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1回
夜の点数:-
2012/03 訪問
間違いのない料理
[また追記]夜早めに閉められるようになって、夜ゆっくり食事をいただくことが随分ご無沙汰になっておりました。そこで、何人かで誘い合わせて、こちらの希望を入れたメニューを組んでもらいました。それは、ブリオッシュを添えたフォアグラ、コンソメ、舌平目のクリームソースなど、華が無くて、古くさくて、原価と手間がたっぷりかかって、そして、すこぶる美味しい料理達です。日本のフランス料理の珠玉の皿達と言っても良い。こちらのシェフのルーツと合うのか、勤勉だからなのか、この手の料理は、もう本当に素晴らしい。食べる時間から逆算して仕込み始めるフォアグラ(できたてのテリーヌはただの肝で味に深みがなく、寝かせすぎると特に鴨は苦い)、焼き上がってちょうど粗熱が取れたブリオッシュ、どれほどの工数が掛けられたのか想像すらできないコンソメ、身の厚い舌平目にそれを丸ごと潰して取った出汁がベースのソース、たっぷりのクリームにも味がぼけるようなことはありません。つまりは、当たり前のことを当たり前にやった料理なのですが、それが滅多に出会えるものでは無いことも当たり前です。普段のメニューも同様に至極真っ当な料理が多いのですが、ここまでストレートではありません。「いつもこれでいいじゃない」とお聞きすると、「いやぁ出ないんです」とシェフはおっしゃります。少し残念なことです。[さらに追記]すこし前に、お昼に伺ったところ、今年もありました。トマトのスープ。もう少し柑橘系の香りが立った方がとか、味ももうすこし酸があった方がとか、少し思うのですが、そんなことどうでも良いじゃないですか、もう恐ろしいほどの圧倒的な迫力で迫るトマトなのですから。[追記]シェフの情熱のなせる技か、リーズナブルな価格のままに、素晴らしい素材による心震える皿を提供してくれます。昨夏は、トマトのスープがありました。見るからに味の詰まっていそうな見事なトマトをまあ惜しげも無く火をれて、ミキサーに掛けています。火を入れることによって、甘味、酸味、香りのバランスを整えるそうです。もう一匙目からの力強い旨みと香りに圧倒されます。軽く煮るだけでなぜこんなに整った味になるのだろう、などいろいろと考えるのがばかばかしくなるような絶品です。トマトが終わると、大きな鷹峯とうがらしが出てきます。木に付けたまま赤くなるまで、一般には過熟と思えるほど熟成させて収穫されるそうです。これを今ではありふれた型式である赤ピーマンのムースと同様の仕立てで出してくれます。赤ピーマンのムースは、盛り付けも含めた洗練の極みに人気の源があったと推測します。ところが、同じようなものに見えても、鷹峯とうがらしを使うと、洗練を感じることはできません。むしろ野趣に溢れた力強さに溢れる皿に仕上がります。味、香りの複雑さは赤ピーマンのそれとは比較にならないレベルで素晴らしい。洗練と野趣。どちらが上というものではありません。どちらも近所で食べられる大阪市北部の住民の幸せをかみしめます。季節が終わったものの話をしても、寂しさが募るでしょう。今(1月)なら、エゾジカがメニューにあります。わざわざ厳冬の北海道にハンターを訪ね、スノーモービルに乗って狩猟現場を見学し、様々に意見交換をしたというのですから、熱意に頭が下がります。エゾジカはあちこちのお店で見かけるようになりましたが、ここのお店が何故か美味しい。解体から流通、調理までに一つでも瑕疵があれば、駄目になる肉でありますが、それ以前に「美味しそうなものを選んで撃つ」ことが秘訣だそうです。あまりも説得的なお話しです。もう一皿、長々と文章を書こうと今回思い立った皿が、にんじんの生暖かなスープです。もともと冬には、甘味が凝縮してはち切れそうになったにんじんをじっくりローストしてさらに甘味と香りを引き出した絶品のスープがありました。それを今年は生暖かい温度で提供されています。これはちょっとした工夫ですが、甘味の輪郭が明確化し、酸味との調和は見事という他はありません。他にも私が食べ逃した素晴らしい素材は多々あるでしょうが、私に説明できる限りは書き記しました。美味しい料理は、技術と情熱があれば作れます。