レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2009/08訪問 2008/08/31
以前に何度か訪れたことがあったが、故あって一人で再訪。
店内の内装は明るく、色々な絵が飾ってあったりして、何だかお金持ちの友人の家のダイニングに招待されたような気分になる。シェフとソムリエの方の雰囲気が似ていて何だか兄弟みたい。大満足の料理の詳細は以下の通り。
アミューズ:豚のリエットとリンゴのピュレをカリカリのパンと。豚のリエットの強い塩気をリンゴのピュレのやさしい甘みと酸味でふっと抜いてあげるという味わいのバランス。カリカリのパンの食感とあわせて幸せなスタート(注1)。
秋刀魚とジャガイモのサラダ:秋刀魚とジャガイモ??と思ったが、よく考えると、フランスでは青魚とじゃがいもなんて良く見る取り合わせのため、注文してみた。細かくつぶしたジャガイモの上にルッコラが敷かれ、その上に銀色の光沢を帯びた秋刀魚が敷き詰められた上、緑の枝豆が散らしてあって色合い的に美しい。秋刀魚の脂分と全体的に効いている酸のバランスが素晴らしい上、枝豆の青い香りとサクッとした食感が良いアクセントとなり、かなりの出来栄え。爽やかな出来上がりが夏にはぴったりの一品(注2)。
フォアグラと黒イチジクのポアレ:こいつぁーすごい。火入れの魔術がここに。塩をしっかり効かせたフォアグラは表面がカリッとして、黒いちじくの濃縮したあまーい味わいとの取り合わせが最高。ビネグレットをつめたソースの酸味のバランスもすごい。3みなほんの価値ありあり(注3)。
仔鳩のロースト:火入れの魔術師の技はここでも炸裂。胸肉部分の仕上がりにこちらの鳩料理の真骨頂がある。真っ赤な仕上がりで、一見火が通っていない。。。と唖然としてしまいそうな見た目だが、噛締めると火はちゃんと入っていて、えもいわれぬしっとりとした食感に酔いしれることになる。こちらの鳩を食べると、他で鳩を食べるのはかなり難しくなる。他ではほとんどの場合、火を入れすぎているのだ。低温で、ゆっくりと火を入れた鳩の凄みを堪能した。横には春巻き?が添えられていて、はとの内臓部位等を細かく切ったものが詰められていて面白い(注4)。
ココナッツのブランマンジェ、マンゴーソース:ブランマンジェはやや甘み抑え目。マンゴーソースの酸味が強く鮮烈(注5)。
総評として、この店の料理は相当レベルが高い。フォアグラ、鳩の火入れについては本当に感心するばかり。それ以外にも味わいのバランスのとり方が凄い。食材そのもののレベルよりも味わいをどんどん引き上げていくのがこちらのフレンチの真骨頂かもしれない。ワインをグラスの白赤程度の抑えたのもあり、値段も一人10みなほん程度。二人以上でくるときはコース、若しくは単品を2つに割ってくれる(大食漢でなければそのくらいの分量で丁度良いくらい)ので、もっとリーズナブルに食べられるかもしれない。味わいは、★4.5、コスパも考え合わせる最上級の評価をせざるを得ないお店だろう。
*********
注1:こちらの一品、かなり美味しいのだが、より衝撃度を上げるのであれば、リンゴのピュレの甘みまたは酸味を強くした方が良いだろう。それが狙いなのであれば問題ないのだが、今のままだと、リンゴのピュレが本文で書いたとおり、リエットの塩分により高められた味わいの緊張感を抜くという機能を果たしているに過ぎない。もっとぶつかるような強い甘みまたは酸があってもよいと思うが、まあアミューズだし、いいか。。
注2:秋刀魚の脂の乗り具合はまずまず。以前寿司屋めぐりをする前は感じたことがなかったが、高級寿司屋の秋刀魚と比べるとやや見劣りする。。。等とも思ったが、よく考えると土俵が違うものを比較するのは良くないと思うにいたる。こちらの一品は2みなほん程度で、2人でシェアすれば1品1みなほんになると言う代物。それを1カン1みなほんの銀座寿司と比べること自体ナンセンスだろう。
秋刀魚のマリネからは酸味よりも塩分を強めに感じる。酸味はむしろジャガイモの方でガツンと効かせてある(ジャガイモの中には細かく刻んだコルニション様のものが入っていて、こちらが酸を後押し)。この役割分担がすばらしい。枝豆の機能も本文に上げたとおりすばらしいが、ルッコラの味わいや香りが弱く、全体にかるーい苦味を与える程度にしか機能していない。本来であれば香りがもっと効いてくるはず。もう少しルッコラの質が上がれば言うことなしだが、やはり、コース6.8みなほん程度と出身のコートドールの半分以下の値段設定にしていることを考えるとやむをえないか。。
全体としてやや軽い味わいで、枝豆の香りも含めてやや日本的なニュアンスになってしまっているため、王道フレンチの一品ではない。
注3:フォアグラのカリッという食感は、更に細かく見ると、非常に細かい凹凸のカリカリ感であることがわかる。おそらく小麦粉をまぶしたフォアグラをバターで揚げるような状態にしてあるのだろう。このミクロのパン粉の衣のような食感が幸せ感を強める。フォアグラの塩分とソースの詰めた酸と濃縮した黒イチジクの甘みのバランスは凄すぎる。こういう料理を食べると、シェフはかなりの才能の持ち主であると認めざるを得ない。「フォアグラ」であるという以上に何の意味もない不味いフォアグラを供してしまっている世のフレンチシェフに食べさせてあげたいくらいだ。おそらく、フォアグラ自体はもっと高いものを使えばもっと美味しく仕上げることはできるだろうが、3みなほんと言う値段からするとここらが限界か。
注4:鳩については、以前、この赤みが視覚的にうけつけないと言っている友人もいた。食べると大丈夫なんだけどね、とは言っていたが。やはり、人間の先入観を取っ払うのは難しい。真っ赤なのに、低い温度で火が入っているというその矛盾を楽しむくらいの冒険心が必要かもしれない。以前は、内臓をそのままローストした状態で出していて、色々な食感を切り分けながら楽しめた。春巻きの具になっちゃうよりもそっちの方がいいんだけどな。。
