レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2008/12訪問 2009/01/25
12月某日、相方とクリスマスディナーで訪問。
六本木駅から徒歩15分。六本木ヒルズ・ハイアットホテルを越えて少し歩いた細道の地下。
外観はシンプルな看板が一つある程度で、危うく通り過ぎてしまいそうになる。
地下に降りてドアをあけると数名のスタッフが笑顔でお出迎え。
すぐさまコートにバックを預かってくれ、寒さを気遣ってストーブを向けてくれる。
こういう細やかなサービスが実はありがたく、なかなかないものである。
クリスマスの時期もあり、客層はカップルのみ。
テーブル数は10席ほど。
いざテーブルへ通されると舞台の幕があがるかのごとく、非日常的な上質な時間と空間を感じさせられる。
地下にいることを感じさせないほど天井が高く、隣の客とも適度な距離が保たれていて、周囲の会話も気にならない。とても居心地のよい空間である。
まずはシャンパンで乾杯。
適度に冷えていてとても奥深い味わい。
料理はスタッフの方に相談しながらアラカルトで注文。
いずれも美味しく、特にエビとズッキーニを詰めたイカのオーブン焼きはまた食べてみたい。
お会計は二人で34000円ほど。
赤ワイン1本に、シャンパン、グラスワインなどなど・・・結構お酒を飲んだので
こんなものでしょう。
注文した白ワインが適度な温度になっていなかったということで、それを待つ間にも
シャンパンをサービス。こちらも素敵な心遣い。
テーブルからキッチンが大きなガラス越しに見えるのだが、
それはあたかも観客席の反応を楽しみながら演奏するオーケストラのよう。
全てタイミングを見計らったように出てくる料理とお酒、抜群のサービス、そしてその料理と空間に
至福の時間を味わうことができた。
08年最後のイタリアンとしても最高な選択をしたと自画自賛。
帰りの際にも堀江シェフ自らお見送り。
エレベーターが閉じると同時に舞台が終了。
大変満足。
ぜひお勧めしたい一軒である。
3位
1回
2009/02訪問 2009/02/17
2月某日、相方と訪問。
江戸川橋から徒歩5分。
マンションの駐輪場を通り抜けた場所にあり、最初はこんなところに本当にあるの?と危うく通りすぎてしまう。
外観はオシャレな日本家屋で石畳の玄関には打ち水がしてあり、清潔感があり清々しい。
玄関では靴を脱がずに入店。ただ外観・内装が伝統的な日本家屋のため、
少し違和感。
店内は木材の香りがほのかに漂う和風な雰囲気。
客層は全てカップルで、カジュアルな服装からドレスアップした人まで。
まずはスパークリングワインで乾杯し、二人ともバリックコース(8500円)を注文。
その他、6500円と12000円のコースあり。
内容は冷前菜、温前菜、パスタ、メインにデザートにコーヒー。
冷前菜からメインまでは4種類の中から好きなものを選んで注文。
ワインは好みと予算を伝えて、白のビノワインを選択。
芳醇な香りに深みのあるフルーティーな風味が口に広がる。とても味わい深くて美味しい。
温前菜のフォアグラから芝海老のパスタ、メインの牛ロースのグリル、デザートまで、
とてもシンプルかつストレートに素材の持ち味が生かされている。
個人的にはもう少し複雑な味が好みだが、大変満足できるものであった。
4位
1回
2009/08訪問 2009/08/15
8月某日、訪問。
猛暑の中並ぶのも苦痛なので、開店時間に合わせて予約。
11時少し前に着いたが、中には数組のお客さん。すべて予約客のようで、それ以降に
訪れたお客さんは全て待ちの状態。
12時前には満席で、ほぼ家族連れ。
客の回転は早そうだが、予約していくのがベター。
ビールで乾杯し、つまみに肝焼きと白焼きを注文。
20分くらいで肝焼きと白焼きが運ばれてくる。
お吸い物の肝は好物であったが肝焼きは初めて。
蒲焼きのタレと卵の黄身が交わり、とても濃厚で美味。
歯ごたえも弾力がある部分ととろけてしまう部分があり、
ビールによく合う。ぜひお勧め。
白焼きに関しては、山椒みそ、ゆず胡椒、わさび醤油のいずれかをつけて食べる。
うなぎはとても柔らかく、箸で取ろうとするとくずれてしまう。
味は脂がのっていてジューシーだが、後味は意外とあっさり。
わさび醤油が一番好み。
