far longさんが投稿した岸田屋（東京/月島）の口コミ詳細 [食べログ]

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岸田屋勝どき、月島、築地/居酒屋

1回

夜の点数：5.0
- ￥2,000～￥2,999 / 1人
- 料理・味 3.5
  
  |サービス 4.0
  
  |雰囲気 5.0
  
  |CP 4.0
  
  |酒・ドリンク 4.0

1回目

2009/03 訪問

夜の点数：5.0
- ［料理・味3.5
- | サービス4.0
- | 雰囲気5.0
- | CP4.0
- | 酒・ドリンク4.0 ］
￥2,000～￥2,999

/ 1人

寛ぎながらも背筋がピン！　酒飲みが目指すのはこんな居酒屋なのだ。

東京三大煮込みとも言われる名居酒屋の誉れ高い岸田屋に念願の初訪問。
満を持して開店直前にやってきたのだがまだ開店前らしく一瞬店を見失ってしまった。ん？むむむ、どこだ？殺風景なシャッターが閉じた店の前で作務衣のようなものを着たいかにも下町職人風のおやじさんがポツネンと立ち尽くしている。もしやと思って傍らで見ていると時計が17時を示す直前になっておやじさんの目の前のシャッターががららららと開き、きっぱり「酒」と染めぬかれた貫禄ある暖簾が掲げられた。岸田屋の開店だ。

その常連風のおやじさんの後から店内に入ると、カウンターの奥、最も調理場に近い席へと案内された。
ふーむ、想像していたよりかは狭いかな。
しかし狭いながらもキチンと綺麗に使い込まれており、親密ながらも凛とした雰囲気を醸しだしている。

おそらくは近親者で営まれているのだろう。若い女性店員とおばちゃんの付かず離れずてきぱきとした接客もうれしい。

生ビール（一番搾りだったか）をキユキユキユと飲みながら、その日選んだラインナップは、
・煮込み
・菜の花からし和え
・煮穴子
・えいひれ

これに加えて最後のえいひれの焼き上がりに時間がかかったからか「これまっている間に。サービスです」と小鉢に盛られたらっきょうを供してくれた。うれしい。

注文を告げながらも「ん？なんか違うかも」と感じ始めたのがちょっとした流儀であったり、つまみが供されるまでののんびりとした間。
煮込みを注文すればねぎの有無を問いかけてくれるし、シンプルながらもしっかりとしたつまみは注文後きちんと調理されるのか比較的ゆっくりとしたペースで供される。なんとなくこのリズムが心地よいのだよなぁ。

煮込みは意外にこっくりと甘い。モツの臭みはほとんど感じられないが、この甘さは好みが別れるところかも。個人的にはも少しあっさり系が好きかな。三大煮込みを比較すれば大はし＞山利喜＞岸田屋ってところかも。しかしモツは意図的にいろいろな部位が入っているようでちょっとした変化も楽しめる。

ビールに続き酎ハイを飲みながら菜の花、煮穴子をしみじみとつつく。
混み始めてきた店内の喧騒に身を委ねながら、ゆるーりとほどけていく。

最後は日本酒を常温で一本。腹の中というよりはもっと胸に近いところがポッと温かくなるような酔い心地だ。

背筋が伸びるのに肩の力が抜けるようなほんとすばらしい雰囲気の居酒屋。
古びた親密な空気と一杯の酒、キチンと仕事がなされたシンプルなツマミが一日の疲れを確実に癒してくれる。ウワサに違わぬ名店。

東京の古びた居酒屋の中でも最も気に入った一軒だ。

2009/04/04 更新

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