注5:こちらの弱点はデザート。ブランマンジェは悪くないが、あまさ控えめのところに強い酸のソースをぶつけると酸味ばかりが勝ってしまう。デザートは以前食べたかぼちゃのクレームブリュレ(今はくるみのようだが。。)にしてもヌガーグラッセにしても地味。料理は上手だが、デザートが苦手というシェフも多い。フランス流の甘みがっつりのデザートが一品くらい置いてあったらいいのに。
まとめ:注では色々書いているが、大満足であるのには変わりがない。全体として以前よりも料理に日本的なニュアンスが香り始めているような気もするが、どうだろうか。。。
3位
1回
2008/06訪問 2008/10/31
江戸川橋の裏通りの一軒家レストラン。入り口を探すのにやや苦戦してしまうような奥まった場所にエントランスがある。土間から赤い絨毯がしいてある部屋に土足で上がるスタイル(こういうスタイル戸惑ってしまう)。内装は、床の絨毯及びオレンジのタイル部分以外は床の間があったりする落ち着いた和テイスト。一階には16席。二階には個室がある模様。
サービス陣は坂田さんはさすがのオーラと包み込むような温かさ。若い男性はやや固め、坂田さんのスムーズさを目指してほしいかな。
コースは6000円台のシチリア料理コース、8500円のプリフィックス及び12000円のお任せコースの3種。シチリア料理コースのほうは、ライスコロッケ等かなり典型的なシチリアのお皿が並んでいたが、シェフの修行先を聞いて、シチリアの名前があがっていなかったので、なんとなくパスし、プリフィックスコースを選ぶことにした。料理は、全体的に、かなり食感、香り等細部にいたるまで意識が行き渡っている感じ。ここまでの実力のある料理人の方だと、やはりお任せが気になる。坂田さんが惚れ込んだのも無理はない。
以前のレビューには、ワインリストはないとあったが、今では完備されていたし、とにかく変化し続けているお店。定期的な来訪は必須だろう(予約が取れれば。。。)。
料理の各論は以下の通り。
小さな一口パンの突き出し
一口サイズのパンに酢漬けのキャベツと自家製ハムを細かく裁断したもの。一口で食べて、キャベツの食感が面白いかも、このうまみは何だろう、とか言っているうちに飲み込んでしまって、なくなってしまった。まさに一瞬の小さな喜び。
キスのフリットの突き出し
二皿目の突き出し。こういうおまけ的なサービスにどうしても喜んでしまう。ソラマメとキスのフリット。やや茶色く揚げ色がついたソラマメのフリットから食べるようにとのお勧めがある。ソラマメはうまみがしっかり凝縮していて、また少しうれしさを感じる。そして、薄い小麦粉のみの衣できれいにふっくら揚げられたキスもおいしいが、しっかりとワインビネガーを効かせたたまねぎのソースにびっくり。ワインビネガーの強烈な酸味が、キスのふんわりした印象を一陣の風により運び去ってしまうような印象。これから暑くなる季節にぴったりのフリット。
メジマグロと根菜のサラダ(冷前菜)
ここからが正式スタート。大きくカットされたマグロは、赤身だがしっかりうまみが感じられ、柔らかだけれども弾力のあるリッチな歯ごたえ。そこに人参、チコリ等様々な野菜が添えられている。根菜はそれぞれ異なる厚さ、サイズに切られていて、様々なシャキシャキ感がマグロの歯ごたえと好対照となっている。下に敷いてある透明に光っているツマのような細切りの野菜も美しく、おいしい。大根?にしては香りがあるな、と思っていると、セロリの千切りとのこと。かなり水に晒しているようで、たっぷりと水を吸って、セロリの香りより、食感重視。この重層的な歯ごたえに、からすみと揚げたパン粉がかかって、がりがりとした塩分を感じる新たな食感が加わり、ノックアウト寸前。ソースにはイタリアの魚醤のガルムが使われており、からすみのうまみを倍増。本当に計算が行き届いた楽しい一品。
トリッパの煮込みのグラタン風、ミントの香り(温前菜)(料理名はちょっと違うかもしれないが、そういう印象)
今日のボニッシモはこちら。しっかりとやわらかーく煮込んだトリッパになんとモッツアレラブッファラがかかっている。トマト系のうまみたっぷりで、やわらかくなりきったトリッパにむしろ食感をプラスしているモッツアレッラの弾力。そこにさわやかさ、というより突然の陰性の香りという強いアクセントを与えるミント。食感と香りの驚きのダブルパンチで完全にノックアウト。ちょっと泣きそうになってしまった。
岩がきのショートパスタ(パスタの名前を忘れてしまった!調べてもあまり出てこない。。手打ちパスタ、長さ4センチ、直径7,8ミリくらいで、イメージとしては手のひらでころころ転がして作る感じ。両はじは細くなっている)← 追記:「トロフィエ」でした。。
緩めのバジルのソース(どことなくスープのような)、松の実、と岩がき(そんなにごろごろ大きな塊が入っているわけではない)がモチモチしたパスタとあわされている。そこにまた驚きのレタス。レタスのシャキシャキ感が加わり、やはりすごいな、と関心。
馬肉のローストバローロソース
本日、残念ながら最後に少しトーンダウン。真っ当な馬肉で、火加減も特段問題ないが、驚きの連続で来たこれまでと比べると流れとしてはやや負けてしまう印象。バローロソースもしっかり酸は効いているが、だから何なのか、と思ってしまう。驚きが感じられなかった料理(驚きを求めすぎ、と言う話もあるが。。-良く不感症と言われてます。。。)
ドルチェ:ヨーグルトのソルベとパッションフルーツのジュレ
ソルベとソースの相性がよくおいしい。ジュレにパッションフルーツの種と同じ形をしているビターチョコが入っていて、笑ってしまった。最後にまた少しやられた。
カフェ
エスプレッソはクレマもあり、コクも出ていて比較的しっかりしていたが、まだ改良の余地あり。
4位
1回
2008/06訪問 2009/02/14
追記
ワインバー→ワインバーコース。これも酷いパターンだな。目と鼻の先のオーンズ・プラからタクシーで移動したら1分もかからなかった。。
タマネギのタルトはかなりエアリーふわふわ。本当は、びしっとした一品がほしかったんだけど。
ワインは、ブルゴーニュかな。。と思っていたところ、リスト上に、Simon Bize & Fils / Savigny-les-Beaune 1er Les Serpentieres 01をなんと11みなほんで発見!安くないですか~?
