2回
2017/12 訪問
子羊のロースト!!!
30年前の開店当初から、しょっちゅうではなく時々(2年に1回くらい)使わせてもらっています。
しばらくの間利用していませんでしたが、2017年は結局3回訪問しました。
訪問回数がこれまでより増えたのは子羊のローストの旨さに陶然とさせられたからです。2017年の3回のメインはいずれも子羊のローストになってしまいました。
さて2017年最後の外食ランチはやはり好きなものが食べたいのでアラカルトで。
前菜は「山口産サワラの燻製」---いつもテリーヌ系をたのんでしまうので今回がはじめてです。前菜とは思えないたっぷりした量で思わずニヤリとしてしまう。食べるとさらにうれしくなる。旨い!ほどよい燻製具合で素材の良さがひきたてられている。これからはテリーヌ系(肉かオマール)と燻製系で悩むことになりそう。
メインは「シストロン産子羊のロースト」---メニューにはポテトのグラタンとあったが、今日はポテトの状態がイマイチとのことで別の野菜のソテーが添えられています。前回は国産子羊でしたが、今回はフランス産。肉質が若干違うような気がするし、調理法にも若干の違いがあるような気がしますが、いずれにせよ文句なしの旨さ。子羊背肉のローストはどこにでもある料理ですが、ここほど吟味された肉質の子羊を丁寧にローストして旨みを最大限に引き出しているレストランはないんじゃないでしょうか?しかも量もたっぷり。子羊好きにはたまりません。
デザートは「温製キャラメルクリームに泳ぐ洋梨」---始めて食べました。温かいキャラメルクリームに泳ぐ隙間は余りないほどたっぷりと洋梨が入っています。キャラメルクリームは濃厚でとても美味しいし、洋梨もたっぷり大ぶりの切り身が入っているのでしっかり洋梨の味はします。ただキャラメルクリームの味が強いので、洋梨とのマリアージュとしてはたして合っているかどうかは少し疑問でした。
今回の評点は4.8。前菜とメインだけでしたら満点付けても良いのですが、デザートでー0.1点、そしてパンでー0.1点です。パンは普通のバゲットで、おそらく別業者からの購入です。ここほどのレストランであればかなりの手間にはなってしまうでしょうが、自家製を出すべきではないかと思いました。メニューは少なくしかも以前からのものが多く、一品一品がとても完成度が高いものです。それにふさわしいパンが欲しいと思います。
この店を好きになるかどうかは、好きになれる料理と出会えるかでしょうね。
私でも苦手な料理と遭遇したことはあります。例を上げると「冷製野菜のエチュベ」。得意料理のひとつのようですが、酸味の野菜は余り好きでない上に量がたっぷりあるので、半分で舌が飽きてしまいました。それとかなり昔になりますが、ロニョン(腎臓)のお料理。それまで比較的大丈夫と思っていたロニョンでしたが、ここのはとても量が多く、半分でギブアップしてしまいました。
でも好きな食材であれば、最高の料理に出会えることになります。
2018/01/18 更新
1年ぶりの投稿。無精なのでこの1年に行ったお店をまとめて投稿。
3~4ヵ月に1回ほどのペースで通っているし、同じようなものを食べているので毎回は投稿しないが、印象に強く残ったものがあった時に投稿することにした。
夏の暑い昼、暑さを吹き飛ばすパワフルなものが食べたいと向かったのはやはりコートドールであった。
当日食したのは以下のメニュー。
・アミューズ(赤ピーマンのムース)
・梅干しと大葉シソのスープ
・隠元のサラダと鴨のフォワグラ
・国産牛のしっぽの煮込み赤ワインソース
・柑橘茶に泳ぐ白桃
アミューズは久しぶりの赤ピ-マンのムース。ここのところアミューズは桜エビのトーストが続いていたので、あれはあれで悪くはないもののやはりランブロワジー直伝の赤ピーマンのムースが出てくるとうれしくなる。
冷製シソのスープは初めて食するが、コートドールらしくたっぷりの量で出てきた。爽やかだがコクがあり、暑い夏の前菜としてふさわしい。
次の鴨のフォワグラは後述。
牛尾のワイン煮はここの定番中の定番。もちろん何度も食しているが、今日はかなり久しぶり。実を言うとこれは文句ナシというわけではなく、個人的にはこの料理には「カーエム」というライバル店がある。以前はソースに赤ワインの風味が残り過ぎているのが、やや自分の好みとは違うと思っていたが、今日食べてみて肉本体に塩味が微妙に足りないがゆえに赤ワイン風味が目立ってしまうのではないかと感じた。でも堂々たる体格の肉質の良さはカーエムより明らかに上である。
味のバランスでカーエム、肉質ではコートドールなのでなかなか甲乙付け難い。
デザートの白桃は柑橘スープとの相性も良くとても美味しかった。
さて今日の個人的ハイライトは鴨のファワグラ。肉のテリーヌの中央にフォワグラが入っているものは何度か食しているが、フォワグラオンリーは初めて。
肉厚のテリーヌ型フォワグラは実に旨く、ねっとりかつ滑らかな脂肪を食べる悦びを満喫する。ファワグラは最近はポワレで供する店がほとんどになってしまい、冷製のテリーヌを出す店が少なくなってきている。ポワレは確かに旨いが、良く出来た冷製テリーヌには敵わないというのが持論。日本ではここまでのフォワグラにはなかなかめぐり逢えない。これまで「隠元のサラダと鴨のフォワグラ」という料理名から主役は隠元だと思っていたので注文しなかったが、これからはこの料理名を見つけたら注文をためらう事は難しくなってしまうなあと感じた。