酔狂老人卍さんが投稿したいしまる(埼玉/大宮)の口コミ詳細

レビュアーのカバー画像

『此世をハ と里(り)や お暇尓(に) せん古(こ)う能(の) 煙りと供尓(に) 者(は)ひ 左樣なら』 (十返舎一九)

メッセージを送る

酔狂老人卍 (70代以上・男性) 認証済

この口コミは、酔狂老人卍さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する

いしまる大宮/寿司

9

  • 夜の点数:4.2

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.2
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
  • 昼の点数:4.4

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.4
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 3.8
      • |CP 3.6
      • |酒・ドリンク -
9回目

2025/03 訪問

  • 昼の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.6
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

"沼里師傅(このひと)"に 「これ以て究極(をはり)」は 念頭(はら)に無(な)く 永續鮓革命(あらためつゞく ひゞ、とこしへに)

"酒肆(のみや)"から"鮓店(すしや)"への轉業(なりはひがへ)以來(よりこのかた)、
庖丁(かしはて)"沼里師傅(ぬまりおやかた)"の廚藝(くりやわざ)、
眞言(まこと)、「日進月步(ひるにひがそらをすゝみ、よひにつきがあまかくる)」威勢(いくほひ)。
對照的(かたや)、"親方(おやかた)"所緣(ゆかり)の『石丸酒店』旣(すで)に廢業(なし)。

嘗(かつ)て、「不沈(しづむことなし)」と誤解(あやまり)し"(すし)"が沈下(しづむ)。
"鮓下駄(すしげた)"に置(お)く哉否哉(やいなや)、
緩(ゆる)やかに縮退(ちゞむ)こと、『Sやばし』かと疑(うたが)はれ、『Hぐち』と錯覺(みまがふ)。
うむ、これは眼福(めのこやし)!

舍利(すめし)の底部(そこ)に凹(くぼか)」無(なし)と云へど、
變貌(すがたかへ)つゝ、低(ひく)ゝ膨(ふく)よかなる姿(すがた)に收斂(しづやかにおさまる)。
摘(つま)まみて尙(なほ)瓦解(くづれさ)ることなく
一度(ひとたび)口中(くち)にするや、瞬時(またゝくうち)に爆裂飛散(ほどけちる)

"米醋(よねず)"が、"琥珀(こはく)"から"白百合(しらゆり)"に、
"煮詰(につ)め"が、"星鳗(はかりめ)"の煮汁(にじる)による"アナヅメ"一筋(ひとすぢ)から、
"海扇(ほたてがひ)"には"文蛤(はまぐり)"の"ハマヅメ"用(つか)ふやうに進化(なりき)。
「"海扇(ほたて)"に"アナヅメ"は不適(あはず)」とは"師傅(おやかた)"の辯(はなし)。

幾年前(いくとせかまへ)、
 「身(み)の厚(あつ)き"老虎魚(おこぜ)"・"白方頭魚(しろくづな)"は"振鹽(ふりじほ)"、
 身(み)の薄(うす)き"小鯛(かすご)"や"竹筴魚(まあぢ)"は"立鹽(たてじほ)"」
なりしも、現在(いま)は「全(すべ)て"振鹽(ふりじほ)"」との說明(よし)。

"對蝦(くるまえび)"は、
「"茹上(ゆであ)げ"から"茹置(ゆでお)き"に變(か)へ、提供直前(いだすまへ)に蒸(む)す
 何者(そのゆゑいかにとなれば)、
 "茹上(ゆであ)げ"は(かをり)のみにて、"味覺(あぢ)"なら"茹置(ゆでお)き"なればなり!」

「"蝦夷馬糞海膽(えぞばふんうに)"に"明礬(みやうばん)"不使用(つかふことな)く、
 然(さ)りとて、かの"鹽水靈臝子(しほみづびたしのうに)"とも異質(こと)なる處理(てあて)」、
との解說(よし)。
仔細(くはしきこと)、不審(つまびらかならず)

長州宇部產(うべのうまれ)と云ふ"(あかゞひ)"の雋永(うま)さに脫帽(したをまく)。
"雞蛋糕(かすていらたまごやき)"の鮮美(よきあぢ)は勿論(いふもさらなり)。
掉尾(いやはて)の"覆盆子(いちご)"は近會(ちかごろ)人口膾炙(かまびすし)き"あまりん"。
これが初體驗(はじめて)なるに、あまりの甘(あま)さに魂消(きもたましひをうしなふ)

---------------------------------------
【暗匣】:日本光學 尼康(Nikon)Zf 無反光鏡可換鏡頭照相機(MILC、みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtländer)APO-LANTHAR 2/50 @F2~F2.8

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)師傅(おやかた)"【掲載許可濟】2025-03撮影

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)親方(おやかた)"【掲載許可濟】2025-03撮影

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)掌廚(おやかた)"【掲載許可濟】2025-03撮影

  • "掃愁帚(さけ)"

  • "般若湯(さけ)"

  • "生薑(くれのはじかみ)"

  • "白方頭魚(しろくづな)"の溏油(にだしゞる)

  • 《阿波(あは)》の"白方頭魚(しろくづな)"、五百六十匁(≒2.1kg)

  • 《房州勝浦(かつうら)》の"紅金眼鯛(きんめ)"、三百四十七匁(≒1.3kg)

  • 《津輕三厩(みんまや)》の"鮪(しび)"、四十一貫(≒150~160kg)

  • 《津輕三厩(みんまや)》の"鮪(しび)"、紫菜捲(あまのりまき)

  • 《肥後天草(あまくさ)》の"小鰶(こはだ、=このしろのわかうを)"

  • 《陸州三陸(さんりく)》の"鱵(さより)"

  • 《上總富津(ふッつ)》の"眞烏賊(すみいか、=かふいか)"

  • 《長州宇部(うべ)》の"蚶(あかゞひ、きさ)"

  • 《蝦夷離島(えぞはなれじま)》の"蝦夷馬糞海膽(えぞばふんうに)"

  • 《薩州(さつま)》の"對蝦(くるまえび)"

  • 《蝦夷地(えぞち)》の"蝦夷盤扇貝(ほたてがひ)"

  • 《對馬(つしま)》の"星鳗(あなご、はかりめ)"

  • "未醤湯(みそしる)"

  • "雞蛋糕(かすていらたまごやき)"

  • "膾殘魚(しらうを)"

  • "覆盆子(いちご)"

  • "草莓(いちご)"、斷面(きりくち)

2025/04/06 更新

8回目

2022/10 訪問

  • 昼の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.6
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

熟成(ねか)すこと "馬鮫魚(さはら)"七日(なのか)で "雲紋石斑魚(くゑ)"一夜(ひとよ) 生殺與奪(いかすもころす)も 技倆次第(うでによりけり)

此度(こだみ)は、
"饕餮世界(たべてのよ)"に君臨(ましま)す"絶對王者(くらぶるものなきおほきみ)"、
仍(すなは)ち、
所謂(よにいふ)"ラスボス"たる"味神樣(あぢがみさま)"降臨(おみえに)。

近來(ちかごろ)、
傳説的饕餮(いひつたへになるほどのたべて)」を騙(かた)る鼠輩(やから)、
"味神樣(あぢがみさま)"が片言隻句(ふたことみこと)を鸚鵡(くちまね)し、
貴重情報(みゝよりばなし)を剽竊(ぬすみぎ)ゝて己(おの)が手柄(てがら)となす。

加旃(しかのみならず)、
三寸不爛之舌(したりしがほ)」に"(すし)"を譚 (かた)り、
輕佻浮薄(うはつきた)る"御朱印蒐集(ごしゆいんあつめ)"を非難排斥(そし)るも、
言舌(いふこと)ゝ行動(やること)が眞逆(まさかしま)と云ふ醜態(みにくさ)。

當家(こちら)『いしまる』は"味神樣(あぢがみさま)"ならで、
"伏龍鳳雛(いまだよにしられざるてだれ)"發掘(みいだし)たる鮓店(すしや)。
上述(くだん)の破廉恥(はぢをしら)ぬ"偸兒(ぬすびと)"、
秋毫(すこし)の臆面(はぢらひ)もなく"伏龍鳳雛(かれ)"からも竊盜(ぬすみ)。

扨(さて)、當日(このひ)の『いしまる』。
仔細(くはしきこと)は"伏龍鳳雛(かれ)"に一切合切(すべて)白紙委任(まか)せ、
蒙(それがし)が印象(おもひ)を數點(いくつか)。
不束(ふつゝか)、蟻塚(ありづか)、大森貝塚(おほもりかひづか)。

常態(つね)のことながら×貝塚〇"貝使(かひづかひ)"の名人(たくみ)
北海(きたのうみ)、これぞ"姥貝(うばがひ)"、"蝦夷石影貝(いしかげがひ)"。
「現在(いまや)、良質(よ)き"海松食(みるくひ)"は價格昂騰(ねがうなぎのぼり)」
と歎息(なげ)くこと再三再四(しきり)。

