Tissueさんのマイ★ベストレストラン 2012

鯨の南蛮焼き。

神戸の和食で、最も優れていると思うお店。僕がミシュランガイドの審査員なら、間違いなく星3つをつけるだろう。食材が良いものなので値段は少し高めだけど、とにかく美味しい。素材のうまさを絶妙に引き出した料理は、本当に素晴らしい。

弟と入店。実は弟と神戸で飲むのは、この日が初めてだった。彼は大学を出てからすぐに埼玉県に赴任したので、僕が東京にいるときは新宿や恵比寿などでしばしば飲んだのだけど、地元で飲んだことはなかった。

その後弟は九州に転勤になったので、もう街飲みする機会を失っていた。それが今年、地元神戸に転勤になったので、こういう機会が訪れることになった。歳を重ねると、肉親が側にいるのは何より心強い。

弟はもちろん神戸のお店はまったくわからない。ということで僕がアテンドすることになったのだけど、やはりここは神戸を代表するようなナンバーワンのお店に連れて行きたかった。そういう特別な思いもあり、久しぶりに訪れた。

やはり期待は裏切られることはなかった。まずは関アジの刺身。そして松茸の土瓶蒸しと、鮎の甘露煮。兄弟でも離れて暮らしていたので、絶品の料理に舌鼓を打ちながら、積もる話に花が咲く。焼酎もとても美味しい。ゆっくりとした、大人の時間が過ぎていく。

今は貴重になってしまった鯨の料理が定番メニューにあることも嬉しい。メニューが豊富なので、いつもこのお店に来ると何をメインにするか迷ってしまう。これだけの食材を常時揃えることはかなり難しいと思う。

カウンターには京のおばんざいのように、季節を感じる旬の料理が大皿に盛り付けられている。それらを眺めているだけでも楽しくなる。味良し、雰囲気良し。値段設定が高めなので、賑やかに騒ぐ若者はいない。まさに大人の居酒屋だ。

しばしば映画撮影が行われる、月世界ビル南側の情緒漂うL字形の路地。ぽつんと灯るお店の明かりに心が温まる。暗くてひっそりとした路地裏に咲く、大輪のオオマツヨイグサ（月見草）のようなお店。こういうお店は、神戸には他には無い。僕にとっては、ものすごく貴重なお店だ。

エビのカシューナッツ炒め。

一時期タイ料理にハマり、タイのバンコクでも東京でも評判のいいタイ料理店を聞くと、必ず食べに行ってみた。でも、これまで食べた数々のお店の中で、一番美味しいと思えるお店は地元神戸にある。

エビのカシューナッツ炒めと焼飯。この2つがとにかく絶品だ。その他のメニューも平均的にレベルが高い。このお店の料理はバンコクあたりのレストランで提供される料理とは少し違い、タイ北部のイーサンという街の家庭料理だと聞いたことがある。

タイ北部の街といえばチェンマイが有名なのだけど、北部は中華系の血が入った人々も多く暮らしているので、中華料理のテイストも含まれているのだろうか。日本人の口に合うのは、そうした理由なのかもしれない。

一度、中国人の友人を連れて行ったことがあるのだけど、やはり彼らの口にも合うようだった。中国でもシャンツァイ（タイではパクチー）は料理に定番のように入っているので、まったく抵抗がないのだと思う。

中国人もビックリだったのは、このお店の赤唐辛子の辛さ。耳掻きに乗る程度の少量でも、口の中に入れると火を噴く辛さ。青唐辛子は確かに激辛なものが多いけど、赤唐辛子でここまで辛いのは珍しいと思う。後が判っているのに、チャレンジしたくなる唐辛子だ。

僕はパクチーは苦手なので直接は食べないのだけど、香りのする料理には抵抗はない。あるときバンコクのレストランで、隣のテーブルのタイ人は「パクチーを抜いて欲しい」と注文していた。タイ人でも苦手な人はいるようだ。

エビのカシューナッツ炒めと焼飯は、とにかく香りがいい。匂いを嗅ぐだけで生唾と食欲がみるみる湧き出してくる。味もこれまた絶妙で、食べていて至福感に包まれる。エビ炒めのエビはとてもプリプリしているし、焼飯の味付けも素晴らしく、素材のタイ米の味もいい。

