レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2012/02訪問 2016/02/17
恵比寿駅から5分ほど歩いた道沿いに佇む小さな隠れ家レストラン。
ご夫婦お二人で営まれており、以前は用賀にお店を構えていらっしゃったとのことですが、2008年、現在の地に再オープンされました。
お店は縦長の構造で、4卓10席のみと狭小。
奥に位置する厨房前の丸テーブルの席は主に常連のお客で賑わっている模様。
白とブラウンで統一された店内はシックで清潔感に溢れ、「大人の空間」といった印象ですが、店名の通り、ところどころに配された可愛らしい雄鶏のオブジェには遊び心が感じられます。
渡仏され、かのジョエル・ロブション氏のもとでも修行された経験をお持ちのシェフによって供されるお料理はいずれもシンプルながら、食材の調理法・取り合わせが絶妙、それぞれの旨味が最大限に引き出されていて、よく計算されたお料理。
例えば、前菜に供されたサワラの燻製は、厚切りでもっちりした切り身が馥郁たる香りを有し、食べ応えも充分。あしらわれたタマネギが後味をより爽やかにします。
大振り肉厚のホタテはポワレに。ベーコンとネギの甘いスープが敷かれ、相性抜群。
新鮮なアカザエビはミディアムレアの状態で、アスパラのソテーとともに。バルサミコのソースがアカザエビの甘味を惹き立てます。
メインに供された仔牛のソテーはパセリを纏い、根セロリのソースで。クリーミーなソースが全体を包み、まろやかかつ薫り高い味わいを演出。
デザートの自家製モンブランは甘ったるくなく、舌触りも軽やか。甘党でない方にもお勧めできる、〆に最適な一皿です。
サービスに関しては、マダムがお一人でこなされていますが、着かず離れずで、さり気ない心遣いが嬉しいです。
また、数あるワインリストから料理に合う一本を的確にセレクトして下さいます。
ここ最近は、複雑な現代風フランス料理が一世を風靡してきましたが、私の周囲には「食べ疲れた」、「10年後も同じものを食べたいとは思わない」などと漏らす方がちらほら出てきたように感じます。
そんななかで、こちらのお店は流行に左右されず、シンプルながら飽きの来ないものを供して下さるお店のひとつだと思います。
これからもスタンスを変えず、この小さな空間で普遍的に良いものを追求して頂ければと思います。
3位
1回
2015/12訪問 2016/01/17
学生時代から利用させて頂いております。
今ではネットや雑誌などで絶賛され、休日は行列ができるほどの超有名店となりましたが、2003年頃まではお客は比較的まばらな印象でした。
初めてわらび餅をオーダーしたとき、女将さんが「先日、来○けいさんがバケツ一杯くらい食べたいと言って帰られました」と仰り、「○栖けいって一体誰だろう」と思ったことを思い出します。
お店は閑静な住宅街裏にひっそりと佇んでおります。
暖簾を潜り、庭石畳を歩むと、ここは改めて京都なのだと実感させられます。
格子戸を開き、靴を脱いで広い畳座敷に案内されると、全面ガラス張りの窓から中庭を眺めることができます。
苔生した地面に美しく刈り込まれた玉物、風情のある蹲や石灯籠等が配され、実に見事なお庭です。
季節によって四季折々の表情が加わるので、何度訪れても飽きることはありません。
ここで供されるのは、いずれも素晴らしいお庭に遜色のない上質な和菓子と飲み物ばかりですが、とりわけ名物「わらび餅」は絶品です。
国産の本わらび粉のみが使用され、オーダーを受けてから作られるというこだわり様です。
1人前は5つで\1,100ですが、5つだとあっという間に平らげられてしまう割には高いというのが最初の印象でしたが、自分なりの味わい方を確立した今では、むしろ安いと感じております。