熟成(ねか)すこと、
"馬鮫魚(さはら)"七日(なのか)で"雲紋石斑魚(くゑ)"一夜(ひとよ)。
"縱彈性係數(はごたへ)"と、"鮮味(うまみ)"の太極(つきとひ、しろとくろ)。
その對比(たがひ)に啓蒙(くらきをひらか)るゝ感慨(おもひ)。

徒(いたづら)に"熟成(ねかし)"に志向(はし)るは野暮(やぼ)、
濫(みだり)に"活魚(いけ)"に拘泥(こだは)るは無智(むち)。
"沼里親方(ぬまりおやかた)"、
そのどちらとも異(こと)なる流儀(みち)を獨(ひと)り開拓(きりひら)かんとす。

---------------------------------------
【暗匣】:富士膠片(Fujifilm)X-T4 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtländer)MACRO APO-ULTRON 2/35 @F2.8~F4
     安徽長庚光學(Venus Optics)老蛙(LAOWA)2.8/9 ZERO-D @F8
           * * * * * *
【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:高千穗光學(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto 微距(Macro)2/50 @F2 2021-01

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)師傅(おやかた)"【掲載許可濟】2021-08撮影

  • "主人(あるじ)沼里裕幸(ぬまりひろゆき)親方(おやかた)"と"御内儀(おかみ)?"【掲載許可濟】2021-01撮影

  • "茶(ちや)"

  • "鞍掛豆(くらかけまめ)"

  • "生薑(くれのはじかみ)"

  • "雲紋石斑魚(くゑ)"、一貫一百八十匁(≒4.4kg)

  • "馬鮫魚(さはら)"、一貫七十匁(≒4kg)

  • "數子鯛(かすごだひ)"

  • "金槍魚(しび)"

  • "鐵火卷(てつくわまき)"

  • "小鰶(こはだ)"

  • "鱵魚(さより)"

  • "狹眞魚(さまうを)"

  • "烏賊(かふいか)"

  • "蝦夷石影貝(えぞいしかげがひ)"

  • "姥貝(うばがひ、ほつきがひ)"

  • "基圍蝦(くるまえび)"

  • "鰕蛄(しやこ)"

  • "未醤湯(みそしる)"

  • "星鳗(はかりめ)"

  • "紫菜乾捲(あまのりまき)"、壺盧乾(ほしたるゆふがほ)

  • "雞蛋糕(かすていらやき)"

  • "菓子(くだもの)"、葡萄(えびかづらのみ)

  • "水果(くだもの)"、梨子(なし)

2025/04/06 更新

7回目

2022/08 訪問

  • 昼の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.6
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

沼里親方(このをとこ)「雞群靏立(ひとなみはづれ とびぬけて)」 時々刻々(つぎつぎ)進化變貌(くりだす) 廚藝(わざ)の數々(かずかず)

"伏龍鳳雛(よにしられざるてだれ)"に誘(いざな)はれ、またも『いしまる』。
此度(こだみ)は、舊(ふる)き"知己(しりあひ)"を迎(むか)へて、、。
迂囘(とほまはり)をし、
"親方"(おやかた)所緣(ゆかり)の『石丸酒店酒肆(かくうち)にも。※←マヘヲトホツタダケ

"鮓店(すしや)"も亦(また)、
惡逆非道(みちにはづるゝあし)き"資本(ものゝけ)"が跳梁跋扈(のさば)り、
工匠(たくみ)を被平伏(ひれふさせ)庖人(くりやびと)を被隸從(ぬかづかす)
東都(えど)で高級店(ねのはるみせ)は十中八九(あらかた)この等類(たぐひ)

"造築(つくり)"は《A工務店(あそこ)》、"(しび)"は《Y(こゝ)》、
名店(なのあるみせ)の小僧(わかて)にそれなりの廚服(ふく)でも着(さ)せりャ、
馬子(たづなひき)にも衣裝(いでたち)・髮形(かみかたち)
と云ふ事情(わけ)にて「雨後竹筍(あめあがりのたかむな)」のごとき慘狀(ありさま)。

かゝる"鮓店(すしや)"の貴賓席(むしろ)を有難(ありがた)がる"客層(かたがた)"、
體裁上(おもてむき)、顰眉(まゆをひそめ)、顰顏(かほをしかむ)る客(もの)にも
夥計(なかま)に誘(さそ)はれ、あるいは、孔方(ぜに)に釣(つ)られ
ノコノコ遠征(あしをはこぶ)×蟑螂(ごき)〇壁蝨(だに)のごとき鼠輩(やから)も。

當家(こちら)、
かゝる"飮食資本(ばけもの、ものゝけ)"とは一切無緣(つゆゝかりなし)。
當日(このひ)は、"掃愁帚(さけ)"を含(ふく)め、
對價(あたひ)、一萬七千二百十五圓也(いちまんしちせんにひやくじふごゑんなり)。

六百九十匁(≒2.6kg)の"白方頭魚(しろくづな)"は"昆布〆(あらめじめ)"。
適度(ほどよ)く脱水(みづけをぬかれ)、"(しほけ)"も適切(よし)。
初體驗(はじめて)の"白星笛鯛(しろほしふえだひ)"は"(ひあぶり)"。
濃厚(あぢこ)く、「高級(ねのはる)白身魚(しろみ)」と"これ"にも解説(ある)。

例年(いつも)より遲(おく)れ傾向(ぎみ)の"竹筴魚(あぢ)"・"星鳗(あなご)"。
「江戸海(えどのうみ)に漁(いさり)し魚(いを)」と云ふ。
絶妙無比(たへ)なる火候(ひいれ)は"烏賊仔十腕(しんいかのげそ、=かふいかのあし)"。
眞言(まこと)、鮮美(よきあぢ)!」と喝采(さけばざるべからず)。

"伏龍鳳雛(かれ)"絶賛(ほめちぎる)は"蝦夷石蔭貝(これ)"への火候(ひいれ)。
納得(げにも)!
"蝦夷石蔭貝(このかひ)"、"鳥蛤(とりがひ)"に似(に)て然(さ)に非(あら)ず。
風味佳絶(あぢとかをりはとびきり)にして"鳥蛤(それ)"をも凌駕(しのぐ)。※←IMHO

再度(またも)變更(かふ)る歟(か)?、"玉珧(たひらぎ)"へ刀工(はものづかひ)。
"桂剥(かつらむ)き"を廢(や)め、標準(よくある)做法(やりかた)に、、。
親方(おやかた)、縱横無盡(たてゞもよこでも)、自由自在(ほしいまゝ)。
試行錯誤(てさぐり)の「飽(あ)くなき探求心(きはめんとするこゝろ)」なるべし。

"基圍蝦(くるまえび)"が復活(もどり)、
"雞蛋糕(かすていらやき)"が原狀復歸(もとのすがたにもどる)は吉兆(よきしるし)。
「×夜這(よばひ)〇四倍(よばい)、せめて二倍(にばい)の寸尺(おほきさ)なら、、
 惜(を)しみても猶(なほ)餘剩(あまり)ある!」とはこの"雞蛋糕(しな)"のこと。

---------------------------------------
【暗匣】:富士膠片(Fujifilm)X-T4 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtländer)NOKTON 1.2/35 @F2.8~F4
     安徽長庚光學(Venus Optics)老蛙(LAOWA)2.8/9 ZERO-D @F8

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)師傅(おやかた)"【掲載許可濟】2021-08撮影

  • "泉州水茄子(せんしうみづなすび)"

  • "茶(ちや)"

  • "生薑(くれのはじかみ)"

  • "白方頭魚(しろくづな)"、昆布締(あらめじめ)

  • "白星笛鯛(しろほしふえだひ)"

  • "沙鮻(きすご)"、昆布締(あらめじめ)

  • "鮪(しび)"、紅肉(あかみ)

  • "鮪(しび)"、小肥肉(やゝあぶらみ)

  • "鮪(しび)"、紫菜捲(あまのりまき)

  • "掃愁帚(さけ)"

  • 錫(すゞ)の罌(とくり)に"唐茶(さけ)"

  • 切割玻璃(きりこ)の豬口(ちよく)に"玉薤(さけ)"

  • "小鰶(こはだ)"

  • "竹筴魚(まあぢ)"

  • "烏賊仔十腕(しんいかのげそ、=かふいかのあし)"

  • "烏賊仔(しんいか、=かふいかのこ)"

  • "蝦夷石蔭貝(えぞいしかげがひ)"

  • "玉珧(たひらぎ)"

  • "鮏子(さけのはらこ)"

  • "未醤湯(みそしる)"

  • "基圍蝦(くるまえび)"

  • "星鳗(はかりめ)"

  • "雞蛋糕(かすていらやき)"

