レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2010/06訪問 2015/08/29
実に美味しいお店です。
店内は非常に狭いですが、マスターの趣味が色濃く反映された独特の空間は色んなところに目が行ってしまいます。
カレーも独特です。
インド風でも欧風でもタイ風でも何でもないソウルフードのカレーです。
ポークカレー、チキンカレー、ナスとピーマンのカレー、オクラカレー、ハンバーグカレー…色んな味が楽しめます。
なかでも、私のお勧めはポークカレー。
豚肉はカリカリに炒められており、ルーに後乗せされます。
一緒に添えられたピクルス、香菜との相性が抜群に良く、やみつきになる味です。
サイドメニューがこれまた独特。
ヤシの子サラダ、鱈のレバー、ホルモン味噌いため、自家製チョリソー、チリコンカルネ、…普通のカレー屋さんにはどうも無さそうなメニューがずらっと並んでいますが、どれも手抜きのないお料理で美味しいです。
昼のランチはサラダとスープがセットになっており、カレーは常時テイクアウトができます。
ご主人と奥様が二人で切り盛りされています。
ご主人は寡黙な方ですが、つかずはなれずのサービスがとても心地良いです。
3位
1回
2016/01訪問 2016/03/19
ハンター坂を少し上がったところに位置する雑居ビル2階のバーラウンジ。
道沿いから店内の様子を窺い知ることはできないので、最初は躊躇していましたが、いつも窓からこぼれ出ている雰囲気の良いオレンジ色の光に惹かれ、意を決して入店したのが最初でした。
階段をのぼると、立派なガラス張りのドアがお目見え。
その先には想像以上に広く美しい空間が広がっております。
店内は分厚い立派なカウンターにテーブル席が2つという構成、カウンター奥に並べられたボトル後ろには竹の木で造られた壁が配されており、和の要素も見られます。
一方、テーブル席には一輪の美しい生花が活けられ、先ほどのオレンジ色の光が全てを温かく包み込む雰囲気は大変ムーディーでスタイリッシュです。
サービスはお若いマスターとスタッフがお二人で担当されており、最初に好みなどを聞いて下さいます。
私は定番的なものよりもそのお店オリジナルのものを頂きたいと思ってしまう性格なので、マスターに色々伺ってから、「今日はこんな感じで」とだけ申し上げて、あとはお任せしております。
私が特にお勧めしたいのは、フルーツを使ったカクテルです。
四季折々の旬のフルーツが常時6,7種類ほど用意されているのではないでしょうか。
喉ごしが本当に気持ち良く、清涼感満点のスイカのカクテル、ずっしり濃厚で自然の甘さの底力を改めて実感させてくれるマンゴーのカクテルなど、名品は沢山ありますが、なかでも私のお気に入りはバナナのカクテルです。
ジューサーでトロトロになったバナナジュースにブランデーで香りをつけた、ややデザート的要素が強い一杯ですが、瀬戸物の器に注いで木製のスプーンで頂くという意外性や、最後に霧吹きでブランデーをスプレーするという心にくい演出に、マスターの世界観が凝縮されています。
フルーツのカクテルは、好みによって如何様にでもアレンジして下さると思いますので、ご自身の嗜好をできるだけ詳しくお伝えすれば、最高の一杯ができあがることでしょう。
お酒とともに供されるおつまみのレベルの高さもまた特筆すべき点です。
ナッツ、イチゴとピスタチオのチョコレート、生チョコ、チーズ…等々日によって内容は異なりますが、いずれも強いこだわりが感じられるものばかり。
ナッツはふっくらと綺麗な丸みを帯び、歯応えもよく、瑞々しさすら感じます。
チーズは3年熟成されたという代物で大変濃厚、削られた一片を少しずつ大事に頂きたい一品。
ひとたび、これほどまでに美味しいおつまみを頂いてしまうと、コンビニで市販されているようなチョコレートやおかきを供されているお店ではなかなか満足できなくなってしまいます。
マスターは非常に腰が低く気さくな方で、お客のペースに合わせた心地良い接客をして下さいますが、独学でお店を開店されただけあり、一本筋が通ってらっしゃいますし、大変博学です。
神戸には様々なバーラウンジが数あれど、お酒、接客、空間と、これほど完成度が高いお店はそうはないと思います。
