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夜の点数:4.5
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¥15,000~¥19,999 / 1人
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料理・味 4.0
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|サービス 4.0
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|雰囲気 4.0
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味4.0
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目黒の外れで独自の進化を遂げつつ昔の姿を守るガラパゴス諸島の動物達のような寿司店
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上は何屋?
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いつかったの?
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ざゆうのめい
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2008/10/02 更新
最長のタイトルになってしまった。この店の形容は本当に難しい。強いて似ている店をあげれば西大島の興兵衛だろうか。仕事をしている量というか、手数という意味で。色々違うけど。。。
「失われた・・・」という著作で読んで気になっていたお店。最初はカウンターが一杯だったので、お座敷で。通されたお座敷はミニミニのちっちゃーいお部屋。あまり仲良くない人と入ったら気まずいくらい距離は近くなってしまう。部屋の横幅は1.3メートルくらいではないか。。。部屋には古びた20年近く前のものかと思えるようなテレビとエアコンが。。。親方が、うちはここで商売を始めて33年と言っていたが、まさかそのときに買ったテレビってことは。。。。例の著作を始めいくつかの本が並んでいる。
まずは、おつまみから。シラヒゲウニのゼリー寄せ、かけられている餡とあらびきの胡椒で味をしめる一品だが、ややピントがずれ気味か。ゼリー寄せが固すぎるし、餡がもっと酸っぱくてもおもしろいはず。
あなごの肝の串。何というのかはわからないが、肝に通じる管の部分がしこしこしていて美味しい。
マクブという白身の魚。土佐醤油、タマネギみじん、(細い緑のネギ系ーわけぎ?)、和芥子と共にいただく。かなり厚めに切られたお刺身。個体差なのか、ややコリコリの新鮮なものと、しんなりしたものが混在。タマネギの甘みと土佐醤油の甘みが鮮烈。これが、少量でも凄いインパクトのある和芥子と合わさるとおもしろい。
同じタレで鰹もいただく。鰹がみずみずしいのに、適度に脂が乗っていてさっぱりバランスよし。和芥子との相性も抜群。
ヒラソウダのたたきには、青唐辛子とミカンの皮に小さな青いミカンをしぼっていただく。ミカンの果汁の甘い香りと皮の香りが鮮烈。これに加えて青唐辛子が結構きいていて辛みが口に残る。辛みを強調した一品が寿司屋で出るのは初めて。。。
イチジクのお椀。イチジクの中に鶏肉のミンチをつめ、日本酒、白ワインで煮込んだ一品。ほのかなチーズの香り、ふんわりとしたイチジクの甘み、というあっさりした一品をしめているのが、やや酸味のある自家製の柚味噌。バランスOK.
水餃子様の一品(命名元宝?)、鰹、豚肉、巨峰が皮の中に入り、タレにはなんと醤油、ザーサイの他、ココナツミルクとココナツオイル。。。創作和食のような一品。こういうのが好きな大将なら元町中華街のSalone2007に連れてったら楽しいことになりそうな気がする。。。
夜光貝を焼いたもの。夜光貝の貝殻の中にすべてを入れて供される。いかにも、夜に光りそうな外見。。味噌、日本酒、白ワインで味付けをした、味噌の汁につかっている状態で、甲州デラウェアの酸味を効かせてある。身を食べ終わったら親方にシャリをもらって、味噌の汁に投入するよう指示される。おっしゃるとおり、酢飯の酸と白ワイン由来の味噌仕立ての汁の酸味がよく合う。ある意味これで、閉幕でも良い気がしてしまうくらい、上手なつまみの終了の仕方。
握りが始まる頃には親方は休憩で、2番手さんが握る。手数は相当に少なく。シャリ整形、ネタと合わせて、捨てシャリ2回、ひっくり返して、2,3回ぽんぽんとたたいて軽く握る程度。握りは全体に結構小ぶり。シャリは表面が相当つるっとしていて、炊き具合もしっかり堅めで魅力的。イメージとしては、シャリは口に入れた瞬間にあまりに軽やかにほどけ、それがネタの周りを衛星のようにしばらく回った後消えていくという合わさり方。ネタの引き立て役(対等というより子分のような関係かな)としてのシャリ。シャリ自体は酢は強くきかさず塩分をある程度効かせながらさっぱりと仕上げてある。シャリとネタのバランスとしては、なんとなく、かねさか系を想起させるものがあるが、地味ながらもシャリの存在感はより強く認められる。
そして、握りは手渡し。受け渡すというよりは、乗っけてもらうイメージかな。そして乗っけてもらった握りをネタを下にしてそのまま口に放り込む感じ。みんながやっているので、不思議と違和感はない。他のお店でも手を出しちゃいそうだ、、、ってそんなわきゃないか。
ガリは2種類。やや甘めに仕上げられた通常のガリと、なんとつけてから3年もののガリ。さっぱりとした瑞々しさもありつつ、やけに複雑な熟成感があるこちらは、しょうがから作っているこちらだからなせる技?ガリだけで完成している一品を出せるのはこちらだけだろう。
握りは、鱚、シロムロ、ウニ三種(シラヒゲウニ、キタムラサキ、蝦夷バフンウニ)握り、鯖、マクブヅケ、マグロヅケ、本マグロと松茸、伊勢エビ(あっさりしたお椀が握りが始まる前くらいに供された)、カマス(山椒風味)、煮蛤、穴子(こちらでは煮物にはすべて違うツメが用意されているらしい。。。蛤には入り煮方式?で、砂糖などを加えない透明な煮汁を何十年にもわたり詰めてきたツメを。)、穴子は、ツメも濃いめだが、もともとの釜揚げ状態でも非常に濃い色合いでぎゅうぎゅうと詰めた味。
やや甘いだし巻き玉子系。小柱とみる貝かな?小柱は塩で矯正してあったが、やや弱いかも。干瓢巻きを最後に。濃すぎない味付けで悪くない。特にわさびは入らず。(ちなみに、握りはいくつか覚えてなくてとばしてしまってると思います。)
お酒は、ビールと、越乃松露、八仙、水芭蕉、魂その他2種類くらいかな。それぞれが半合ずつ。
全体的にネタは、高級寿司店のやや下の方に位置するものが多いこともあり、味わいは、丁寧に仕事がしてあるものでも★4つ。魚の質や好みという意味ではともかく、こちらは知識と四季折々、全国各地から選んだ独特の素材を楽しむ場所のため、許されるならば季節ごとに大将の顔を拝みたい。そういう付加価値、店全体の存在感及び以上の内容で16.5みなほんという値段を考えて、悩みつつも総評は、★4.5。