あけたところ、熟成は若干程度で、抜栓直後からかなりゴージャスに花が開きまくった香り。やっぱりブルゴーニュはいいなあ。。
追記
最悪最凶の銀座寿司→ワインバーはしごパターン。シャンパーニュ×1.5(0.5はわがまま)、白(コントラフォン、サンセール-久しぶりに飲んだ。こんな無骨な味わいだっけ)×1、ブルゴーニュ・ニュイサンジョルジュ(香りはするが、味わいがやや閉じ気味、塩分に近いようなミネラル感あり)×1、クローズエルミタージュ(薬草臭さが好ましい方向に出ている珍しい体験)×0.5。これで、5みなほん。ここはやっぱりすごいなー。
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追記
その後の訪問で、シャンパーニュ、ブルゴーニュルージュ、フォジェール等のグラスを楽しむ。
料理に関しては、トマトサラダ、生ハム等何品を食べて満足。ただ、パスタに関しては、トマトソースのつめが非常に甘く、他の物のレベルには至っていなかった。ここはやはりフレンチ系の食べ物が良いのでしょう。
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中華料理を堪能した後の2次会で来訪。
一部の先輩レビュアーたちの評価が非常に高いため気になっていたお店。やはり先人たちの評価は誤っていなかった。ワインはシャンパンのグラスとメルキュレのプルミエクリュをボトルで注文。ワインの品質が良いし、しかも安い。メルキュレも酸味が立ちつつもここまでエレガントに仕上がるものだと初めて感じる。このようにワインが良い上に、料理も相当しっかり作られている。ワインのコスパが良く、料理が廉価においしいなんて、こんなお店は奇跡ですね!でも、人気は出て欲しくないなあ。。。
野菜のテリーヌ:ドゥミなのに充分な分量。野菜の歯ごたえがそれぞれしっかりあり、味付けも通常のありがちな野菜のテリーヌよりだいぶ重厚。さわやか、軽やか、でありながら薄っぺらさを感じないトマトのソースと共に。
野菜のエチュベ:若干酸味より甘みが勝っている印象。おそらくワインとの相性はそちらの方がよいからではないか。一瞬だけコートドールで食べた野菜のエチュベがよぎるが、こちらの方が良い意味で緊張感がなく気楽にいただけるスタイル。
焼きパテ:パテに火を入れることで、滑らかな食感を味わいつつ、内臓系の部位の歯ごたえを感じて楽しい。しっかりと脂のうまみを感じながらそれをバルサミコソースで上手にバランスを整えている。
5位
2回
2022/10訪問 2022/10/12
相変わらず全く増えないどころかどんどん減って行くメニュー。。でも、残っているのは完璧すぎて天国に飛べるくらい美味しいものばかり。シンプルな中の異様に奥深い世界を感じられる幸せ。旧ロットと新ロットのビゴール豚の生ハムの違いを堪能できた。濃縮した生ハムの旨味と香り。白身魚の赤ピーマン詰めの食感たるや。しっとりでも柔らかすぎずギリギリのテクスチャーを保ったツルツルの赤ピーマンの完璧さ。相変わらず希少な宝石のようなラタトゥイユ。こんなに背筋が伸びるスープがあるだろうかというスープドガルビュー。突き詰めすぎた世界の凄み。まあ色々あってできない品も多く、ラインアップが夕食を楽しむビストロとしてほとんど成立しなくなりかけててもこの店の凄さは否定することはできないわけだ。ちなみにブスカセ06が1万円って値段どうなってるのという話。
追記
大事なお客様と訪問。王様の宝石ラタトゥイユ、キャベクーのサラダ、肉のパテ。塩も火入れも何もかも決まりきった料理の数々。本日もこれ以上、上の世界なんてありっこない家庭料理の数々。。お客様も満足そうで良かったよかった。マディランは激シブだったけどね~。
追記
両親を連れて来訪。ラタトゥイユ、ビゴール豚の生ハム、ピキオ、ホワイトアスパラ(生ハムの骨から取ったスープと共に。このホワイトアスパラ、太すぎ。超ナッティー。個人的にはまだ上げることが出来る料理のような気がする)、スープドガルビューをいただく。
最後には、アルマニャックも50年代の物をいただき、フランス在住経験者の父も大満足。次はあの20年代のやつを。。。。
追記
ラタトゥイユ(相変わらず、宝石のような美しさ。若干普段よりさっぱりか)、セップダケの煮込み(異様なきのこのたっぷり感。若干塩は弱い気もするが、とにかくセップの魅力丸出し。水と生ハムのみで味付けしているとは思えないくらい深みがある)。
今さら言うまでもないが、これ以上の家庭料理には出会うことができないだろう。あまりの正しさに脱帽するばかり。同じ料理を作らせて、ここまで味わいのピントを合わせることができる料理職人は日本にはいないのでは?家庭料理というジャンルの中での最高峰という意味合いで★5.0.
コートドサンモン06(色合いはかなり薄め、グレープフルーツ、ライチの香り、味わいも若干水っぽいが、いかにも現地でがぶがぶやったら美味しそうな味わい)
オートセール05(色合いかなり濃い目、スミレ、茶系の東洋スパイス、プルーンの香り)
追記
ラタトゥイユ、肉のパテ、キャベクーとサラダ、ピキオの白身魚詰め、鴨の心臓を注文。相変わらず、どれもピントがあっていて素晴らしい。強いて感想を書くとすれば、やや鴨の心臓が小ぶりで、少しだけいつものジューシーな印象が弱かったこと(やや内臓くささがあり、瑞々しさに欠ける。こちらの方が癖があって好きと言う人もいる気はするが)、後、白ワイン→赤ワインと飲んでいる以上、順番として、肉のパテ→キャベクーサラダはおかしいと思ったことくらいかな。この順番だったせいで、白ワインは追加の必要ありでした(特にここのハウスワインとキャベクーの相性が抜群なので、追加せざるをえない!)。白、赤ワイン(馬鹿の一つ覚えでいつもオートセールを頼んでしまう。。04は、樽香の豊かさに比して、やや酸が前面に出ているので好き嫌いはあるかもしれないが、5000円であれば誰も文句は言えないだろう。)を二人でたらふく飲んで、一人8.8みなほん。安いな~。料理の完成度をこれだけ保ちながら、このコスパはやはり尋常ではない。感覚としては、一人15みなほんでも特段文句はないところ。
*********
夜の来訪。回数は数え切れず。この店程真っ当なビストロ料理を出すところはなかなかないだろう。出す料理は確かに、フランス南西部のランド地方の料理であり、またワインも南西部の物が多数あるなどややマニアック路線であるが、とにかく料理とワインがうまい!
