3回
2015/10 訪問
東京過熱食堂
今夜は豊作の信州松茸をテーマに5人の好き者が松川さんに集結。
終わり近いがまだ旨い、唐津のウニ、イラン産キャビア。飛びきりの淡路の真鯛、かわはぎの肝あえ。
ズワイガニはまだ禁漁だが代役を立派に勤める黄金蟹=紅ズワイガニの中で希にしか獲れないすごいやつです。身が水っぽいフツーの紅ズワイとは全く別物です。こいつと松茸で必殺技のお椀。ふたつの旬の香りの融合なんとも言えないデュエットを奏で、甘く、芳醇なのに澄みきって雑味がなく。東京最高の小宇宙\(^o^)/
今年最後の琵琶鮎の焼き物、はもと松茸のお椀、全くしつこくない和牛のレアにまた松茸のささがきを乗せて。
栗の質感を保てるギリギリまで細かく砕いてまた寄せた栗饅頭も素晴らしい!利休を松川さんにタイムスリップさせたらさぞかしぶっ飛んだだろなΨ( ̄∇ ̄)Ψ
松茸ご飯は、余熱の具合と米をたくだし汁の黄金率の塩梅が完璧で勝負ありっ!。。。でも量が少ない、お代わり必須、これだけ不満足。笑
東京不動の四番はやっぱし今度も不動やった。
東京の夜の和食はもう、ここしか何て言ったら引っ込みがつかなくなるが。。。
松川君ののお椀は既に小宇宙だ。それもとめどなく溢れだすインフレーション宇宙。
今度はなんとウナギでやって来た!
わんだねに不向きなこの武骨な川魚に敢えて挑戦する男。「苦行の森」に旅立つ若き日の仏陀についイメージを重ね合わせてしまうのは大げさであろうか?
自分の舌と五感のみを便りに、決して現時点に安住することなく新たなる地平に到達し続ける男。
料理人として間違いなく旬の絶頂。これからもよろしくね\(^o^)/
東京屈指からとうとう不動の四番に登り詰めたこのお店。欠点はコスパだけ。
だが、このお値段の高さがゆえに、一夜漬けで蘊蓄をインストールしたような半端者のレビューを拒み続けて来たとも言える。
よい意味での「高嶺の花」
称賛の嵐は一向に止む気配がない。
だが、かの聖地京都では気鋭の狼達の吐息が耳元まで迫ってきている事も、忘れてはならんですよ。。。
光在るところに影が在る。弱肉強食のこの世界。
松川さんが十年後もなお、東京トップの座に君臨し続ける事を祈って止まない天であります。
おっと、余熱でしあげた松茸ご飯、メチャウマカッタ\(^o^)/
何度行っても裏切られることの無い凄いお店。
懐はいささかダメージを受けるが眼と舌の肥えたお連れ様は歓声を上げること、確実。
特筆すべきはくどいけど御椀と焼き物。ここのお出しは形を変えて鍋物、そばつゆと供されるが旨みに溢れまくってるのに、最後まで全然のどが渇かないのは驚嘆させられる。。一体全体どうやったらこんなすごいだし汁ができるのか?
鮎の焼き加減がまた針の穴を通すように完璧で器の素晴らしさもさることながら灰を敷き詰めてその上に備長炭の燃え残りを置いて余熱で醒めないように計算されてるのには「ソコマデヤルカ?」の無条件降伏。
唯一の欠点は創作性に欠けるのと腹いっぱいになりすぎて二次会で眠っちゃうこと。
現在、東京の和食では自分的にダントツの名店。5点じゃ足りないかも。
今まで東京でランチに懐石持ってくるなんて事は滅多にしなかった天だが松川さんとこに来て以来考えが変わった。
このお店はお昼時も夜と同じ内容のおなかいっぱいのムニュ デギュスタシオンしか選択肢がない。お値段も然り。
でも最長で三泊四日しか東京に滞在できない自分に、お昼時だからと言って中途半端なものを食べさせられては悔いが残る。
松川の魅力を端的に説明するならば、招福楼の技術をもって、その季節手に入り得るもっとも贅沢な食材の持ち味を抽出する、といった
当たり前のようで実現困難な流儀を貫いていることに尽きる。
12月初旬のお献立は、旬の絶頂の間人ガニが主役。いきなり甲羅に足肉を詰めたお皿で。美味しいものは後に回さないで先頭を切って
さりげなく。東京人が気が短いのをちゃんと心得てらっしゃる。
そしていつもこの時点でノックアウトされる、招福楼伝家のお椀。わんだねは蟹の身を丁寧に裂いて、また寄せて。
お椀と蟹の旨味は往々にして喧嘩して野暮ったい味わいになりがちだが、ここに松川さんの凄腕が冴える!
ピュアな吸い地と極上の蟹肉の完璧な融合にしばし、言葉を失ってしまった。。。
そのあとのふぐのお造りも、雲丹の柚子釜も、新潟の網獲れ鴨の焼き物も全部申し分無し。この日あえてお酒抜いた天だが一緒に飲ったらさぞかしほくそえんだ事だろう、からすみもち。
お蕎麦は下手な専門店よりいつものど越し素晴らしく、最後の水羊羹のさらーっと澄みきった甘さもいわずもがな。
凄い、すごすぎる。。。東京の和食、当面、浮気は無しです!
東京在住のマダムガストロミーとダディのご紹介で入店。天はこのお二人の舌をとても信頼してるので何にも事前の情報収集をせず。
全てを店主に委ねた2時間半、自分の昼食所要時間では最長記録を更新。
素晴らしかったです。「桜田」さんとスタイル似るもより豪華な食材で品数も5割り増し。素材をいじりすぎることも無く、持ち味を最大限に生かす方法論を実践。
とくに鱧の御椀は超絶的。「御椀の中にも宇宙が在る」、とすればここの御椀こそその表現がふさわしい。
京都のトップクラスと比肩もしくは凌ぎうる。
蒸しあわびの肝醤油も酸味が絶妙に寄り添ってくどさがない。
琵琶湖の初物鮎の焼き物も宍道湖のうなぎと花山椒も素晴らしい。
〆のおそばも水羊羹もどこまでも澄み切ったのど越しで申し分ない。
ご主人の妥協を許さぬ姿勢は料理のみならずこの店の構え、器、お花、おもてなし、すべてに息づいています。
この内容でお値段30000円強は帝都にあってはむしろお値打ちといえる。
ただお昼に来ると余韻も含めて延々と充実感が鳴り響き夕食が入らなくなるほどなのでやはりここは夜の部にとっておきたいところ。
2015/10/04 更新
「加熱食堂」のジョークはブラックになってしまった。予約取れにくくしたのは誰だ?
私も文責の一端を負わねばなるまい。一見様、もしこれからこのお店を運良く取れたとしても
彼はそれを決して歓迎はしていない。疲れているのは空気を読める?お方なら自己規制が
不可欠でしょ。今さらなんだが彼は偏差値社会の頂点にいる。しかし頂点はいくつもあるのさ。
いわゆるへヴィーを自称する諸君、どうして徨うの?最高を求めるのなら汝自身に正直であれ。
君が一番旨いと思う店が一番なんだから。ランカー全制覇して記憶に何が残ったかね?