このお店の唯一の難点は、予約が取りづらいこと。理由は、女性同士のグループが多いからだと思われる。この日も夜8時半ごろに入店し、10時ごろにお店を出たのだけど、我々が入店した時点でのお客はまだ全員残っていた。なんという回転率の悪さだろう。

店内で回りを見ていても、皆食べるよりお喋りに夢中だ。男性なら狭くて混んでいるお店の場合、後のお客に気を遣ってサッサと食べて、サッサと出る。喋り足りないなら2次会を設定する。女性はそのあたり、神経が図太いように思う。こういう屋台チックなお店で粘ると、お店や他のお客に迷惑をかける。ゆっくり食事をしたいなら、それなりのお店に行けばいい。このお店は時間制限はあったと思うのだけど、もっと厳格にするべきだと思った。

昨日久しぶりに訪れてみると、いつも見かけていた色白のすらっとした女性店員さんは見かけず、若い外国人留学生のような女性店員さんに代わっていた。単にお休みだったのか、或いは引退されたのだろうか。とても愛想のいい、お店の看板のような店員さんだったので、少し寂しい気がした。

三宮には、このお店がある。誇らしく思えるような、そんなお店だ。

天ざるうどん。

阪神間のうどん・蕎麦のお店で、最も優れていると思えるお店。うどんはかなりコシが強いのだけど、かすかに細めなので、口の中でモゴモゴしない。小麦臭くなくて、とても風味がいい。麺は間違いなく、個人的ランキングではナンバーワン。他の理由としては、

1.値段が安い。ぷりぷりの海老が2匹入った天ざるで1050円とは驚愕。

2.天ぷらがうまい。衣サクサクで絶妙な揚げ加減。素材もいい。

3.もちろん天ぷらのつゆと、うどんのつゆは別。

4.メニューが豊富。特に丼ものが充実。讃岐うどんのお店にしては珍しい。

5.温かいうどんの出汁が絶妙。薄過ぎず、濃過ぎない。

6.接客がとても丁寧。気持ちがいい。

7.お茶（ほうじ茶）が美味しい。また、量もたっぷり。もてなしの心を感じる。

同率1位は元町の「ゆうしょう」、3位は僅差で二宮の「すずめ」だと思う。4位以下はまぁ、似たようなもの。メニューが少なかったり、値段が高かったり、「昼時は天ぷらできません」というようなお店だったり。このお店は多様なニーズに応えようという、店主の料理に対する真摯さと、ひたむきな情熱を感じる。僕の知る限り他に麺類でこのようなお店は、東京・神田の蕎麦の名店、「まつや」くらいだ。

このお店は小規模店なので、すぐに満席になってしまうし、混んでいるときは注文してからかなり待つことになる。でもヤングマガジン、SPA、女性週刊誌が積んであるので、それらの雑誌を読むか、文庫本を持ち込んでゆっくり待てばいい。

このお店は駐車場が無いのだけど、横道を入ればコインパーキングはたくさんある。路側帯の幅が狭い二車線で、おまけに路線バスが走るので、店の前に路上駐車するとものすごく迷惑になる。絶対に路駐は止めてもらいたい。須磨署がすぐ近くなので、当然取り締まりも厳しい。

土・日はネット情報を見た遠方からのお客で混雑するので、平日のお昼前に行くのがおすすめだ。反対車線側だけど、近くにスーパーマルハチがあるので、そこに車を停めて、うどんを食べた後に買い物をして帰ってもいいかもしれない。

まさに麺類の飲食店の鏡といっていいと思う。店内にジャズなど流して粋がっているだけの小洒落たぼったくり蕎麦屋などは、このお店を規範にすればいい。食べた後にお店に感謝したくなるような、心が温まる名店だ。

焼き鳥（ねぎ身）。

御影市場内の鶏屋さん。斜め向かいには高島忠夫ファミリー御用達の練り物の超有名店、「丸武」がある。子供の頃はでかい鯛の模型が怖かった。我が家では御影市場に行くと「丸武」でイカ天を買い、この店で焼き鳥を買うのが昔からの定番になっている。

