garden6さんが投稿したダム・ジャンヌ(東京/神泉)の口コミ詳細

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ダム・ジャンヌ神泉、渋谷、駒場東大前/ビストロ

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2015/05 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

安息の空間で過ごした美しき神泉の夜

再訪した折、レビューの足取りを辿って写真を撮影してみました。

偶然にもレビューの時と同じような天候となりました。

少しでもレビューの雰囲気が伝わればと思います。

*****************

数年に一度、素晴らしいお店と出会い、そのお店のお料理や演出に心から酔ってしまい、魔法にかけられたような気分になることがありますが、今回、こちらのお店でそのような体験をしましたので、以下に記させていただきたいと思います。

※当日の出来事を回想しながら、これまでとは趣向の異なる文体でレビューにトライしてみたいと思います。

******************

新緑香る5月某日。

午後9時半を過ぎていた。

昼間から降り続いた強い雨がようやく上がり、雲が消えた東京の空は異様に明るかった。

渋谷駅から鶯谷・南平台方面に向かい、雨の匂いが残る住宅街を歩むなか、闇夜に浮かび上がるセルリアンタワーのシルエットが不気味に感じた。

しばらくして大使館やファッションビルが林立する旧山手通に出た。

さらに進むこと数分、首都高の下を抜け、いよいよお目当ての神泉エリアへ。

京王線の神泉駅に繋がる路地裏道、ここは私たちをそれまでの闇夜の閑静な街並みから、バルや居酒屋が立ち並び、深夜まで賑わう別世界に誘う秘密のルートだ。

久方ぶりに訪れた別世界は新しい店舗が増え、以前にも増して活気があった。

雨上がりの夜に輝くちょうちん、ネオンの赤色・黄色が妙に楽しげに、また、妖艶に映った。

別世界を抜けると、コンビニエンスストアと神泉駅の踏み切りの間に挟まれるようにして、そのお店はあった。

アンティークのランプだけに照らされた、ややもすると見過ごしてしまいそうな控え目なエントランス、扉の奥は全く窺い知ることができない。

ゆっくりと扉を開くと、そこにはまた別世界が開けたのだった。

眼前に広がったのは、厨房の灯りと小さなランプを除けばあとは真っ暗闇と言っても差し支えないほど暗い空間だった。

足元も覚束ないほどの暗さだが、マダムに案内されるがままテーブルにつく。

テーブルから暗闇を見渡すと、小さな窓が採ってくる雨上がりの空の夜光が真っ青な色を呈していて、とても綺麗だった。

程なくしてマダムにより、テーブルの上の大きな2本の蝋燭に火が灯された。

白金色に黄色を少し加えたような鮮やかな火の色に、蝋燭の灯りとはこんなに柔らかく美しいものなのか、と思わず見入ってしまう。

同時に、アンティークの食器や家具、エイジング加工を施された白壁が浮かび上がり、お店の全容が照らし出された。

入店時は気が付かなかったのだが、フランスの歌謡曲が流れているようだ。

入店からほんの数分で、どこか温かく懐かしさを憶える雰囲気が出来あがっており、ここが安息の空間であることを確信した。

「今夜は赤ワインを頂きながら食事を楽しみたい」…私たちの意見は一致した。

重めのものをセレクトした後、マダムにおすすめをうかがいつつ、自分達が食べたいものをオーダーする。

・田舎のパテ
保存が効くよう上にラードを被せ、空気に触れない状態にしている。きめが細かく、濃密。胡椒がしっかり効いていてスパイシーな味わい。

・自家製天然酵母パン
ふっくらとした心地良い食感。料理を邪魔せず、最高の脇役といった感じ。

・タンポポのサラダ
タンポポの茎の程よい苦味とシャキシャキした食感が主役だが、上にのせられたポーチドエッグ、下に敷かれたベーコンとの相性も抜群。

・フレッシュガチョウのフォアグラサラダ
濃厚な味付けのフォアグラにバルサミコの酸味が効いたサラダがベストマッチ。素朴だが、実によく計算されていて間違いない一皿。

・牛テールの赤ワイン煮込み マッシュポテト添え
おそらく赤ワインだけで煮込まれたのではないだろうか、濃縮された酸味は素晴らしい味わい。香味野菜の風味も効いている。別皿に盛られた付け合せのマッシュポテトは滑らかでクリーミー、対照的な二つの味を合わせながら、どんどん食が進む。

・チーズ盛り合わせ
アオカビとカマンベールを薄くカリカリのバゲットと一緒に。程よい小休止といきたいところだが、ついついワインが進んでしまう。

・ガトーバスク
フランス領バスクラブール地方発祥の伝統的な焼き菓子。たっぷりとカスタードを含んでいて、とても甘い。それゆえに赤ワインとの相性は抜群。

・チョコレートのムース
濃厚な味わいと滑らかな食感で、こちらも赤ワインがよく進む。チーズを頂いた際に残ったバゲットと合わせても相性が良かった。

・イチゴのパルフェ
このデザートのラインナップの中では唯一ソフトドリンクとの相性も良いはず。とはいえ、私はワインで頂いてしまったが…。

・ホットコーヒー
幸せな余韻と名残惜しさが交錯する中、〆の一杯として。美味しく頂いた。

食後はしばし時間を忘れ、楽しいマダムとの談笑に終始した。

午後10時の入店から約3時間、こんなに充実したディナータイムは久しぶりだった。

会計を終え、シェフ、マダムに見送られながら扉を開けると、また雨が降っていた。

終電の時刻も過ぎ、普段なら一気に現実世界に引き戻される瞬間であるが、不思議と魔法は解けなかった。

雨降る中、持続する余韻をしっかりと噛み締めながら、私たちは満たされた気持ちで再び同じ経路で帰路についたのだった。

2015/08/22 更新

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