  • "茶(ちや)"

  • "漆塗蓋椀(ぬりのふたつきうつは)"

  • 御開帖(ぱかッ©毒さま✨.:*゚:.。:.)"桃果凍(もゝにこゞり)"

  • "石丸酒店(いしまるしゆてん)"、酒肆(かくうち)

2022/08/20 更新

6回目

2022/07 訪問

  • 昼の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.8
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

玉石混淆(いしまじり) 名店發掘(たからさがし)に 疲勞困憊(つかれはて) 發掘名人(たくみ)に靠(すが)る 冢中枯骨(おひたるこのみ)

かの"トゥトアンクアメン陵墓(みさゝぎ)"發掘(ほりいだ)せしは"H.カーター":
世(よ)に彼(かれ)の大名(な)を周知(しらざるものなし)。
この大業(おほしごと)を成就(なしとげた)は、
偏(ひとへ)に、情熱(やむことのなきあつきおもひ)と智慧(ちゑ)の精華(たまもの)。

埃及(エヂプト)に大王(ファラオ、おほきみ)夥(あまた)存在(おは)しませど、
その陵墓(みさゝぎ)は悉(ことごと)く盜掘(はかあらし)に遭(あ)ひ
未盜掘(いまだあらされざる)陵墓(おほきみのみさゝぎ)は、
"トゥトアンクアメン陵墓(これ)"が初(はじめて)。

これと同樣(おなじ)く、
知(し)られざる佳店(よきみせ)發掘名人(みいだし、ほりいだすたくみ)が、
老骨(それがし)が周圍(まはり)には二人(ふたり)
内(うち)一人(ひとり)は、若年(わか)き「臥竜鳳雛(よにしられざるすぐれもの)」。

玉石混淆(たまといしとがいりまじる)」鮓店(すしや)の中(なか)ゟ(より)、
いしまる』發掘(みいだ)したるもこの賢人(かた)。
だが、鐵面(あつかま)しくもその功績(てがら)を竊取(よこどり)せんと狙(ねら)ふ
虎狼之心(けだものゝこゝろをもつ)」盜人(ぬすびと)が、、。

旣(すで)に他店(よそ)でも竊盜(ぬすみ)を重(かさ)ねし惡漢(わるもの)
賢者(かれ)も、「かくなる上(うへ)は、、」と決斷(はらをくゝり)、
新規開拓情報(あらたにみいだしたるはなし)は内密(そとにもらさぬやう)に、、。
その數(かず)、旣(すで)に六軒(むゝね)にも及(およ)ぶ。 ※←卍調べ

陵墓(みさゝぎ)の盜掘人(はかあらし)は、
自(みづか)ら金銀財寶(たから)の所在地(ありか)を探索(さぐりあ)て
汗水(あせみづ)流(なが)して墓(はか)を掘(ほ)る
他方(かたや)、件(くだん)の厚顏無恥(あつかま)しき輩(やから)はと云ふと、、、

汗一滴(ひとしづくのあせ)だに垂(た)らさで情報(はなし)を盜聽(ぬすみぎ)ゝ
さも自(みづか)ら發掘(ほりいだし)たるがごとく吹聽(いひふらす)
(あぶら)を(な)め、生血(いきち)を(すゝ)る肥大(おほき)な壁蝨(だに)。
などて御天道樣(おてんたうさま)が看過(みのがす)理(ことわり)やある?! ※イヤ,ナイ

案下某生再説(それはさておき)、當日(このひ)の『いしまる』:
前述(くだん)の若(わか)き「臥竜鳳雛(よにしられざるすぐれもの)」ゟ(より)、
甚稀少(いとまれ)なる"宮津(みやつ)"の野生(すなどり)"鳥蛤(とりがひ)"を、、」
との誘(さそ)ひを受(う)け、勇躍(いさみ)て武州足立郡大宮(おほみや)に、、。

冢中枯骨(それがし)、
宮津(みやつ)『繩屋』にてこの"鳥蛤(とりがひ)"噉(くら)ひし經驗(こと)あり。
築地(つきぢ)・豐洲(とよす)の魚市塲(うをいちば)まで流通(まはらぬ)ものとか。
ところが、通信障碍(テレガラフがらみのさしさはり)により荷(に)が不着(とゞかぬ)

適度(ほどよ)く昆布〆(あらめじめ)にせし"白方頭魚(しろくづな)"、
"雞魚(いさき)"と續(つゞ)く。
"(しほ)"の用法(つかひかた)は遉(さすが)!
やはり、古今東西(いにしへよりいづこにても)、"(しほけ)"こそ要(かなめ)。

"紅金眼鯛(きんめ)"は"湯引(ゆび)き"。
三種(みくさ)の"(しび)"は、
各々(おのおの)異(こと)なる産地(みなと)、"卷網(まきあみ)"にて、、」
との説明(はなし)。

"以前(まへ)"とは異(ことな)る"小鰶(こはだ)"髣髴(おもはす)"(まいはし)":
精麁好醜(よしあし)は保留(お)くとして、
その"醢醯(あぢつけ)"の妙(たへなること)に打點頭(うなづかずといふことなし)
これぞ"沼里親方(ぬまりおやかた)"が眞骨頂(まことのちから)。

"竹筴魚(まあぢ)"も"前囘(まへ)"とは異質(ことなる)。
"前囘(まへ)"は相州小田原(をだはら)、"此度(こだみ)"は長州(ながと)。
亭主(あるじ)、「今季(ことし)は遲(おく)れ傾向(ぎみ)」と歎息(ためいき)。
嗚呼(あゝ)!、南無三寶(なむさん)!

"玉珧(たひらぎ)"への刀工(はものづかひ)が被變更(かはりぬ)。
"以前(まへ)"と同樣(おなじ)く纖維(すぢ)を保(のこ)す廚藝(わざ)ながら、
所謂(いはゆる)"桂剥(かつらむ)き"とも難言(いひがたし)。
年々歳々(としごとに)、時々刻々(みるみるまに)、變貌(かたちをかへゆく)

築紫(つくし)の"海鰻鱺(うみむなぎ)"百九十匁(≒700g)。
これを"志ら燒(しらやき)"にし、
"椒芽(なるのはじかみのめ)"と一緒(とも)に紫菜乾(ほしあまのり)にて捲(ま)く。
これが、現時點(いま)の親方(おやかた)なりの最適解(このうへなきこたへ)。

價格昂騰(いたづらに、うなぎのぼりのたかね)と云ふ"基圍蝦(くるまえび)":
「盡萬策(やむことをえずし)て"棒鮓(ばうずし)"に、、」
、、とは辯明(い)へ、白板昆布(しらいたゑびすめ)の味(あぢ)强(つよ)く、
半點(いさゝか)、鰕(えび)と酢飯(しやり)との均衡調和(つりあひ)も缺(か)く

破裂寸前(はりさけんばかり)に期待膨脹(おもひふくら)む"雞蛋糕(かすてらたまご)":
常態(つね)に不變(かはらぬ)華美(よきあぢ)なれど、
顏色(いろみ)の餘(ほか)大同小異(おほきくことなるところなし)。
されど、獨學(ひとり)でこれほどの水準(たかみ)とは天賦之才(うまれながらのもの)

最後(いやはて)に、
遲延(おくれ)に遲延(おくれ)し丹後國宮津(たんごのくにみやつ)の"鳥蛤(とりがひ)":
早飛脚(はやびきやく)が停滯(とゞこほ)り、
折角(せつかく)の"鳥蛤(しなもの)"が靑息吐息(いきもたへだへ)。

そこは、それ、職人氣質(しよくにんかたぎ)の師傅(おやかた)。
高價(ねのは)る"鳥蛤(とりがひ)"を無償提供(たゞでふるま)ふ膽力(ふとッぱら)。
對價(あたひ)、一萬六千九百四十圓也(いちまんろくせんきふひやくしゞふゑんなり)。
嗚呼(あゝ)、感謝感激雨霰(ありがたや、ありがたや)!