「自分なりの味わい方」とは、1つのわらび餅を2分程かけて噛み続けるだけなのですが、これで2分×5つ=トータル10分間、変わり行くわらびの味わいを存分に愉しむことができます。
口にした瞬間は本わらび粉の清清しい風味が鼻を抜け、暫くは上質な刺身蒟蒻のような歯応えが堪能できます。
その後、噛めば噛むほど徐々にでんぷんが変質し、甘味が増していきます。
個人的には、黒蜜は敢えて必要ないと思います。
最後は液状に溶けて無くなってゴクリ・・・よろしければ一度お試し頂きたいと思います。
席を立ったり座ったり、庭園を隅から隅まで観賞し、濃いお抹茶も併せてじっくり楽しめば、延べ1時間弱の滞在となります。
お庭の拝観料を\300くらいと考えれば、もっとお得感を実感できますね。
個人的には、夏の夕立のあと、こちらで夕涼みをして帰路に就くのが一番好みです。
私にとって最も居心地の良いと思える茶寮のひとつです。
4位
1回
2016/02訪問 2016/02/19
ソフィア・コッポラの映画「Lost in Translation」にも登場した、代官山・猿楽橋近くのお鮨屋さんです。
ちなみに大将はこの映画をまだ一度も見たことがないようです(笑)。
外からは、なかの様子を窺い知ることが難しく、一見、敷居が高く、入りにくい印象を受けますが、決してそんなことはありません。
暖簾を潜ると大将と若い職人さんが威勢よく「いらっしゃい」とお声を掛けて下さいます。
店内は想像以上に広く、2箇所に分かれたカウンターに加え、テーブル席もあります。
お昼は非常にリーズナブルなお値段で、豊富なネタを提供して下さいます。
私はいつも1.5人前\1,500(付き出し、味噌汁付)をオーダーしますが、それでも飽き足りず単品で一貫ずつ好きなものを握って頂きます。
カウンター席では瑞々しい笹の葉の上に、大将が小気味良くネタを次々と握って下さいます。
笹の葉の上にずらりと並べられた鮨は宝石箱のような美しさを呈しています。
内容は毎日の仕入れによって変えていらっしゃるようなので、今日は何が出てくるのだろうという楽しみもあります。
丁度良い上品な大きさに切られネタ、人肌並みの温かさで少し緩めのシャリはかなり私好みです。
また、大将のネタ選びと味付けのセンスも光ります。
例えば、夏場だと、酢の締め具合が絶妙な新子。キスは昆布で絞め、スダチを搾って頂きます。
冬場だと、寒鰤の最高に脂が乗った部分を数日間熟成させて。肝にタレとスダチを少々効かせたカワハギも絶品。
大将にその日のおすすめを伺いながら、握ってもらうのが良いでしょう。
接客も気持ち良いですし、美味しい鮨が食べたいと思ったら、必ず頭の中で候補のひとつに挙がるお気に入りのお店です。
5位
1回
2014/12訪問 2014/12/28
新鮮な素材とオリジナリティ溢れるお料理が飽きの来ないコースを演出
2014.10
『ミシュランガイド関西 2015』でも、引き続き二つ星を獲得されました。
何度かお邪魔させていただいておりますが、夜のコースもリーズナブルでなかなか良いです。
季節感のあるお料理を愉しむことができるお店です。
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JR芦屋駅より5分程歩いた道路沿いに佇む日本料理店。
『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良 2012』では、二つ星を獲得されています。
お店は白壁塗りの一軒家。
ガラス張りのエントランスには、外国人のお客に配慮してのことでしょうか、英語で“AMEFU”の印字が。
店内はフローリングとテーブル、椅子が同じ茶系統の色で統一されており、真っ白い壁に掛けられた美しい書が凛とした雰囲気を演出しております。
さらには、エントランスやお手洗に生けられた瑞々しい花や店内奥の美しく手入れが行き届いた中庭が清涼感を増します。
