無料会員登録/ログイン
閉じる
携帯電話会社の提供IDはこちら
食べログ
P. Eaterのレストランガイド
メッセージを送る
P. Eater (50代前半・男性・東京都) 認証済
この口コミは、P. Eaterさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら
利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する
1回
夜の点数:5.0
2009/08 訪問
フランス料理界の火入れの魔術師ここにあり
以前に何度か訪れたことがあったが、故あって一人で再訪。店内の内装は明るく、色々な絵が飾ってあったりして、何だかお金持ちの友人の家のダイニングに招待されたような気分になる。シェフとソムリエの方の雰囲気が似ていて何だか兄弟みたい。大満足の料理の詳細は以下の通り。アミューズ:豚のリエットとリンゴのピュレをカリカリのパンと。豚のリエットの強い塩気をリンゴのピュレのやさしい甘みと酸味でふっと抜いてあげるという味わいのバランス。カリカリのパンの食感とあわせて幸せなスタート(注1)。秋刀魚とジャガイモのサラダ:秋刀魚とジャガイモ??と思ったが、よく考えると、フランスでは青魚とじゃがいもなんて良く見る取り合わせのため、注文してみた。細かくつぶしたジャガイモの上にルッコラが敷かれ、その上に銀色の光沢を帯びた秋刀魚が敷き詰められた上、緑の枝豆が散らしてあって色合い的に美しい。秋刀魚の脂分と全体的に効いている酸のバランスが素晴らしい上、枝豆の青い香りとサクッとした食感が良いアクセントとなり、かなりの出来栄え。爽やかな出来上がりが夏にはぴったりの一品(注2)。フォアグラと黒イチジクのポアレ:こいつぁーすごい。火入れの魔術がここに。塩をしっかり効かせたフォアグラは表面がカリッとして、黒いちじくの濃縮したあまーい味わいとの取り合わせが最高。ビネグレットをつめたソースの酸味のバランスもすごい。3みなほんの価値ありあり(注3)。仔鳩のロースト:火入れの魔術師の技はここでも炸裂。胸肉部分の仕上がりにこちらの鳩料理の真骨頂がある。真っ赤な仕上がりで、一見火が通っていない。。。と唖然としてしまいそうな見た目だが、噛締めると火はちゃんと入っていて、えもいわれぬしっとりとした食感に酔いしれることになる。こちらの鳩を食べると、他で鳩を食べるのはかなり難しくなる。他ではほとんどの場合、火を入れすぎているのだ。低温で、ゆっくりと火を入れた鳩の凄みを堪能した。横には春巻き?が添えられていて、はとの内臓部位等を細かく切ったものが詰められていて面白い(注4)。ココナッツのブランマンジェ、マンゴーソース:ブランマンジェはやや甘み抑え目。マンゴーソースの酸味が強く鮮烈(注5)。総評として、この店の料理は相当レベルが高い。フォアグラ、鳩の火入れについては本当に感心するばかり。それ以外にも味わいのバランスのとり方が凄い。食材そのもののレベルよりも味わいをどんどん引き上げていくのがこちらのフレンチの真骨頂かもしれない。ワインをグラスの白赤程度の抑えたのもあり、値段も一人10みなほん程度。二人以上でくるときはコース、若しくは単品を2つに割ってくれる(大食漢でなければそのくらいの分量で丁度良いくらい)ので、もっとリーズナブルに食べられるかもしれない。味わいは、★4.5、コスパも考え合わせる最上級の評価をせざるを得ないお店だろう。*********注1:こちらの一品、かなり美味しいのだが、より衝撃度を上げるのであれば、リンゴのピュレの甘みまたは酸味を強くした方が良いだろう。それが狙いなのであれば問題ないのだが、今のままだと、リンゴのピュレが本文で書いたとおり、リエットの塩分により高められた味わいの緊張感を抜くという機能を果たしているに過ぎない。もっとぶつかるような強い甘みまたは酸があってもよいと思うが、まあアミューズだし、いいか。。注2:秋刀魚の脂の乗り具合はまずまず。以前寿司屋めぐりをする前は感じたことがなかったが、高級寿司屋の秋刀魚と比べるとやや見劣りする。。。等とも思ったが、よく考えると土俵が違うものを比較するのは良くないと思うにいたる。こちらの一品は2みなほん程度で、2人でシェアすれば1品1みなほんになると言う代物。それを1カン1みなほんの銀座寿司と比べること自体ナンセンスだろう。秋刀魚のマリネからは酸味よりも塩分を強めに感じる。酸味はむしろジャガイモの方でガツンと効かせてある(ジャガイモの中には細かく刻んだコルニション様のものが入っていて、こちらが酸を後押し)。この役割分担がすばらしい。