2回
2020/03 訪問
柔軟の素晴らしさ
ひっそりとあかりが灯る外観。
すっきりとした店内には、お鮨屋さん独特の凛としたいい雰囲気が漂っている。
L字カウンターに6席。
席はゆったりと配置されていて、隣席の夫との内緒話が難しい程w
(ここぞとばかりに、夫、日本酒を飲むわ飲むわw)
奥にお座敷もあったが、現在は使用していない様。
メニューは、基本18000円のおまかせのみ。(日によってネタによって変わるのかも)
また、少な目の量を希望の場合は相談も可能。
おつまみ6品、握り12貫、巻物、玉子、椀物2つ。
丁寧な仕事が施され、煮きりの塗られた江戸前寿司がベース。
握りは、シャリは少な目、(地元いわきでは珍しく)繊細。
都内の高級鮨やさんに居るような勘違いをしてしまいそうな握りだ。
(決して、いわきを馬鹿にしているのではない。私はいわき出身)
新鮮なネタで握られた鮨も勿論美味しいのだが、
職人の技によって美味しく仕上がった鮨は、ここいわきで楽しむ事は難しいような気もしていたから…。
(実際は、いわきの食通さん達は、私が思っていたより、ずっと舌がこえていると思う)
握りの中で特に印象的だったのが、車海老。
表面のみ火入れして昆布〆にしてある。
生っぽいぷりぷり食感の中に、火入れした事によるむっちり感がほんのり+昆布の香り。
また、おつまみで出てきた目光(塩焼き)が、握りでも登場したのには、チト驚き。
目光は脂が多く、鮮度が悪いと、ただ柔らかいだけのものとなり、刺身にすら向いてはいない。
これが、徹底した温度管理の元、美味しい鮨ネタになるのだから…。店主さんに脱帽。
トロリと蕩けるような脂ノリでありながら、サクサクとした食感。感激の握りだ。
全国各地から集まる旬の魚に加えて、地元福島・常磐沖の魚も取り入れながらという柔軟な姿勢は、
接客に於いても現れている。
都内の超人気店(http://kotaroumamachun.blog61.fc2.com/blog-entry-1000.html)の店主さんのような奢り高ぶった姿勢等は、全くない。
職人気質の拘りを持ちながらも、謙虚で物腰が低く、お客への優しさ柔軟な態度を忘れない。
居心地は、最高に良かった。
ただ、平日は18時からだが、
週末は2部制。(18時からと20時30分過ぎからになる)
20時30分まで、お夕飯&お酒がお預けというのは、ちと辛いかも。w
2020/06/12 更新
土曜、20時45分、再訪。
華美な装飾などはなく、すっきりとした店内。
L字型カウンターに6席のみ。
店主さんが、にこやかに迎えて下さった。
メニューは、おまかせ(酒肴と握り)のみ。24200円。
勿論、予約時に、苦手食材の有無を聞いて下さる。
この日は、酒肴6品、握り13貫、巻物2つ、玉子、椀物。
握りは、シャリは少な目。
丁寧な仕事が施され、煮きりの塗られた江戸前寿司がベース。
前回訪問の際に頂いて、感激したメヒカリの握りがなかったのは残念だったが
(福島沖のメヒカリの水揚げがなかったようだ)
どの握りも、完成度が高く、美味しさに唸りっぱなしだった。w
特に、表面のみ火入れし昆布〆した車海老や、藁焼きした鰆の握り。
酒肴では、低温調理された厚岸の牡蠣や、温かい鮟鱇の肝煮等、
店主伊藤さんが優れた技量の持ち主である事、ずば抜けたセンスがある事は、違いない。
全体的にも、かなりボリュームがあり、どの方も満足できると思う。
実は、私はいわき出身。伊藤さんと、ほぼ同年代?wという事もあって、
若い頃の街の話(いわき駅ではなく平駅だったとか、ヤンヤンがあったとか)
懐かしい話で盛り上がり、大変楽しい時間を過ごさせて頂いた。
帰省した時には、いや、わざわざ、こちらのお鮨を頂きに、いわきに行きたいと思える
私の大好きなお鮨やさん。
いわきの名店だと思う。