非常に素晴らしいお店です。
4位
1回
2009/01訪問 2014/10/19
汐留のランドマークとも言えるパークホテル東京の25階に位置するタテル ヨシノ。
その絶好の立地条件を持て余すことなく、2003年のオープン以来、6年に渡って
東京屈指の人気レストランとしての地位を維持しているのは流石です。
まず、店内について。
白を基調としたシンプルなデザインですが、しっかりとメンテナンスが行き届いており、
中央に豪華な花を活けるなど非常に美しくスタイリッシュな雰囲気に溢れております。
夜になると、大きなガラス窓から東京の夜景を見渡すことができ、より一層美しく
ロマンティックなムードが演出されます。
続いて、料理について。
皿やカトラリーも含め、いずれも絵画的な美しさを放っており、まるで店内が白いキャンバス
のように映ります。
ミシュランでは「現代風フランス料理」にカテゴライズされていますし、食材にウミブドウや
吉野シェフの故郷・喜界島の山羊を用いたり、空気を味わうためにソースに泡をつくったり…
と、一見すると、新しい試みが随所に見え隠れしますが、実はしっかりと伝統的な技法を
実践した正統派フレンチだと私は思います。
なかでも、スペシャリテでもあるジビエ料理は絶品です。
私が頂いたベストはジビエとフォアグラのパイ包み。
2つ食べちゃいました…(笑)
従来は野兎の背肉などを用いられているようですが、このメニューはジビエの期間限定フェア
での一品で、野兎だけでなく鹿肉なども入った特別メニューだったと記憶しています。
口一杯に頬張ると、すぐに癖の強いジビエの野性味とフォアグラの濃厚な風味が重なり合います。
そこにまた甘く濃厚な栗のムースが加わり、渾然一体となって、深く重厚・濃密な味わいが
完成されます。
その味と空気を舌と鼻でじっくりと体感する…これぞまさにジビエの醍醐味だと思いました。
本当に美味しかったです。
最後に、サービスについて。
ソムリエの方はお店の料理を熟知されており、非常に熱心に自分の言葉で料理を解説して…
というよりも、語って下さいます。
料理に良く合うワインなども積極的に提案して下さいますので、安心して選択をお任せすること
ができます。
今年の冬、最もお邪魔したいフレンチレストランの1つであります。
5位
1回
2009/06訪問 2015/02/22
これまで幾度となく予約を試みましたが、常に満席で
なかなかお邪魔することができませんでした。
今日こそはと思い、ある平日の夕方に電話を入れると、
「大丈夫です」とのことでやっと入店できた次第です。
結論から申し上げて、粘った甲斐がありました。
非常に上品かつ繊細なコース料理を頂くことができました。
今回頂いた\5,250のコース料理は
付き出し、吸い物、刺身、八寸、揚げ物、炊き合わせ、お食事、デザート、抹茶
という構成。
どのお皿も素材の良さ、技術の高さ、丁寧な仕事ぶりを感じることができましたが
特に印象的であったのは以下のお皿です。
吸い物・・・鱧と青梅という私にとっては初体験の組み合わせ。
出汁の絶妙な塩加減が新鮮な鱧の旨みと青梅の甘さを際立たせていました。
揚げ物・・・天ぷらの盛り合わせ。稚鮎、鯵の紫蘇巻き、玉蜀黍、もずく。
他店の天ぷらと比べると、衣が幾分黄色く綺麗に感じられました。
衣は薄くさっくりと揚がっており、旬の食材が活きています。
その他、盛り沢山の八寸、大根なますをあしらった刺身、5品から選択できるお食事など、
なかなかユニークで充実した内容になっており、本当にコストパフォーマンスが
高いと思いました。
もし一点だけ注文をつけさせて頂けるとすれば、ワインのレパートリーをもう少し
増やして頂きたいということです。
店内は黒を基調にしたシックな内装。
カウンター8席とその奥に4席の個室という小さな造りです。
サービスに関しては、ご主人は非常に物腰の低く、黙々とお仕事をされていて
好感が持てます。女性の店員さんも良く気がつき、丁寧な接客が非常に良かったです。
神戸にある和食のお店で三木と同程度の価格帯でコースを提供されている所と言えば
北野坂にある料理屋 植むらの\5,000コースを連想します。
こちらも充分満足ゆくに値する素晴らしい構成ですが、盛り付けや器、
