふがごとし。
「旨味(うまみ)は、"あれ"と"これ"との相乘效果(たすけあひ、つよめあひ)」
「勘(かん)を排除(すて)よ!」
「調菜(めしづくり)とは、料理(ことわりをはかる)科學(くわがく)なり!」
と、ほざく小賢(こざか)しき痘痕面(あばたづら)が瞼(まぶた)に浮(う)かぶ。
む、むッ?
このムッシュムラムラな鮮烈・激烈(つよくはげし)き鮮(うまみ)は?
「そんな、科學(くわがく)科學(くわがく)煩(うるさ)う云はゝるんやッたら、
痘痕面(あばたづら)のあんさん、花鳥(これ)でも喰(く)ひよし!」
次(つ)いで、"一之皿(ひとつめのさら)"。
"菽乳未醤烹(とうふみそに)"、"芝蝦雞卵燒(しばえびたまごやき)"、
"鰆江戸未醤漬(さはらえどみそづけ)"の三品(みしな」)。
未醤(みそ)は"江戸甜未醤(えどあまみそ)"とのこと。
未醤(みそ)を溶(と)きたる鰹脯(かつを)溏油(だし)に滲(ひた)し、
文武火(つよからぬひ)にて終日(ひねもす)烹(に)たるを
"豆腐百珍(とうふひやくちん)"では"煮熟豆腐(にぬきどうふ)"と號(い)ふ。
"淮南未醤煮(とうふみそに)"は、より迅速(すばや)く烹(に)たもの。
更(さら)に、"二之皿(ふたつめのさら)"。
"沙魚煮滲(はぜにびたし)"、"蕗の薹(ふきのたう)"、"煮星鳗(にあなご)"。
精進揚(しやうじんあげ)が多(おほ)き"蕗の薹(ふきのたう)"を、
老抽(たまりじやうゆ)にて烹(に)るとはなかなかの調菜(しごと)。
想定外(おものほか)に鹵(しほ)淡(あは)し。
明確(あきら)かに、醎(しほからみ)より鮮(うまみ)が蠃(まさ)る。
淡(うすあぢ)なれど、星鳗(はかりめ)に臭氣(くさみ)絶無(なし)。
沙魚煮滲(はぜ)の旨(うま)さは勿論(いふもさらなり) 。
扨(さて)、
"芝蝦眞薯椀(しばえびしんじよわん)" :
芝蝦(しばえび)を、雞卵(にはとりのかひご)、蔥(ねぎ)と擂身(すりみ)にし、
清湯(きよらかにすめるしる)とせしもの。
東道(あるじ)淡口漿醤(うすくち)を避(さ)くること、
宛然(あたかも)、
虎(とら)の眼眶(まなこ)が鼠(ねづみ)を見逃(みのが)し、
その齒牙(きば)が蝶(てふ)や蟲(むし)を捕(とら)ふることなきがごとし、
これに用(つか)ふ豆油(しやうゆ)は、
纔(わづ)か、數滴(ふたしづく、みしづく)ほど。
透明感(すきとほ)り、しかも、豐潤(ゆたか)なる味(あぢはひ)。
卍(まんじ)、善哉(よき)、善哉(よき)!