席はテーブル席4つの他、お座敷が1室、さらには一人でも利用できるようにと配されたカウンター席が4席という構成なので、様々なシチュエーションでの利用が可能です。
献立は\3,675、\5,250、\7,350、\10,500、\15,750の5種類。
ただし、\3,675の「あめ婦御膳」はお昼のみの限定メニューで、多くの方がこちらをオーダーされている模様。
今回、レポートさせて頂くのは、\5,250の懐石コースです。
内容は以下の通り。
先付…雲丹のせ胡麻豆腐、よこわのカルパッチョ
お吸物…海老しんじょう
お造り…鯛、烏賊
揚げ物…わらび餅のかわり揚げ
炊き合せ…冬瓜の海老そぼろ餡かけ、南京、しめじ、生麩、いんげん豆
焼き物…金目鯛の塩焼き
ご飯、香物
果物…ネーブル(または甘味…冷やし善哉)
いずれも丁寧で安定感のあるお料理だと思いましたが、特筆すべきは、まず、魚の新鮮さ。
特に、お造りはいずれも、歯に纏わりつくような身の締まり。
また、焼き物には肉厚の金目鯛、ふっくらとした焼き上がりが美味です。
もう一点特筆すべきは、オリジナリティ。
先付は「カルパッチョです」と伺い、少し意表を突かれましたが、よこわの身の旨みが、強すぎない酸味の効いたドレッシングでうまく引き立てられれた洋風の一皿は、コースの最初を飾るに相応しいお料理でした。
揚げ物にわらび餅をもってこられる点も面白く、甘いわらび餅ではなく、なかに海老や貝柱が入っているわらび饅頭をみじん粉で包んで揚げたもので、味、食感ともに実に楽しいお料理でした。
総括しますと、新鮮な素材と創意工夫に富んだお料理がコースを飽きの来ないものにしていることを実感させられた次第です。
また、この内容でこのお値段とは、コストパフォーマンスがなかなか良いと思います。
夜も同じお値段で同じお料理が頂けるのですから、非常に良心的で志の高いお店だという印象を受けました。
サービスも着かず離れずで気張らない心地良さ、納得の食後感を得ることができたのは言うまでもありません。
また、再訪させて頂きたいお店です。
6位
1回
2016/01訪問 2016/03/19
ハンター坂を少し上がったところに位置する雑居ビル2階のバーラウンジ。
道沿いから店内の様子を窺い知ることはできないので、最初は躊躇していましたが、いつも窓からこぼれ出ている雰囲気の良いオレンジ色の光に惹かれ、意を決して入店したのが最初でした。
階段をのぼると、立派なガラス張りのドアがお目見え。
その先には想像以上に広く美しい空間が広がっております。
店内は分厚い立派なカウンターにテーブル席が2つという構成、カウンター奥に並べられたボトル後ろには竹の木で造られた壁が配されており、和の要素も見られます。
一方、テーブル席には一輪の美しい生花が活けられ、先ほどのオレンジ色の光が全てを温かく包み込む雰囲気は大変ムーディーでスタイリッシュです。
サービスはお若いマスターとスタッフがお二人で担当されており、最初に好みなどを聞いて下さいます。
私は定番的なものよりもそのお店オリジナルのものを頂きたいと思ってしまう性格なので、マスターに色々伺ってから、「今日はこんな感じで」とだけ申し上げて、あとはお任せしております。
私が特にお勧めしたいのは、フルーツを使ったカクテルです。
四季折々の旬のフルーツが常時6,7種類ほど用意されているのではないでしょうか。
喉ごしが本当に気持ち良く、清涼感満点のスイカのカクテル、ずっしり濃厚で自然の甘さの底力を改めて実感させてくれるマンゴーのカクテルなど、名品は沢山ありますが、なかでも私のお気に入りはバナナのカクテルです。
ジューサーでトロトロになったバナナジュースにブランデーで香りをつけた、ややデザート的要素が強い一杯ですが、瀬戸物の器に注いで木製のスプーンで頂くという意外性や、最後に霧吹きでブランデーをスプレーするという心にくい演出に、マスターの世界観が凝縮されています。