焼き鳥屋さんというのは利益率が高いのか、たくさんお店がある。神戸で有名なのは新開地の「八栄亭」、須磨の「鳥光」、元町高架下の「一平」あたりだろうか。その三軒ならまずハズレはなく、何を食べてもそこそこ美味しい。住吉の「鶏一途」のように上品さがプラスされたような焼き鳥は苦手で、屋台で煙もくもく系の延長線上のような焼き鳥が好きだ。本質的には、原始時代のDNAが思い起こされるような野蛮さが必要な料理だと思っている。

でも焼き鳥は関西に比べると、東京のほうが圧倒的にレベルが高い。麻布十番の「鶏繁」や恵比寿の「たつや」などと比較すると、関西のどんな店も負けてしまう。東京は、うなぎや焼き鳥のようなタレもののレベルはものすごく高い。

関東では秋田の比内鶏を使う店が多いようだ。名古屋はもちろん名古屋コーチン、関西では丹波地鶏や阿波尾鶏（徳島）などを使う店をよく見かける。最近はそのまんま知事のおかげなのか、宮崎鶏のお店もちらほら見かけるようになった。

しかし！今まで食べたどの焼き鳥よりも美味しい焼き鳥がこれだ。身がぎゅっと締まっていて、独特の鶏肉の甘みを感じる。身が締まっているけど名古屋コーチンのように固くはない。むしろジューシーといっていいと思う。このお店では「朝引き国産鶏」とあり産地は不明なのだけど、とにかく鮮度が抜群だ。

タレは甘辛くて絶妙な味だ。この鶏肉の良さを際立たせている。ご飯がとても進むし、ビールのアテにもいい。思い出しただけで生ツバが湧いてくる。焼き鳥をたくさん買うと、タレの小瓶をオマケで付けてくれることがある。でも味がとても濃厚なので、タレを足すとちょっとしょっぱくなり過ぎる。ねぎ身が一番のおすすめだけど、ももタレ焼き、上身、肝焼き（固いのと柔らかいのと二種類）、鶏皮なども絶品だ。

この店の焼き鳥は日本一だと思っている。最後の晩餐なら、南青山の「ラ・ロシェル」のフレッシュフォアグラのソテーか、この焼き鳥かとても迷うところだ。それほどめちゃめちゃうまい、人生最高の焼き鳥だ。

フィレステーキ200gのセット。

例えば東京の友人が「うまい肉を食わせろ」と神戸にやって来る場合、その友人が食通ならば必ずこの店に連れて行くことにしている。雰囲気重視な人や少しずつ色々食べたい人なら、それぞれに合った違う店に連れて行く。美味しい神戸ビーフのステーキをがっつり食べたいなら、神戸ではこの店以外には思いつかない。

確かに「あら皮（あらがわ）」も美味しいけど、1人4～5万円はするので、よっぽどの記念日か何かでないと使えない。かといって安いお店は神戸ビーフなのかどうか疑わしくなる。この店は値段はとてもリーズナブルだし、品質は信頼できる。普段使いのステーキ屋さんとしては神戸ナンバーワンだと思う。

最近、JA全農兵庫が経営する「神戸プレジール」も人気だけど、ディナーコースのフィレは120gまでしか選べない。フォアグラや伊勢海老やアワビなど、他の食材と少しずつ食べたいときには向いているかもしれないけど、肉だけをがっつり楽しみたいときにはやはり物足りない。

この店のディナーコースのフィレだと200gか250gが選べる。もちろん神戸ビーフのコースを選択すべきだ。やはりステーキは大きなお肉を豪快に食べたい。お肉をもりもり食べてワインをがぶがぶ飲めるのは、若さと健康の証だと思う。もちろん、この場合の若さとは内臓年齢のことだ。

表面は高温の炭火でこんがり。鉄板焼きではないので、余分な脂は落ちている。ナイフを最初に入れたときのサクッとした感触がたまらない。遠赤外線効果で外はカリカリ、中は肉のうまみが凝縮して閉じ込められていて、とてもジューシー。臭みや脂っぽさが全然なく、とにかく肉の味がいい。