ご主人のお人柄などを総合的に考えると、実に好対照をなしていると思います。
「楽しさ」「華やかさ」「力強さ」の植むらに対して、
「優しさ」「上品さ」「繊細さ」の三木と言ったところでしょうか。
兎にも角にも、神戸に美味しい和食のお店が増えてきたと改めて嬉しく思いました。
マキシンやデリカテッセンなど古くからのお店が立ち並ぶ異国情緒あふれる
トアロードに懐石料理のお店があることに少々違和感を感じていたのですが、
「神戸トアロードに三木あり」と全国的に認められる名店になって欲しいと
応援したくなりました。
6位
1回
2015/07訪問 2015/08/16
ハンター坂界隈は神戸の中でも飲食店のレベルが非常に高い区域のひとつであると思いますが、特にバーの充実度には目を見張るものがあります。
中でも取り分け質の高いパフォーマンスを発揮されているバーがバー ル・サロンとこちらLAGUNAだと思います。
私がバーにおいて重要と考える要素は「寛げること」だと思いますが、こちらのお店に入ると、「こんなにも寛げてしまえるものか」という気持ちになります。
コンクリート打ちっ放しの店内は非常に天井が高く、開放感に溢れています。
存在感のある一枚板の分厚いカウンターテーブルは奥行きがあるため、黒いレザーソファにゆったり腰掛けると、下には足を充分に伸ばすことができるスペースがあります。
ボトル背後の壁には円形の穴が規則正しく開けられており、そこから優しく温かい間接照明が漏れ出していて、色とりどりのボトルが照らし出されています。
初めてうかがった際、最初はこの贅を極めた瀟洒な空間のあちこちに目を奪われてしまいましたが、ソファに腰を下ろしてオーダーの一杯を待っている間、これからほんの数時間だけ、この場所で至福のひと時を満喫できるという悦びの気持ちが心の中から沸々と湧き上がってきたことを思い出します。
より一層の寛ぎはこの素晴らしい空間に相応しいプロフェッショナルなサービスをもって提供されます。
マスターをはじめ、スタッフの方々は皆、どのお客に対しても平等に、気取らず気張らない心遣いをして下さいます。
お客自身が「見られている」という意識を持たない程度に自然で適度な距離を保ちながら、きちんと痒いところに手が届くサービスが実践されている点はさすがです。
総じて、素晴らしいハコに遜色のない素晴らしいサービスが提供されることによって、最高の寛ぎ・ホスピタリティを提供して下さる名店だと思います。
ただ、一点だけ言わせて頂くとすれば、おつまみについて。
こちらではおもに房付きの干し葡萄とナッツを提供されていますが、前述バー ル・サロンのおつまみと比較すると、残念ながら凡庸という印象が拭えません。
〆の昆布茶など、それに代わるだけの素晴らしいサービスはありますが、やはりおつまみにも同等のものを期待してしまいます。
おつまみがそのままでも今後もリピートさせて頂きますが…(笑)。
7位
1回
2010/10訪問 2009/11/17
「ghost」という不思議なネーミングと立ちながらケーキを味わうという
一風変わったコンセプトに惹かれ、訪れました。
京都の風情ある町並みにひっそり静かに佇む真っ白な外観の建物は何となく
店名を彷彿とさせます。
薄暗く長いエントランスを抜けると、白とピンクを基調にした、狭いですが
可愛くスタイリッシュな空間が広がります。
オーナーの方がバーを営まれているということだけあって、壁には様々な
お酒の瓶が並べられております。勿論、椅子はありません。
スタッフの方が用意できる全8種類のケーキが入ったショーケースを提示して下さり、
お客はそこからケーキをセレクトして、スタンディングイートインかテイクアウトのいずれかと
なります。
私は11:00頃に入店しましたが、イートインができるのは13:00からとのこと。
鴨川の河原で頂くことにしました。
なお、ケーキには小さな解説書が付いており、なかなか心にくいサービスだと思います。
今回セレクトしたのは、「ゴースト No.1」と「タリスカー18年 No.2」。
前者は全くお酒を使っていないケーキでヴァニラのクレームブリュレとチョコレートムースが
入ったもので、後者はチョコレートムースに世界的に評価の高いウィスキー、タリスカー18年を