"向附(むかふ)"として、
"小鰭芥子漿醤(こはだからしゞやうゆ)"、"玉珧指身(たひらぎさしみ)"。
小鰭(こはだ)は鹽(しほ)と醋(す)に十分(じつぷん)づゝ。
駭(おどろ)くほどに淺(あさ)き〆(しめ)なれど、無臭邨邑(むしうむらむら)。
東道(あるじ)、説明(と)きて曰(いは)く、
「その祕訣(ひめわざ)鹽(しほ)に先行(さきだ)つ一工作(ひとしごと)にあり」
近會(ちかごろ)、豫(あらかじ)め甘蔗(さたう)を用(つか)ふが風習(ならひ)。
親方(おやかた)が匿(かく)す「一工作(ひとしごと)」、不詳(つまびらかならず)。
江戸名菜(えどでなだかきくひもの)たる"葱鮪鍋(ねぎまなべ)"。
かつての大塚(おほつか)『なべ家』、神樂坂(かぐらざか)『山さき』、
人形町(にんぎやうちやう)『よし梅』など、
これを招牌(かんばん)とする家(いへ)少(すく)なからず。
主人(あるじ)海原大(かいばらひろし)、
「『日影茶屋』にて修業(わざをならひおぼえ)、
『なべ家』の味(あぢ)に觸發(ふれてめざ)め、云々(うんぬん)、、」
と、熱(あつ)く語(かた)る。
この湯(しる)もまた明澄(すみわたりてきよらか)。
淡口漿醤(うすくち)を避(さ)け、昆布(こんぶ)を嫌(きら)ひ、
なほ、絶妙(えもいはれ)ぬ佳味(よきあぢ)。
爰(こゝ)で"昆布(こんぶ)"、"豆油(しやうゆ)"談義(ばなし)に、、。
「昆布(こんぶ)は京師(みやこ)の水(みづ)こそ最適(よくあひ)、
雞(とり)が啼(な)く東國(あづまのち)では端(はな)から不利(りあらず)」
「老抽(たまりじやうゆ)は、味(あぢ)に立體感(おくゆき、ふくらみ)あり」
「旨味(うまみ)强(つよ)く、鹵(しほ)少(すく)なきが美點(よい)」
"菜花(なばな)"の、調味(あぢつけ)、火候(ひいれ)また然(しか)り。
その顏色(いろ)、翡翠(ひすい)かと疑(うたが)はれ、
その齒觝觸(はあたり)は、不硬不軟(かたからず、やはらかにすぎず)。
この溏油(だし)も絶味(このうへなくよきあぢ)。
「科學(くわがく)、科學(くわがく)」
と囂(かまびす)しく喚(をめ)き叫(さけ)ぶ輩(ともがら)は、
齊(ひと)しく括目(まなこをこす)りて、この溏油(だし)を見(み)よ!
努々(ゆめゆめ)侮(あなど)るべからず!
羽州(では)の『たかむら』、鎌倉(かまくら)『八百善』、
かつて赤坂(あかさか)に在(あ)りし『にしきぎ』、
一齊(ひとし)く、煎酒(いりざけ)を誇(ほこ)り、
鰹脯(かつをぶし)と濃口漿醤(こいくちしやうゆ)を謳(うた)ふ。
しかはあれど、
倩(つらつら)、その技藝(わざ)を窺(うかゞ)ひ、智慧(ちゑ)を比較(くら)ぶるに、
當家(こちら)『太華』が上手(うはて)。
愚按(やつがれおもふに)、所謂(よにいふ)"伸代(のびしろ)"となると猶更(なほさら)。
東道(あるじ)、
『招福樓』の亞流(ながれ)ばかりが蔓延(はびこ)る現状(ありさま)を愁(うれ)ふ。
茲(こゝ)で小人(それがし)、
「かの『K味』も、、」と言(い)ひかけ、辭(ことば)を呑(の)む。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 賓得(Pentax)S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.4~F2.8
東道(あるじ)海原大(かいばらひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 2018-01撮影
東道(あるじ)海原大(かいばらひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 2018-01撮影
東道(あるじ)海原大(かいばらひろし)親方(おやかた)【掲載許可濟】 2018-01撮影
銀魚(しらうを)煎溏油(いりだし)
淮南(とうふ)未醤烹(みそに)
芝蝦(しばえび)雞卵焼(たまごやき)
芝蝦(しばえび)雞卵焼(たまごやき)
鰆(さはら)江戸未醤漬(えどみそづけ)
沙魚(はぜ)煮浸(にびたし)
沙魚(はぜ)煮浸(にびたし)
