この口コミは、maffinさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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夜の点数:4.5
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¥15,000~¥19,999 / 1人
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料理・味 4.5
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|サービス 5.0
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|雰囲気 4.0
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|CP 3.5
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|酒・ドリンク 3.5
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[ 料理・味4.5
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| サービス5.0
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| 雰囲気4.0
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| CP3.5
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| 酒・ドリンク3.5 ]
比類なき名門レストラン
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バインシンケンはその場で切り分けてくれます
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伊達鶏の前菜。
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トマッテン・ズッペン。真ん中にレモンの香りのチーズ。
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エイヒレのお料理。見た目は地味なのに絶品。
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ロブマイヤーのグラスだと水までおいしく感じる。
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デザートはお米のスフレ、日向夏みかん添え。
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ロブマイヤー社のアンティークシャンデリア、その名もマリアテレジア。
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二頭の鹿の紋章。格調高いですね。
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2010/04/19 更新
マイレビュアーのうぇりっしゅさんが足繁く通うこのレストラン、以前からずっとうかがいたいと思っていましたがなかなかその機会がなく、
そうこうするうちに仕事でお世話になってる知人が定期的に美味しいものを食べに行く「美食会」を立ち上げる、ということになり、ありがたくも初回から参加させてもらうことに。
お店のリコメンドを頼まれたので迷わずここの名前をあげました。
ところが当日の朝から珍しく胃がしくしくと痛む。
一度は「今日は無理?」と暗雲がたちこめたのですが、なんとか気力で胃痛をおさめ、這うようにして(?)ディナーのテーブルについたのでした。
まずは自家製サングリア(白と赤があります)の白の方をいただきながらメニューを拝見。
Menu 1 とMenu 2がありますが、胃の様子もうかがいつつなので当然お皿の少ないMenu1 を選択しました。
メインも普通だったら迷わず「肉」なのですが今日はおとなしく「魚」で。
やさしい味わいのサングリアをいただきながら、まずは定番の「ケーゼ・ベッカライ」をいただく。ごくごく薄ーいパイのような感覚。
さくっとした味わい、それぞれスパイスも異なり大変細やか。
続いてコースには入ってないけれどここに来たらまずは試してみたい評判の「梅山豚バインシンケン」。固まりのままワゴンで運んできてサービスしてくださいます。
マスタードをベースに玉子や蜂蜜の香りのするソースをちょこっと添えて、どんな味?
「! 」
実に美味しい・・・というか、ハムの中でもこれは別格。
旨み、味わいも素晴らしいのですがなんといってもすごいのがハムが口の中から消えた瞬間の「余韻」の香り。かすかにスモーキー。たなびいて。
素晴らしい。
この余韻を楽しむにはまずはソースつけずいただいてみることをオススメいたします。
続いてアミューズ。
ヘリング(ニシン)の酢漬け。ドイツ以北ではよく見かける料理ですが・・・
ここのは実に繊細。ディルの香りも爽やか、上質のビネガーにくるまれたニシンの優雅な味わいです。
このあたりで食欲が・・・完全復活しましたね。
そう、ここの料理。食欲を覚醒させる力があるような気がする。
前菜は伊達鶏をマリネしてポーチにしたのかな、冷製前菜。
表面に鶏のスープでつくったジュレがはってあって、艶やかできれい。
とても完成度の高いラタトュユのような野菜のソースが添えてあります。
味わいは・・これは・・うん、この日唯一あまり「理解」出来なかったお料理。
おいしくなかった、のではなく、「捉えどころののない」感じの不思議な味わいだったのです。
美味しかったのだけど、今までの食の経験のどのあたりの引き出しにしまってみたらのかな?って感じです。
うん、あえて言えばものすごーく洗練された「地鶏の味噌漬け」系の味?