思っていたよりも早く、うな重が運ばれてくる。
こちらもとても柔らかく、うなぎ独特の脂味とタレの香ばしさがマッチしてとても美味。
山椒の風味もうなぎとマッチして美味い。遠くまで来た界があった。
これに肝吸いとお新香がついて2625円。
コストパフォーマンス高し。
個人的にはうなぎにもう少し弾力がある方が好みだが、
こちらも満足できる確かな味。
また訪問したい。
5位
1回
2009/05訪問 2009/05/28
5月某日、相方の誕生日で訪問。
麻布十番から徒歩10分。
店に入るとカウンターがあり、右側には販売されているワイン部屋。
階段をあがり2階へ。
2階の廊下にはソファーがあり、オープンテラス的な開放的な空間もあり、
とてもカジュアルで自分の家にいるよう。
通された部屋には雑誌があり、ソファーがあり、店員もカジュアルな格好でととてもアットホーム。
お勧め辛口スパークリングで乾杯し、オーダーはコースで注文。
はじめにバーニャカウダ。瑞々しい野菜を堪能。
同時に白ワインを注文したのだが、出てくるまでに時間がかかるわ、ぬるいわで少し残念。
続いて前菜のうなぎの蒸し焼き、蛍イカのパスタに、メインは和牛のオーブン焼き(同時に赤ワインのグラス)、そして最後にもう一品パスタと。かなりボリューム満点でいずれも美味しい。
味付けはいずれも、濃い目の「ストレート直球勝負」といった感じだろうか。
どちらかというと私は変化球が好み。。。
最後にケーキとコーヒーで終了。
カジュアルな雰囲気で楽しめる、イタリアンかな。客層的に若いカップルが多かったし。
夜遅くまでやっているようだし、使い勝手は良さそう。
6位
1回
2009/05訪問 2009/05/08
5月G.W、ディナーで訪問。
鶴岡駅から車で約15分(タクシーで1700円ほど)。
国道沿いにあり、かわいらしい外観。
バス停も店の目の前にあり、その名も「アル・ケッチャーノ前」。
店内は暖色系の照明に、ウッディーな内装で、山形の情報や加工品が並ぶ雑多な感じ。
カウンターの上には黒板があり、手書きのメニューがところ狭しと書かれている。
アラカルトだと迷ってしまいそうだ。
この日は事前に、お勧めコース(8000円)を予約。
シャンパンで乾杯し、コーススタート。
前菜の「月山筍(がっさんだけ)のフリット」から始まり、
魚料理5種、
肉料理2種、
その間にパスタやリゾット、チーズなどが3種、
最後にデザートが2種とかなり大満足なボリュームであった。
相方が最後のお肉(羊が苦手ということで、仔牛)を食べれず、そちらもいただいた。。。
全体的な印象として、素材本来の味を引き出す調理に徹しており、塩や胡椒、オリーブオイルのみの薄めの味付け。
ただし、素材自体がとても奥深く味わい深いものが多かったので、それだけでも十分楽しめた。
いずれも大変満足できたのだが、特に印象に残ったものとしては、月山筍のフリット、フォアグラのソテー十穀のせ、ラム肉のグリル、そしてデザートのアイス(イチゴにバルサミコ)が絶品だった。
そして最後にデザートを楽しんでいたところに、奥田シェフが登場。
ちょうど東京から帰ってきたところのこと。
とても気さくな方で、いろいろと面白い話を聞かせてもらった。
山形産の食材を堪能し、大変満足度の高いディナーとなった。
翌日、試しにランチで隣にあるイル・ケッチャーノに行ってみたが、大混雑。
鶴岡駅前の静けさとのギャップがすごい。。。
こちらは予約ができないということで、何組も「待ち」の状態とのことで、断念し帰路へ。
たいていこういう観光地化してしまったレストランというのは黙っていても人が入ってくるので、あぐらをかいているケースが多々垣間見えるのだが、こちらはやはり違った。
山形鶴岡を愛し、そこで取れる食材、育む人を大切にする想いがあり、そして素材に対する探究心が料理を通して伝わってきた。
食を通して、普段味わうことの出来ない山形の文化を体験する。
地方活性化の一つのモデルケースと言えるのではないだろうか。
7位
1回
2009/07訪問 2009/08/07
7月某日の土曜日に訪問。
予約無しでは入れないということで、1ヶ月前に予約。
豊島園駅から徒歩5分、メイン通りから一本わき道に入った場所にある。
外観はこじんまりとしたアットホームな雰囲気で、中に入るとカウンター席が6席に
テーブル席が20席ほど。
