2回
2019/07 訪問
IL TEATRINO PROMETTENTE
2019/07/19 更新
2010/07 訪問
The one and only Teatrino
追記:
やや大人しめだった先月メニューに比して、今月は凄まじい剛球ぶり。
軽快なサローネの料理に比して、超重厚樋口劇場。海老タルタルに海老アイス、白身魚インヴォルティーニ、そして今回のシンプル強烈仔羊。
計算しつくされたマリアージュも幸せ~。海老とエクストロ、インヴォルティーニとピコ。あ~。。
シチリアの星付は1軒しか行ったことないけど、風格はもはやそれ以上では。
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追記:
牛タルタル、クレスペッレ、ウサギのポルトゲーゼ、蛸ラグー。
いずれも樋口流剛速球。一口頂くと心臓の鼓動がドクンと大きくなる一品。いよいよ調子が出てまいりました。サービスもさらりと心地よい。料理人だとあまりに忙しそうで、声をかけづらいけど、サービスの方がカウンター内に常駐していると話がしやすい。ここのカウンターは大好き。このまま頑張れ頑張れ!
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【食べログ突撃バカボンズがゆく その④】
一言コメント:これぞサローネ料理の原点
概括:本店のサローネとは異なり、郷土料理の驚きを加工せずに体現しているイタリア料理店。これからどのように変貌していくのかわからないが、現時点では、東京の他のシチリア料理店では味わえない独特but本物の料理が頂ける。店の都合ではなく、あえて作られた意味のあるカウンタースタイルイタリアン。劇場の名前は本物。
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食べログ突撃バカボンズが行く、第4弾。
此度はサローネグループの新店舗のこちらに訪問。このメンバーで行くときの欠点が、楽しすぎて料理の詳細などをあまり意識していないこと。まあ、本来レストランとはそういうものか。
まずは、たっぷりのオリーブオイルに浸したパンが登場。独特の力強い芳香のオイル。本日の料理に使われているオリーブオイルの香りを感じてもらおうという心憎い演出。日本料理ではありえないが、これがうちの出汁です、とお椀をいきなり出すような大胆な姿勢。
小さな三皿の前菜。
鮪のタルターラ:これは樋口氏のシチリアーノ時代からの得意技の構成。お得意トリュフオイルの効いた鮪、ナス、チコリの苦味にハーブミストの華やかさ。初めてシチリアーノに行ったときはこちらに目を白黒させられた記憶がよみがえる。あの時よりはスタイルも味わいも大分洗練されているけど。
蛸のインウミド:これも同じく得意技。3時間も火を通したという低温調理蛸の独特の食感、妙に凝縮した魚介の旨み、ジャガイモのコク、そしてトマトの酸味がたまらない。これはどっさり食べたいな~。)
バッカラを詰めたビニエ:バッカラを上手に使える店は少ないが、こちらはまた変わったプレゼン。バッカラペーストをシュー生地に入れて、ラルドの旨み、あと胡椒かなの刺激。塩分や旨みに結構びっくり。
青柳とクスクスのインサラータ:オレンジ色の青柳にオレンジの果肉、そしてトマトピュレ。つなぎのクスクスに松の実のアクセント。オレンジを使用したシチリア料理店では、日本のオレンジの特質なのか、だいたい妙に甘みが強くなってしまい、バランスが壊れていることが多いが、こちらでは上手に酢やトマトのピュレの酸をあわせつつ、オレンジをてなづけているのが立派。樋口シェフはナッツの使い方も上手だが、実はかなりのオレンジの使い手。フルーツっぽさすら感じられる青柳の爽やかな香りとオレンジの相性は抜群。
グラミーニャ 白身魚のラグーとケッパーペースト:ラグーとケッパーペーストの野暮ったいまでの旨みを一気に昇華させるのが、アーモンド。ヨーロッパでよく見かける平たいアーモンドの香ばしさが一気に突き抜けるのが楽しい。にしても、見た目は地味だな~。
タッコーニ オッソブーコのビアンコラグー:こちらはとにかくラグーの旨みにタッコーニの食感と棒状のチーズ(なんだろう、ペコリーノ系?)の塩分。サローネお得意のラグーといった感じか。
仔羊のストゥファート:出た。こちらも最近のスペシャリティー。仔羊の心地よいミルクの香り満載のストゥッファート。レモンのマルメラータが鮮烈。スフォルマートもほっとする味わい。
クレマコッタとインパナート ギアッチャート:クレマコッタの柔らかい甘みとヘーゼルナッツの香ばしさが印象的。ドルチェのレベルは、過去と比べるとかなり上昇した印象。
チーズの8クッキアイーニは、シェアをして。何がどれだかもう覚えてない。。。
ワインは色々頂いたが、やはり圧巻は、サローネに注文をして、運んで頂いた、Brunello Di Montalcino Riserva Soldera/Case Basse 98。弟達がすぐ、3000円以上のワインはやだとかあーだこーだ色々いうので、黙らせてみようかと。カーゼバッセは人生で2度目だが、本日も本当に感動できた。グラスからビュービューと湧き出す繊細なのに強烈なブルネロの風。イメージとしてはブルネロの香りを運び続けてくれるダイソンの羽のない扇風機のAir Multiplierのような。って訳わかんないか。とにかく、本日はこの一本に完全に振り切れてしまった。サローネのワインだが、まあ、系列店の強みということで、こちらのお店の評価に入れてしまうことにしよう。
そういえば、ジャコモコンテルノ の バローロも飲んだような。。。でも完全に印象は拭い去られてしまって。。。
大いに飲んで食べて笑って喋った幸せな夜。さて、次回は。。。。
2010/10/07 更新
お久しぶりのテアトリーノ。食器や金ピカなマットも姿を潜め少し落ち着いた空間に変化。
定番の三種のスナックの後のエスカベージュは、エスカベーシュズッキーニの油で和らいだ酸味、あさりベースのズッキーニスープの旨味とイカのブレザオラのコクと塩分が合わさりストイックな良いバランス。
ホタテのラビオリはすべての構成要素が合わさり秀逸な仕上がり。そして何よりもカラスミやらキャビアやらワイン的にはかなり危うい素材を綺麗に包み込んでしまうウンブリアのトレッビアーノスポッティーノ種の白が凄い。ディルとレモンあてだというがそういう問題でなく素晴らしい重層的アッビナメント。 誰これ合わせたの!と興奮気味に聞くと、藤巻氏の名前が。。なんだよー!と何故だかよくわからない不満コメント、だが、とにかくやられた。
その後のややサローネグループっぽくないナスどーん!のお皿や今月のタヤリン(鴨ラグー)なんて固麺好きの日本人を見切った反則みたいなメニューもちゃんと旨い。
鰻とキュウリのリゾットにAgenoも懐かしくてよし。
でもクライマックスはメインにあった。昔のメインは羊のみ!という地獄のような縛りから解放された今、鹿なんかが出てきてどうかなと思ったら、長いサローネグループ経験でも最高峰な素材だった。芳醇な香りと生命力に満ち溢れた味わいがたまらない。マルサラソースも控えめに主張するジュニパーベリーのアクセント無論良いが、むしろ塩焼きで食べたくなる素材の力を感じる。
肉四種のスープのトルティーニインブロードも何日経っても思い出してしまう濃厚さで素晴らしい。
最後の桃コンポートとアマレッティーもイタリアンにありがちなデザートでのずっこけなど無くスッキリ終了して非常に満足。
トリノで修行したというシェフの山口氏のこれからに更に期待!って今度北野シェフの話も聞かないと。。。