枝豆の機能も本文に上げたとおりすばらしいが、ルッコラの味わいや香りが弱く、全体にかるーい苦味を与える程度にしか機能していない。本来であれば香りがもっと効いてくるはず。もう少しルッコラの質が上がれば言うことなしだが、やはり、コース6.8みなほん程度と出身のコートドールの半分以下の値段設定にしていることを考えるとやむをえないか。。全体としてやや軽い味わいで、枝豆の香りも含めてやや日本的なニュアンスになってしまっているため、王道フレンチの一品ではない。注3:フォアグラのカリッという食感は、更に細かく見ると、非常に細かい凹凸のカリカリ感であることがわかる。おそらく小麦粉をまぶしたフォアグラをバターで揚げるような状態にしてあるのだろう。このミクロのパン粉の衣のような食感が幸せ感を強める。フォアグラの塩分とソースの詰めた酸と濃縮した黒イチジクの甘みのバランスは凄すぎる。こういう料理を食べると、シェフはかなりの才能の持ち主であると認めざるを得ない。「フォアグラ」であるという以上に何の意味もない不味いフォアグラを供してしまっている世のフレンチシェフに食べさせてあげたいくらいだ。おそらく、フォアグラ自体はもっと高いものを使えばもっと美味しく仕上げることはできるだろうが、3みなほんと言う値段からするとここらが限界か。注4:鳩については、以前、この赤みが視覚的にうけつけないと言っている友人もいた。食べると大丈夫なんだけどね、とは言っていたが。やはり、人間の先入観を取っ払うのは難しい。真っ赤なのに、低い温度で火が入っているというその矛盾を楽しむくらいの冒険心が必要かもしれない。以前は、内臓をそのままローストした状態で出していて、色々な食感を切り分けながら楽しめた。春巻きの具になっちゃうよりもそっちの方がいいんだけどな。。注5:こちらの弱点はデザート。ブランマンジェは悪くないが、あまさ控えめのところに強い酸のソースをぶつけると酸味ばかりが勝ってしまう。デザートは以前食べたかぼちゃのクレームブリュレ(今はくるみのようだが。。)にしてもヌガーグラッセにしても地味。料理は上手だが、デザートが苦手というシェフも多い。フランス流の甘みがっつりのデザートが一品くらい置いてあったらいいのに。まとめ:注では色々書いているが、大満足であるのには変わりがない。全体として以前よりも料理に日本的なニュアンスが香り始めているような気もするが、どうだろうか。。。
2008/08/31 更新
エリアから探す
開く
このエリアを地図で見る
ジャンルから探す
指定なし
ランチ
夜10時以降入店OK
夜12時以降入店可
始発まで営業
朝食
カード可
個室
貸切可
駐車場
飲み放題
食べ放題
子供可
ペット可
クーポン
テイクアウト
家族・子供と
デート
女子会
合コン
大人数の宴会
接待
一人で入りやすい
知人・友人と
禁煙 分煙を含む
喫煙可
ワインあり
日本酒あり
焼酎あり
オシャレな空間
カップルシート
カウンター席
ソファー席
座敷
以前に何度か訪れたことがあったが、故あって一人で再訪。
店内の内装は明るく、色々な絵が飾ってあったりして、何だかお金持ちの友人の家のダイニングに招待されたような気分になる。シェフとソムリエの方の雰囲気が似ていて何だか兄弟みたい。大満足の料理の詳細は以下の通り。
アミューズ:豚のリエットとリンゴのピュレをカリカリのパンと。豚のリエットの強い塩気をリンゴのピュレのやさしい甘みと酸味でふっと抜いてあげるという味わいのバランス。カリカリのパンの食感とあわせて幸せなスタート(注1)。
秋刀魚とジャガイモのサラダ:秋刀魚とジャガイモ??と思ったが、よく考えると、フランスでは青魚とじゃがいもなんて良く見る取り合わせのため、注文してみた。細かくつぶしたジャガイモの上にルッコラが敷かれ、その上に銀色の光沢を帯びた秋刀魚が敷き詰められた上、緑の枝豆が散らしてあって色合い的に美しい。秋刀魚の脂分と全体的に効いている酸のバランスが素晴らしい上、枝豆の青い香りとサクッとした食感が良いアクセントとなり、かなりの出来栄え。爽やかな出来上がりが夏にはぴったりの一品(注2)。
フォアグラと黒イチジクのポアレ:こいつぁーすごい。火入れの魔術がここに。塩をしっかり効かせたフォアグラは表面がカリッとして、黒いちじくの濃縮したあまーい味わいとの取り合わせが最高。ビネグレットをつめたソースの酸味のバランスもすごい。3みなほんの価値ありあり(注3)。
仔鳩のロースト:火入れの魔術師の技はここでも炸裂。胸肉部分の仕上がりにこちらの鳩料理の真骨頂がある。真っ赤な仕上がりで、一見火が通っていない。。。と唖然としてしまいそうな見た目だが、噛締めると火はちゃんと入っていて、えもいわれぬしっとりとした食感に酔いしれることになる。こちらの鳩を食べると、他で鳩を食べるのはかなり難しくなる。他ではほとんどの場合、火を入れすぎているのだ。低温で、ゆっくりと火を入れた鳩の凄みを堪能した。横には春巻き?が添えられていて、はとの内臓部位等を細かく切ったものが詰められていて面白い(注4)。