---------------------------------------
【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtlaender)APO-LANTHAR 2/50 Asph. @F2~F2.8

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)師傅(おやかた)"【掲載許可濟】2021-03撮影

  • "鞍掛豆(くらかけまめ)"

  • "白黃檣魚(しろくづな)"

  • "雞魚(いさき)"

  • "紅金眼鯛(きんめ)"

  • "鮪(しび)"

  • "鮪(しび)"、剝離(はがし)

  • "鰮(まいはし)"

  • "竹筴魚(まあぢ)"

  • "甲烏賊(すみいか、=かういか)"

  • "玉珧(たひらぎ)"

  • "車渠(ほたてがひ)"、漬込(つけこ)み

  • "海鰻鱺(うみむなぎ)"、紫菜捲(あまのりまき)

  • "海鰻鱺(うみむなぎ)"、紫菜捲(あまのりまき)

  • "基圍蝦(くるまえび)"

  • "鮪肥肉(あぶ)"、紫菜捲(あまのりまき)

  • "星鳗(はかりめ)"

  • "未醤湯(みそしる)"

  • "雞蛋糕(かすていらやき)"

  • "鳥蛤(とりがひ)"

  • "鳥蛤(とりがひ)"

  • "鳥蛤(とりがひ)"

  • "鳥蛤(とりがひ)"、瀹(ゆびき)

  • "鳥蛤(とりがひ)"、瀹(ゆびき)

  • "鳥蛤(とりがひ)"、暸(あぶりもの)

  • "鳥蛤(とりがひ)"、焙(あぶ)り

  • "甜品(あまみ)"

  • "甜瓜(からうり、まくは)"とその"果冰(にこゞり)"

2022/08/15 更新

5回目

2021/08 訪問

  • 昼の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.8
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

鮓(すし)の"西之島新島(あのしま)"

好醜善惡(よしあし)は保留(さてお)き、
現今(いま)や"鮓(すし)"は「百花繚亂(おびたゞしきかずのはながさきみだれ)」、
かの「寒武紀大爆發(カンブリアだいばくはつ)」を髣髴(おもはす)樣相(ありさま)。
價格(ね)も昂騰(うなぎのぼり)。

玉石混淆(なかには、あやしげなるものもまじ)るも、
一際(ひときは)異彩(ひかり)を放射(はな)つが當家(こちら)『いしまる』。
元來(もともとは)"居酒屋(ゐざかや)"なれど、
獨學(ひとりならひ)で鮓店(すしや)に轉業(なりはひをかへ)て一周年(ひとゝせ)

いしまる』、"沼里親方(ぬまりおやかた)"の歩(あゆみ)は、
突然變異(とつぜんへんい)」と云ふより、「正常進化(せいじやうしんくわ)」。
その變貌(かはりぶり)、
眞言(まこと)、「日進月歩(ひがすゝみ、つきがあゆむがごとし)」。

この日(ひ)も"雞群一靏(ひとなみはづれたるてだれ)"と。
"西之島新島(あのしま)"と比肩(かたをなら)ぶるほどに變遷(うつろひゆくさま)を、
聢(しッか)と兩眼(ふたつのまなこ)に錄畫(やきつけ)んと、
一足先(ひとあしさき)に"(きざはし)"を昇(のぼ)る。

劈頭(いやさき)に、薩州(さつま)"黃帶擬鰺(しまあぢ)"に颳目(まなこけづら)る。
割刀(めしがたな)を入(い)るゝや、
魫(うをのあぶら)皮附近(かはのちかく)ゟ(より)浮騰(ほとばし)る
「"養殖物(やうしよくもの)"ならで"天然物(てんねんもの)"」との説明(よし)。

"無花果白和(からがきのしらあへ)"にも霎時(しばし)絶句(ことばをうしなふ)
"實質(みのしたざはり)"、"濕潤性(うるほひ)"、"(あまみ)"に、
不圖(はからず)も、"黑無花果(くろからがき)"と錯覺(みまが)ひ、
迂闊(こゝろならず)も、あの"白無花果(しろからがき)"かと誤認(あやまつ)。

"親方(おやかた)"應答(いらへ)て曰(いへら)く、
「否(いな)!、山州(やましろ)の"これ"に厶(ござ)りまする。
 叮嚀(ねんごろ)に蒸之(これをむ)し、然後(のち)、白和(しらあ)へに、、。」
うむ、これを"技倆(うで)"と斷言(いはづして、なんといふ)。

三州(みかは)の"小鯷(こいはし)"にも驚愕(まなこしろくろ)。
旣(すで)に"油漬小鯷(あぶらづけのこいはし)"でその美味(うまさ)を知(し)るも、
"鮓(すし)"では初體驗(はじめて)。
さいたう』の"(いはし)"も佳味(よきあぢ)なれど、これも絶品(すごすぎ)。

そも、鮓(すし)の"形狀(すがたかたち)"からして完璧(ひのうちどころなし)。
前日(まへのひ)の『みや古』の"それ"とは雲壤懸隔(くもとつちほどのたがひ)。
新物(しんもの)"鮏腹子(さけはらこ)"も『みや古』の"それ"より嫩(やはらか)。
熱湯(あつきゆ)も(しほ)も不使用(つかはで)、、、」と自慢(むねをはる)。

"雞蛋糕(たまごやき)"は二種(ふたくさ)比較(たべくらべ)。
"一(ひとつ)"めは前日(まへのひ)もの
"二(ふたつ)"めは燒成(やきあがり)て間(ま)も無(な)きもの
これも、一刻(ひとゝき)ほど寢(ね)かせたる(のち)、眼前(まのまへ)に、、。

かの長嵜(ながさき)"加須底羅(かすていら)"も、
一晝夜熟成(まるいちにち、ねかしうら)して味(あぢはひ)を増(ま)す。」と云ふ。
鮓(すし)の"雞蛋糕(たまごやき)"とて、なでふ異(こと)なる理(ことわり)やある?
うむ、慥(たしか)に、、!

"對蝦(くるまえび)"も半點(いさゝか)變化(かは)り、
以前(まへ)に比較(くらべ)て味覺(した)に馴染(なじ)む温度(あたゝかさ)に、、。
これで支拂額(しはらひ)は一萬一千二百廿圓(いちまんいつせんにひやくにじふゑん)。
參考(ちな)みに、『みや古』が"これ"で一萬七千圓(いちまんしちせんゑん)。

辭別(いとまごひ)には"かゝる品(しな)"も、、。
謙虚(おくゆかし)くも"粗品(そしな)"でも"せいや"でもなく"松の葉(まつのは)"と。
今後(このさき)、五周年(いつとせ)、十周年(とゝとせ)、、
その未來(すゑのすがた)、咄嗟(にはか)には不能豫測(はかりがたし)

---------------------------------------
【暗匣】:富士膠片(Fujifilm)X-T4 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:銘匠光學 TTArtisan 1.4/35 @F2~F5.6
     安徽長庚光學(Venus Optics)老蛙(LAOWA)2.8/9 ZERO-D @F8

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)師傅(おやかた)"【掲載許可濟】2021-08撮影

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)師傅(おやかた)"【掲載許可濟】2021-08撮影

  • "大宮停車塲(おほみやステンショ)"西口(にしぐち)

  • "外觀(かまへ)"

  • "階下(きざはしゝた)"

  • "階(きざはし)"

  • "漬臺(つけだい)"

  • "茶(ちや)"

  • 臺灣(たいわん)"生薑(くれのはじかみ)"

  • "山蓼(わさび)"

  • "刀工(きりつけ)"

  • 薩州(さつま)"黃帶擬鰺(しまあぢ)"

  • 丹後(たんご)"無花果(からがき)"、白和(しらあ)へ

  • 丹後(たんご)"無花果(からがき)"、白和(しらあ)へ

  • 丹後(たんご)"無花果(からがき)"、斷面(きりくち)

  • 蝦夷利尻(りしり)"牙鮃(ひらめ)"

  • "龍占魚(めいちだひ)"

  • 薩州(さつま)"黃帶擬鰺(しまあぢ)"

  • "茶(ちや)"

  • "鮪(しび)"

  • "鮪(しび)"

  • "小鰶(こはだ、≒このしろのこ)"

  • 三州(みかは)"小鯷(こいはし)"

  • 三州(みかは)"小鯷(こいはし)"、側面(よこづら)+前面(さきづら)

  • 相州小田原(おだはら)の"竹筴魚(あぢ)"

  • 相州小田原(おだはら)の"竹筴魚(あぢ)"、斷面(きりくち)

  • "新纜魚十腕(しんいかげそ)"、側面(よこづら)

  • "新纜魚十腕(しんいかげそ)"

  • "新纜魚(しんいか)"

  • 蝦夷(えぞ)"姥貝(ほつきがひ、=うばがひ)"

  • 越中富山(とやま)"玻璃蝦(しろえび、=しらえび)"

  • "鮏腹子(さけはらこ)"

  • "蝦夷馬糞靈臝子(えぞばふんうに)"

  • "北紫靈臝子(きたむらさきうに)"

  • "對蝦(くるまえび)"

  • "未醤湯(みそしる)"

  • 下總九十九里(しもつふさくじふくり)"文蛤(はまぐり)"

  • "星鳗(はかりめ)"

  • "雞蛋糕(たまごやき)"、一夜熟成(ひとやねかし)

  • "雞蛋糕(たまごやき)"、焼上(やきあが)り

  • "雞蛋糕(たまごやき)"、一刻後(いつときのち)

  • "雞蛋糕(たまごやき)"、一刻後(いつこくのち)

  • "手拭(てのごひ)"

  • "手拭(てのごひ)"

2021/09/18 更新

4回目

2021/05 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

颳目(まなこけづ)りて、この親方(ひと)を見(み)よ!