蕗の薹(ふきのたう)
烹星鳗(にあなご)
芝蝦(しばえび)眞薯椀(しんじよわん)
芝蝦(しばえび)眞薯椀(しんじよわん)、斷面(きりくち)
玉珧(たひらぎ)指身(さしみ)
玉珧(たひらぎ)差身(さしみ)
山葵(わさび)
小鰭(こはだ)芥子漿醤(からしゞやうゆ)
小鰭(こはだ)芥子漿醤(からしゞやうゆ)
葱鮪鍋(ねぎまなべ)
葱鮪鍋(ねぎまなべ)の鮪(しび)
葱鮪鍋(ねぎまなべ)の鮪(しび)
柳鰈(やなぎがれひ)
菜花(なばな)
芝蝦(しばえび)魚鬆(そぼろ)、米飯(こめのいひ)
骨董品(ふるだうぐ)の皿(さら)
骨董品(ふるだうぐ)の皿(さら)
古道具(ふるだうぐ)の皿(さら)
2018/05/22 更新
海原大親方(かいばらひろしおやかた)、●●師傅(▲▲▲▲おやかた)とも、
「温故知新(ふるきをたづねてあたらしきをしる)」
を實踐(みづからおこなふ)。
小人(それがし)、大共鳴之(これにおほいにこゝろうごかさる)。
「古酒(ひねざけ)」に續(つゞ)き、此度(こだみ)は「雉子(きじ)」。
古語(いにしへのことば)では「雉子(きゞす)」と號(よびな)す。
室町中期(むろまちなかごろ)【四條流庖丁書(しでうりうはうちやうしよ)】、
江戸初期(えどのはじめ)【料理物語(れうりものがたり)】にも記述(しるさる)。
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■【四條流庖丁書(しでうりうはうちやうしよ)】 長享三年(1489年)
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美物(ひふつ)上下の事、
上は海の物、中は河の物、下は山の物。
但、定りて、雉、定事也。
山の物、下とは定たれとも、"鷹の鳥"には、如何なる白鳥成とも、上をすへからす。
雉の鳥に必可限。
何にても、鷹の取たる鳥をは、賞翫優たるへし。
鳥の"引垂燒"と云事、雉子の引垂を燒時、身の中に赤み少宛有樣にやき、切之。
是"引垂燒"とは見給はで、"なまやき"なるなど思ては如何?
昔、如此申定。
又、自然、鳥のやきものゝ味すく覺事あり。
酒をかけて、鹽を振て、燒たる鳥、必すなる也。
當流には、水をかけて鹽を振、可燒也。
鳥を"差味"にして、參する事、雉子、山鳥にても、荒卷て置たるを、
復、取出して、湯をかへらかして、彼鳥を入て、湯ひきて、取上、
さまして、薄く引て、"ふくさ盛"にして、"飼しき"同前。
蓼酢にて參らすへし。
御湯漬の"御廻"なとの可然物也。
猶々、鳥と斗云は、雉の事也。
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■【料理物語(れうりものがたり)】 寛永廿年(1643年)
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【雉子(きじ)】:
青がち、山かげ、ひしほいり、なます、さしみ、
せんば、こくせう、はぶし酒(さけ)、つかみ酒(さけ)、丸やき、
くしやき、いろいろ。
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「海幸(うみのさち) > 川幸(かはのさち) > 山幸(やまのさち)」 、
との番附(ばんづけ)なれど、
雉子(きじ)、就中(わきても)鷹狩(たかゞり)に捕獲(とら)へたる雉(もの)は、
「賞翫優(とびきりのあぢはひ)」と云ふことが合點(よくわかる)。
室町期(むろまちのみよ)には、鹽(しほ)、蓼醋(たでず)、
徳川期(とくがはのみよ)になると、未醤(みそ)と酒(さけ)が顯著(あらは)となる。
當時(そのころ)、豆油(しやうゆ)は炙燒(あぶりやき)などに使(つか)はれ、
差味(さしみ)・羹(あつもの)に用(つか)ひたる形跡(しるし)なし。
閑話休題(それはさておき)、この夜(よ)の宴(うたげ):
兩師傅(ふたりのおやかた)、
酒(さけ)は"古酒(ひねざけ)"、
雉子(きゞす)は膩(あぶら)から骨(ほね)まで使盡(つかひつ)くす。
そも、"古酒(ひねざけ)"とは古(ふる)く劣化(いたみか)けたる酒(さけ)にあらず。