フルーツのカクテルは、好みによって如何様にでもアレンジして下さると思いますので、ご自身の嗜好をできるだけ詳しくお伝えすれば、最高の一杯ができあがることでしょう。
お酒とともに供されるおつまみのレベルの高さもまた特筆すべき点です。
ナッツ、イチゴとピスタチオのチョコレート、生チョコ、チーズ…等々日によって内容は異なりますが、いずれも強いこだわりが感じられるものばかり。
ナッツはふっくらと綺麗な丸みを帯び、歯応えもよく、瑞々しさすら感じます。
チーズは3年熟成されたという代物で大変濃厚、削られた一片を少しずつ大事に頂きたい一品。
ひとたび、これほどまでに美味しいおつまみを頂いてしまうと、コンビニで市販されているようなチョコレートやおかきを供されているお店ではなかなか満足できなくなってしまいます。
マスターは非常に腰が低く気さくな方で、お客のペースに合わせた心地良い接客をして下さいますが、独学でお店を開店されただけあり、一本筋が通ってらっしゃいますし、大変博学です。
神戸には様々なバーラウンジが数あれど、お酒、接客、空間と、これほど完成度が高いお店はそうはないと思います。
非常に素晴らしいお店です。
7位
1回
2013/03訪問 2013/03/05
三軒茶屋駅からしばらく歩いたところにグッチーナというイタリアンの有名店がありますが、こちらはその隣に位置する姉妹店です。
店内はオープンキッチンで、1階席と2階席があります。
1階席は1名でも利用できるカフェスペースからカウンター席、4名掛けのテーブル席があり、カジュアルな雰囲気です。
一方、2階席はテーブル席とキャパシティ10名程度の個室で構成され、1階よりもシックな雰囲気を醸し出しており、様々なシチュエーションで利用できます。
お料理はコースでもアラカルトでもオーダーが可能。
前菜、パスタ、メイン、デザートともにポーションは充分にあり、いずれもしっかりとしたメリハリのあるお味で、ワインが進みます。
特に、パスタは自家製手打ち麺が使われており、歴代シェフのオリジナリティ溢れるスペシャルメニューが受け継がれているため、大変お薦めです。
一点注文させて頂くとすれば、カプレーゼなど冷たいお料理の温度が中途半端な温度であることでしょうか。
食材は良いものを使われているだけに、是非改善頂ければと思います。
最後に、サービスについて。
基本的にはソムリエの方が肩肘張らない感じのよい接客をして下さいますが、シェフも厨房から出てきてサーブして下さり、オーダーの相談にも乗って下さるので、安心感があります。
総じて、カジュアルに気持ちよく食事を楽しむことができる良いお店だと思います。
8位
1回
2012/07訪問 2016/02/02
芦屋本店をはじめ、関西に数店舗を構える土山人が東京に初進出したのは、2007年のこと。
目黒川沿い、池尻大橋に程近い静かな住宅街の一角にお店を構えられました。
店舗は地下階に位置し、路面に置かれた個性的なMILKY COKEの立て看板が目印になります。
階段を降りると、美しい幾何学的なタイルがセンス良く埋め込まれた地面に思わず目がいきます。
暖簾を潜ると、若いスタッフがお出迎えして下さいます。
金髪の方もいらっしゃり、芦屋本店とのコンセプトの違いは一目瞭然。
壁に掛けられたアバンギャルドなヌードの女性画や大きなガラス窓の先に広がる中庭は、お蕎麦屋さんというより、まるでアトリエのよう。
低いソファー椅子の禁煙席や木の椅子のカウンター禁煙席、個室の喫煙席等があり、様々なシチュエーションで利用できます。
お料理は蕎麦単品、一品料理に加えて、コースがあります。