劈頭(いやさき)に、六百七十匁(≒2.5kg)の"星鰈(ほしがれひ)":
曰(いは)く、「朝締(あさじめ)」との説明(よし)。
大多數(おほく)の名親方(なのあるおやかた)と同樣(おなじ)く、
「"(さしみ)"は當日(そのひ)、"(すし)"なら翌日(あくるひ)」とも、、。

無遺漏(もれな)く"裙邊(えんがは)"も附屬(つ)き、
"齒應(はごた)"へのみならず"旨味(うまみ)"すら不可輕視(あなどりがたし)。
眞言(まこと)、
白身魚(しろみ)の皇(すめらぎ)」たるに相應(ふさはし)き風味(あぢかをり)。

かゝる上等魚(よきうを)は"(しほ)"と"山蓼(わさび)"が適切(よい)。
當家(こちら)は藝州(あき)の"藻鹽(もじほ)"。
仕込(しこみ)にも用之(これをつかふ)。
"山蓼(わさび)"の御殿塲(ごてんば)"眞妻種(まづま)"なるは勿論(いふもさらなり)。

"大溝貝(おほみぞがひ)"は初體驗(はじめて)。
何(なん)でも、"大溝貝(これ)"は"竹蟶(まてがひ)"の同類(なかま)とか、、。
しかはあれど、
口味(あぢ)も形状(かたち)も"竹蟶(まてがひ)"とは大差(おほきなるたがひ)。

"鰕蛄(しやこ)"は有卵(こもち)。
嫉妬(やきもち)、食盒(をかもち)、幇間(たいこもち)。
"(もち)"を炙(やく)なら炭(すみ)が最適(よい)。
禁斷(ならぬ)は、剽竊(ぱくり)に騙(かた)り、賄賂(まひなひ)、僞客(さくら)。

濱茹(はまゆで)」とのことなれど、
愚按(やつがれおもふに)、
"(えび)"と同樣(おなじく)"(いけ)"の"茹上(ゆであげ)"が最善(なにより)。
親方(おやかた)曰(いへら)く、「"活鰕蛄(いけ)"は難入手(てにいれがたし)!」。

淡路(あはぢ)の"鱆魚(たこ)"には脱帽(おそれいりやのあさがほいち)。
"櫻煮(さくらに)"を髣髴(おもはす)顏色(いろ)と輭(やはらか)さでありながら、
"(あまみ)"と"(しほけ)"を適度(ほどよ)く抑制(おさ)へ
能(よ)く"鱆魚(たこ)"の風味(あぢとかをり)を留(とゞ)む

「風習(ならひ)の"打擲(たゝきつけ)"や"(ちや)ぶり"を囘避(さ)け、
 ●●分(ミニュト)ばかり冷凍(いてつかせ)、
 "赤酒(あかざけ)"、"淡口醬油(うすくち)"、"(みづ)"以て煮(に)まして、、」
と、飄々(かほいろひとつかへず、おだやか)に語(かた)る。

"紅金眼鯛(きんめ)"の調劑(あぢつけ)も上等(よき)。
冷製(つめたくした)て、朱明(なつ)らしき"堀口切子(ほりぐちきりこ)"に盛(も)る。
配搭(つけあはせ)は"(ぬなは)"に"椒芽(きのめ)"。
"潮汁(うしほじる)"でも"酒蒸(さかむし)"でもあり、寔(まこと)淸涼(すゞやか)

"玉珧(たひらぎ)"への刀工(はものづかひ)にも肝裂魄飛(おほいにおどろかさる)。
"桂剥(かつらむき)"のごとく、薄(うす)く長方形(ながしかく)に削(そ)ぎ
纖維(すぢ)を直交(たちきるむき)に淺(あさ)く入刀(はをい)れ、
"紫菜乾(ほしあまのり)"などの"(おび)"をせずに成形(にぎ)る。

摸倣(まねごと)に非(あら)で親方獨創(みづからあみいだせ)し廚藝(わざ)。
なれど、寸毫(つゆ)傲慢(おごりたか)ぶることもなく
先人(このみちをひらきしかたがた)を尊敬(したひ、うやまふ)こと、
宛然(あたかも)、白藏(あき)の稻穗(いなほ)の風(かぜ)に靡(なび)くがごとし

厚顏無恥(あつかましくも、つゆ、はぢいることもしら)ず、
剽竊(ぱくり)・猿眞似(さるまね)を繰返(くりかへ)す鼠輩(ねづみのともがら)!
颳目(まなこけづ)りて、この親方(ひと)を見(み)よ!
、、とか何(なん)とか、居丈高(えらさう)に發言(い)ッてみる。

"(しほ)"の用法(つかひかた)も、眞言(まこと)、合理(ことわりにかなふもの)。
"老虎魚(おこぜ)"・"白方頭魚(しろあまだひ)"は"振鹽(ふりじほ)"、
身(み)の薄(うす)き"棘鬛魚(かすご)"・"竹筴魚(まあぢ)"は"立鹽(たてじほ)"、
と辯別(わ)け、"旨味(うまみ)"を强(つよ)め"臭氣(くさみ)"を去(さ)る

---------------------------------------
【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtlaender)Apo-Lanter 2/50 Asph. @F2.8
     福倫達(Voigtlaender)Super Wide-Heriar 4.5/15 Asph. III @F11

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)師傅(おやかた)"【掲載許可濟】2021-03撮影

  • "大宮停車塲(おほみやステンショ)"前(まへ)

  • この"大厦高樓(たかどの)"二樓(うへ)

  • "茶(ちや)"

  • 藝州(あき)の"藻鹽(もじほ)"

  • "星鰈(ほしがれひ)"、六百七十匁(≒2:5kg)

  • "星鰈(ほしがれひ)"、六百七十匁(≒2:5kg)、裙邊(えんがは)

  • "星鰈(ほしがれひ)"、六百七十匁(≒2:5kg)、山蓼(わさび)は御殿塲(ごてんば)"真妻種(まづま)"

  • "星鰈(ほしがれひ)"、六百七十匁(≒2:5kg)+"山蓼(わさび)"

  • "堅魚(かつを)"

  • "大溝貝(おほみぞがひ)"

  • "大溝貝(おほみぞがひ)"

  • "大溝貝(おほみぞがひ)"、酢橘(すだち)

  • "帝王鮏(ますのすけ)"

  • "帝王鮏(ますのすけ)"、皮(かは)

  • "帝王鮏(ますのすけ)"、『原了郭』"黑七香粉(くろしちみ)"

  • 泉州(いづみのくに)の"水茄子(みづなす)"

  • 泉州(いづみのくに)の"水茄子(みづなす)"

  • "鰕蛄(しやこ)"

  • "鰕蛄(しやこ)"、卵(かつぶし)

  • 淡路(あはぢ)の"鱆魚(たこ)"

  • 淡路(あはぢ)の"鱆魚(たこ)"

  • "堀口切子(ほりぐちきりこ)"の蓋碗(ふたつきうつは)

  • "紅金眼鯛(きんめ)"、w/ "蓴(ぬなは)"+"椒芽(きのめ)"

  • "手拭(てふき)"

  • "茶(ちや)"

  • "生薑(くれのはじかみ)"

  • "老虎魚(おこぜ)"

  • 紀州八幡濱(やはたはま)の"白方頭魚(しろあまだひ)"

  • 對馬(つしま)の"赤鯥(あかむつ)"("紅瞳(べにひとみ)")

  • 下總銚子(しもつふさてうし)の"鮪(しび)"、三十三貫(≒120~130kg)、紅肉(あかみ)

  • 下總銚子(しもつふさてうし)の"鮪(しび)"、三十三貫(≒120~130kg)、中肥肉(ちゆうあぶ)

  • 肥後天草(ひごあまくさ)の"小鰶(こはだ)"

  • 薩州出水(さつまのくにいづみ)の"棘鬛魚(かすご)"

  • 薩州出水(さつまのくにいづみ)の"竹筴魚(まあぢ)"

  • 越中有磯海(ゑつちゆうありそうみ)の"白鰕(しろえび)"

  • 和泉灘(いづみなだ)の"鳥蛤(とりがひ)"

  • 獨創的(おやかたあみいだせ)し"玉珧(たひらぎ)"

  • "靈螺子(うに)"

  • "對蝦(くるまえび)"

  • "斧文蛤(ぢはまぐり)"

  • "未醤湯(みそしる)"

  • "星鳗(はかりめ)"

  • "雞蛋糕(とりのこやき)"

2021/05/30 更新

3回目

2021/03 訪問

  • 昼の点数:4.2

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.8
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク-
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

