夏の間からずっと9月の連休には青森に一人旅するぞと妄想していた。
目的は恐山と大間のマグロ
何故かこの二つが頭に強くあって、その他の旅の計画はかなりアバウトなもの。
まぁ、一人旅なので臨機応変に行こうと軽いノリ。
金曜日の朝は車に荷物を積み込んでの出勤。
仕事が終わると同時に青森に向けて出発した。
常磐道~磐越道~東北道を使って青森に行く予定だが、やっと東北の入り口福島にしか来ていないというのに運転に飽きてしまった。
ただでも景色の単調な高速道路、しかも夜の走行ではその景色も見えず、車の中で「飽きた~」と大きな独り言の連発。
それでも何度かの休憩を取りながらなんとか折爪SAまで辿りつきその晩はそこで車中泊。
翌日、5時を回った頃に目が覚め、身支度を整えると出発した。
途中まで来ると、予定より到着時間が早くなることにきづく。
当初の予定では、先に大間に行きそのあとに奥薬研温泉、恐山に行く予定だった。
だが、想定していた時間よりかなり早く大間に着いてしまいそうだ。
あまり早く行っても空いているお店がなかったら困るなと思い、逆のコースを辿ることにした。
ガイドブックに目を通すと恐山の手前に、湧水がわいているところがあるらしい。
まずはそこを目指すことに。
山道の途中にあって見つけられるだろうかと心配だったが、かなり目立つので見逃さずにすんで良かった。
車の中に積んでいた2Lのペットボトルをかかえ、車を降りる。
勢いよく流れる水に手を伸ばすと、きりりと冷たい。
冷たい水でのどを潤し、ペットボトルにも詰めると水の冷たさでもうまわりが汗をかいている。
このお水はほんとに美味しかった。
車で移動する時、私は大量の水分を補給する。
このお水のお陰で、この日の水分を補わせてもらった。
山道を降りて来ると急に視界が開けて、景色のきれいなところに出た。
車を降りようとドアを開けると、鼻をつく硫黄の匂い。
あれ、ここは写真で見た三途の川にかかる橋ではないか。
いつの間にか恐山の入り口に辿りついていたのだ。
駐車場に移動してきたが、停まっている車も少ない。
時間を見ると8時になったばかり。
境内の中もがらんとしていてあまり人気は感じられない。
荒涼とした風景の中にカラフルな風車が点在していて色を添えているが、何か物悲しい。
風が吹くと一斉にキーキーと音をたてて回りだす風車に一層の物悲しさを感じる。
歩いていると荒涼とした風景から突然景色が一変する。
まるでどこかのリゾートのような風景。
近づいて見ると真っ白な砂に青い水の色が美しい。
水面を良く見ると、ぽこぽこと表面に空気が浮かんで来る。
そのあたりは湖底も黄色く染まり、温泉が湧き出ているのかも。
恐山に来て、もうひとつ楽しみにしていたのが温泉。
境内の中にはいくつかの温泉が点在して、その中の女性用のお風呂へ。
引き戸を開けて中に入ると、まだ洗い場は乾いたままで私が今日の一番風呂?
ところが先客が一人。
温泉に入るわけでもなく、洋服を着たままお化粧をしていたのだ。
どうぞと言われても、洋服を着たひとの前で裸になるのはいくら同性でも恥ずかしい。
温泉の場所も参道のすぐ近くなので、誰もいなくてもちょっと躊躇してしまったかもしれない。
取りあえず、足だけでもと湯船につける。
緑がかかったお湯は硫黄の匂いも強く、温度も高め。
気分だけ味わって、外に出た。