神戸ビーフのお店というと鉄板で目の前で焼くスタイルが多いのだけど、あれはゆっくり食べると脂がどんどん肉の表面に浮いてくるので、どんどん脂っぽくなってくる。特にサーロインだと脂でギトギトになってしまう。昔のステーキ屋さんでは、肉が焼きあがると食パンの上に乗せてくれたりしたものだけど、最近そのスタイルはあまり見かけなくなった。

最高の焼き上がり具合の状態で皿に乗せて食べる食べ方が、一番その肉の味がわかる食べ方だと思う。この店のステーキこそが、完成形のように思える。グラスワインの赤は山梨産らしいのだけど、口当たりがよくてとても美味しい。あまりに美味し過ぎて、ついつい飲み過ぎてしまう。

最近はネットの口コミのせいか、10年ほど前に比べるとお店が混むようになった。週末は予約してないと無理だし、もし入店できたとしても昔に比べると店内が騒々しい。若い女性の店員さんが店主？にダメ出しされているのが聞こえて可哀相になる（笑）ゆっくりと落ち着いた雰囲気で食べたいのなら、平日に行くのがベストだと思う。

ふぐ（天然）コース。

お通し、てっさ、皮、茶碗蒸し、唐揚、てっちり、雑炊、デザートまでのコース。久しぶりの天然ふぐに期待が高まる。お店の外観は情緒ある佇まいで、歴史を感じる。

創業は明治33年（1900年）なので、もう100年以上続いている福原の老舗だ。兵庫区民なら、大抵の人はこのお店を知っているのではないだろうか。毎年10月～翌年3月まで、ふぐが美味しい時期のみ営業。完全個室制で、店内は清潔感が溢れている。僕は胡坐がかけないので、掘りごたつ形式はありがたい。

まず、付出しのウニの和え物。まずこれで感動。上品で繊細な味なのだけど、ウニの濃厚な風味がちゃんと主張している。次にてっさ。やはり天然モノは身の締まり具合や弾力が違う。肉厚があり、歯応えが最高。色も真っ白ではなく薄いピンクで、自然な身の色をしている。皮は臭みがまったく無い。茶碗蒸しは大好物なので、もう少し大きな器で食べたかった（笑）

唐揚はコースのオプションで頼んだのだけど、これがまた絶品。とにかく身がプリプリしていてジューシー。噛めば噛むほどに口の中に旨みが拡がる。日本の唐揚ではナンバーワンではないだろうか。また、ひれ酒がこれまたすごい。ひれの形はきちんと残っているし、干し具合も焼き具合も最高だ。このひれなら継ぎ酒をして何杯も飲める。

いよいよてっちり。これも身が締まっていてうまい。僕は身よりアラの部分の方が好きで、アラをしゃぶりながら食べると至福感に包まれる。この世にこれ以上うまいものは存在するのか？などと思ってしまう。

しかし、ここからは少しマイナスポイント。自家製なのかもしれないけど、僕にはこのお店のポン酢は酸っぱ過ぎる。もう少し酸味がマイルドな方が食べやすい。また、雑炊は出汁が少ないのでおじやのようになってしまった。さらに、味付けは店員さんがしてくれるのだけど、塩を持って部屋を出て行ってしまったので、味が薄過ぎたのだけど塩を足せなかった。

このあたりは、老舗ならではのサービスの硬直だと思う。「当店おすすめの食べ方で食べてください」と、押し付けられているような感じがした。せっかく品質は最高なのだから、最後のツメはもう少し改善して欲しい。たとえ老舗であろうと、向上心は失うべきではないと思う。

風俗店に隣接するので家族連れは入店しにくい雰囲気なのだけど、現存している近隣の風俗店はすべてこのお店の後に建てられたものなので、これは仕方がない。元々福原は名だたる料亭や割烹がたくさんあった街なのだけど、今ではずいぶん飲食店は減ってしまった。特に、ステーキと明石焼きが美味しかった「風天」や、すっぽんが絶品だった「直」が閉店してしまったのはとても残念。