海(うみ)の無(な)き 僻地(わびしきゐなか)に 棲(す)みかねて 武州(むさし)『いしまる』 "沼里(ぬまり)"戀(こひ)しき

此度(こだみ)は若(わか)き俊英(ひいでたるちからのもちぬし)と、、。
能(よ)く"(あかゞひ)"の產海(うまれ)による差異(たがひ)を知盡(し)り、
"沼里親方(ぬまりおやかた)"が潛在能力(ひめたるちから)を高評價(たかくかふ)。
末(すゑ)怖(おそ)ろしき大器(おほもの)」とは正(まさ)にこのこと。

當日(このひ)の"(すし)"そのもの、
"舎利(すめし)"も、"(す)"も、"山蓼(わさび)"・"生薑(くれのはじかみ)"も、
加旃(しかのみならず)、"鮓種(すしだね)"に至(いた)るまで、
前囘(まへ)と大同小異(おほきくことなるところなし)

一際(ひときは)瞠目(めをみはる)べきは、
"鯖鮓(さばずし)"、輒(すなは)ち、(まさば)の"棒鮓(ばうずし)"歟(か)?
"白板昆布(しらいたひろめ)"を沙糖(さたう)入(い)り赤醋(あかず)に滲(ひた)し、
成形(かたちをとゝのへた)る"棒鮓(ばうずし)"を包(つゝ)み放置(ねかしおく)

半晌(はんとき、≒1h)後(のち)、剪斷之(これをき)りて客前(ひとまへ)に、、。
華洛(みやこ)"の鯖鮓(さばずし)"とも大坂(おほさか)"小舟(バテイラ)"、
かの『與兵衞鮓』の"鯖鮓(それ)"とも異質(こと)なる、唯一無二(ほかになき)もの。
鮮美(よきあぢ)なれど、"(あまみ)"强(つよ)きが「白璧微瑕(たまにきず)」。

淺(あさ)き火候(ひいれ)ゆゑ"文蛤(はまぐり)"は輭(やはらか)。
"乾瓢(ゆふがほのひもの)"に"椒芽(きのめ)"を配劑(あしら)ふは、
「"山蓼(わさび)"より適合(よくあふ)」との信念(つよきおもひ)に基(もと)づく。
眞言(まこと)、稚拙(つたな)き摸倣(さるまね)に非(あら)ず

---------------------------------------
【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtlaender)Apo-Lanter 2/50 Asph. @F2~F5.6

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)師傅(おやかた)"【掲載許可濟】2021-03撮影

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)師傅(おやかた)"【掲載許可濟】2021-03撮影

  • "貼紙(はりがみ)"

  • "鮓種(すしだね)"

  • "漬塲(つけば)"

  • "鯖鮓(さばずし)"の仕込(しこみ)

  • 濱町(はまちやう)"高虎(たかとら)"の"濕毛巾(おしぼり)"

  • "茶(ちや)"

  • 臺灣産(たいわんうまれ)"筆生薑(ふでがた、くれのはじかみ)"

  • "獨活(うど)"《白和(しらあ)へ》

  • "白黃檣魚(しらかは、=しろあまだひ)"

  • "紅金眼鯛(きんめ)"

  • "赤鯥(のどぐろ、=あかむつ)"《紅瞳(べにひとみ)》

  • "鮪(しび)"

  • "鮪(しび)"、《中肥(ちゆうあぶ)》

  • "茶(ちや)"

  • "鐵火卷(てつくわまき)"

  • "小鰶(こはだ、=このしろのわかいを)"

  • "鱵(さより)"

  • "鯖鮓(さばずし)"

  • "鯖鮓(さばずし)"

  • "纜魚(すみいか、=こういか)"

  • "蚶(あかゞひ)"

  • "靈螺子(うに)"

  • "靈螺子(うに)"、御開帖(ぱかッ©毒さま✨.:*゚:.。:.)

  • 紅白(あかしろ)の"靈臝子(うに)"

  • "對蝦(くるまえび)"

  • "對蝦(くるまえび)"

  • "文蛤(はまぐり)"の潮汁(うしほじる)

  • "文蛤(はまぐり)"

  • "海苔巻(のりまき)"《乾瓢(ゆふがほ)》w/椒芽(きのめ)

  • "雞卵焼(とりのこやき)"

2021/03/31 更新

2回目

2021/01 訪問

  • 昼の点数:4.2

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.8
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

"鮓業界(すしのよ)"に新島(あらたなるしま)出現(あらはる)。(その二)

(その一)ゟ(より)續(つゞ)く

■【舎利(すめし)】:
 ・古米(ふるきこめ)摻(ま)づるが業界(よ)の通例(ならひ)なれど、
  越後(ゑちごのくに)、"笑みの絆(ゑみのきづな)"なる新米(しんまい)のみ。
  この"(うるのこめ)"、「舎利(すめし)には最適(このうへなし)」とか。
  善哉(よき)、善哉(よき)!

  慥(たしか)に、口中(くちのなか)に入(い)るゝや、
  爆發的(たちまち)に炸裂(とびち)ること、鳳仙花(あのはな)のごとし。
  加旃(しかのみならず)、
  舌觸(したざは)り滑(なめ)らかにして、疾(と)く咽喉(のみど)の奧(おく)に

 ・その形状(かたち)、横(よこ)に膨(ふく)らむ"俵形(たはらがた)"。
  側面(わき)の成形(おさへ)、底面(そこ)の(くぼか)が不足(たりぬ)か?
  これ、旣(すで)に"Cさま✨.:*゚:.。:."御指摘(おほせ)のとほり。
  「不沈下(したにしづむことなき)」理(ことわり)も、亦(また)同樣(おなじ)。

  指先(ゆびさき)に剩餘(あま)れる舎利(すめし)を捨(す)つることなく、
  左手(ゆんで)に舎利玉(しやりだま)を成形(かたちづくる)。
  但(たゞ)し、その成形速度(はやさ)は、
  『喜久好淸水喜久男親方(しみづおやかた)とは雲壤懸隔(くもとつちほどのさ)。

  所謂(いはゆる)"小手返(こてがへ)し"。
  「最(もつと)も合理(ことわりにかな)ひまする故(ゆゑ)、、」
  との親方(かれ)の辯(はなし)に、「實(げ)にも!」と打點頭(うちうなづ)く。
  手數(てかず)少(すく)なきは、技倆(うで)の立(た)つ證據(あかし)

 ・(しほ)を適度(ほどよ)く利(き)かせ、沙糖(さたう)はその半量(なかば)。
  その配合比(わりあひ)、『辯天山美家古壽司』、『淺草 壽司淸』に同樣(おなじ)。
  纔(わづ)かながらも沙糖(さたう)用(つか)ふは、
  鞏固信念(それなりのたしかなるおもひ)ありてこそ。

 ・"仕込(しこ)み"の"(しほ)"は粗鹽(あらじほ)、
  "(す)"は、《橫井》(よこゐ)の"琥珀(こはく)"+《私市》(きさいち)。
  流行(はやり)の《橫井》(よこゐ)"與兵衞(よへゑ)"は不使用(つかはぬ)。
  これも亦(また)、確乎信念(ゆるぎなきおもひ)あればこそ

 ・鮓種(すしだね)に依存(よ)り、温度(あたゝかさ)を變更(かふ)。
  「その方法(たつき)は"湯煎(ゆせん)"」とのよし。
  『初音鮨』は緩慢(ゆるやか)に冷(ひ)えゆくを愉(たのし)ませ、
  『佐竹』、『なんば(未訪)』は、鮓種(すしだね)毎(ごと)に昇降(あげさげ)。

■【醢醯(あぢつけ)】:
 ・"生薑(くれのはじかみ)"の沙糖(さたう)も極少量(きはめてわづか)。 
  "(あまみ)"、舌(した)に不滯留(とゞまることな)く
  さりとて、『しみづ』のごとく(す)が顯著(きはだつ)こともなし。
  あるいは、これが沼里親方(おやかた)なりの最適解(いとよきこたへ)歟(か)?

