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本湖月なんば(大阪メトロ)、大阪難波、日本橋/日本料理
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夜の点数:5.0
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¥30,000~¥39,999 / 1人
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料理・味 5.0
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|サービス 5.0
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|雰囲気 5.0
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|CP 5.0
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|酒・ドリンク 5.0
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[ 料理・味5.0
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| サービス5.0
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| 雰囲気5.0
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| CP5.0
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| 酒・ドリンク5.0 ]
日本料理の神髄とおもてなしの意義♪@法善寺横丁
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2019/02/10 更新
果たして、こちらのお店に関しては、テレビとか、雑誌とか、あるいは
食べログとか、SNSとか、そういった俗物的な媒体を介して語る、語ら
れることに意味があるのかどうか今まさに自問しております。
要するに、美味しいのか美味しくないのか、好みなのか好みではないのか、
高いのか安いのか、コストパフォーマンスが良いのか悪いのかといった
お店を語る際にしばしば用いられる切り口それ自体がこちらのお店に
果たして当てはまるのかという疑問。訪問から数日経過した今でも興奮に
似た何かを感じています。
この日は、もはや食べログ仲間というよりは、普通に食べ歩き仲間と勝手に
私が認識しているマイレビさん食サーさん主催のカウンター貸切食事会。
このような素晴らしい会にお誘いくださった食サーさんありがとうございました。
参加者は、関西からは、滋賀から食サーさん、大阪から毎日外食グルメ豚さんさん、
その他東京からミトミえもんさんなど全国から著名なレビュアーさんが多数集結。
すごいメンバー。食サーさんの人脈とフットワークの軽さにはいつも驚かされます(笑)
場所は大阪難波。
他府県の方からすると、大阪の高級店が集う街としては北新地を想像される方が多い
かもしれませんが、こと大阪割烹に関しては、圧倒的に難波や心斎橋といったいわゆる
「ミナミ」に集まっています。もめんさんも心斎橋です。
本湖月の穴見さんは、本吉兆のご出身。
本吉兆というのは、吉兆高麗橋店のことで、いわば吉兆の総本山の系譜を
受け継ぐ方です。吉兆といえば、京都の嵐山吉兆が有名なので、京都の料亭
と思われがちですが、あれは京都吉兆の本店なだけで、会社としても別です。
未在の石原さんも最初は本吉兆に入社後、若くして嵐山吉兆の総料理長になられたので、
もともとは本吉兆のご出身です。
いわば日本料理の総本山あるいは穴見さんをして日本一の料亭と言わしめる
招福楼さんと双璧の料理を知り尽くしたお方のお店といえるわけです。
食べログの評価も4.77と大阪ではナンバー1、全国でもTOP10に入るお店、
しかもご一緒させていただいたグルメ豚さんが大阪一と評価されているだけに、美味しくない
わけはないのは確信していましたが、如何せん料亭料理より割烹が好きな私に果たして
穴見さんのお料理についていけるか一抹の不安はあったところでした。
結果的には料亭料理を加味した割烹という表現がしっくりくるお料理です。
そんなことを思いつつ、「氷の節句」(旧暦6月)のお料理のスタート(25000円)。
なお、料理写真については、撮影可ですが、SNS等にアップすることは控えてほしい
とのことですので、本レビューでもUPはしておりません。
□食前酒 ◎
早速何の柑橘だったのか忘れましたが(笑)、爽やかな酸味が暑さを
忘れさせてくれます。アルコールが入ってないことだけは覚えてます。
□先付1 特◎
水無月豆腐。
水無月豆腐というのは、無病息災を祈願する神事で用いられる京都
の6月を代表するお菓子だそうで、これを懐石に転用したものとのこと。
小豆は魔除けの意味、三角形に切ることで暑気を払う氷を表しているそうです。
氷は宮中の人のみが口にすることができた貴重品であり、この日はお豆腐全体
を氷で包んで提供してくれました。最大限のもてなしの心という意味なのだろうと思います。