神戸の遊郭は、明治元年に東川崎町に計画的に作られた。明治4年に、神戸駅建設に伴い現在の福原地区に移転。明治30年には湊川の付け替え工事が始まり、明治34年に完了。旧湊川の土手は新開地として発展。このお店は、当時は神戸の中心部だった街をつぶさに見てきた、歴史の生き証人なのだ。

（ディナータイム）

久々に「明楓（メイフウ）」で中華料理でも食べようとお店に向かうと、階下の黒板に「本日貸切」の文字が。どうするか考えていたところ、ガラスの向こうの石窯でピザを焼く店員さんと目が合ってしまったので、急遽イタリアンに変更（笑）

サングリアが美味しい。料理はすべて安定感がある。サービスも雰囲気もよく、とても使い勝手のいいお店だと思う。


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（テイクアウト）

ピザ。

住んでいる地域はすぐ近くにシカゴピザとドミノ・ピザがあるし、兵庫のピザーラや三宮のピザハットの宅配エリアなので、郵便受けはいつもそれらの広告が入っている。でも宅配ピザは味がドギツイし、生地もあまり美味しくないので、まず注文することはない。しかも、結構値段が高いのだ。

なのでピザが食べたくなると、最近はいつも近くのイタ飯屋さんでテイクアウトする。生地の端がもっちりした、ナポリ風のピザ。まぁ宅配ピザなど比べ物にならないほど美味しい。お店の外からウインドー越しに、石窯に炎がメラメラ燃えているのが見える。

テイクアウトのピザは以下の7種類から選べる。

・マルゲリータ　1200円（トマトソース、モッツァレラ、パルミジャーノ）
・マリナーラ　1200円（アンチョビ、バジル、オレガノ）
・マルゲリータ　ビアンカ　1400円（チェリートマト、モッツァレラ、プロヴォラ）
・オルトラーナ　1600円（旬野菜、トマトソース、モッツァレラ）
・ビスマルク　1600円（パルマ産生ハム、モッツァレラ、半熟卵）
・クアトロフォルマッジ　1800円（ゴルゴンゾーラ、モッツァレラ、クリームチーズ）
・マルゲリータ　インテグラーレ　1800円（イタリタ直輸入水牛モッツァレラ、バジル、トマトソース）

僕的には、パルマ産生ハムを使用したビスマルクか、チェリートマトが乗ったマルゲリータ　ビアンカがオススメだ。

店内で食事をしたことは一度もないのだけど、これだけピザが美味しいのだからきっと料理も美味しいのだと思う。客層は若者、それもカップルが中心なので、中年男性が1人でフラッと入店するのは少し勇気が必要なのだけど、いずれ踏み込んでみたい。

おそらく今まで食べたピザの中では最高評価だと思う。1枚の大きさは予想以上に大きいので、値段的には宅配ピザと変わらない。ご近所にこういうお店があるというのは、実に幸せなことだ。

ワタリガニ。

昼間は暑さが残っているものの、朝晩はめっきり涼しくなってきた。食欲の秋、そろそろワタリガニが美味しくなる季節だ。濃厚なカニ味噌には紹興酒や赤ワインがよく合う。

最近、新開地より三宮に移転したお店。移転とともにスタイルが一変した。新開地では単品ものが主体だったのだけど、今度のお店はコースのみ。また、水槽が設置され、活魚貝類を食材として扱うようになった。

内装はハンター坂のお店にふさわしく、とても洗練されている。10名程度が入れる個室も完備されていた。コースは基本的にお任せで、店主の「ぜひ食べていただきたいもの」を食すことができる。今夜の珠玉の一皿は何なのか、という期待感が高まる。

最近、甲南の中華「老虎菜」と、三宮の和食「哲粋」でがっかりさせられた。両店とも単品メニューは充実しているのに、コース料理は明らかに効率重視で美味しくなかった。僕はコース料理にこそ、そのお店の主義主張が込められていると思っているので、味気ない料理を出されるとげんなりしてしまう。

このお店のコース料理は真逆で、店主の情熱が込められている。これが真の「お任せコース」だと思う。前菜はセンスの良さを感じ、後の料理が楽しみになる。海鮮のXO醤炒めは相変わらず美味しいし、メインのワタリガニは絶品だ。