はは(ごめんなさい!)。
続いてスープ。
この日は冷たいトマッテン・ズッペン、要するにトマトのスープ。
ずいぶん庶民的なものが・・・が、私の知るトマトのスープでは全くなかった。
季節のトマトの味わいを凝縮させた冷たいスープ、こちらも優しい風味なのですが、真ん中に浮いたレモンの香りのクリーム系チーズ・・・を溶かしながらいただくと、
うーん、なんて美しい調和なんだろう。
派手ではないんですが、じわじわっ、と心の中にまでしみいってくるような、幾重にも重なった味わいの妙。すごい。
さらに度肝を抜かれたのがメイン。
北海道産エイヒレの料理。シャンパーニュクラウトと根セロリのピュレ添え、と説明を受けました。登場したお料理は・・・見た目はまったく田舎料理・・ただしちょっと量が抑えめだけど。
根セロリのピュレがジャガイモのマッシュで、シャンパーニュクラウトがザウワークラウトだったら間違いなく田舎料理なんですが・・さて。
まずナイフとフォークを入れて一口エイヒレをいただいたところで、パタっと思考が停まってしまった。
一呼吸おいて、思わず口から「おいしい・・・」
これが、あの、お酒のおつまみの「エイヒレ」と同じ素材ですか。驚き。
なんだろう、食べたことのない味覚です。
食感はうーん、ちょっと弾力があり、なんとなく平目のエンガワにも似た感じ。
味わいは一瞬淡泊ですが、軽いコラーゲン系、というか、味わっていると口中にふわーっと独特の優雅な旨みが広がります。
これも実に洗練されたお料理・・・じっくりと味わいたい真剣勝負のお皿です。
添えられたシャンパーニュクラウトとは、ザウワークラウトをシャンパンで仕上げたもの。
キャベツの甘みとビネガーの酸味、シャンパンによる軽い華やぎの気配が、同じく添えられた根セロリのピュレの爽やかな味わいとともにエイヒレの旨みをバックアップします。
ちなみにワインですが・・・調子悪いなんていいながらしっかり白をグラスで2杯いただきました。グラスはロブマイヤー。
お料理にあわせてグラスワインを選んでリコメンドしてくれるシステムがあるのでそれを利用しました。高貴な香りのワイン。だったような印象です。
メインの後、デザートの前に「貴腐ワインのブルーチーズ」というのを薦められたので、こちらも試してみました。うん、これも高貴な香り。幸せな気分になります。
デザートはお米をスフレ状にしたものに、日向産夏みかんが添えられて。
メランジェコーヒーをいただいて、その日は満足して帰途につきました。
特に派手なものは何もなかったせいか、ここまでの感想では、味は☆4つかな、と。
しかし翌朝起きて、「ああ、あの魚料理、もう一度食べたい」という気持ちがじわじわと・・・。胃腸の不調はすっかり治っていて。
昨晩の食の幸せの記憶がかなり鮮明に蘇ってきて、
ああ、あの料理は最初のシンケンで感じたように「余韻の」お料理だったのだなあ、と。
で、☆は4.5にアップ。
一口にヨーロッパ料理、といっても、美味をつきつめると、スペインでもスイスでもドイツで北欧でも、素材はそれぞれの伝統のものを使いつつ結局は「フレンチに傾いた方向」に集約されるてくるのが摂理、と思っていた私はこのレストランに出会ってちょっと認識を新たにしました。
あれはまごうことなき「ウィーン宮廷料理」という1ジャンルであり、それ以外のなにものでもないに違い有りません。日本人シェフだから、そのあたりの影響はあるかとは想像しますが。
フレンチやイタリアンの若干「攻撃的な」料理に比べ、同じヨーロッパ料理でも、なんだか少しゆったりした、ドナウの流れのような、でもそれだけに「伝統と洗練」を感じさせる料理。素敵です。
さらに特筆すべきは素晴らしいサービス陣。
ここ数年でうけたサービスの中でも間違いなくトップレベル。
食の担い手は文化の担い手として、誇りを胸にサービスにあたっていらっしゃるのでしょう。
きっとオーナーが人を大切に育てるタイプなのでしょうね。
ロブマイヤーがつくった200年前のシャンデリアがさりげなく食卓を照らすなど、調度品も本格的。シックな大人のためのレストランだと思います。