丁寧に裏ごしされた胡麻の香りと滑らかさが口の中に残ります。
貴重な江戸中期のバカラのグラスに注がれたビールと共に。
□先付2 特◎
鯵の寿司。
トツカアジと呼ばれる鯵は、十本の指でつかむことができるサイズの鯵のことで、
鮎包みという鮎をモチーフにした包み方で供されます。葉に包んだお寿司だと、
粽(ちまき)の用にギュッと包むイメージがありますが、そうではなくあくまで
季節の香りを楽しむためなので、そのような包みかたはしないそうです。
□椀 特◎
のどぐろのお椀。
素晴らしい器です。私のように器に全く疎い人間ですら、こちらの器の素晴らしさ
に気が付くほどです。お出汁は昆布とかつおだし。滋味深いじわっと染み渡る出汁の
旨さになんと梅干が。この梅干しがまた手間暇かけられています(話すと長いので)。
ちなみに、食事が終わった後に皆さんと大将と談笑させていただきましたが、客人が
来てから鰹節を丁寧に削り、水出しの昆布出汁と合わせるそう。大将が削りたての鰹節
とすでに削られた市販の鰹節を食べ比べさせてくださったんですが、こうも違うかと思いました。
酸化とは恐ろしい・・・。燻した鰹の香りとかつおの味が凝縮した日本料理に欠かせない
鰹節の存在感をまざまざと。
□向付1 超特◎
アオリイカと由良雲丹。
これまた素晴らしい器にのって。本当に驚くので、皆様、是非器鑑賞だけでも(笑)
細かく包丁が入れられたアオリイカはこれでもかというほど柔らかく、甘みが
引き立っています。細かく包丁を入れるのは、何度咀嚼しても、醤油の味が消えない
ようにする意味もあるそうです。由良の赤ウニ、これにキャビアを乗せるような料理人は
嫌いやとおっしゃってました(笑)。確かに、塩すら不要、そのままが一番の最高級品。
□向付2 超特◎
韓国産鱧。
皮目を炭火で炙って、見てると低温のお湯にくぐらせていらっしゃいました。
湯引きではないのは明らかですが、完全に生でもないってことです。
大将もおっしゃってましたが、鱧に関しては、韓国産がやはりうまいのはもはや
疑いようがないですね。ただ、日本料理屋としては、あとで淡路のものも出しますと
おっしゃる辺りのプライドがかっこいい。梅肉も素晴らしく美味しいです。
□八寸 超特◎
これも無病息災を祈る京都の6月の行事である芽の輪くぐりにみたてて。
一品一品についてはクオリティが高すぎて、何も言うことがありません。
うなぎ、えび、ばちこ全て、語ったところで伝わりません(笑)
□ 焼物 超特◎
鮎の塩焼き。
ぷっくりと太った小ぶりの鮎を香ばしく焼いて。香りがすべてのこの食べ方。
120点中・・・2万点!!
ここで、こちらの常連のグルメ豚さんに大将からビールのサービスが!
どうやら魯山人作の特大ビールジョッキを見せてくださったようで、魯山人が
こんなバカデカイビールグラス作っていたとは驚きました。みんなでビール
飲み回しという嬉しいサプライズ(笑)。国宝級ですね。
□ 強肴 超特◎
生トリ貝のしゃぶしゃぶ。
舞鶴産のトリ貝もそろそろ終わりかなという時期にこれが。
さっと出汁にくぐらせてなんと黄ニラと一緒におろしポン酢で。
この時期の食材石もずくも。これまた素晴らしい。
□ 箸休め 超特◎
三田産じゅんさいと蕎麦。
秋田が有名なじゅんさいですが、お隣のミトミえもんさんによると、
関西だと兵庫県の三田が有名な産地だそうです。
なるほど、非常に肉厚でプリプリした上質なもの。お蕎麦も大将が
打っていらっしゃるか分からないですが、手打ちの美味しい蕎麦。
□ 和えもの 特◎
豆腐の白かけ。
下仁田蒟蒻、青干しぜんまい、南関揚げに豆の旨みたっぷりの豆腐が。
青干しせんまいもそのうち作り手がいなくなるのではと大将がおっしゃって
ましたが、手間暇かけて美味しいものを提供することに情熱を注ぐ方が
少なくなるのは食道楽としては悲しいです・・・。
□ 食事 特◎
淡路産鱧の照り焼きとご飯。
ご飯がとにかくおいしい。ご飯は日本人が毎日食べるものだけに、
ハードルが高い分、料理としては難しいとおっしゃっる大将。
最後はそこに行きつくんですね。
□ 水物 特◎
白樺の樹液の寒天。砂糖不使用。樹液を寒天で固めたもの。
自然の力は偉大です。
□ 甘味 特◎
三ツ矢サイダーとカルピス。
日本人なら誰しも懐かしく思うこの二つを最後にお出ししてるんですと。
お子さんでもおじいちゃんでも万人受け最強の甘味。
おもてなしという言葉が一時注目されましたが、改めて調べてみると、
「表なし」という表裏なく人と接するという意味と、「持って成す」すなわち、
何かもって成し遂げるという意味があるようです。
この日感じたことは、前者はもちろん、後者を強く感じました。
穴見さんが料理人として成してきたことを日々日々体現していくことで
人を満足させる、そんなことができる人はどの業界においてもごくごく少数
なのでしょうが、私はそれくらいのことを一期一会のこの日の食事会で経験
したように思います。食べることって素晴らしいですね。
最後に。
私が大将にお聞きしたことがあり〼。
日本料理と和食という言葉を使い分けていらっしゃいますが、どう違うのですか?
穴見さん曰く、日本料理というのは、1年12か月あるならば、その1月1月でしか
感じられない日本の文化を味わっていただく料理で、他方、和食というのは、
そういった括りのない日本の食文化であると。日本料理を作ることができる料理人
さんっていうのは、日本に何人いるのでしょうか。ありがとうございました。