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昼の点数: 4.6
¥2,000~¥2,999 / 1人
詳細
料理・味 4.6
| サービス 4.3
| 雰囲気 4.5
| CP 4.0
| 酒・ドリンク 3.5
[ 料理・味4.6
| サービス4.3
| 雰囲気4.5
| CP4.0
| 酒・ドリンク3.5 ]
旅蕎麦膝栗毛「アルプスの正午」
美しい蕎麦
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おかず
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穀物感がおいしいそばがき
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凛としている蕎麦
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蕎麦粉のピッツァ
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そば湯。
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スキーロッジの中にあります
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外に出るとアルプスのような風景
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2013/08/15 更新
この蕎麦屋は北志賀高原のスキー場のホテルの中にある。
小布施から北東に向かい、なだらかな山肌を登って行く。次第に傾斜がきつくなり、ふと気がつくと周りは快晴の山麓の景色だ。
ふと「Mezzogiorno sulle Alpi」という言葉が浮かんだ。
Mezzogirono sulle Alpi ...ALICE (アリーチェ)というイタリアのカンタータ(歌を歌う人)のアルバムで一時よく聴いていた。日本語に訳すると「アルプスの正午」、だけどそのニュアンスはもう少し光と陰のコントラストが違うかもしれない。「山の実」の席は正午に予約してあった。小布施ワイナリーでワインを二本買ったあとに「けなげな愛車」、古いルノー・ルーテシアのハンドルを握って北志賀の竜王スキーパークを目指した。
スキーをしない私は夏のスキー場が好きだ。夏のスキー場は今の私にとっては自分の足で走る場所。。。心が不思議と駆り立てられる場所であり、夏のしん、としたその静けさを楽しむ場所でもある。
志賀の麓からはずいぶん登る。。。登ることはわかっていたけれど、途中すこし不安になる。それくらい夏のスキー場ってしん、としている。
スキー場のリフト。。をあがりきったところにそのスキーホテルがあり、春から秋にかけて、人知れずこの蕎麦の名店がそのメインレストランの場所に陣取っている。冬の時期はスキー宿の食堂としての機能をまっとうするため、この蕎麦屋は消滅する。
こんな場所にまで人は蕎麦を求めてくるのだ。だからこの店はこんな山の中腹になんだか真昼の虚構のように存在している。
扉をあけるとまずピッツァの石窯の火が目に入ってくる。ホンモノだ。平日は予約制の店、その日もおそらく私達を含め3組の来店だったと思う。その3組のために窯に火が灯ってる。
奥の席に通された。そこからスキーのリフトとなだらかに下る緑の丘陵が見え、遠くに青い夏の山が見えた。
この日は「山の実セット」という蕎麦と蕎麦粉のピッツァを楽しめるセットをお願いした。
「山の実セット」
運転手の私はペリエ。彼はビール。
言わなくてもペリエには檸檬が添えられ、アルプスの正午にふさわしい?
最初にでてきたのはキュウリ、浸し豆、ひんやりとした冬瓜。冬瓜って大好きだ。真夏といえば冬瓜だと思う。
そして山葵の茎のしょうゆ浸け。
続いてそばがき。
そばがきも大好きだ。でも真夏に限らず大好き。。。で好みは結構うるさい。
ふあっと空気を含んだのが好き。。。山の実のご主人は「ふじおか」で修行されたそうだが(あそこも夏は静かなスキーリゾートでした)あちらのそばがきは美味しかったけれど個人の好みとは違っていた。こちらはどうかな?
といただいてみると、蕎麦の粗目なつぶつぶ感がいい。私はそばの持つ穀物感が好きなんだな、と最近特に感じていて、このそばがきのそばの穀物的な粒が際立った印象がいいな、と思った。鼻腔に広がる蕎麦の香りも真夏なのに申し分なかった。
そして蕎麦。
もうとにかく端正で美しい。美しい蕎麦=美味しい、はかなり当てはまるような気がしている。
実際いただいてみると、うん!と唸らされるような出来映え。
見た通りの、すっきりと喉越しの小気味いい、端正な蕎麦。旨い!
私はどちらかというと、「勢いを感じる」蕎麦より、いろいろ試行錯誤したけれどここにたどり着いた、という感じの「肩肘はらない」蕎麦が好き。おおらかな蕎麦というのですかね。
ここの蕎麦はどちらかというと「まだ道の途中」の「勢いを感じる」蕎麦なのだけど、その勢いがとても清廉な印象で、
混じり気がなく、若く、一生懸命で好感がもてた。なにより本当に美味しいと感じた。
それにしても驚いたのは水切りの完璧さ。
ざるで出て来て(下になにも敷かず)そのままいただいてざるが下げられてもテーブルにはまったく水気がない。。。
「奇跡の水切り」ですね。
最後の方でびしゃびしゃになってる蕎麦に閉口することもあるため、ここの水切りには本当に驚きました。。凄い。
ちなみにつゆ、に関しては蕎麦ほどのこだわりは感じなかった。かなり薄めの「そうめんのつゆ」を彷彿させるつゆ。
どちらかというと蕎麦に添えられた塩でいただいたほうがこの蕎麦の鮮烈な印象が強められるように感じた。
蕎麦粉のピッツァは期待以上の美味しさ。
さすがに石窯で焼いているだけのこともあり、パリパリ感は素晴らしく、薄めにやいてあるその生地と、上の少し苦みのあるチーズやエノキ、葱などとの調和もよい具合。蕎麦の実なんかもちょこっと載っていたりした。
これも蕎麦の「穀物感」を楽しむ一品。
「アルプス」のような風景を見ながら蕎麦とピッツァをいただき、そば湯でしめて大変満足な気分、これで気持ちよく帰途につける。
静かな店を出て外にでると、そこだけ別世界のような真夏の高い太陽ががらんとしたスキー場に照りつけていた。