使った比較的アルコールの強いものでした。
どちらも非常に甘く濃厚なのですが、良質なカカオのなかにヴァニラやアルコールの風味が
存分に生かされており、ともに素材に妥協の無い本格的なケーキだと思いました。
食べ比べてみると、私は後者の方が好みでした。
チョコレートのもつ甘さをアルコールがしっかり引き締め、よりメリハリある味になっていると
感じました。
オーナーの方はバー経営をされていることからも、お酒のことを熟知されているでしょうし、
それがケーキにも充分に反映されているのだと思いました。
今回は初訪問でしたが、相当レベルが高いと思いました。
サクッと食べてサクッと退散というコンセプトも個人的に好きですし、次回こそはスタンディング
イートインしたいと思います。
今後も普段はお目にかかれないような名酒を組み合わせて、より個性あるケーキを提供して
頂きたく思います。
【追記】
今、店名の「ghost」の由来を想像していましたが、店前の信号を渡ると、向かいに
「下御霊神社」があります。
霊=ghost なので、こちらに由るのではないかと考えます。
間違っていたらすみません…(汗)
8位
1回
2009/10訪問 2009/10/29
11:30~15:00、昼間の3時間半しかしか営業されていない珍しい洋食店。
比較的、駅から離れた住宅街にあるにも拘らず、平日でも開店時から行列ができている
こともあります。
木目調の店内はカウンター席とテーブル席がありますが、それほど広くないので
すぐに満席になってしまいます。
一見、喫茶店のような雰囲気ですが、小綺麗で暖か味があります。
メニューは安いものは\850から、高くても\1,300と洋食としてはかなり良心的な値段設定です。
特筆すべきは、この値段で非常に手の込んだ素晴らしいオリジナル洋食を提供して下さる
ことです。
メニューは大きくカレーと定食に分かれます。
カレーにはフルーツや野菜、16種類以上のスパイス、ハーブが使われており、自然の甘さの
なかにスパイシーな辛さが混在しております。
また、つなぎに小麦粉を使われてないため、濃厚ながらもヘルシーな仕上がりになっており、
一食の量は比較的多めですが、変に胃もたれすることはありません。
なかでも私のお気に入りは「チキンとマッシュルームのカレー」(\850)。
香ばしく程良い歯応えのチキンとカットされないゴロゴロしたマッシュルームがルーの美味しさを
惹き立てていて、ベストなコンビネーションを形成していると思います。
付記すると、カレーは冷凍パックでのテイクアウトも可能で、値段も\500と非常にお得です。
勿論、自宅で調理しても同様の味が楽しめます。
定食は「とんかつ定食」や「チキンかつ定食」などオーソドックスなものから
「ポーク・セサミ定食」や「平目のアーモンド衣揚げ定食」といったオリジナリティ溢れるものまで
非常に多岐に渡ります。
全てにアサリとワカメ、少量のパスタが入ったスープとサラダが付きますが、特にサラダにかかった
オリジナルドレッシング(テイクアウト可)はかなりの逸品です。
ジュネーブのレストランで学ばれたレシピらしく、ニンジンの甘味と爽やかな酸味が絶妙で、
野菜をどんどん口に運ばせてくれます。
私は単体で飲めてしまうほど(笑)好みの味です。
メインに着目すると、「コロッケ定食」(\850)と「とんかつのポロネーズ定食」(\1,200)
がお気に入りです。
「コロッケ定食」には牛肉コロッケとクリームコロッケが付いてきます。
牛肉コロッケの方は正直、普通に美味しいというくらいの感想しかありませんが、
クリームコロッケはベシャメルソースが本当にクリーミーで美味しいことに加え、
中に身の付いたカニの足が入っており、少しリッチになった気分になります。
「とんかつのポロネーズ定食」は豚ロースにトマトとチーズを挟み込んでカツレツにした一品。
ポーションはかなり大きいのですが、揚げ油が良質で、トマトの酸味が爽やかな風味を加えており、
重たくありませんし、自家製のエストラゴンソースが実に良くマッチしていると思います。
以上のように、これほど丁寧に作られた独自の美味しさを全て\1,500以下で味わえることは
割高な洋食店が多く困っている私にとっては本当に有り難い限りです。
