藤猫さんが投稿したごだん 宮ざわ(京都/五条)の口コミ詳細

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藤猫 (女性・東京都) 認証済

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ごだん 宮ざわ五条(京都市営)、四条(京都市営)、烏丸/日本料理

1

  • 昼の点数:5.0

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.3
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.2
1回目

2017/06 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.3
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

合掌に始まり、合掌に終わる

初夏の京都旅行①

美人広報ちゃんと京都旅行。
こちらのお店は美人広報ちゃんが、予約してつれてきてくれました。
美人広報ちゃん、以前に行って感動して、もう一度行きたいとずっと思っていたと聞いて、藤猫も行ってみたくて…


新幹線を降り立ち、京都駅から地下鉄に乗り換え、最寄り駅へ。6月のよいお天気。駅からさほどの距離でも無いですが、眩しい日差しに歩いている間に汗ばみます。
お店の前に立ち、一呼吸おいて、扉を開けると…

お店の方が出ていらして、次の扉へ。合掌で出迎えられました。

店内は、僅かながらお香の香り。過度な装飾は無く、かと言って簡素でない内装。店内の隅々まで、目が届いています。空気さえ凛としているような空間。12時スタートのお客様が揃ったところで、本日のコースがスタートいたしました。


はじめに、冷やされた炒り米のお茶でのおもてなし。レトロな趣きのある六角の形の不思議なグラス。グラスの形はユニークだけれど、グラスの青は深い日本の青。喉へ涼が滑りおります。炒り米の芳ばしさと僅かな塩気が、身体の感覚を目覚めさせるかのよう。

次に、ご挨拶のおしるしとして、日本酒を一献。
お店の空気感がググッと濃く感じられます。


最初のお料理は、蛤と夏野菜。とろみのある貝の旨味と出汁の柔らかさが、トマトやアスパラガスなど野菜の旨味と合わさり、不思議な引力がある一皿。せっかくなので、京都伏見の日本酒と合わせます。お酒を一口いただくと、旨味がさらに広がっていきます。トマトの酸味に妙な居心地を感じながらも、お料理に引き込まれます。

次はお椀。丁寧に引かれた出汁に、香ばしく火を通された稚鮎。幾層も重なる香りとたっぷりの旨味。ギリギリの塩加減。しゃきしゃきとしたおかひじきの歯応え。このバランスの絶妙さ。口の中が温まり、感覚が鋭敏になっていくことに驚きます。先程の違和感は、身体がこの場所に馴染んでいなかったようです。

カツオのタタキが参ります。無農薬餅米の藁で炙ったというカツオは、切口さえ凛々しい。ほのかな甘さのある燻香と、薬味のたっぷりのぼうみょうがと山口県吉岡産地ネギの香りで、さっぱりといただきます。


さて真打、うすい豆のあんの焼き胡麻豆腐! これは、目を見張るお料理でした。看板のお料理とは聞いてはいましたが、これほどまで強烈な印象を受けるとは、想像外。この胡麻豆腐をつくる手間隙。そしてそれを焼き上げ、さらに熱々の2種類の餡をかけて、熱々のうちに…
それを口にした時の衝撃! 感動を伴うお料理。この餡の味の塩梅が絶妙なのです。我を忘れて引き込まれてしまうお料理…

藤猫は、東京に帰ってきた後、このお料理の真似をしてみました。胡麻豆腐から作るのは無理なので、百貨店で高級な胡麻豆腐を購入し、粉をはたいて丁寧に焼き上げ、削りたての鰹節ととっておきの羅臼昆布で、丁寧に丁寧に出汁を引いて餡をつくり… たった一皿を仕上げるのに、どれだけの労力が… しかし、できたものは、関東風に味が濃すぎて… もう、お醤油の種類自体が間違えていました。何度も何度も味見をしたのですが、なんとバランスの難しいお料理かと。


さらにからすみ蕎麦、金時草とじゃこのおなべと続きます。

金時草は初めていただきました。金沢の地野菜とのこと。ぐつぐつジュワッと音を立てる鍋、金時草から色が溶け出し、とろみのついた汁が徐々にピンクがかってきます。ライブ感のあるお料理。


ご飯と香の物、白味噌仕立てのちりめんじゃこ、味噌汁。

炊きたてのご飯は、僅かに芯を残す炊きたてより、時間を置き3段階を一口ずつ供されます。ご飯の香り、甘さ、食感…。僅かな時間で次々と変化していきます。ここまで米と向き合う時間は、今まであったかしら⁇ そして、香の物とちりめんじゃこ、飯の友の素晴らしさ。しみじみといただく、赤出汁の味噌汁。

口直しの氷菓。初夏らしい紫蘇のシャーベットにいちごと柑橘、ジュレが添えられています。ここでも、香りの多重奏が‼︎

目の前の炭火で、丁寧に丁寧に焼き上げられた最中の皮に餡が挟まれ… 店主自らがたてたお薄とともに…

心より「ご馳走様でした」の言葉が出ると、合掌で挨拶をかえされました。


このギリギリのところの味わい、細い糸のにつながれたかのような僅かな香りの重なり、五感を鋭敏にさせ、さらに身体の奥に眠る何かを呼び醒ますかのようなお料理。

お料理の器も素敵でした。お料理を引き立て、自らを主張しない器の数々。中には骨董品らしきものも。
特に心を惹かれたのは、ご飯の器。口の端近くがギリギリまで薄く仕上げられていて、手した感触に米の温度が伝わり… 器の端に唇をあて、じゃことともにご飯をかきこみたい衝動! この器でお茶漬けを一口いただきたい…

もし、海外からいらしたお客様がいたら、この器は手にとって召し上がって欲しい。器を手にしてご飯をいただく日本の文化を感じて欲しいと思った。

食事を終えてお店の扉をくぐり外へ出ると、ひとつの旅をしてきたような感覚。

2018/03/06 更新

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