 ・"(まさば)"と"小鰶(こはだ)"には沙糖(さたう)不使用(さ)け、
  "(さより)"には沙糖(さたう)→(しほ)して醋洗(すあら)ひ。
  "(さば)"に沙糖(さたう)→(しほ)は定石(よくあるて)。
  「"鹹(しほけ)"の滲透性(しみこみやすさ)」がその緣由 (ことのよし)と云ふ。

 ・一見(みるからに)强(つよ)き〆の"(さば)"は、
  (しほ)と(す)、各(おのおの)九十分(90min.)したる後(のち)、
  敢(あ)へて冷凍之(これをいてつかす)。
  その緣由 (ことのよし)、寄生蟲(あしきむし)への對策(そなへ)なるべし。

  『奈可久鈴木親方(すゞきおやかた)發案(あみいだせ)し刀工(はものづかひ)、
  輒(すなは)ち、
  三葉(みひら)に薄(うす)く削(そ)ぎ重之(これをぬ)る手法(やりかた)より、
  かゝる刀工(きりかた)が吉(よい)。 ←※IMHO

 ・"芝鰕(しばえび)"の"魚鬆(おぼろ)"は、
  "(さば)"、"小鰶(こはだ)"など、"光物(ひかりもの)"にのみ利用(つかふ)。
  "對蝦(くるまえび)"に不使用(つかはぬ)は、
  それなりの動機(おもひ)あらざるべからず。

 ・"握(にぎ)り"に用(つか)ふ"(しほ)"は藝州(あき)の"藻鹽(もじほ)"、
  "(す)"は上述(うへにのべたる)がごとし。
  "醬油(しやうゆ)"は《髭田》"本膳"。
  「地方(をちこち)の名品(しな)も試(ため)すも、有偏差(ばらつきあり)」と。

 ・"煮切醬油(にきり)"は、
  "本膳"一升(≒1800cc)に、
  "(さけ)"六合七勺(≒1200cc)+"美淋酎(みりんちう)"四合四勺(≒800cc)、
  と、稍(やゝ)甘(あま)め。

 ・"煮詰(につめ)"はと云ふと、
  『紀文壽司』級(なみ)の濃度(こさ)なれど少量(かなりひかへめ)。
  "星鳗(はかりめ)"の煮汁(にじる)のみを用(つか)ふ。
  「以前(まへ)に"蛤蜊(はまぐり)"も試(ため)したることあり」とのこと。

■【盛時(さかり)】:
 ・時季(とき)を重視(おもん)じ、
  "星鳗(はかりめ)"→"斧文蛤(ぢはまぐり、てうせんはまぐり)"に切替(きりかへ)。
  因(ちな)みに(むかし)の鮓工(すしゝよくにん)は、
  初夏(なつのはじめ)、"小鰶(こはだ)"→"竹筴魚(あぢ)"へと切替(きりかへ)。

  また、「貝(かひ)の盛時(さかり)は冬(ふゆ)」とも、、。
  慥(たしか)に"(かき)"は(ふゆ)なれど、
  "(あはび)"は(なつ)、"蛤仔(あさり)"・"文蛤(はまぐり)"は(はる)、
  とは、冢中枯骨(くたばりそこなひのそれがし)が固定觀念(おもひこみ)歟(か)?

■【熟成(ねかし、うらし)】:
 ・(いを)に依存(よる)。
  "雲紋石斑魚(くゑ)"は七日(なのか)、"紅金眼鯛(きんめ)"は四日(よつか)。
  『喜邑』のごとく、濫(みだ)りに寢(ね)かすを嫌(きら)ふ
  今(いま)や、"熟成(ねかし、うらし)"が漬塲(つけば)を席捲(なびかす)

  嘗(かつ)ては、これを"大哥(あにき)©毒さま✨.:*゚:.。:."と喚做(よびな)し、
  貓(ねこ)すら跨(また)ぐものなりしに、
  近會(ちかごろ)の若手(わかて)は濫用之(みだりにこれにたよる)
  川口(かはぐち)『豬俣』亦(また)然(しかり)。

  "熟成(このわざ)"により、
  "旨味(うまみ)"そのものは増加(ふ)えるは確實(たしか)なれど、
  換言(ことばをかふる)なら、
  齒應(はごた)へを喪失(うしな)ひ、"腐敗(いたみ)"も進行(すゝむ)と云ふこと。

■【(あぶり)】:
  "(あぶり)"て温度(あたゝかさ)が變化(かはる)ことに因(よ)り、
  食感(はごたへ・したざはり)ばかりでなく、
  "(あまみ)"など、味覺(した)の感受性(かんじやすさ)までもが變化(かはる)

  "雲紋石斑魚(くゑ)"を炙(あぶ)ることにより、
  "風韻(かをり)"と"旨味(うまみ)"が一齊(とも)に開花(はなひらく)は、
  旱(ひでり)の慈雨(あめ)に、
  硬(かた)き種(たね)が瞬時(またゝくま)に發芽(めぶ)くに似(に)たり。

  "(いぶし)"となると、温度(あたゝかさ)のみならず、
  外面(とのも)からも風味(あぢとかをり)が加(くは)ゝり激變(おほいにかはる)
  これも、"熟成(ねかし、うらし)"と同樣(おなじく)、
  『さは田』のごときは過剩(やりすぎ)。 ※←十五年前(とゝせあまりいつとせまへ)

■【煮物(にもの)】:
 ・"斧文蛤(ぢはまぐり、=てうせんはまぐり)":
  熟々(つらつら)その姿(すがた)を眺(なが)むるに(つばさ)そのもの。
  その窮理(ことわり)、火候(ひいれ)聊(いさゝ)か强(つよ)く
  舎利(すめし)と鮓種(すしだね)が遊離(はなれ)たるに起因(よ)る歟(か)?

  次(つ)いで、その顏色(いろ)を觀察(うかゞふ)に、
  "漬込(つけこみ)"と云ふより"爽煮(さはに)"を髣髴(おもはす)。
  上述(うへにのべた)るがごとく、"煮詰(につめ)"は『紀文壽司』級(なみ)。
  "友詰(ともづめ)"ならで、"星鳗(はかりめ)"の煮汁(にじる)。

  この『紀文壽司』、(いけ)を瀹(ゆが)き、煮汁(にじる)は椀(わん)に、、。
  『しみづ』など、淺(あさ)めの"漬込(つけこみ)"より尚(なほ)輭(やはらか)
  參考(ちなみ)に、八重洲(やへす)『おけい』は、
  濃(こ)き調劑(あぢつけ)火候(ひいれ)も强(つよ)め。

 ・乾瓢(かんぺう、ほしゆふがほ):
  明白(あきらか)なる"暗黑醬油味(あんこくしやうゆあぢ ©毒さま✨.:*゚:.。:.")。
  この調劑(あぢつけ)、『うを德』に畧(ほゞ)同樣(おなじ)。
  對照的之(これとことなり)、駒形(こまがた)『松波』は淡味(うすあぢ)。

  愚按(やつがれおもふに)、
  "乾瓢(ほしゆふがほ)"の眞味(まことのもちあぢ)は淡(うすきあぢつけ)にあり
  しかはあれど、紫菜乾卷(のりまき)に淡(うす)き醢醯(あぢつけ)では
  味(あぢ)の輪廓(ほねぐみ・かたち)の暈(ぼ)くるが常態(つね)。

■【鷄卵燒(たまごやき)】:
 ・"薯蕷(いも)"と"海鰻(はむ)"の泥(すりみ)に、
  "卵白(たまごのしろみ)"を"メレンゲ"状(のごとく)泡立(あはだ)て、
  "スフレ"のやうな食感(したざはり)に嫩(やはらか)に燒成(やきあげ)たるもの。 
  輭(やはらか)、眞言(まことに)、嫩(やはらか)

  "蛋白(しろみ)"を泡立(あはだ)て"メレンゲ"と爲(な)す廚藝(わざ)そのものは、
  『一條』、『み富』、『かね庄』も同樣(おなじ)なれど、
  "薯蕷(いも)"と"メレンゲ"雙方(どちら)も用(つか)ふは稀有(まれ)
  この柔軟性(やはらかさ)、好不好(このむもこのまざる)も客(ひと)によるべし

  "(えび)"を不使用(つかはぬ)理(ことわり)、
  偏(ひとへ)に"甲殼類アレルギー"の賓(まらうど)の爲(ため)との説明(よし)。
  「『鈴木』に倣(なら)ひたるもの」と證言(いふ)。
  "雞蛋(たまご)"の數量(かず)を變更(か)へ探求中(きはめんとするさなか)。

  愚按(やつがれおもふに)、
  "海鰻(はむ)"は"鰻鱺(むなぎ)"にも贏(まさ)る"旨味(あぢ)"があり、
  "泥(すりみ)"にして擂込(すりこ)むは、理想(このうへなきこと)。
  藤本繁藏門下(かの)『喜久好淸水親方(しみづおやかた)蹈襲之(これにならふ)。

■【柑橘類(たちばなのたぐひ)】:
 ・"(ゆ)"は"斧文蛤(ぢはまぐり)"、"墨魚(すみいか)"には"酢橘(すだち)"。
  『久兵衞』一門(いちもん)のごとく、
  濫用之(これをみだりにつかふ)は辟易(しりごみ)するばかりなれど、
  柑橘香(かをり)の過强(つよきにすぎぬ)は吉(よき)

■【紫菜乾卷(のりまき)】:
 ・"紫菜(のり)"は有明産(ありあけの)"スサビノリ"。
  『うを德』と同樣(おなじく)、
  "燒紫菜乾(やきのり)"を炙(あぶ)ることなく、その儘(まゝ)用(つか)ふ。