私は夜しかお邪魔したことがありませんが、一人なら、日本酒に単品で蕎麦と一品料理だけ頂くのも乙だと思いますし、複数名なら、前日までに予約が必要な蕎麦会席をオーダーし、ゆっくり料理と会話を愉しむのがお奨めです。
蕎麦会席は、先付け、創作蕎麦、小鉢三種、温菜、主菜、天ぷら、蕎麦、甘味という流れですが、蕎麦以外のお料理は正直、可もなく不可もなしといった平凡な創作料理の印象。
しかし、前半・後半にそれぞれ配された全く別物の蕎麦2種はさすがの出来です。
前半では、夏場の定番的なスダチの冷たい蕎麦も美味ですが、冬場に頂いたハマグリの温かい蕎麦は口の中一杯に蕎麦の風味、磯の薫りが広がり、特に秀逸でした。
後半は、蕎麦粉本来の旨味を堪能できる荒挽き田舎を塩だけでさっぱりと…堪りません。
総じて、創作料理が蕎麦の美味しさをより惹き立てている点は何とも皮肉ですが(蕎麦の専門店なので、それが狙いなのかもしれません)、一連の流れで蕎麦の魅力をじっくり堪能できるコース構成になっており、私好みです。
今後も、より完成度の高いお料理を目指すとともに、東京の土山人にしかない個性を発揮していけるよう精進して頂きたいと思います。
9位
1回
2011/12訪問 2013/03/05
一乗寺の住宅街に佇むコンクリートの建物。
入り口には和風の暖簾がかかっているだけで、一目見ただけでは飲食店とは気付き難い外観ですが、こちらが河原町ひさご寿しの次男がオーナーをされている「a womb」です。
ファッションに造詣が深いオーナーだけあって、2階にはオリジナルブランドの服飾・雑貨の展示販売スペースがあります。
細長く美しい坪庭、一本の長いテーブル、個性的なソファ、真っ白な自転車、近くの芸大生が制作した大きなオブジェ…等沢山の個性的なエレメントが上手く配置されており、和食を出すお店とはまるで思えません。
コンクリートの壁は一見無機質なのですが、天井が高く、店名の「a womb」=「子宮」が意味する通り、全体的にどこか温か味があって安心感を覚える空間に仕上がっています。
そんなクールな空間で供されるお料理は本格的なコース料理、アラカルトから定食的なセットもの、カレーライスなどのカフェ的なものまでバリエーションが実に豊富なため、様々なシチュエーションに使うことができます。
一般に、このような類のお店は見掛け倒しで、味は至って凡庸というケースが結構少なくないと思うのですが、こちらは和食の基本を大切にされた非常に繊細なお料理を頂くことができるお店だと思います。
お昼のコースにおける私のお気に入りは「黒竹」コース(\1,800)です。
吸物、寿司と野菜の盛合せ、デザート、抹茶という構成ですが、まず食前に炭酸のブルーベリー酢のようなドリンクが供されます(常時かどうかは分かりませんが)。
一粒のブルーベリーの実が炭酸のなかで浮き沈みする様子が実に面白く、この空間にもよく馴染みます。
吸物には、白味噌ベース、麩や冬瓜を含めたものなどが出されますが、本格的な懐石のなかで供されても遜色ないお味だと思います。
寿司と野菜の盛り合わせは長い器に盛られ、実にスタイリッシュで美しい盛り付け。
野菜を使ったお料理は常時5皿ほど、ひとつひとつに丁寧な仕事が施され、優しい味付けです。
メインのお寿司はいわゆる「変わり寿司」です。
ケーキのような体裁に盛り付けられ、ネタには新鮮な魚介のほかに湯葉や甘く焼き上げられた牛肉が。
酢飯には葱が忍ばせられ、程よく甘い仕上がりになっております。
デザートは色々なものを少量ずつ盛り付けて供されますが、特に美味しいと思ったのは焼酎のアイス。
甘ったるくなく、実に爽やかで個性的なアイスです。
抹茶は一保堂のものですが、透明なガラスの器に淹れられ、オーナー自らが目の前で煎じて下さいます。
総じて、\1,800という価格では通常味わえない本格的なお料理を味わうことができる実にお得なコースだと思います。