熟成(うらしなら)し旨味(うまみ)増(ま)したる酒(さけ)を指(さ)す。
故(ゆゑ)に、"煎酒](いりざけ)"には必可缺(かゝすべからず)。
"新洋蔥(しんたまねぎ)"に古酒(ひねざけ)は寔(まこと)絶妙(たへなるものあり)。
"雉子酒(きじざけ)"は雉骨(きゞすのほね)を酒滲(さかびた)しせしものにて、
"鰒鰭酒(ふぐひれざけ)"、【四條流庖丁書(しでうりうはうちやうしよ)】中(ちゆう)、
"はぶし酒(ざけ)"、"つかみ酒(ざけ)"、を髣髴(おもはす)。
"はぶし酒(ざけ)"は羽附根(はねつけね)、"つかみ酒(ざけ)"は膓(わた)。
"膾(なます)"の酸(すみ)は梅酢(うめず)なれど、
"煎酒(いりざけ)"を添加(くは)へ、鰹脯(かつをぶし)の風韻(かをり)も、、。
古典(ふるきふみ)に習(なら)ひて、
なほ、徒(いたづら)に摸倣(なら)ひ、墨守(ふるきをまも)るにあらず。
當日(このひ)の雉子(きゞす)は、
遠州(とほとほみ)"雉の里(きじのさと)"にて飼育(そだてら)れたる雌(めす)。
「血拔(ちぬ)きをし三日(みつか)置(お)きたるもの」
との情報(はなし)。
紅肉(あかみ)も、肝臟(きも)ゝ、膩(あぶら)も、頭(かぶと)に至(いた)るまで、
各部位(ことごとく)餘(あま)すところなく堪能(あぢはふ)。
腿肉(もゝ)、肝臟(きも)、頭(かぶと)、
炭火(すみび)に炙(や)きて咋之(これをくら)ふ。
的確(ほどよ)き鹵(しほ)に、精妙無比(くらぶるものな)き火候(ひいれ)。
最早(もはや)、只顧(ひたすら)貪(むさぼ)るほか術(てだて)なし。
膩(あぶら)は淺煎(あさい)りして、その儘(まゝ)、
深煎(ふかい)りせしは、粳米姫飯(うるちまいのひめいひ)と伴(とも)に、、。
笹身(さゝみ)を湯引(ゆびき)し、
糯米强飯(もちごめこはいひ)に漿醤(しやうゆ)を垂(た)らしたるものは、
仄(ほの)かなる甜(あまみ)。
愚按(やつがれおもふに)、粳米姫飯(うるちまいのひめいひ)では不成立(なりたゝず)。
粳米姫飯(うるちまいのひめいひ)を活(い)かす、
"深煎膩(ふかいりあぶら)"に"雉肉未醤(きじみそ)"の二種(ふたくさ):
甲乙(かふおつ)難附(つけがた)き美味(よきあぢ)。
かくて、終始一貫(いやさきよりいやはてまで)、雉子(きゞす)が馨(か)。
雞(にはとり)とも、鴨(かも)とも異(こと)なる風韻(かをり)。
現在(いま)、「鳥肉(とり)」と云ふと、雞肉(にはとり)を指(さ)す。
嘗(かつ)ては、「鳥肉(とり)」とは雉肉(きじ)に同義(おなじ)。
存分(おもふがまゝ)に堪能(あぢはひつく)し、酒足飯飽(みもこゝろもみちたりぬ)。
因(ちな)みに、當日(このひ)の菜譜(こんだて)は如下(つぎのとほり):
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・掃愁帚(さけ)
雉子酒(きじざけ)、日本酒(さけ)、古酒(ひねざけ)
・雉子清湯(きじのすましゞる、=コンソメ)+青山椒油(あをざんせうあぶら)
・雉子(きゞす)膾(なます)+木耳(きくらげ)、梅醋(うめず)+山葵(わさび)
・雉肉(きじにく)炙(あぶ)り豆乳(まめのちゝ)がけ、
+聖羅勒(かみめばうき、ホーリーバジル)の花(はな)
・雉笹身肉(きじさゝみにく)+糯米强飯(もちごめこはいひ)
・棘栗蟹(とげくりがに)+黃韭菜(きにら)and/or笋(たけのこ)
・新洋蔥(しんたまねぎ)+鹽(しほ)+古酒(ひねざけ)
・涮雉肉(ゆびき)
・雉肝臟(きじのきも)炭火燒(すみびやき)
・雉腿肉(きゞすもゝにく)炭火燒(すみびやき)
・芝鰕眞薯(しばえびしんじよ)の椀(わん)
+布袋竹(ほていちく)笋(たけのこ)+濱防風(はまばうふう)
・食事(めし):
・"さゝにしき"米飯(うるちまいひめいひ)
・雉肉未醤(きじみそ)
・雉肥肉(きじのあぶらみ)+穗紫蘇(ほじそ)
・雉湯(きじゞる)
・菓子(くわし):
朧琵琶(おぼろびは)に寒天(かんてん)、古酒(ひねざけ)の風韻(かをり)
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