  反之(これにひきかへ)、
  『すきやばし』、『しみづ』、『さいとう』などが炙之(これをあぶ)るは、
  「"機械燒(きかいやき)"だと八分(はちぶ)の燒(やき)に止(とゞ)まるから」
  とは淸水邦浩親方(しみづくにひろおやかた)の説明(はなし)。

  愚按(やつがれおもふに)、
  "溶融性(くちどけ)"は"スサビノリ"より昔(むかし)の"アサクサノリ"が上(うへ)。
  「"旨味(うまみ)"も優越(まさる)」との定説(はなし)なれど、
  老骨(それがし)が駄舌(だじた)では不詳(つまびらかならず)。

---------------------------------------
【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:高千穗光學(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto 微距(Macro)2/50 @F2~F5.6
     高千穗光學(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto 2/21 @F8~F11

  • "亭主(あるじ)沼里裕幸(ぬまりひろゆき)親方(おやかた)"と"女將(おかみ)?"【掲載許可済】2021-01撮影

  • "主人(あるじ)沼里裕幸(ぬまりひろゆき)親方(おやかた)"と"御内儀(おかみ)?"【掲載許可濟】2021-01撮影

  • "沼里裕幸(ぬまりひろゆき)師傅(おやかた)"【掲載許可濟】2021-01撮影

  • 檜(ひのき)の"漬臺(つけだい)"

  • 檜(ひのき)の"漬臺(つけだい)"

  • 臺灣産(たいわんうまれ)"筆生薑(ふでがた、くれのはじかみ)"

  • "手醋(てず)"

  • "閂(かんぬき)"級(ほど)の"鱵(さより)"

  • "蚶(あかゞひ)"など

  • "割刀(うをきりがたな)"

  • "刀工(きりつけ)"【掲載許可濟】2021-01撮影

  • 公孫樹(いちやう)の"俎上(まないたのうへ)"に山蓼(わさび)を擂(おろ)す

  • 濱町(はまちやう)"高虎(たかとら)"の"濕毛巾(おしぼり)"、

  • "掃愁帚(さけ)"

  • 錫(すゞ)の"酒罌(さかどくり)"

  • "盞(さかづき)"

  • "菜花(なばな)"

  • "生薑(くれのはじかみ)"の丁(さいのめ)"

  • "雲紋石斑魚(くゑ)"の炙(あぶ)り、百八十一匁(≒6.8kg)

  • 房州勝浦(あはかつうら)の"紅金眼鯛(きんめ)"

  • F水産(えふすいさん)の"鮪(しび)"

  • "鐵火卷(てつくわまき)"

  • 肥後天草(あまくさ)の"小鰶(こはだ)"

  • 陸州(むつ)の"鱵(さより)"

  • 陸州(むつ)の"鯖(まさば)"

  • 相州小柴(こしば)の"墨魚(すみいか、=かふいか)"

  • 長州(ながと)の"蚶(あかゞひ)"

  • "北紫靈螺子(きたむらさきうに)"

  • "對蝦(くるまえび)"

  • "對蝦(くるまえび)"

  • 九十九里(くじふくり)の"斧文蛤(ぢはまぐり、=てうせんばまぐり)"

  • "紫菜乾巻(のりまき)"

  • "紅焼乾瓢(あぢつけ、ほしゆふがほ)"+"粳粒(うるのこめつぶ)"

  • "潮汁(うしほじる)"の等類(たぐひ)

  • "鷄卵焼(にはとりのたまごやき)"

  • "外觀(かまへ)"、二樓(うへ)

2021/02/05 更新

1回目

2021/01 訪問

  • 昼の点数:4.2

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気3.8
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

"鮓業界(すしのよ)"に新島(あらたなるしま)出現(あらはる)。(その一)

"西ノ島新島(にしのしましんたう)"狂騒(さはぎ)は周知(あまねくしらる)。
海底(うみのそこ)ゟ(より)暴(にはか)に噴火(ひがふきあが)り
嶋(しま)と化(な)り年年歳歳(としごと)に成長(おほきくたかくそび)ゑ
軈而(やがて)、元(もと)の"西ノ島(にしのしま)"と合體(みとのまぐはひ)。

多方面(をちこち)の學者(かしこきひと)、"西ノ島(このしま)"を調査(しら)べ、
新發見續出(あらたなることが、つぎつぎ、あきらかになりつゝあり)!」、
とは各種媒體(かはらばんのたぐひ)の報道(つた)ふるとほり。
この先(さき)の展開(なりゆき)、無者知之(だれひとりしるものなし)。

「"(すし)"にも新島(あらたなるしま)出現(あらはる)!」、
とは、"Cさま✨.:*゚:.。:."ゟ(より)仄聞(みゝに)せし有力情報(みゝよりのはなし)。
麾(さいはひ)、
非常事態宣言下(あのおふれのもと)、午餐(ひる)の商賣(あきなひ)あり」とも、、。

かくて、勇躍(こゝろをどら)せ『いしまる』の暖簾(のれん)を潛(くゞ)る。
甚(いと)鄙(ひな)びたる高樓階上(たかどの、きざはしのうへ)。
勿驚(おどろくなかれ)、滿席(せきにあきな)く、
一同(みなみな)、"沼里裕幸師傅(ぬまりひろゆきおやかた)"に注目(め)。

(ひのき)の"漬臺(つけだい)"+公孫樹(いちやう)の"(まないた)"。
"山蓼(わさび)"は高名(なだか)き豆州御殿塲(いづごてんば)の"眞妻(まづま)"。
これを擂(すりおろ)すは、流行(いまをときめ)く"鋼鮫(はがねざめ)"。
"生薑(くれのはじかみ)"も「今(いま)や遲(おそ)し」と待機(でばんをまつ)。

沼里親方(ぬまりおやかた)は左利(ひだりき)ゝ。
左利(ひだりき)ゝのための"割刀(うをきりがたな)"は、
「"(さかい)"でも"本燒(ほんやき)"でもなき霞(もの)!」と、誇(むねをは)る。
初音鮨中治親方(なかぢおやかた)も、武州馬込(ぶしうまごめ)"定康(さだやす)"。

すし通』→『ふぢなが藤永親方(ふぢながおやかた)も、
あそこ』に修業時代(ならひたるころ)の"割刀(うをきりがたな)"を活用(つかふ)。
KRG』のごとく、これみよがしに(さかい)の本燒(ほんやき)開陳(ひけらかす)は、
虚飾症(みえッぱり)の虚假脅(こけおどし)

"Cさま✨.:*゚:.。:."の解説(はなし)のごとく、
「元來(もとより)、酒樓(のみや)を商賣(あきなひ)しに、
 魚愛好(うをずき)・鮓愛好(すしぐるひ)が嵩(たかぶり、こじ)れ、
 鮓店(すしや)に轉業(なりはひをかへ)たが去年(こぞ)の八月(はちがつ)」。

「"(すし)"の"西ノ島(にしのしま)"」故(ゆゑ)、
その廚藝(わざ)は"日進月歩(ひゞすゝみゆくもの)"。
否(いな)!
破竹之勢(たけのさくるいくほひ)」、「旭日昇天(あさひのぼるがごとし)」。

現今(いま)も驀進中(おそるべきはやさにてすゝみつゝあり)、
摸倣(まね)されぬ現時點(いま)も、將來(いづれ)は眞似(まね)さるゝ筈(はづ)
かつ消(き)えかつ結(むす)びて、久(ひさ)しくとゞまりたるためしなし。」
と云ふわけで、今日(いま)の廚藝(わざ)も明日(あす)には陳腐化(つまらぬものに)

その技法(わざ)と進化過程(すゝみゆくみちのり)を審(つまびらか)にし
記録之(これをしるす)は、"新島(あらたなるしま)"を觀察(み)るに同(おな)じ。
待塲鮓出身(まちばあがり)の『初音鮨』、『すぎた』、『喜邑』、『やす秀』はともあれ、
とゝや』のごとく無鮓修業歴(すしをならひたるためしすらな)きは稀有(まれ)

亭主(あるじ)、『鈴木鈴木孝尚親方(すゞきたかひさおやかた)を尊敬(うやま)ひ、
"生薑(くれのはじかみ)"も『鈴木』の"これ"に瓜两箇(うりふたつ)、
(すゞ)の"酒罌(さかどくり)"も『鈴木』の"あれ"に酷似(にる)。
しみづ』にも一目置(いちもくお)くも倣之(これにならふ)を潔(いさぎよし)とせず

かく、確乎(たしか)なる思想信條(かんがへ)の下(もと)、
地元(うぶすな)の客人(まれうど)に己(おの)が鮓(すし)を提供(ふるま)ひ、
これを新(あらた)なる生業(なりはひ)と爲(な)す。
その哲學(かんがへ)たるや如下(つぎのごとし)↓。

(その二)に續(つゞ)く

2021/02/05 更新

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

予算

営業時間

ページの先頭へ