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昼の点数:4.6
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¥5,000~¥5,999 / 1人
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料理・味 4.6
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|サービス 4.2
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|雰囲気 3.8
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|CP 4.6
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味4.6
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| サービス4.2
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| 雰囲気3.8
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| CP4.6
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| 酒・ドリンク- ]
安定感とちょっとした驚きを楽しめる素敵な昼膳。
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左に見える行灯が唯一の目印
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2012/12/28 更新
(2012.8) お腕は鱧のにゅうめん仕立て。骨切りの加減が絶妙。茄子の煮浸しは出汁を極限まで抱き込んでふっくらしていながら茄子本来の食感も味わえる。地味な部分が素晴らしい。
(2010.9)とっても暑かった今年の夏。京都で桜田さんにおじゃまして以来、和食の世界を探検したくなりました。
日本だから何を食べても美味しいと思っていたけど、たった数軒の訪問で同じ価格帯でも実に方向性の違うものなのだと今さらながら驚きました。ま、和菓子もそうなのだけど。
広い日本おそらく上には上があるし、人それぞれ好みもある。和食道入門者の私だけど、当店のお料理にすっかり魅了されました。
お店は西麻布交差点近く。飲食銀座的エリアです。辛うじて行燈がちょこんとあるだけで通りからはわかりにくい立地。やや不安になるアンティークエレベーターに乗り3階へ。
カウンターがメインでこじんまり。真面目でおとなしそうなご主人と割烹着の女将さん。おだやか~な空気が漂います。
店内は失礼ながらやや質素な印象。ところどころ傷なぞ見えたりして。でも空気は澄んでいたの。きりっとしてるけど穏やかな空気。
お昼は5000円か10000円の2種で、予約の際にどちらにするか決めます。5000円の方をお願いしました。
撮影禁止なのでお料理の映像は全くありません。始めからわかっているので許可を撮ったりタイミングを計らなくて済むのは気が楽。
本音では美しいお料理をいろいろな方に見ていただきたい気持ちなのだけど。
私の拙い文章で、どこまでこの嬉々とした気持ちがお伝えできるかしら。
お料理はやわらかさと透明感だけでなくエキス感もあるお出汁はもちろん、食感のバリエーション・香りや苦みをうまく使って五感に訴える点が印象に残りました。
味付けだけでなく皿数・量も満足だし、配膳のテンポも心地良かったわ。
当日のお料理は以下
◆先付け
鯛の上に蟹・菊・いくら。ジュレ状の出汁があしらわれ。
まず菊の香りがふわ~。いやらしさのないいくらもいいし、バランスのとれたお皿。出汁ジュレをいただいた瞬間「あっ こちらとは相性いいかも」と感じました。細胞に染みていくようです。
◆もち米とみょうが
ひとくちサイズに丸められて、ころん。
香りものの使い加減が、寸止め愛好家としてはグッときました。意図的なのかどうかわからないけど、この後も随所に感じられました。
◆八寸
甘鯛は竜田揚げ風の衣をまとい表面カリッと、身はふわっと。お箸を入れると「ほわっ」と湯気がたちます。
単に柔らかいだけでなく、むにゅっとした感じもあって愉しい。
銀杏・石川芋。そしてイチジク。上にかけられた味噌風のものにはかすかに柚子の香り。素敵。
◆沢煮
存在感十分な大き目の鱧が2切れ。お椀の底が見えませんでした(笑)
ごぼう・にんじん・ねぎを極細、白髪ねぎっぽく切ったもの。
鱧の食感はもちろん、やはり出汁がしっくりきました。
「薄味」というと弱々しく聞こえるけれど、こちらのは足元のしっかりした柔らかさ。理屈抜きにおいしい。
◆お刺身 雲丹と鯛
唐津の雲丹。やや黒みを帯びて細胞が生きているよう。
◆炊き合わせ
紫色と金色のコントラストがセクシーなお椀の中には茄子とニシン。出汁をふっくらと抱き込んだ茄子を口に運ぶと至福の時が訪れます。
う~ん、色気あるなあ。
◆金目鯛
お弟子さんがカウンターの端にある炭火で焼いてました。美しい焼き色が器に映えます。
◆鯛めし
土鍋ごはん。ここでも控えめな山椒使いが光ります。いただいた瞬間はわからないけど、時間差でおだやかに追いかけてくるの。
ごはんも鯛もしっとり。あまりに美味しくて同行者の分まで完食(呆)
◆お味噌汁・香の物
◆はす餅・桃
黒蜜に酢橘が使われて酸味と苦みをプラスするところにヤラれました。
人によってはヤリ過ぎだと感じるかもしれないけど、私はとても好きなバランス。
私は食事中ず~っとマヌケな顔をしていたはず。
穏やかで真面目なお料理にちょっとした仕掛けが見える愉しさに大満足の5000円ランチ。
季節毎に通いたいお店です。