大きな石釜を構えたピッツァコーナーとパスタコーナーに分かれているようで、
サービススタッフの女性が3~4名。しかも常にカウンター越しに、その店員から見られているようで、少し落ち着かない。。。
店内はカップルが中心で、家族連れもちらほら。
まずはスパークリングワインで乾杯し、生ハムとモッツァレラチーズを注文。
チーズが少し淡白で物足りない。もう少し濃厚な方が好み。
あえてパスタは食べずに、ピッツァのみ。
マルゲリータ含め2種類注文。
もっちりした生地の食感に、トマトソースの味もトッピングも絶妙で美味しい。
焼き加減も絶妙で生地だけでも楽しめる味わい。
こんなに美味しいピザ屋がチャリ圏内にあったとは・・・感激である。
コストパフォーマンスや店の雰囲気などを考えると、シシリヤのほうが上であるが、
単純にピザだけであれば、こちらも十分美味しい。
お勧めである。
8位
1回
2009/09訪問 2009/10/04
9月某日、相方と訪問。
四条木屋町を5分程下ったところにある純和風の外観。
外には水が撒かれており、粋な感じ。
店内に入ると、檜の香りがただよい癒される。
生ビールと日本酒(田酒)で乾杯。
キリンの生ビールであったが、久しぶりに美味しいビールを味わえた。
注ぎ方、鮮度ともにパーフェクトであり、
これだけのビールを提供してくれるお店はなかなか無い。
乾杯して間もなく、前菜3種。
続いて、お刺身(マグロ/タイのこぶ締め/甘エビ)。
特にマグロの赤身は、お肉と間違えてしまう程ジューシー。
全て鮮度がよく、感動。
その後は、京ナスの煮物、焼き魚(さわらとうなぎ)、鯖寿司、鴨しんじょう、ハモの揚げ物と続く。
それぞれ一品ずつとても丁寧な作りで、素材自体の味を必要最低限の味付けで表現していて、感動的であった。季節やその素材の本質を分からないと出来ない技術。そんな料理人はとても素敵である。
その間、田酒と久保田千寿と合わせたが、これがまたどの料理にも良く合い、ほろ酔い気分。
最後は、栗ごはんとお漬け物、そして赤出しの味噌汁で締め。
とても上質な時間を過ごし、満足な気分で店を後にする。
接客、見た目の美しさ、手間のかかった奥深い味わい、季節感や栄養価など、
やはり日本料理は世界に誇るべき文化の一つであることを実感できた。
しかし、京都にあるお店はどこも接客が丁寧だ。
9位
1回
2009/04訪問 2009/04/24
4月某日、仕事仲間で訪問。
四谷三丁目駅から徒歩10分。
荒木町界隈にある、美味しい魚料理を楽しめるお店。
カウンターが8席程度と、4人座れる掘りごたつの座敷席が4つ。
客層は年齢層高めのサラリーマンが中心。
カウンター上には煮魚や煮物などの総菜が大きな焼き皿に盛られていて、どれも美味しいそう。
店内にはメニューは無く、料金も分からない。
刺身の盛り合わせに煮物や煮魚を適当におまかせで注文。
焼き鳥などもあるが、やはり煮魚が脂がのっていて、とても美味しく、
日本酒がぐいぐい進む。
日本酒も新潟産のものをお勧めで。
店内にはお店の子供が走り周り、泣き声が聞こえ、母親があやし、閉店間際にはマスターの顔は真っ赤っか。
お腹いっぱいで、お酒も結構飲んで、一人7000円くらい。
アットホームなあたたかい空気に包まれたお店です。
10位
1回
2009/02訪問 2009/03/03
2月某日、相方と訪問。
四ツ谷三丁目から徒歩5分。
閑散としたビルの地下にあるミシュラン一つ星のフランス料理店。
メニューは来店数日前に電話でオーダー。
ラノードールコース(7000円)にスペシャリテの一つである
「最上ペリゴール産鴨のフレッシュフォアグラのポワレソース・マデール」を追加(プラス1900円)。
そしてコースの肉料理を「マダム ビュルゴーの窒息シャラン鴨のロティ ソース ルアネーズ」に変更(プラス2500円)。
ワインはお任せ3種のコースを注文。一杯目のシャンパンのみ指定し、その後の2種は
料理にあわせてお任せ。
総じて言えるのが、全ての料理に手間と時間がかかっているのが伺え、特にソース類は格別である。いずれもとても複雑で奥深い味を堪能できる芸術品といっても過言ではない。
中でも「幻の卵の半熟蒸し トリュフとフォアグラのソース」とスペシャリテの
「フォアグラのポワレ」は特に絶品で、私好みであった。
「幻の卵」に関しては今まで口にしたことのない濃厚な味わいで、パンにつけても、