異常なまでに丁寧に仕事がされている。その職人気質が原因でメニューが増えることはほとんどない。きっと相当程度高い完成度のものが出来ない限り人には出せないのだろう。実際10回以上来訪しているが、味にブレを感じたことは一度もない。
オリーブ、生ハム、フォアグラのパテ、グリーンサラダ、ラタトゥイユ、肉のパテ、いものグラタン、鴨の心臓、スープドガルビューが少しずつ出てくるコース。5000円程度で作ってもらった。
フォアグラのパテもかなり塩をしっかり効かせていて存在感満点。
グリーンサラダもしっかりと水がきってあり美味しい。
この店で一番感心するのはラタトゥイユ。ここまで凝縮感のあるラタトゥイユはなかなかない。野菜の周りに水分が一切出ておらず、うまみがぎゅっと詰まっている。へんに温泉卵をのっけたりとかそんな小細工は不要の王様のラタトゥイユ。
生ハムの骨から取ったスープドガルビューも滋味深い味わい。
ワインも、ジュランソンセックやらカオールやらマイナーの地域の廉価で美味しいワインが多数。
最後は、1988年産と1968年産のアルマニャックで〆た。
全ての料理が、シンプルながらも計算しつくされた味わい。まさに職人の世界。
後は1年にひとつくらい新メニューができるとうれしいかな。。
6位
1回
2009/11訪問 2010/05/11
追記:
新人アルバイト、マーサちゃん。かな~り、師匠好みではないかと。
本日は、鰈、鯛、トロがよかった~。茹で上げの蝦蛄もたまらん。良い香りの魚達。これが4Kはありえない。
ちなみに、シャリは結構よかった。
追記:
いつもの、4Kランチ。大先輩から相談事があるということで、利用。
本日は、キス昆布〆と中トロとイカが良かったかな~。
ただ、ここ2回、シャリの調子がイマイチ。若干柔らかくかつ(にもかかわらず)ひび割れを感じる。
なんでかな~。
追記:
くえも海老も出てきたな~。
マグロや大トロはこっちの方が青空より好きだな~。魚体が大きい方が、味が派手というか。
幸せの激安寿司ランチ。
追記:
お一人様。
ヒラメ(凄い歯ごたえ)、ブリ、赤身、しゃこ、キスこぶ締め、大トロ(331キロ。まだまだ美味しくなりそう)、シンイカ、いくら、うに、玉子、穴子,穴子、鉄砲
これと同レベルの寿司(というより、ネタのレベルかな。シャリは好みの問題だし、仕事はあんまりしてないしね)を4000円で出すところがあったらほんと、教えてほしい。かねさかの5000円は、ネタはよいけど、盛り上がりにかけるんだよね。主役がいない感じで、10000円にしないと楽しめないというか。
追記:
今日は、4みなほんのセット。改めてこの店の凄さに関心。本日は状態の良い大間(198キロ)のトロ×2、ヒラメ、鰈(白身は両者とも歯ごたえしっかり。鰈の方が味わい深いか)、ブリ、秋刀魚(ぷりぷりで瑞々しい)、昆布〆キス、海老、イクラ、ウニ、アナゴ(塩+ツメ)、玉、鉄火巻きという内容。
ネタは、高級店の中でも比較的良い方に入る部類であり、多くのネタでじんわりとその美味しさを感じる。本日は特にシャリの状態がよく、塩もつよく、かなりぷっくりとして、良い歯ごたえ。
色々考えて、味わいも★4.5に再び上方修正。しかも、1カンに換算して、0.285みなほん程度。ありえないな、やっぱりこちらは。このありえないコスパに着目して、★も5にしちゃいます!名前も変更。
今お気に入りの青空と比べると、こちらが毎日のデート、あちらがたまの豪華なデートと言った感じ。あ~人生幸せ。
追記:
最近はいつも4みなほんのセット。
眞子鰈、平目昆布〆、中トロ(258キロのものとのこと)、大トロ、平目エンガワ、ブリ、トリガイ、ウニ、サバ、玉、穴子×2、茹で上げ蝦蛄、鉄火巻き。
サバが追加で4.3みなほん。今日お弟子さんお疲れの様子で、茶碗蒸しは不在。
追記:
眞子鰈、平目エンガワ、イカ、キス、トロ、トロ、クエ、秋刀魚、茹で上げ蝦蛄、ウニ、穴子×2、玉、鉄火巻き、干瓢巻き。4みなほん。やっぱ何回来てもお安くておいしいなー。昨日のダム・ジャンヌといい、一昨日の一龍本館といい、美味しいものが続くと幸せだなー。
卍師匠とガッチンコ。2人貸切状態。今日はシャリの調子いつもよりやや良好。しっかり硬く、つやつや。イカ、キス、クエ、蝦蛄がよし。
追記:
ひらめ(歯ごたえ強烈)、きす、えんがわ(さくさくでおいしーい)、トロ(ねっとり熟成しきってて)、いくら、かまとろ、さんま、たまご、あなご大(切らずにそのままツメで食べてみた。ツメが足りないくらい身があつい)、しゃこ、うに、鉄火巻き 4.0みなほん。
本日も幸せお会計、満足満足。
追記:
ひらめ、まぐろ、えんがわ(ぷつぷつよい歯ごたえ)、あじ、中トロ(ねっとりうまい)、さば(脂しっかりで〆具合が浅めに感じられる)、中トロ、ウニ(甘味さわやか)、えび(あっさりめ)、たまご(いつもよりややしっとり)、あなご(塩+ツメ)。シャリの状態が非常によい。つるつるぷりぷり。
本日は夜が重いので、巻物抜き。焼け石に水?
藤居さんが作っているからすみを見せてもらった。すっごく太っておいしそう。。。本日も4みなほん。
4みなほん。
追記:
本日はランチを多少食べていたので、お好みで少々。
鰈、キス(ややあっさり目、〆弱い)、ミル貝(歯ごたえよし、ちょっと海の香りが強すぎかな)、鮭児(初鮭児。なるほどね~。繊細な脂と複雑な香りが入り混じった1カン。大好きな人がいるのもわかる一品ですね)、中トロ、カツオ。本日もシャリの状態が良い。塩分強めだね、やはり。
以上で本日は、3みなほん。昨日の京都のサバ寿司持ってたらあまり美味しくなかった。。シャリがねえ。。藤居さんごめん。
追記:
また、長期間来られなくなりそうだからしばしのお別れ寿々ランチ。
眞子鰈、ブリ(たっぷりあぶらが乗ってる)、トロ×2、カツオ(透明感ありつつ旨みもたっぷり)、スミイカ(さすがにやっぱり昨日の板前寿司とは違う。。当たり前か)、いくら(酒のニュアンス強め)、ウニ(しっかりした塩を感じるシャリと非常に良く合う)、車えび(そこそこ大きめ。でも何となく、海老は、塩分が前に出るこちらのシャリより青空のような強い酸を感じるシャリがいいかな)、穴子×2(塩と柚子皮+ツメ)、玉、鉄火巻き
しめて4みなほん。本日も大まんぞくん。
追記:
帰国して早々の寿々ランチ
眞子鰈、ヒラメ昆布〆、蝦蛄、鮭児、赤身、トロ、イクラ、ウニ、アナゴ×2、タマゴ、鉄火巻き
今日は疲れているせいか、濃厚なイクラ、ウニあたりが美味しく感じた。また、ややシャリが冷たいし、握りがいつもより重く感じる。でも、まずまず満足。
追記:
今日は同僚とのランチ。
鰈(眞子)、トロ、アジ(シャキシャキするくらい歯ごたえヨシ)、サバ、ブリ(薄切りだが脂しっかり)、鰹、大トロ(濃厚+繊細)、キス(身がリッチでやや〆薄め)、ウニ、穴子×2、玉、鉄火巻き、干瓢巻き、最後におまけイクラ
これだけ食べても4みなほん。本当に幸せなランチ寿司。絶対日本一のランチ寿司だと思う。ここよりコスパの良いランチ寿司があったら教えて欲しい。絶対行くので。
追記:
ヒラメ、トロ、イカ、トロ、アジ、アワビ、いくら(あっさりジューシー)ウニ(瑞々しい)、ブリ、玉、アナゴ×2、鉄火、追加、キス、コハダ。
4.5みなほん!あわびは青空とかと比べるとちょっと弱いかなあ。
追記:
本日は、出張帰り、そして明日のビッグプロジェクト用の下準備。夜の寿々に訪問。
ワカメ、白子ポン酢かなり辛めで。★3.5~4.0
からすみ:美しいオレンジ。しっとりふっくら身の厚さ三センチくらいある。こいつはかなり凄い。★4.5
夜でも握り。ヒラメ、真だい、トロ、ヤリイカ(切れ目が沢山入り、ぶつぶつ噛みこんでいく食感がよし!)、にしん(あじでもさんまでもなくその中間のような感じ)、ぶり、さより、とろ、アジ、さば、ウニ、イカ、こはだ、たらこぶ締め、たまご、えび、あなご、あなご、赤貝、鉄砲
昼の遅い時間よりもシャリの温度が高くいつもより美味しく感じる。ネタもいつも食べないものが多い。昼と夜もちゃんと区別してるのね。さすが。
菊姫:ひね香は強いが、甘みもからみもばっちり、樽由来?の渋みもあり。アルコールの強さも感じるのに、何故か非常にほっとする。1みなほん。
白菊:菊姫に比べるとだいぶマイルド。一寸弱い印象1.3みなほん。
以上に、ビール一杯で。おいくらでしょう?