しかし、ただの美味を超えて、心に訴えてくる料理となるとどうしても素材の力が必要です。そして、そういう素材は高価です。この店は高額店ではありませんから、そういう素材は使えません。感動に心震える料理となるとなかなか難しい・・・と思っていました。ごめんなさい。恐ろしいことに、これらの料理は、運が良ければランチにも登場します。[最初に書いたもの]ビストロと名乗ってスタンダードなメニューを掲げます。奇をてらったことが嫌いで、オーソドックスを好むシェフですから、どれもまじめに作られ、しみじみと美味しい料理ばかりです。その分、あっと驚くような美味と出会うことはない-------と、思うでしょ?ところが、この小柄で童顔のシェフは、感嘆すべき皿をいくつも作ります。たとえば、手品のように高く上がったパイのケース、そこにオマールやその日の魚介を詰めて、濃厚なオマールとクリームのソースが添えられる皿。まずソースだけをなめてみましょう。食べ手を圧倒する旨み、コク、エビの香り、さらに仄かなヴァニラ。ソースの濃厚さと量の多さは、明らかに一昔前の、そう、ソースが筋になってしまう前の、あの美味しくて濃いソースがたっぷりかかっていた時代の標準です。ギリギリまで焼き込まれたパイの香ばしさと脆さ、それにソースを浸して食べる喜びといったら、いったい何を比喩に持ち出せばよいのでしょう。子羊だって鍋で焼くので、脂が被った部分、骨で護られた部分、と焼き上がりは完全な均一にはなりません。この微妙な火の入りの違いも賞味すべき対象です。ビニール袋に詰めてサウナに入れれば、誰でも均一に厳密な火入れが出来る時代、自分の楽しみで食べる肉ぐらいは、料理人の手で焼いてもらいたいものです。さらに、骨とカブリの脂身は、焼き上げられ休まされた後に切り外され、追加で香ばしく香ばしく焼かれてサーブされます。ぶよぶよした脂は気持ち悪いだけですし、焼き込んでない骨周りは噛みちぎれません。これら部分は、しっかり焼いてもらってはじめて、全部を楽しむことが出来ます。オーストラリア系の脂を賞味する羊なら、これ以上の焼き方を知りません。他にもブルゴーニュ種の国産エスカルゴや和牛のリ・ド・ボー、極上の野菜類など、面白い材料が実直に調理され、迷うに十分値するメニューを構成しています。デザートは、製菓学校の教科書、それも初級の教科書に載っているような素朴なガトー類を数種類並べ、好みで選べるようになっています。誰にでも出来そうで、実際誰にでも出来るお菓子達ですが、こういう風に美味しくできないのが面白いところ。上のパイといい、粉の生地の扱いに長けたシェフなのでしょう。しかし、遅い目の時間に、なにか一皿と一杯をいただきに行って、ついついデザートまで食べてしまうのは、何とかしないといけません。特に「厚い目に切って」などと言うのは、やめないと。自然派と呼ばれるワインしか置いてませんが、一昔前の商品とは呼べないような不味くて臭いビオワインは「絶対に」出てきません。聞きもしないのに、ビオの蘊蓄を押しつけられることもありません。ビオ嫌いを公言してはばからない私でも満足して帰れます。自然派ワインの業界(という言い方があるのかどうかは知りませんが)では有名なオーナーがサービスをされていましたが、オーナーは新店舗に移られ、若い熱心なソムリエールがサービスしてくれます。無理のない範囲で良い材料を使っているので、値段は激安とはいきませんが、合理的なものと思います。
2018/03/22 更新
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日本酒あり
焼酎あり
オシャレな空間
カップルシート
カウンター席
ソファー席
座敷
[また追記]
夜早めに閉められるようになって、夜ゆっくり食事をいただくことが随分ご無沙汰になっておりました。そこで、何人かで誘い合わせて、こちらの希望を入れたメニューを組んでもらいました。
