この口コミは、P. Eaterさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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夜の点数:4.5
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¥10,000~¥14,999 / 1人
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料理・味 4.5
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|サービス 4.0
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|雰囲気 4.0
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|CP -
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味4.5
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| サービス4.0
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| 雰囲気4.0
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| 酒・ドリンク- ]
見つけちゃった。凄いビストロ
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外観からはちょっと期待できないかな、、と思っちゃった。
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2008/09/20 更新
友人の紹介で訪問。凄く良い店を見つけてしまいました。しかも3時ラストオーダーとな。こちらは、近い内に人気店へと変貌するのは間違いないでしょう。
神泉駅から歩いてすぐの所のあるこちらのお店、入ってみると中は真っ暗で、ぼうっと微かに蝋燭の光が灯っている。メニューなども蝋燭の真下で見ないと読めない。。うちっぱなしのコンクリートの店内には、古そうな木のインテリアが配してあって、ヨーロッパの田舎のどこかの店に突然迷いこんだよう。比較的大きな音で流されているフレンチポップスの背後から時々聞こえてくる踏み切りの音が、かろうじて日本にいるのだということを思い出させてくれる。
グラスのシャンパン(また名前忘れた。。。)で乾杯。キーンと舌の奥とこめかみに響く強めの酸。メニューに並んでいるのは、いかにもビストロ~な皿の数々。その中から、あーでもないこーでもないと相談しつつ、うさぎのリエット、仔羊のサラダ、ピッサラディエール(ニース風玉ねぎのピザ)及び豚足と砂肝のソーセージを注文。
うさぎのリエット:こちらの一品で半ば確信。ここは大丈夫。勿論決め付けではないですよ。リエットがしっかり肉の繊維が残された作り方。しかも、味わいがやけに繊細。上質の脂(ラードと鴨の脂とのこと)と細かく裂かれたうさぎの肉とのバランスが非常に良く、味わいの理想形を明確に頭の中で描くことができている人の料理(注1)。
仔羊のサラダ:グリエ(かな?)した温かい仔羊とたっぷりのグリーンサラダ。ふっくらと優しい仔羊に強めに酸を効かせたビネグレットをまとったグリーンサラダの味わいが切り込んで、バランスばっちり。やはり、思ったとおり、こちらの料理は安心できる。
ピッサラディエールは初めて。こいつがまたかなり衝撃的。じっくりと炒められて、真ッ茶色になったタマネギが、薄くて柔らかいピザ生地にびっしり敷き詰められていて、見た目からして凄そうな一品。タマネギの優しい甘みにガツンとアンチョビが効いてオレガノの香りもばっちり。酸味もあったな、、これはオリーブかしら。とにかくこのお皿も理想形が現実に描かれている。改良しても良いと思う点が見つからない。。。
豚足と砂肝のソーセージ:しっかりとなが~い、いびつな形のソーセージがいかにも自家製と言う感じ。これがまた滋味深い、本当に優しい味わい。豚足のねっとりとしたコラーゲンに時々口の中で小さくはじける砂肝の食感がたまらない。全体的に、塩もしっかり効いていて、ワインが進みまくる。こちらに、非常にふんわりとした、酢の味わいが優しいマスタードをつけるとまた違う味わいでよろしい。粒マスタードよりこっちの方が好きかな。ソーセージの味わいが生きるというか。付け合せは、ジャガイモをバターでカリッと焼いたもの。こういうものまで非常にちゃんとしていて、バターの塩分をしっかり感じる上に、表面のみカリッと仕上がっていて、中はホクホク、を越えて瑞々しさまで感じる。これまた文句のつけようがない。。。
そして、背徳のデセール、ガトーバスク。こんなものを深夜2時とかに食べたらいけませんっ、と怒られそうな強い強いバターの味わいが脳天を直撃(注2)。
ワインは、前半が、ベアルン地方のロゼのデキャンタ。色合いは赤がかなり強くでていて、すっきりとした酸を感じる。あわそうと思えば最後の一品までいけそうだが、当然仔羊のサラダの頃にはもうなくなっている。後半は、サンシニアン06、グルナッシュとサンソーだそうな。思ったよりも濃い色合い(まあ、暗くて良くわからないのだけど)。ビオ臭がすごいので、ビオ嫌いの方には、、という説明だったが、そこまでは強く感じない(単に最近ビオを飲みすぎて鈍磨してきているのか。。)若いプルーンのような果実味に加えてややスパイスのニュアンスもあり、心地よい。ソーセージとの合性は良好。
サービスはマダムかな。こちらの料理を愛しているのが伝わってくるのが好印象。詳細かつ正確な料理の説明やトークの内容と、若い風貌と声がアンバランスで不思議な感覚に襲われる。
とにかくとにかく、ピントがぴったりと合ったこちらの料理をこんな深夜までいただけるなんてほんと幸せ。味わい、総評共に★4.5。凄いお店だ。まだオープンして3ヶ月とのこと。有名になってしまうまでの暫しの間を独占することにしよう。
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注1:ただ、完食は出来ず。時間が経つと、脂が溶けてしまい重たすぎて食べるのがつらくなる。単に分量が多すぎるのかも。
注2:ただ、どっしり重過ぎるかというとそうでもない。パリで色々ケーキを食べた時はどれもこれも異常なまでに重く感じたものだが、そこまでではない。あえてある程度軽めにしたのか、バスクではこのような味わいなのか、今度現地で試してみたいものだ。