2回
2018/10 訪問
Salone Tokyo Forever
2018/10/23 更新
2018/09 訪問
Abbinamento raffinamento
Saloneがミッドタウン日比谷にこんな大きな店を出して。。10年以上の付き合いの自分からすると感慨深過ぎる。よくぞこんなに大きくなって、、ともはや親戚のおじさん気分。
内装、カトラリー、ワイングラスと紛うことなき一流店のそれ、まあ、値段も一流店なので当然だけど。
まずは小手調べにランチに訪問。
メニューは謎の封筒に入っている。
最初は鴨のインサラータから。鴨肉とフォアグラテリーヌに加えてコンソメゼリー、マルサラゼリー、クルミのキャラメリゼなどなどがその配置場所の違いにより時間差でアクセントの内容が変わる。また、自分のタイミングでつけられるイチジクキャラメリゼのアクセントも好印象。動的なアクセントと静的アクセントの組み合わせ。あまり考えたことがなかった構成要素の姿。
イカスミのタリアテッレ
ピスタチオ、イカスミ、海老ソースというシチリアで見た要素の再構築により作られたプリモ。白イカの柔らかだけど歯切れの良い食感とサローネグループ名物の生トンナレッリの柔らかながら最後に押し返しがくる独特の弾力というまさに似て非なる食感の対比が楽しい。横付けの鋭角だけれど尖りすぎない酸味のケッパーペーストを頂くと全てが心地よくリセットされる不思議な感覚。
このピスタチオ、イカスミ、海老ソースそしてケッパーを包みこむようにまとめあげるシチリアのロゼによるアッビナメントも秀逸。
タチウオロートロ
太刀魚にトマトオレンジパン粉や野生ウイキョウの葉のソースに甘酢漬け赤玉ねぎのアクセント。何より素晴らしいのがサローネグループではよく見る二コリー二のマルバージア09とのペアリング。どことなく草っぽいようなニュアンスとウイキョウのソースが合う上、そこまで目立っていないオレンジパン粉の香りを引き出すような新体験のアッビナメント。
夏鹿のインヴゥルティーノ
夏鹿にラルドミンチやジュのソースでうまみを補強し、それを軽やかな赤すぐりの酸味でほどきながらスパイスの香りで頂く一品。プーリアのプリミティーヴオの獣臭と鹿が寄り添いつつ、プリミティーヴォのコクと甘みが軽やかな料理にボディーを与えている。料理を重くした後、軽やかにしてみたり、そこに再度ワインで重身を与えたり、重力までもコントロールするようなアッビナメントが本当に面白い。
白いティラミス
エスプレッソの香りがする白い粉にその場でも準備される濃厚なマスカルポーネのクリームが印象的。
グループの集大成のSalone Tokyoはやはり素晴らしかった。料理ももちろんの事、ここまで揺さぶりをかけてくるワインのペアリングはなかなか出会えるものでは無い。
やはり大好きなこちらの料理とワインを味わうためにもっと日本に帰ってこないとな。。と反省したランチとなってしまった。。
2018/10/10 更新
ランチが凄く良かったので、夜も日をほとんど開けずに再訪してしまった。
1品目が栗とラルドのアニョロッティー。いきなりパスタでふざけているのかと思いきや、ビックリ!ピエモンテ料理の専門店も裸足の洗練と厳かな味わいでいきなり一発目で強烈な左フックをもらってしまったような衝撃。
イカとココナッツと題する一品はイカとふんわり軽やかなココナッツクリームの相性が意外にもよく、そこに時折感じるレモンピールのアクセントが小気味よい。フォアグラなんてむしろ繋ぎ。こちらに合わせてもらったソーヴィニヨン・ブランもバッチリ決まって、既に完全なノックアウトコース。
アンコウとキジの赤いスープ。このスープはどこかで見たような、、と思ったがそんな過去の記憶のイメージを吹き飛ばす肉々しいあんこうとearthyなビーツとキジの旨みとの相性が抜群。
その後の子牛のコトレッタも食べたことのないロングペッパーの香りとライムの酸味のソースでさっぱりスッキリ。ソースを食べさせる肉というか。兎に角料理の振れ幅がやばい。
そして(このグループの料理を知る人にとっては)安定の茹で蛸オレンジオイルの後は、安定とは程遠いイカとチョコの組み合わせ。ところが今回は甘みがほとんどなくカカオ感の強いソースとアグロドルチェの玉ねぎがイカと綺麗にマッチ。ここまでずっと癖の強い食材の組み合わせを完璧にこなしながら別次元の物に昇華させるというサローネグループの真骨頂を他店舗より一段グレードの高い状態で実現。そしてその後も兎のタリアテッレ、鯖と鰯のダブルインサオール、蝦夷鹿のローストから最後の名物(なのに中身が変わるという憎らしい演出の)白いティラミスまで次々と浴びせられるブローにもう完璧なまでにノックアウト。藤巻語で言えば、もうお〇らししちゃってる感じで。
やはりこの驚きの連続を多皿で次々と浴びせるのがサローネスタイルだよな、と勝手に納得。
Salone Tokyoここに君臨せり。