夜はコース(予約制)とアラカルトがありますが、大勢で訪れて、アラカルトで色んなメニューをオーダーするのがお勧めです。
お料理のメニュー数はそれほど多くはありませんが、お寿司から天ぷら、丼もの、カレーまでバリエーションは豊富です。
ドリンクでは、世界の珍しいビールが取り揃えられており、一杯目は皆でそれぞれ異なる種類のビールをオーダーし、飲み比べしてみるのも良いでしょう。
以上、こちらにしかないクールな空間と個性的なお料理に加えて、サービスも着かず離れずで心地良いので、ついつい遠出しても通ってしまうお店のひとつになっております。
今後も様々なシチュエーションでお世話になると思います。
10位
1回
2013/05訪問 2016/02/01
2013.5
ディナータイムに訪問しました。
結論から言うと、どのお料理も無難にまとまってしまっている印象で、残念ながらランチメニューで頂いた翡翠麺ほどのインパクトはありませんでした。
ご主人はとてもお若いですし、もう少し冒険的で大胆なお料理にチャレンジされても良いのではと思いました。
今後の展開に期待したいと思います。
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明治通りから脇道に逸れた神宮前の一角、セレクトショップやオフィスが混在するなかに、ポツンと異彩を放つ中華料理店がこちらのお店です。
真夏の猛暑日、ショッピングも一段落し、お昼を頂く場所を探していた折、偶然見つけました。
路面に置かれたメニュー表を見て、ランチ営業されていることを知り、伺うことに。
店舗が位置するビルの2階を見上げると、ガラス張りになっていて、窓側では女性たちがお茶を愉しんでいる模様。
中華料理店というよりもお洒落なカフェというイメージを抱きながら階段を上ると、目の前には翡翠色の重厚な扉が。
店内が全く窺い知れないので、ここで一瞬躊躇しましたが、思い切って中へ入ると、ホールの女性が笑顔で「いらっしゃいませ」とお出迎え。
店内は天井が高く、開放感があり、テーブル席の他にバーカウンターも配され、まるでオリエンタルカフェのようなお洒落な雰囲気。
バーカウンターに案内され、ビールと冷麺セットをオーダー。
ビールを頂きながら、女性スタッフと談笑。
伺えば、こちらは新宿御苑の太子楼のご子息が今年3月にオープンされたお店とのことで、女性スタッフはお母様でした。
期待に胸を膨らませ、待つこと10分余り、目の前に運ばれてきたのは、体裁よく盛り付けられた美しい翡翠麺でした。
これにサラダと小龍包、デザートに杏仁豆腐が付いて、\1,100という内容。
この界隈のランチでは、それほど安くはない価格帯だと思いますが、メインの翡翠麺は喉越しが本当に爽やかで秀逸、お値段に充分見合う内容です。
ほうれん草の翡翠麺は適度な太さにカットされ、コシも抜群。
翡翠麺を惹き立てるトマトのスープも特筆すべき美味しさ。
ほのかに香るほうれん草の風味を邪魔しない爽やかな酸味と時折覗く唐辛子の辛さの妙。
具もエビ、イカ、トマト、ナスと、この麺とスープにして最良のマッチング、箸がどんどん進んでしまいます。
猛暑の炎天下、涼しい食べ物を渇望していたこともあり、本当に美味しく頂きました。
察するに、ご主人はお若いようですが、かなりの腕前をお持ちではないでしょうか。
今回は一人でのランチでしたが、次回はディナータイムに友人たちと訪れて、わいわい騒ぎながら、アラカルトでお勧めの一品を存分に堪能したいと思います。
鯉川筋西、住宅と飲食店が混在する場所にひっそり佇むフレンチレストラン。
2011年の1月、店舗のオープン前に、店先を通りかかった際、どこかで拝見したお顔が…と思って足を止めてみると、かつて、フランスの様々な地方料理を供され、人気を博した、北野の人気レストラン「レストロエスパストランキル」のシェフではありませんか。