ココナッツのブランマンジェ、マンゴーソース:ブランマンジェはやや甘み抑え目。マンゴーソースの酸味が強く鮮烈(注5)。
総評として、この店の料理は相当レベルが高い。フォアグラ、鳩の火入れについては本当に感心するばかり。それ以外にも味わいのバランスのとり方が凄い。食材そのもののレベルよりも味わいをどんどん引き上げていくのがこちらのフレンチの真骨頂かもしれない。ワインをグラスの白赤程度の抑えたのもあり、値段も一人10みなほん程度。二人以上でくるときはコース、若しくは単品を2つに割ってくれる(大食漢でなければそのくらいの分量で丁度良いくらい)ので、もっとリーズナブルに食べられるかもしれない。味わいは、★4.5、コスパも考え合わせる最上級の評価をせざるを得ないお店だろう。
*********
注1:こちらの一品、かなり美味しいのだが、より衝撃度を上げるのであれば、リンゴのピュレの甘みまたは酸味を強くした方が良いだろう。それが狙いなのであれば問題ないのだが、今のままだと、リンゴのピュレが本文で書いたとおり、リエットの塩分により高められた味わいの緊張感を抜くという機能を果たしているに過ぎない。もっとぶつかるような強い甘みまたは酸があってもよいと思うが、まあアミューズだし、いいか。。
注2:秋刀魚の脂の乗り具合はまずまず。以前寿司屋めぐりをする前は感じたことがなかったが、高級寿司屋の秋刀魚と比べるとやや見劣りする。。。等とも思ったが、よく考えると土俵が違うものを比較するのは良くないと思うにいたる。こちらの一品は2みなほん程度で、2人でシェアすれば1品1みなほんになると言う代物。それを1カン1みなほんの銀座寿司と比べること自体ナンセンスだろう。
秋刀魚のマリネからは酸味よりも塩分を強めに感じる。酸味はむしろジャガイモの方でガツンと効かせてある(ジャガイモの中には細かく刻んだコルニション様のものが入っていて、こちらが酸を後押し)。この役割分担がすばらしい。枝豆の機能も本文に上げたとおりすばらしいが、ルッコラの味わいや香りが弱く、全体にかるーい苦味を与える程度にしか機能していない。本来であれば香りがもっと効いてくるはず。もう少しルッコラの質が上がれば言うことなしだが、やはり、コース6.8みなほん程度と出身のコートドールの半分以下の値段設定にしていることを考えるとやむをえないか。。
全体としてやや軽い味わいで、枝豆の香りも含めてやや日本的なニュアンスになってしまっているため、王道フレンチの一品ではない。
注3:フォアグラのカリッという食感は、更に細かく見ると、非常に細かい凹凸のカリカリ感であることがわかる。おそらく小麦粉をまぶしたフォアグラをバターで揚げるような状態にしてあるのだろう。このミクロのパン粉の衣のような食感が幸せ感を強める。フォアグラの塩分とソースの詰めた酸と濃縮した黒イチジクの甘みのバランスは凄すぎる。こういう料理を食べると、シェフはかなりの才能の持ち主であると認めざるを得ない。「フォアグラ」であるという以上に何の意味もない不味いフォアグラを供してしまっている世のフレンチシェフに食べさせてあげたいくらいだ。おそらく、フォアグラ自体はもっと高いものを使えばもっと美味しく仕上げることはできるだろうが、3みなほんと言う値段からするとここらが限界か。
注4:鳩については、以前、この赤みが視覚的にうけつけないと言っている友人もいた。食べると大丈夫なんだけどね、とは言っていたが。やはり、人間の先入観を取っ払うのは難しい。真っ赤なのに、低い温度で火が入っているというその矛盾を楽しむくらいの冒険心が必要かもしれない。以前は、内臓をそのままローストした状態で出していて、色々な食感を切り分けながら楽しめた。春巻きの具になっちゃうよりもそっちの方がいいんだけどな。。
注5:こちらの弱点はデザート。ブランマンジェは悪くないが、あまさ控えめのところに強い酸のソースをぶつけると酸味ばかりが勝ってしまう。デザートは以前食べたかぼちゃのクレームブリュレ(今はくるみのようだが。。)にしてもヌガーグラッセにしても地味。料理は上手だが、デザートが苦手というシェフも多い。フランス流の甘みがっつりのデザートが一品くらい置いてあったらいいのに。
まとめ:注では色々書いているが、大満足であるのには変わりがない。全体として以前よりも料理に日本的なニュアンスが香り始めているような気もするが、どうだろうか。。。