何と、13.2みなほん。今回は新しいお店のつもりで行ったのだが、やはり凄い。味わいは★4.5.こりゃ、コスパを考えると夜も★5.0だな(だいぶサービスされてると思われるが。。。)。
**********
最初の来訪の記
お昼3000円のコース
茶碗蒸しも薄い味付けながら出しの香りはしっかりと感じられる。
ネタもかなり新鮮で、また、アナゴのツメを含めて全体的に香りを豊にする工夫が随所に施されている。
シャリは特に際立たせている要素はないが、ネタとのバランスが非常によいし、ここまでネタとシャリが溶け合う印象の寿司を食べたのは初めて。
3000円でこれはすごい。今度は近いうちに夜も行って見ようと思う。
昼は2000円、3000円、4000円のコースがある。(というか、言えばそれでやってくれる。本当は3500円、5000円、7500円らしい???)
7位
1回
2009/11訪問 2013/02/25
最高峰のモダンイタリアン My one and only salon
追記:
2010年10月は夢のようだったな。。特に、花開いたイタリア有資格ソムリエ、ムラッキーのマリアージュ。 ラヴィオリ コン ポルチーニのズッパに、マルバジーアディボーザ、平目のインサオールにニコリーニ・ムスカ。
やはり、こちらは、コース料理とグラスワインのマリアージュがやばい。
こういう世界を味わってしまうと、お決まりの少量多皿構成でやりつつ、グラスワインの選択はお客に任せるなんざ~、怠慢としか思えないですな。
追記:
8月はメインがハイライトだったな~。
馬肉ハラミ、赤々としているのに、火はしっかり通っていて。馬肉の旨味、キャラメリゼナッツの甘みと食感、赤キャベツの酸。これぞ、バランス!!
追記:
今月のサローネ。甘み酸味苦味バッチリキメキメ系の皿と王道の旨さのバランスが良好な月。
仔牛フィレ肉のアッフミカート(あの小さなカンパリゼリーが味わいの要)、エイのラビオリ(パプリカのソースにケッパーとピクルスの酸が幸せ)、太刀魚のティンバッロ(レジョナーレの安心感)、お得意のラグーの幸せミルキーシャラティエッリ、 乳飲み仔羊とあわせる辺りが流石。
テアトリーノ離陸後すぐ安定期に入れるこのグループの層の厚さには脱帽。
追記:
今月は、強烈だった。。
なんというか、シンプルなのに、変化に富み、かつ料理の風格の大きさのある料理。カジキ鮪のインヴォルティーノの食感、パッサテッリの尖った香り、スカンピのリッチな香り、カラメッレの愛らしさ、グアンチャーレのバランス感。
イルテアトリーノができたのに、この質が保てる(むしろ、上がってる)サローネ、尊敬です。
追記:
2月メニューは、サローネの苦しみの月だったな。12月、1月と続いた絶好調な状態からするとまさに、谷。
それに反して、3月は超絶。ほぼ毎月食べてるけど、今までの2年半の中で、自分はベストだと思う。
ブディーノのマジック、超王道レッジョナーレのピサレイ、いつもながらのクレアティーヴォ・ボッリート、ロートロリピエーノの純粋な旨さ、ハーバルな軽さの牛のインヴォルティーノ。ドルチェも安心の安定感。
今月のメニューこそがこの店の真骨頂。毎月こういう内容なら身も心も全て捧げます。
Salone2007、この世に誕生してくれて、本当にありがとう。
追記:
1月メニュー。かなりシチリアに傾倒した感じのレッジョナーレ。
ナスのスフォルマートの異国感、シチリア風カチョエペペの戸惑いそして納得、ワンスプーンとVinoのマジックマリアージュ(これは相当凄い。内藤さんもびっくり)、カジキマグロのインヴォルティーノの安心感、そこから鮮烈なサルサのウサギとサルシッチャのカネロニ、イベリコの煮込みも最後まで落ちることなく。シチリア系なのに、控えめにドルチェにだけ顔を出したオレンジの要素もハッピー。
ヒット数多し。は~幸せ。
*******
追記:
よく行っているので、たまにはさっくりレビューをば。色々食べてほんと大満足だけど、今月のヒットは下記2品かな~。
ミルクのトレネッテ トロペア産赤玉葱とペペローニクルスキ:これ凄いな~。野菜系中心なのに、このやわらか~いミルキートレネッテと、ガッツリアンチョビに赤たまねぎ等のさわやかさ。異常なバランスのとり方。
ラヴィオローネ 北海道産仔鹿のラグー:しっかりソースにメンタの香りと柿のほのかな甘みと酸味。お~、幸せですわ~。
相変わらずグラスワイン飲みまくりで、超幸せ。。。特に、今月のSalone安定感は、オープン以来でも郡を抜いているかも。ほんと、毎月毎月違うメニューで勝負して良くぞここまでレベルを上げてくるものですわ。
このリラックス感の中で楽しめる最上の食事。
追記:
4月のディナー行って来ました。まあ、1日なので、やや試行的なお皿もあったかな。ある意味、素のサローネを覗き見ることができるのが月初め。一回初旬に来て、もう一回後半に来ると、荒々しく尖っていた(でも、グランデな)料理が別の料理みたいに、まあるく進化していたり(でも、時に大人しくなってしまっていたり)するのが面白い。
今月は、兎のサルシッチャのクレスペッレとゴルゴンゾーラチーズのジェラートがやばい!完全にイタリアの星付きレストランの世界に連れて行かれた。。。。
ワインもすき放題飲みすぎ。。。。
どっかで見たことがある、証書が飾られている。。これはもしかして。。。
追記:
今月も、Salone2007行って参りました。こちらに伺う時はもうあまり細かいことは考えず、なすがままに、ワインも藤巻さんが持ってくるとびっきりのビオワインを出されるがまま、浴びるように飲むだけ。そんな幸せな空間。一応、メニューだけは下記の通り。
何でも、最近は時に予約の電話が1日100件を越すことがあるそうで。。。店が好調なのは嬉しいけど、混みすぎるのはちょっと。。。
山形牛サーロインのスピエディーノ (相変わらずいきなり幸せ)
天然平目と有機人参のインサラータ (人参の酸とオレンジの甘味と平目の塩分の妙)
鮮魚のヴァポーレ (定番中の定番。こちらが3皿目に来ている時点で今月のコースは期待大。)
鶉のズッパコアーダ (鶉と苺!!)