それは、ブリオッシュを添えたフォアグラ、コンソメ、舌平目のクリームソースなど、華が無くて、古くさくて、原価と手間がたっぷりかかって、そして、すこぶる美味しい料理達です。日本のフランス料理の珠玉の皿達と言っても良い。こちらのシェフのルーツと合うのか、勤勉だからなのか、この手の料理は、もう本当に素晴らしい。食べる時間から逆算して仕込み始めるフォアグラ(できたてのテリーヌはただの肝で味に深みがなく、寝かせすぎると特に鴨は苦い)、焼き上がってちょうど粗熱が取れたブリオッシュ、どれほどの工数が掛けられたのか想像すらできないコンソメ、身の厚い舌平目にそれを丸ごと潰して取った出汁がベースのソース、たっぷりのクリームにも味がぼけるようなことはありません。つまりは、当たり前のことを当たり前にやった料理なのですが、それが滅多に出会えるものでは無いことも当たり前です。
普段のメニューも同様に至極真っ当な料理が多いのですが、ここまでストレートではありません。
「いつもこれでいいじゃない」とお聞きすると、
「いやぁ出ないんです」とシェフはおっしゃります。
少し残念なことです。
[さらに追記]
すこし前に、お昼に伺ったところ、今年もありました。トマトのスープ。
もう少し柑橘系の香りが立った方がとか、味ももうすこし酸があった方がとか、少し思うのですが、そんなことどうでも良いじゃないですか、もう恐ろしいほどの圧倒的な迫力で迫るトマトなのですから。
[追記]
シェフの情熱のなせる技か、リーズナブルな価格のままに、素晴らしい素材による心震える皿を提供してくれます。
昨夏は、トマトのスープがありました。見るからに味の詰まっていそうな見事なトマトをまあ惜しげも無く火をれて、ミキサーに掛けています。火を入れることによって、甘味、酸味、香りのバランスを整えるそうです。もう一匙目からの力強い旨みと香りに圧倒されます。軽く煮るだけでなぜこんなに整った味になるのだろう、などいろいろと考えるのがばかばかしくなるような絶品です。
トマトが終わると、大きな鷹峯とうがらしが出てきます。木に付けたまま赤くなるまで、一般には過熟と思えるほど熟成させて収穫されるそうです。これを今ではありふれた型式である赤ピーマンのムースと同様の仕立てで出してくれます。赤ピーマンのムースは、盛り付けも含めた洗練の極みに人気の源があったと推測します。ところが、同じようなものに見えても、鷹峯とうがらしを使うと、洗練を感じることはできません。むしろ野趣に溢れた力強さに溢れる皿に仕上がります。味、香りの複雑さは赤ピーマンのそれとは比較にならないレベルで素晴らしい。洗練と野趣。どちらが上というものではありません。どちらも近所で食べられる大阪市北部の住民の幸せをかみしめます。
季節が終わったものの話をしても、寂しさが募るでしょう。今(1月)なら、エゾジカがメニューにあります。わざわざ厳冬の北海道にハンターを訪ね、スノーモービルに乗って狩猟現場を見学し、様々に意見交換をしたというのですから、熱意に頭が下がります。エゾジカはあちこちのお店で見かけるようになりましたが、ここのお店が何故か美味しい。解体から流通、調理までに一つでも瑕疵があれば、駄目になる肉でありますが、それ以前に「美味しそうなものを選んで撃つ」ことが秘訣だそうです。あまりも説得的なお話しです。
もう一皿、長々と文章を書こうと今回思い立った皿が、にんじんの生暖かなスープです。もともと冬には、甘味が凝縮してはち切れそうになったにんじんをじっくりローストしてさらに甘味と香りを引き出した絶品のスープがありました。それを今年は生暖かい温度で提供されています。これはちょっとした工夫ですが、甘味の輪郭が明確化し、酸味との調和は見事という他はありません。
他にも私が食べ逃した素晴らしい素材は多々あるでしょうが、私に説明できる限りは書き記しました。
美味しい料理は、技術と情熱があれば作れます。しかし、ただの美味を超えて、心に訴えてくる料理となるとどうしても素材の力が必要です。そして、そういう素材は高価です。
この店は高額店ではありませんから、そういう素材は使えません。感動に心震える料理となるとなかなか難しい・・・と思っていました。ごめんなさい。
恐ろしいことに、これらの料理は、運が良ければランチにも登場します。
[最初に書いたもの]
ビストロと名乗ってスタンダードなメニューを掲げます。奇をてらったことが嫌いで、オーソドックスを好むシェフですから、どれもまじめに作られ、しみじみと美味しい料理ばかりです。その分、あっと驚くような美味と出会うことはない-------と、思うでしょ?