おそらく私が今までに食べた神戸の洋食店のなかでは文句なくNo.1だと思います。
営業時間が昼のみなので、伺える時は限られていますが、暇を見つけては足繁く通いたい味が
ここにはあります。
9位
1回
2010/07訪問 2013/04/24
しとしとと雨が降る、春の寒い日の夕暮れ時にお邪魔しました。
この辺りはよく通るのですが、お店が地下にあり、なかの様子を窺い知ることが
できなかったので、入店にはなかなか勇気が要りました。
階段を降りるとそこには想像以上に暖かい空間が広がっていました。
小さいながら奥行きのある空間には土壁が塗られ、薄暗い灯りと味のある
木のカウンターが居心地の良い温か味をつくり上げていました。
カウンター越しには綺麗なカップとコーヒー豆の入った瓶が陳列され、
中年のマスターが静かに豆を挽いていらっしゃいました。
マンデリンをオーダー。
オーダーを受けてから一杯ずつ手煎りという拘り様。
数分経って出されたコーヒーは期待を裏切らないものでした。
程良い熱さと薫り高さ、柔らかい酸味と苦味…
実に味わい深く、ミルクを入れたくなくなるコーヒーでした。
コーヒーが本当に美味しかったので、ついつい他のメニューもオーダーしたくなり、
フルーツのロイヤルミルクティーとガトーショコラを追加。
やはり期待を裏切りませんでした。
フルーツのロイヤルミルクティーは綺麗な器に淹れられ、甘く、優しく
上品な味わいでした。
手作りというガトーショコラは、やはり脇役ということでしょう、
ポーションは小さく作られていますが、濃厚でしっとりしたチョコレートが
やみつきになる味です。
正直並みのパティスリーよりも遥かに美味しいです。
この手抜きのない仕事と店の温かい雰囲気に加えて、飾らないご主人の人柄。
全てが本当に心地良く感じられました。
その後も幾度となくお邪魔させて頂いておりますが、
私にとって一番のお気に入りのコーヒー店のひとつです。
建仁寺に程近い通りにひっそりと佇む一軒家。
石畳の上を歩み、白い暖簾を潜ると、ご主人と女将さんが出迎えて下さいます。
店内は2階建てですが、吹き抜け構造になっており、天窓から陽光が差し込むので
非常に開放感があります。
席はカウンターから大・中・小の個室まであり、様々なシチュエーションに対応できそうです。
個室には小さな坪庭が併設されており、これまた採光が何とも言えない心地良さを演出して
おります。
この心地良い空間に負けず劣らず、供される料理はどれも美しく、素材の滋味・旨味を充分
堪能できる極めて上品なお味だと思います。
昼のメニューは\3,500のミニ懐石と\7,500の懐石の2本。
前者でも充分に満足できる内容かと思われますが、本領発揮はやはり後者の方でしょう。
味、量、コストパフォーマンスのどれをとっても実に素晴らしく、存分に季節感が取り入れられて
いるところが見所です。
ある日の秋のメニューは…
・とんぶりと柿の白和え。
・土瓶蒸しは松茸と鱧に酢橘を。
・八寸に銀杏、里芋、栗渋皮煮、茗荷、源氏柚子。いさきの笹寿司も。
・刺身は平目や鮪。
・蕪と南京饅頭の葛餡かけ。
・焼き物は鱒を蓼酢で。太刀魚は味噌焼き。付け合せに薩摩芋、しめじ。
・揚げ物に、茄子田楽、万願寺赤唐辛子やいんげん豆、豆乳。
・酢の物には白魚をあしらい、秋刀魚の燻製も。
・鯛飯、赤出汁と漬物。
・金目鯛のあら焼き。
・甘味は林檎、メロン。酒糟のシャーベットと青紫蘇のシャーベット。
11のお皿全てに何らかの旬の素材が取り入れられており、秋を存分に感じることができました。
また、素材の特性をしっかり理解されており、そのままが一番美味しいものをシンプルな調理法で
仕上げるだけではなく、そのままでも美味しいものを敢えて独創的な調理法を用いて、さらに
美味しく仕上げる、といった柔軟で変幻自在な発想も垣間見ることができます。
総じて、味、デコレーション、サービス、どれをとっても満足度は高く、懐石の有名老舗料亭が
ひしめく京都においても、名店のひとつに数えられると思います。
今秋、ミシュラン京都・大阪が発売されますが、調査対象になっているのであれば、
2つ星以上は硬いのではないでしょうか(あくまで私の勝手な予想ですが…)??
因みに私のなかでは3つ星です。