一晩ぐっすりと睡眠を取ったので、目覚めもすっきり。
朝食を済ませると、一度は入ってみたいと思っていた酸ケ湯を目指す。
八甲田山のふもとでは一面のあざみが咲き、東北の早い秋の訪れを感じさせる。
酸ケ湯は1軒宿だと聞いていたので、こじんまりとした宿を想像していた。
しかし、目の前には大きな温泉宿の建物に圧倒される。
しかも建物の歴史を感じさせるあじわいのある宿だ。
まだ8時半をまわったばかりだというのに、駐車場には車がいっぱい。
次から次とやって来る。
さっそく券売機で入浴券を購入して、楽しみにしていた千人風呂にはいることにした。
今まで混浴には数えることしか入ったことがない。
しかも夜暗くなってから男性が入っていないことを確認しての入浴。
なので、実質酸ケ湯が混浴デビューになるはずだった。
来てみて初めてわかったことだけど、女性専用時間があったのだ。
9時までが女性専用ということで、今回も混浴デビューならず。
脱衣所は女性、男性に分かれているが中は一緒。
脱衣所の出口から湯船までついたてが設けられているので、混浴でも入りやすいつくりだ。
お湯は白いにごり湯なので、湯船に入ってしまえば混浴でも気にならないだろう。
今回は女性専用時間ということで、広い浴場にはさまざまな年齢の女性ばかり。
浴層のふちに座って、おしゃべりをしたり、目を閉じて湯船につかっている方とさまざま。
私もあちこちの湯船を移動して温泉を楽しんだ。
打たせ湯もあるので、時間ぎりぎりまでそこで過ごした。
千人風呂から上がり、男女別に分かれている玉の湯に移動。
こちらは千人風呂に比べるとずっと小さいが、まだ新しいのか浴室はとてもきれいだった。
お湯は同じ白濁したにごり湯。
混浴が苦手な方はこちらに入ると良いだろう。
酸ケ湯でほかほかになったまま、奥入瀬・十和田湖に向かう。
奥入瀬には2年前に来たことがあるが、とても美しく魅了された。
今回も車を寄せられそうなところを見つけながら、美しい風景を堪能した。
十和田湖では前回行かなかった十和田神社と乙女の像へ行くことにした。
ひととおりぐるっと歩いたあとは本日宿泊する弘前に向かう。
寄り道をしながら弘前に向かう途中、「青荷温泉」の看板を見つけた。
ランプの宿で有名なところだが、場所までは知らずここにあったのかと思わず時間を見る。
まだ2時半、確か日帰り温泉もやっているはず、行ってみようかとガイドブックを見ると、3時まで
とのこと。
ここからどれくらい時間がかかるかわからないが、山道を登って行くのはわかる。
ギリギリ行けたとしてもゆっくりに温泉に入る時間はないなと諦めることにした。
「青荷温泉」は諦めることにしたが、やはりもうひとつくらい温泉に入りたい。
近くに入れそうな温泉はないかとガイドブックを探してみると、通り道に「温湯温泉」というのをみつけた。
その中に共同浴場鶴の湯と書かれていたので行ってみることにした。
駐車場に車を停め、歩きだすと道沿いに古い木造の建物が並んでいる。
その町の雰囲気から、ひなびた温泉を想像していた。
道の角を曲がるときれいな建物が見え、まさかここ?とちょっと拍子抜け。
思っていたよりずっと新しくて、近代的なのだ。
利用していた方は地元の方が多いようだ。
地元の方々のおしゃべりに耳を傾けながら、ゆっくりとお湯につかってほーっと力が抜けて行く。
青森の温泉、どこに入ってもはずれはないなと実感した。