スカンピのクッキアイオ (一瞬の出来事、味わいの昇華)
空豆とペコリーノシチリアーノのラヴィオリ 猪のスーゴ (空豆とレンズ豆の幸せをスーゴががっつり纏め上げる)
グラミーニャ 乳のみ仔山羊のラグー (山羊、乳の香り!)
イベリコ豚の頬肉のコトレッタ(ワイン煮のカツレツ!?)
ホワイトチョコレートのムース(ホワイトチョコとババが幸せ)
追記:
実はこちらには月に何度も行っていたのだが、何となく書いていなかった。今日はサクッと書いてみようかな。
牛肉とメークインのペーストの串:香りの良いA5牛肉と良いアクセントのジャガイモのペースト。いきなりありえない、アミューズ。この店がいかに挑戦的かわかる。★4.5
ペペロナータと的鯛のテリーナ:可愛らしいテリーヌに、ラズベリー等のグラニテ、最高級アンチョビ、ケッパーペースト。テリーヌに三方向から別々の確度でアクセントを与えるこちら。鮮烈。★5.0
鮮魚のヴァポーレ:塩も水も使わずに黒鯛、蛸、ハマグリ等を蒸した際に出た濃厚な魚介スープと、オレンジを圧搾して作るオリーブオイルの合性が抜群。この店のスペシャリテでどのコースにも必ず入る。★5.0
ラザニエッテ アーティチョークと赤エビのソース:茹で加減の丁度良いお布団のようなラザニエッテと濃厚な赤海老のソースの合性は当然良いし、隠れた歯ごたえと風味を与えているピスタチオがたまらない。★4.5
秋の茸のブルスケッタ:ジロール、柿のマリネ、そして2年熟成のラルドのブルスケッタ。ジロールとラルドの香りがよい。若干マリネ具合を強くしても良いかな。★4.0
トレネッテ エトフェ鳩のラグー:鳩の血っぽい香りと濃厚かつ優しいソースと太目の麺であるトレネッテの合性は抜群。パンにソースをつけても美味しい!★4.5
鴨と洋梨のクッキアイオ:鴨、洋梨、パルミジャーノとルッコラペーストのワンスプーン。一瞬で全てが混ざり合い、衝撃の味わいが駆け抜け、消えていく。★5.0
猪のサルシッチャをはさんだ庄内豚のコトレッタ:要は豚のカツレツにイノシシのソーセージをほぐした物を挟んでいる一品。レモンとオレンジの皮とローズマリーをふんだんに使った香り豊かな塩がカツレツに強い香りと味わいのアクセントを与える。あっさりとしたカツにあっさりとした塩のアクセント、でもインパクトはしっかり。メインまで勢いが衰えることはない。★5.0
栗のドルチェ:ソルベやらペーストやらビスケットやらとにかく栗シリーズ。秋の味わい。★4.0
チーズも3種類食べたけど、名前を完全に失念。独特の香りの蜂蜜との合性が抜群。
右に左に揺さぶられて、もうなすがままのコース。必ず、驚きを与えてくれる幸せがある。
そして、サービスも、人の心にいつの間にか入り込んでしまう抜群の存在感を誇るマネージャーと洗練された空気の若手のサービスマンがいて、心地よい。
驚きのイタリア料理と人間力豊かなサービスをご堪能あれ。
8位
1回
2008/10訪問 2008/10/24
十二時頃秋本の帰りに再び通りがかっても同じくらいの行列だったのでつい並んでしまった。。相当強い雨だから並ぶ人は少ないのかな。赤いTシャツのおばちゃんが店内と列の最後尾をいったりきたりして食券をあらかじめ買うよう促している。
二代目つけめんを注文。内容はチャーシュー、のり、メンマ、味玉全部のせすだち付き(1.23みなほん)
かなりこってりした見た目の付け汁。何でも、豚骨、比内地鶏、魚介類、羅臼、利尻昆布などなどを使用しているらしい。
つけ汁(本当はなんて呼ぶのだろう。。)を味わってみるに、自然の旨みたっぷりで相当複雑。通常のつけ麺とことなり酸味の要素は最初はない。若干の辛味はある。白い粉たっぷりの通常のつけ麺とはレベルが違う。最終的にはすだちをしぼって酸味を付け加えるので、甘み、酸味、辛味のバランスにはなるが、甘みは肉系のだしから来るコク、酸味はすだち、辛味は黒七味によって出されていて、通常のつけ麺のバランスよりも上質なバランス。ジャンクな要素は一切感じない。
チャーシューはあらかじめ四分の一程度に裁断されている。香りもよく上質のチャーシュー。メンマも太っていて柔らかい厚みのある歯ごたえ。
麺は黄色がかっている。相当に固めで歯ごたえしっかり。
通常のつけ麺を楽しんだ後はすだちを絞りいれて。すだちは黄色味を帯びていてしっかり熟してやわらかい。こちらを絞りいれると、酸味および香りが一気に加わり鮮烈な味わいに変化する。
さらに、黒七味により辛味を加えると、黒ごまの強い香りも加わり、香ばしい辛味を楽しむことができる。
何にせよ、通常のつけ麺屋とこちらとでは使っている素材も総体としての味わいもレベルが違う。原体験のつけ麺やすべえを★4.0としてあるので、こちらは★4.5とするがその差はもう少し大きい気がする。
9位
1回
2008/09訪問 2008/10/02
目黒の外れで独自の進化を遂げつつ昔の姿を守るガラパゴス諸島の動物達のような寿司店
最長のタイトルになってしまった。この店の形容は本当に難しい。強いて似ている店をあげれば西大島の興兵衛だろうか。仕事をしている量というか、手数という意味で。色々違うけど。。。
「失われた・・・」という著作で読んで気になっていたお店。最初はカウンターが一杯だったので、お座敷で。通されたお座敷はミニミニのちっちゃーいお部屋。あまり仲良くない人と入ったら気まずいくらい距離は近くなってしまう。部屋の横幅は1.3メートルくらいではないか。。。部屋には古びた20年近く前のものかと思えるようなテレビとエアコンが。。。親方が、うちはここで商売を始めて33年と言っていたが、まさかそのときに買ったテレビってことは。。。。例の著作を始めいくつかの本が並んでいる。
まずは、おつまみから。シラヒゲウニのゼリー寄せ、かけられている餡とあらびきの胡椒で味をしめる一品だが、ややピントがずれ気味か。ゼリー寄せが固すぎるし、餡がもっと酸っぱくてもおもしろいはず。
あなごの肝の串。何というのかはわからないが、肝に通じる管の部分がしこしこしていて美味しい。
マクブという白身の魚。土佐醤油、タマネギみじん、(細い緑のネギ系ーわけぎ?)、和芥子と共にいただく。かなり厚めに切られたお刺身。個体差なのか、ややコリコリの新鮮なものと、しんなりしたものが混在。タマネギの甘みと土佐醤油の甘みが鮮烈。これが、少量でも凄いインパクトのある和芥子と合わさるとおもしろい。
同じタレで鰹もいただく。鰹がみずみずしいのに、適度に脂が乗っていてさっぱりバランスよし。和芥子との相性も抜群。
ヒラソウダのたたきには、青唐辛子とミカンの皮に小さな青いミカンをしぼっていただく。ミカンの果汁の甘い香りと皮の香りが鮮烈。これに加えて青唐辛子が結構きいていて辛みが口に残る。辛みを強調した一品が寿司屋で出るのは初めて。。。
イチジクのお椀。イチジクの中に鶏肉のミンチをつめ、日本酒、白ワインで煮込んだ一品。ほのかなチーズの香り、ふんわりとしたイチジクの甘み、というあっさりした一品をしめているのが、やや酸味のある自家製の柚味噌。バランスOK.