シメのチャーハンがこれまたうまい。ジャスミンライスという長粒米を使用していて、パラパラしているのに味はしっかりお米に滲み込んでいる。僕の中では三宮のタイ料理の名店、「バーンタイ」のチャーハンに匹敵するうまさだ。

ランチタイムはシンガポールあたりでは定番になっている、海南チキンライスが食べられる。夜には近くに「LAGUNA」など、美味しく飲める雰囲気のいいバーがあるし、これでまたハンター坂を登るのが、今まで以上に楽しくなった。

ケーキ。

貰って嬉しいものを人にあげる。これは基本だと思う。もし僕が誕生日など何かのアニバーサリーでケーキを貰うことがあれば、このケーキがいい（笑）アニバーサリーケーキといえば、まずこのケーキが頭に浮かぶ。

トルタ ディ フルッタという舌を噛みそうなネーミング。イタリア語で何とか、という意味なのだろう。ストロベリーが美しい生クリームのケーキ。テントウムシがアクセントで、見た目もとても可愛らしい。

甘過ぎず、あっさりしている。あま～いフランスのケーキとは対照的だ。このケーキなら甘いものが苦手な人でも充分美味しく食べられる。ストロベリーも新鮮で瑞々しく、とても味がいい。食べるのが楽しくなるようなケーキだ。

山本通りの角にあるケーキ屋さん。お店は高級感があり、照明や空間の使い方にとてもセンスを感じる。今はちょうどハロウィン前なので、色とりどりのチョコの詰め合わせがたくさん並んでいた。思わず、姪っ子にプレゼントしたくなる。

ジャンドゥーヤというチョコのケーキが有名らしい。ジャンバラヤなら好物なのだけど（￣ー￣；）限定品にはあまり興味がないので、まだ食べたことはない。神戸のチョコは元町商店街の「グレゴリー・コレ」の味が一番好きなのだけど、機会があれば食べ比べてみたい。

阪神間にケーキ屋さんは数あれど、なかなかピッタリ来るお店は少ない。このお店は、ピッタリ来る数少ないお店だ。

しいたけ餃子、ニラ玉餃子、ピリ辛餃子。

夕方から夜中の3時頃まで営業している餃子屋さん。12時を過ぎると、付近の水商売のおねいさんとアフターしているお客が増えてくる。若年層のカップルもちらほら見かける。

皮のパリパリ感は他の店の追随を許さない。中の具は少なめで軽いので、呑んだ後でも割と抵抗無く食べられる。はっきり言って美味しい焼き餃子だ。夏場限定のトマト餃子もなかなかイケる。僕のランキングでは、

1位　しいたけ餃子
2位　ニラ玉餃子
3位　ピリ辛餃子
4位　キャベツ餃子
5位　にんにく餃子

マスターも店員さんも中国人。あるときマスターに、「中国にいたとき、焼き餃子作ったことあるの？」と聞いてみたところ、「作ったことない」とスコンと言われた（笑）中国では遼寧省から北の満州族ぐらいしか、焼き餃子はポピュラーではない。

香水のキツイおねいさんの隣に座ると最悪だし、細かいところでは問題はあるお店だ。夜中は正常な感覚が麻痺している酔客が殆どなので、あまり苦情は出ないのだと思う。でも、餃子は確かにうまい。細かいことは気にせず、バリバリ飲み食いすればいい。

ヤフー知恵袋で、兵庫県の美味しい餃子を知りたい人がいたので回答してみた。

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「餃子専門店 祥雲」
焼き餃子では世界一うまいと評判です。ただし、いくつか注意事項があります。

1.接客は今はずいぶんマシになりました。店員さんは明るい性格なので、気軽に話しかけてみてください。
2.お店はお世辞にも清潔感があるとは言えません。また、隣席と近いので落ち着いてゆっくりとは食べられません。
3.テーブルに置いてある餃子のタレは味が薄いので、あまりおすすめできません。この店の餃子は黒酢を付けて食べると絶品なので、必ず店員さんに「黒酢をください」と注文してください。（無料です）

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