同時に赤ワインと食してもともてよくあう。
単体で食べると少し濃いと感じる人もいると思うので、薄口好みの人には向かないかもしれない。
「フォアグラのポワレ」も同様にとても濃厚で口の中で溶けてしまうほどやわらかい、
スープとの絡みも絶品で、いままで食べたフォアグラ料理の中で最も美味しい。感動的。
ただし、幾分のストレスを感じざるを得ないのが難点。
シェフと、もう一人の2名で調理からサービスまで全てを行っているため、どうしても気が回らず、
諸々こちらの求めるタイミングとずれててしまう部分が否めない。ま、それも含めてゆったりと食事を楽しんでいただくのがコンセプトなんだろうが、一人一人に楽しんでいただこうという気概も特に感じられないのが正直な感想。やはり食事の醍醐味は料理以外の、その空間やサービスの満足度による部分も大きいと思うし、少し残念。
しかし、最高の美食を堪能できることは間違いない。
2010年6月某日、結婚式を無事に終えた相方と、ふたりでひっそりとお疲れさま会。
場所は式準備中から決めていたsalone2007へ。
6月のメニューは以下の通り。
山形牛のスピエディーノ
ピゼッリのジェラード
鮮魚のヴァポーレ
カジキマグロのインヴォルティーノ
浅蜊とサフランのパッサテッリ
スカンピのクッキアイオ
七面鳥のカラメッレ
仔牛グアンチャーレの白ワイン煮込み
カンノーロ
カッフェ
個々の解説はしませんが、いずれの料理も考えに考え抜かれた脳天直下の一品ばかり。
口にいれ、噛んだ瞬間に素材と素材がそれぞれの魅力を引き出していく。
しかもビオワインがそれをまた豊潤なものにし、藤巻さんをはじめとするスタッフのトークが場を和やかにし、まさにそこは食のエンターテイメント。悶絶必死。ぜひお勧め。
東京にも支店がいくつかできているようなので、今度はそちらへ行ってみよう。
3月某日、相方と訪問。
食事を終え、ディレクターの藤巻さんに見送られ店を出た瞬間、最大限の満足感とともに「もうこれ以上の店に出会うことはないかもしれない」という儚さを同時に感じたことを思い出す。
みなとみらい線、元町・中華街駅より徒歩5分。
場所は繁華街外れの、とあるマンションの1階。
入店するとすぐに迫力ある(笑)スタッフがお出迎え。
(後にこの店のディレクターである藤巻さんと分かる。)
店内は少し照明を落とした落ち着いた空間であるが、テーブル席に置かれたグラスや
ナイフなどに光が反射し輝かしい。
隣席との距離も適度にたもたれ、また、客層もカップルを中心としたカジュアルな雰囲気で
居心地も◎(ドレスコードは特に無し)。
メニューは月ごと、1万円のコースのみ。
3月のメニューは以下の通りで、同じ料理は二度と出ないというのがここのモットーらしい
(藤巻さんは今思えばそんなことしなければよかった・・・と冗談を言っていたが)。
山形牛サーロインのスピエディーノ
ホワイトアスパラガス プロフーモ ディ マーレ
鮮魚のヴァポーレ
スモークした鮮魚のアランチーニ
フィオッキ ホロホロ鳥のパテをのせて
本鮪のクッキアイオ
ルンゲッティー 白金豚のスティンコのラグー
馬ヒレのアッロスト イタリアの春野菜を添えて
最後にデザートとコーヒー。
個々の料理に関しては特に述べないが、一品目の山形牛から最後のデザートまで、
食材の特性を熟知し、口の中で混ざり合うその過程を考慮し、ワインとの相性を考えた
全てが変幻自在の芸術品であった。
また一品一品の料理もさることながら、その料理に対するこだわりや想いが、スタッフや途中で一席一席回ってくるシェフの熱意からじゅうぶんに伝わってくる。同時に「食」を楽しんでほしいという店の心意気が感じられ、スタッフさんとの会話もとても楽しく、場が盛り上がる。
ワインも好みを伝え、期待以上のものを提供してくれた。
人それぞれ好みがあると思うが、空間、味、サービス、コスト、そして有意義な時間を過ごせたかどうかといった点で、今現在、ベストである。
そして、「本当に美味しいものをリーズナブルに提供し、美味しさを共感したい」というメッセージが伝わってきたし、「あくまで料理はその空間を演出する一つである」というその本質的な部分で共感できる、ナンバーワンのお店となった。
肩肘張らず、期待せず、その場を楽しむつもりで訪問してほしい。
お勧めの一軒である。