水餃子様の一品(命名元宝?)、鰹、豚肉、巨峰が皮の中に入り、タレにはなんと醤油、ザーサイの他、ココナツミルクとココナツオイル。。。創作和食のような一品。こういうのが好きな大将なら元町中華街のSalone2007に連れてったら楽しいことになりそうな気がする。。。
夜光貝を焼いたもの。夜光貝の貝殻の中にすべてを入れて供される。いかにも、夜に光りそうな外見。。味噌、日本酒、白ワインで味付けをした、味噌の汁につかっている状態で、甲州デラウェアの酸味を効かせてある。身を食べ終わったら親方にシャリをもらって、味噌の汁に投入するよう指示される。おっしゃるとおり、酢飯の酸と白ワイン由来の味噌仕立ての汁の酸味がよく合う。ある意味これで、閉幕でも良い気がしてしまうくらい、上手なつまみの終了の仕方。
握りが始まる頃には親方は休憩で、2番手さんが握る。手数は相当に少なく。シャリ整形、ネタと合わせて、捨てシャリ2回、ひっくり返して、2,3回ぽんぽんとたたいて軽く握る程度。握りは全体に結構小ぶり。シャリは表面が相当つるっとしていて、炊き具合もしっかり堅めで魅力的。イメージとしては、シャリは口に入れた瞬間にあまりに軽やかにほどけ、それがネタの周りを衛星のようにしばらく回った後消えていくという合わさり方。ネタの引き立て役(対等というより子分のような関係かな)としてのシャリ。シャリ自体は酢は強くきかさず塩分をある程度効かせながらさっぱりと仕上げてある。シャリとネタのバランスとしては、なんとなく、かねさか系を想起させるものがあるが、地味ながらもシャリの存在感はより強く認められる。
そして、握りは手渡し。受け渡すというよりは、乗っけてもらうイメージかな。そして乗っけてもらった握りをネタを下にしてそのまま口に放り込む感じ。みんながやっているので、不思議と違和感はない。他のお店でも手を出しちゃいそうだ、、、ってそんなわきゃないか。
ガリは2種類。やや甘めに仕上げられた通常のガリと、なんとつけてから3年もののガリ。さっぱりとした瑞々しさもありつつ、やけに複雑な熟成感があるこちらは、しょうがから作っているこちらだからなせる技?ガリだけで完成している一品を出せるのはこちらだけだろう。
握りは、鱚、シロムロ、ウニ三種(シラヒゲウニ、キタムラサキ、蝦夷バフンウニ)握り、鯖、マクブヅケ、マグロヅケ、本マグロと松茸、伊勢エビ(あっさりしたお椀が握りが始まる前くらいに供された)、カマス(山椒風味)、煮蛤、穴子(こちらでは煮物にはすべて違うツメが用意されているらしい。。。蛤には入り煮方式?で、砂糖などを加えない透明な煮汁を何十年にもわたり詰めてきたツメを。)、穴子は、ツメも濃いめだが、もともとの釜揚げ状態でも非常に濃い色合いでぎゅうぎゅうと詰めた味。
やや甘いだし巻き玉子系。小柱とみる貝かな?小柱は塩で矯正してあったが、やや弱いかも。干瓢巻きを最後に。濃すぎない味付けで悪くない。特にわさびは入らず。(ちなみに、握りはいくつか覚えてなくてとばしてしまってると思います。)
お酒は、ビールと、越乃松露、八仙、水芭蕉、魂その他2種類くらいかな。それぞれが半合ずつ。
全体的にネタは、高級寿司店のやや下の方に位置するものが多いこともあり、味わいは、丁寧に仕事がしてあるものでも★4つ。魚の質や好みという意味ではともかく、こちらは知識と四季折々、全国各地から選んだ独特の素材を楽しむ場所のため、許されるならば季節ごとに大将の顔を拝みたい。そういう付加価値、店全体の存在感及び以上の内容で16.5みなほんという値段を考えて、悩みつつも総評は、★4.5。
10位
1回
2008/09訪問 2008/09/20
友人の紹介で訪問。凄く良い店を見つけてしまいました。しかも3時ラストオーダーとな。こちらは、近い内に人気店へと変貌するのは間違いないでしょう。
神泉駅から歩いてすぐの所のあるこちらのお店、入ってみると中は真っ暗で、ぼうっと微かに蝋燭の光が灯っている。メニューなども蝋燭の真下で見ないと読めない。。うちっぱなしのコンクリートの店内には、古そうな木のインテリアが配してあって、ヨーロッパの田舎のどこかの店に突然迷いこんだよう。比較的大きな音で流されているフレンチポップスの背後から時々聞こえてくる踏み切りの音が、かろうじて日本にいるのだということを思い出させてくれる。
グラスのシャンパン(また名前忘れた。。。)で乾杯。キーンと舌の奥とこめかみに響く強めの酸。メニューに並んでいるのは、いかにもビストロ~な皿の数々。その中から、あーでもないこーでもないと相談しつつ、うさぎのリエット、仔羊のサラダ、ピッサラディエール(ニース風玉ねぎのピザ)及び豚足と砂肝のソーセージを注文。
うさぎのリエット:こちらの一品で半ば確信。ここは大丈夫。勿論決め付けではないですよ。リエットがしっかり肉の繊維が残された作り方。しかも、味わいがやけに繊細。上質の脂(ラードと鴨の脂とのこと)と細かく裂かれたうさぎの肉とのバランスが非常に良く、味わいの理想形を明確に頭の中で描くことができている人の料理(注1)。
仔羊のサラダ:グリエ(かな?)した温かい仔羊とたっぷりのグリーンサラダ。ふっくらと優しい仔羊に強めに酸を効かせたビネグレットをまとったグリーンサラダの味わいが切り込んで、バランスばっちり。やはり、思ったとおり、こちらの料理は安心できる。
ピッサラディエールは初めて。こいつがまたかなり衝撃的。じっくりと炒められて、真ッ茶色になったタマネギが、薄くて柔らかいピザ生地にびっしり敷き詰められていて、見た目からして凄そうな一品。タマネギの優しい甘みにガツンとアンチョビが効いてオレガノの香りもばっちり。酸味もあったな、、これはオリーブかしら。とにかくこのお皿も理想形が現実に描かれている。改良しても良いと思う点が見つからない。。。
豚足と砂肝のソーセージ:しっかりとなが~い、いびつな形のソーセージがいかにも自家製と言う感じ。これがまた滋味深い、本当に優しい味わい。豚足のねっとりとしたコラーゲンに時々口の中で小さくはじける砂肝の食感がたまらない。全体的に、塩もしっかり効いていて、ワインが進みまくる。こちらに、非常にふんわりとした、酢の味わいが優しいマスタードをつけるとまた違う味わいでよろしい。粒マスタードよりこっちの方が好きかな。ソーセージの味わいが生きるというか。付け合せは、ジャガイモをバターでカリッと焼いたもの。こういうものまで非常にちゃんとしていて、バターの塩分をしっかり感じる上に、表面のみカリッと仕上がっていて、中はホクホク、を越えて瑞々しさまで感じる。これまた文句のつけようがない。。。