ところが、この小柄で童顔のシェフは、感嘆すべき皿をいくつも作ります。
たとえば、手品のように高く上がったパイのケース、そこにオマールやその日の魚介を詰めて、濃厚なオマールとクリームのソースが添えられる皿。
まずソースだけをなめてみましょう。食べ手を圧倒する旨み、コク、エビの香り、さらに仄かなヴァニラ。ソースの濃厚さと量の多さは、明らかに一昔前の、そう、ソースが筋になってしまう前の、あの美味しくて濃いソースがたっぷりかかっていた時代の標準です。
ギリギリまで焼き込まれたパイの香ばしさと脆さ、それにソースを浸して食べる喜びといったら、いったい何を比喩に持ち出せばよいのでしょう。
子羊だって鍋で焼くので、脂が被った部分、骨で護られた部分、と焼き上がりは完全な均一にはなりません。この微妙な火の入りの違いも賞味すべき対象です。
ビニール袋に詰めてサウナに入れれば、誰でも均一に厳密な火入れが出来る時代、自分の楽しみで食べる肉ぐらいは、料理人の手で焼いてもらいたいものです。
さらに、骨とカブリの脂身は、焼き上げられ休まされた後に切り外され、追加で香ばしく香ばしく焼かれてサーブされます。ぶよぶよした脂は気持ち悪いだけですし、焼き込んでない骨周りは噛みちぎれません。これら部分は、しっかり焼いてもらってはじめて、全部を楽しむことが出来ます。
オーストラリア系の脂を賞味する羊なら、これ以上の焼き方を知りません。
他にもブルゴーニュ種の国産エスカルゴや和牛のリ・ド・ボー、極上の野菜類など、面白い材料が実直に調理され、迷うに十分値するメニューを構成しています。
デザートは、製菓学校の教科書、それも初級の教科書に載っているような素朴なガトー類を数種類並べ、好みで選べるようになっています。誰にでも出来そうで、実際誰にでも出来るお菓子達ですが、こういう風に美味しくできないのが面白いところ。上のパイといい、粉の生地の扱いに長けたシェフなのでしょう。
しかし、遅い目の時間に、なにか一皿と一杯をいただきに行って、ついついデザートまで食べてしまうのは、何とかしないといけません。特に「厚い目に切って」などと言うのは、やめないと。
自然派と呼ばれるワインしか置いてませんが、一昔前の商品とは呼べないような不味くて臭いビオワインは「絶対に」出てきません。聞きもしないのに、ビオの蘊蓄を押しつけられることもありません。ビオ嫌いを公言してはばからない私でも満足して帰れます。
自然派ワインの業界(という言い方があるのかどうかは知りませんが)では有名なオーナーがサービスをされていましたが、オーナーは新店舗に移られ、若い熱心なソムリエールがサービスしてくれます。
無理のない範囲で良い材料を使っているので、値段は激安とはいきませんが、合理的なものと思います。