2回
2011/11 訪問
産地厳選
かなり以前はよくダンチュウに取り上げられていた店だ。その頃十割蕎麦はまだあまり脚光を浴びてはいなかった。店の外に「産地厳選十割そば」と書かれた立て看板が目に入ってくる。扉を引くとおおきな甕に金魚が泳いでいる。店内は右が椅子席で左がカウンター席になっている。メニューの張り紙が壁をかなりふさいでいる。古物収集が好きなのか、左の棚には所狭しと焼物やガラスが飾られている。人によっては「うるさい」とか「駄ものだ」などと感じる人がいるかもしれないが、わたしの印象はあっけらかんとしていて難しいところがなく、結構好きです。
この店は何回か足を運んだのですが、今回訪れた一番の理由は今年はどこの新蕎麦を使っているかでした。昨年はキタワセの摩周産でかなり得心した記憶があります。椅子に座ってみると今年は残念ながら北海道の雨竜町でした。なぜなのでしょうか。高くて買い切れなかったのかもしれません。鴨汁そばを注文しました。
そばのできはあまり感心しません。不揃いが多少あることや水切れが悪いのは変わりませんが、やはり玄蕎麦がいま一つなのか味や香りがあまりはっきりしません。
鴨汁は鴨のスライスとネギがお椀に入っています。鴨はあまり火を通していませんが悪くはありません。
蕎麦湯は蕎麦同様にあまり香りがしませんでした。
この店の近くにある蕎麦屋に寄った帰りに立ち寄ってみましたが、昔とあまり変わっていないような感じでした。
2012/05/30 更新
14年ぶりに行ってみた。
西国分寺駅から、晩秋の落ち葉を踏みしめながら少し歩いた。
昔と変わらない建物の中で、藍染めの仕事着を着た親父が立っていた。
昔は、都下で十割の店は珍しかったので、雑誌でよく取り上げられていた。
鴨せいろを注文した。
水切りの良い細打ちせいろで、きれいな麺線だ。
本日の蕎麦は北海道の弟子屈産の摩周そばだ。
摩周産の北早生は美味しかったが、摩周そばは今一つといった記憶があった。
本日の蕎麦は過去の記憶を全く覆して、味と香りは十分すぎるほどあり、抜けてよかった。
すでに、息子?に代を譲っているようで、耳がかなり悪そうで会話が成立しない。
息子がかわりに説明をしてくれたが、体はまだ十分に動いている感じだ。
玄蕎麦は時期に応じて選んでいるらしい。
一期一会ということで、こういった評価をしてみた。