そして、背徳のデセール、ガトーバスク。こんなものを深夜2時とかに食べたらいけませんっ、と怒られそうな強い強いバターの味わいが脳天を直撃(注2)。
ワインは、前半が、ベアルン地方のロゼのデキャンタ。色合いは赤がかなり強くでていて、すっきりとした酸を感じる。あわそうと思えば最後の一品までいけそうだが、当然仔羊のサラダの頃にはもうなくなっている。後半は、サンシニアン06、グルナッシュとサンソーだそうな。思ったよりも濃い色合い(まあ、暗くて良くわからないのだけど)。ビオ臭がすごいので、ビオ嫌いの方には、、という説明だったが、そこまでは強く感じない(単に最近ビオを飲みすぎて鈍磨してきているのか。。)若いプルーンのような果実味に加えてややスパイスのニュアンスもあり、心地よい。ソーセージとの合性は良好。
サービスはマダムかな。こちらの料理を愛しているのが伝わってくるのが好印象。詳細かつ正確な料理の説明やトークの内容と、若い風貌と声がアンバランスで不思議な感覚に襲われる。
とにかくとにかく、ピントがぴったりと合ったこちらの料理をこんな深夜までいただけるなんてほんと幸せ。味わい、総評共に★4.5。凄いお店だ。まだオープンして3ヶ月とのこと。有名になってしまうまでの暫しの間を独占することにしよう。
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注1:ただ、完食は出来ず。時間が経つと、脂が溶けてしまい重たすぎて食べるのがつらくなる。単に分量が多すぎるのかも。
注2:ただ、どっしり重過ぎるかというとそうでもない。パリで色々ケーキを食べた時はどれもこれも異常なまでに重く感じたものだが、そこまでではない。あえてある程度軽めにしたのか、バスクではこのような味わいなのか、今度現地で試してみたいものだ。
追記 :
久しぶりに深夜に電話したら本当はやってないはずだけど、開けてくれるとのことでかるーく訪問。でもやっぱり、旨い赤開けますかとか言ってMichel VoarickのRomanee St. Vivant!! 78 とかあけちゃったり異常に厚切りの白トリュフのオープンサンドとかやっぱりやりすぎて大変な事になったり。でも、涙が出るほどよいワインをほぼ確実に飲める場所はなかなかないんだよねー。ちなみに成田さん、ワインの小売のショップを始めたとか。
追記:
今日は1軒目でしっかり飲んだので軽くね~っと。
そしたら、ハウスシャンパーニュ、まさかの Armand RousseauのChambertin86ポンイツそして94イケム。。
会計は推して知るべし。。。
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追記:
6時間滞在。。
ジャックセロス/ドゥミセックExquise 心を蕩けさせるのに必要十分な甘み。店内に広がる薔薇の香りとのマリアージュは極上。
Chablis Premier Cru Jean Dauvissat (時間調整のためのつなぎの白だって。。。)
Chateau Clinet 98 (程よく緩みつつ、非常に豊な果実の存在-バスク豚の生ハムと)
Cotes Du Rhone Rasteau Thierry Mayson 79 (洒落の一杯だと)
Cheval Blanc 79 (バカラ・ロマネコンティーグラスでいただくお遊び。すさまじいクリアー感。久しぶりに正しい熟成を感じる。こういうのを頂いちゃうと自分で買うのはボルドーでさえ憚れるな。。)
Pommard Gauthier Frere 49 (古めかしさの奥にある果実)
Chateau d`Yquem 94 (さらりと終了。生トリュフの詰まったフォンダンショコラと共に)
死ぬほど堪能。
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追記:
アランロベール(ハウスシャンパーニュ。。。)90、オーブリオンブラン92、ボーヌロマネ・レボーモン2000、コニャック1929。。。。
凄すぎた2軒目。
赤坂500円ランチ、もう100回分。
先輩、本当にご馳走様でした。。。
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追記:
ルロワ、ヴォーヌロマネ、レブリュレ 95
もう死にそう。
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追記:
シャトーパプクレマン99、ジャンフランコソルデラカーゼバッセ01
オリーブ、テットドモワンヌ、洋梨、ブルーチーズ(酔っ払ってて名前聞き忘れ。。。)
状態の良いワインというものの奥深さに感動。ちょっと泣いた。ワインにのめりこむきっかけとなった最初の一本(ソライア96)を味わった時以来の感動。本当にすごいお店。もう高いワインは自分では買いません。
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追記:
シャンパン90、ムルソー96、クロードデュガジュブシャン97(バカラのロマネコンティーで)、シャトージレット71、アルマニャック65、ムートンリキュールドカシス
生ハム、オリーブ、テットドモワンヌ、鳥のパテ少々
本日も一点の曇りもないワイン達。言葉も出ません。朝5時までだらだらいて、すみません。。。
一点申し上げるとすれば、「成田さん、そんなに急がなくても良いですよ。すばらしいワインが目の前にあるので、いくらでも待てます。」ぐらいですかね。
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自分もこうなってしまいました。本日はあっさり軽くと言われたのにこの様。
シャンパン90、ブルゴーニュ白96、ブルゴーニュ赤99、ブルゴーニュ赤01、シャトーヌフ84、ポート67、アルマニャック65。
生ハム、カキ、白トリュフ、キジ、牛、チーズ、チョコレートケーキ。
49みなほん。
追記:
ちなみに、上記の記載では抽象的だと当局から怒られました。
とにかく、最上のワインを最良の状態で楽しむために最高額のお支払いをする店。それ以上、何をかいわんや。