maffinさんが投稿した俵屋旅館(京都/京都市役所前)の口コミ詳細

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The days of wine and roses

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俵屋旅館京都市役所前、烏丸御池、三条/料理旅館、日本料理

1

  • 夜の点数:5.0

      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.7
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 3.5
  • 昼の点数:5.0

      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.7
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 3.5
1回目

2014/01 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気5.0
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク3.5
  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気5.0
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク3.5

薫りのよい宿

京都の冬は静かだ。
日曜だというのに大徳寺はひっそりしていて心穏やかに高桐院のお庭を楽しむことができた。

今晩の宿は俵屋。。。
これまで泊まりたいと思いつつ「まだ早いかな」と、とってあったお宿です。
来日中の外国の友人の誕生日の一日、記憶に残る休日をと、彼女と泊まることにした。

この宿はサービスのなんたるかを知っている宿として名高い。
ということで予約時に「友人が誕生日なので夕食後にケーキをご用意いただけますか」と頼む。
二つ返事でもちろんOK(あ、有料でお願いしてますよ)
プラス、宿からのサービスということでワインのハーフボトルをご用意いただきました。

到着時に別の男性の友人の車で送ってもらったため、まずは3人でサロン・ド・テでお茶でも、と思い、
出迎えの方に「友人と少しお茶をしたいので、車を預かっていただけますか」と頼んだところ、
ご一緒にお部屋でどうぞ、とのこと。お茶と蕨餅が供された。暖かいもてなしに心がほどけていく。
宿泊客でない第三者までお部屋に通してお茶をどうぞって、普通聞いたことない。
このあたりのフレキシブルかつ流れるような対応はマニュアル的なサービスとはまったく違うもの。
さすが、と感じた。

それにしても、間口の狭い京家屋のアプローチに一歩足を踏み入れた瞬間、そこだけに流れる特別な時間に包まれた感覚があった。
それは何か懐かしいような感覚でもあり、まったく知らない異界への入り口でもあり、
でも間違いなく心地よい、と感じる瞬間。
ああ、ここに来て良かった、とその瞬間に実感した。

部屋は2階の奥、坪庭を臨む京都らしい町家の風情が楽しめる「霞」という部屋。
俵屋の中では小さな部屋のひとつ。
部屋の扉は「え?」と思うほどに簡素なもの。
なのに、中に入ると「はあー」と感じるここも居心地の良さ。
部屋の調度はすべて、心をこめて、丁寧に選んである。本当のChic、がこの小さな空間を深淵で豊かな世界へと変貌させているのだ。
季節ごとに変えられる部屋のあしらい。1月だったので新年を祝う結び柳が大胆に飾られ、三番叟の掛け軸が掛けられていた。
大きな窓ぎわに気持ちのよいテーブル席があり、作家ならきっと創造力をかき立てられるだろう。
一緒に泊まった友人は夜更けの静かな時間にこの窓際にひとりで腰掛けて小さなスケッチブックに素描を描いていた。

夕食までの時間、同じ2階にある「アーネストスタディ」でしばしのんびりする。
そういえば、ここの主だった故アーネスト・サトウの写真展をずいぶん前、東京の小笠原流会館で見たことがありました。
彼が俵屋主人の伴侶だったとはまったく知らなかったけれど、白と黒のコントラストの強いモダニズムを感じさせる写真に惹かれたことを鮮明に思い出す。

夕食。。派手なものはなく、そしてその日が1月の終わりだったので、黒豆、数の子、百合根など、新年のおせちの名残が残る料理。
蛤の吸物、鯛のしぎ造り、そして見事な椀で供される海老真蒸など、料理も全体にシック。
目を見張るほど美味なわけではないのだが、ともかく品が良く心地よい料理で、量も適度で
「日常の延長にある格別な贅沢」という表現がふさわしい、気がした。

食事の後のバースデーケーキも、小さなリュクス。。。という感じで美味しかった。
宿に近い「Au Grenier D'or 」というお店のものでした。

部屋の檜の風呂は小さいけれど、アメニティにいたるまで香りがよい。
「薫りのよい宿」が好きな私には大変嬉しくて、寝心地のよい寝具にも十分癒された。
触れるもの、薫り、目に入るもの、など、五感を楽しませ、雑音をいれず、この特別な空間を心ゆくまで味わせてくれる。
それがどれだけ人を安らかな気持ちにさせてくれるものだろうか。
「京都」という美の迷宮の底力を知る夜でもあった。

豊かな気持ちのままにいただいた朝食、
そして見送りまで完璧に(靴があたためられていた。。。)。
再訪する日が待ち遠しい「薫りのよい宿」である。

  • 2014 1月:夕食 海老真蒸

  • 2014 1月:夕食、先付け

  • 2014 1月:夕食、鯛造り

  • 2014 1月:夕食 真魚鰹酒粕煮

  • 2014 1月:夕食の蟹蒸し寿司

  • 2014 1月:夕食のデザート、蜜柑ゼリー

  • 2014 1月:アーネストスタディ

  • 2014 1月:アーネストスタディ

  • 2014 1月:特別にご用意いただいたバースデーケーキ

  • 2014 1月:朝ご飯

  • 2014 1月:朝ご飯の湯豆腐

  • 2014 1月:「霞」に泊まりました

  • 2014 1月:部屋から見る坪庭

2014/02/09 更新

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