前のお店のお料理には信頼を置いていたので、どんなお料理が頂けるのかと楽しみにしておりました。
外観は一見すると美容室のようで、通り過ぎてしまいそうなほど控え目。
エントランスの扉の奥にはまた扉があり、外から店内の様子が窺い知れないようになっております。
エントランスでマダムにお出迎え頂き、一呼吸置いた後、店内へ入ると、わずか8席のカウンターに綺麗に整頓されたオープンキッチンがお目見え。
それはまるでプライベートダイニングのようで、カウンターが苦手な方は最初は緊張されるかもしれませんが、木の温もりがあたたかく、マダムが付かず離れずの心地良いサービスをして下さるので、心配はご無用だと思われます。
そんな空間で供されるお料理はまさに驚きの連続。
前のお店でも、アラカルトで、「カレー風味のマカロン」や「黒毛和牛のタルタルと弓削牧場のフロマージュフレ、マスタードアイス」など、意外性あるお料理の数々に驚かされましたが、コース1本となった新店では、最初から最後まで、意外性のあるお皿が振る舞われます。
これまで相当な試行錯誤をされてこられたのでしょう、意外性がある食材のコンビネーションが面白く、また、よくマッチしています。
例えば、魚介と古代米を用いたおじや風のスープトポワソン。
胃に染み渡る、深く優しい味わいです。
表現力不足で言い方に窮するのですが、いかにも二日酔いの時に頂きたくなるお味と申し上げれば少しは分っていただけるでしょうか(笑)。
キジのペーストにはユリ根とナッツをあしらって。
上品なキジの風味にユリ根の食感とナッツの香ばしい甘味が加わり、少量でも満足できる味わいに。
新鮮なイカのソテーは灰のソースの焦がし風味が加わり、フレッシュさと香ばしさが共存する一皿に仕上がっています。
雪のような白いカリフラワーとイタヤ貝のコルネは想像もつかない組み合わせと調理法。
薄くスライスされたシャキシャキの生カリフラワーとニョッキのような食感のコルネが違和感なくマッチ。
添えられた小さな肝の濃厚な味わいも存在感は充分で、しっかりアクセントになっています。
メインの牛ランプ肉とビーツのカネロニ+赤タマネギ、ヤシの子は統一的な色彩な美しさもさることながら、ミディアムレアに焼かれた柔らかいお肉と少し甘いカネロニを一緒に頂く妙が素晴らしいと思いました。
デザートは、チョコレートアイスに野菜をあしらい、イカスミのフレークを振り掛け、サラダ仕立てに。
生の葉野菜が入ったデザートは初めて頂きましたが、チョコレート、イカスミとの相性の良さがこれまた意外な、濃く深い味わいでした。
コースのなかに、ドイツパンのベッカライ・ビオブロートとフランスパンのサ・マーシュという有名店のものを取り入れているところも面白いです。
決して手を抜いている訳ではなく、自分の料理の良き理解者である、信頼する職人に、最高の技術を用いて、自分の料理にベストマッチするパンを特注されているのだとお察しします。
総じて、前のお店とは全く異なるスタイルになりましたが、意外性あるお料理は不変です。
いや、確実に驚きの度合いは増していると思われます。
そして、シェフが独り、ご自身の独特のセンスだけに頼って創り出されたお料理は新しい領域に進まれたと思います。
間違いなく賛否はあるでしょうが、シェフの感性を真っ向から受け留められるお皿を食すことができるようになり、非常に嬉しいです。
今流行のモダンスパニッシュのアプローチに近いものを感じますが、そういったお店のお料理ほどは精緻で画一化されたものに仕上がっておらず、意図的にあそび・余裕を持たせているところにもまた、シェフの個性が感じられます。
今後もマダムとお二人で、唯一無二の空間に磨きをかけて頂きたいと思います。
今夜はどんなものが出るのだろう…そうワクワクしながら、何度でも通いたくなるお店のひとつです。