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far long
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1回
昼の点数：5.0
2016/12 訪問
2016年麺類の旅
岐阜県多治見市。岐阜県には小学生時代、名神高速道路の養老SAで休憩したことがあってそれ以来の訪問。しかしよりによってナゼに多治見かと言えばこちら信濃屋の噂を耳にしていたからであります。午後から名古屋市内で仕事があったのですが、朝早く自宅を出てその前に多治見に立ち寄りです。アホだなぁ…と自嘲しておりましたがイヤこれがホント行って良かった。すごいうどんと支那そばに巡り会えましたですよ。名古屋駅から快速で40分弱。駅から徒歩10分ほどで店に到着。平日だったので想像していたような行列もなく事前学習に従って11時過ぎに店内を覗くと快く迎え入れてくれました。この日は私が一番乗りでしたが、店を出るまでの間にもなんとも素朴な感じでお客さんが訪れておりよもやの多治見の日常に触れることができました。さて最初に注文を。ころかけうどんと支那そばをお願いして備え付けのポットから茶を注ぎ待たせていただきます。そうして11:30にまずはころかけうどんがやってきます。丼の中でぐねぐねと強烈な存在感を放つ真っ白でふくよかなうどん。そしてそのうどんに絡む漆黒のタレ。少量のネギとおろししょうがとごまが乗っている。まずはうどんをひとくち啜り咀嚼した瞬間に頭の中に「！」がさく裂。まさに異次元の食感、喉越し、風味。表現力に乏しいので敢えて矛盾した感想を漏らせば包容力ということになるでしょうか。太目のうどんを食べているうちに逆にうどんに取り込まれるような錯覚に陥りそうになります。ふわんとしながらもしっかりとした歯応え、そして何ゆえにこんなに滑らかなんでしょうか。漆黒のタレはたまりしょう油を使っているらしく丸みを帯びた奥行きのある甘みがうどんと調和してます。うどんを手繰っている間も頭の中では「！」が点滅しっぱなし。あっという間に啜り、噛み締め余韻に浸りました。このころかけうどんを食べ終わると店主らしきおじさんが出てきて「味は大丈夫ですか？」みたいなことをいかにも朴訥に尋ねられましたが何故にこんなに謙虚なんでしょうか？目を白黒させていると続いて支那そばがやってきます。こちらも一見暗黒しょう油系のツユの中に扁平で透明感のあるフォーのような麺が沈んでいます。薬味は刻んだネギだけ。まさしく異形の麺ですがこちらも啜ってみるとうどん同様頭の中に「！」が点滅し始めます。シコシコとした食感、つるりとした喉越し。独特の奥行きのある甘さのツユと調和し新鮮な驚きに包まれました。何も足さない、何も引かない、と言えばウイスキーのキャッチコピーですがこちらの麺類もまさしくそんな感じではないかと。基本的にはうどんと支那そばそのものの美味さだけをシンプルに追及しておりともすれば求道者のような凄みを感じなくもありませんが、お店の方々にはそんなそぶりなど一切感じられず。素性もわからない私のような客にも朴訥に丁寧に接していただきました。他のレビューにもある通り、メニューは3品だけ。半分のサイズもあるようですがシンプルな分だけ胃腸への負担も少ないのか普通に2品は食べられますね。映画のセットのような店の雰囲気はもちろんの事、うどんと支那そばのまさしく異次元の美味さに加えて温かみのある接客。こんな突出した個性を持つ店がこうした地方都市にポツネンとあるわけですから意地汚い食べ歩きは止められないワケです。キツネにつままれたような気分に浸りながらもと来た鉄路を一路名古屋へと戻りました。多治見の信濃屋。こうした店、業態がいつまで続くのかは定かではありませんが稀有なうどんと支那そばの店。今年最大の衝撃でしたネ。
2016/12/31 更新
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岐阜県多治見市。
岐阜県には小学生時代、名神高速道路の養老SAで休憩したことがあってそれ以来の訪問。しかしよりによってナゼに多治見かと言えばこちら信濃屋の噂を耳にしていたからであります。
午後から名古屋市内で仕事があったのですが、朝早く自宅を出てその前に多治見に立ち寄りです。アホだなぁ…と自嘲しておりましたがイヤこれがホント行って良かった。すごいうどんと支那そばに巡り会えましたですよ。
名古屋駅から快速で40分弱。
駅から徒歩10分ほどで店に到着。平日だったので想像していたような行列もなく事前学習に従って11時過ぎに店内を覗くと快く迎え入れてくれました。この日は私が一番乗りでしたが、店を出るまでの間にもなんとも素朴な感じでお客さんが訪れておりよもやの多治見の日常に触れることができました。
さて最初に注文を。ころかけうどんと支那そばをお願いして備え付けのポットから茶を注ぎ待たせていただきます。
そうして11:30にまずはころかけうどんがやってきます。
丼の中でぐねぐねと強烈な存在感を放つ真っ白でふくよかなうどん。そしてそのうどんに絡む漆黒のタレ。少量のネギとおろししょうがとごまが乗っている。
まずはうどんをひとくち啜り咀嚼した瞬間に頭の中に「！」がさく裂。まさに異次元の食感、喉越し、風味。
表現力に乏しいので敢えて矛盾した感想を漏らせば包容力ということになるでしょうか。太目のうどんを食べているうちに逆にうどんに取り込まれるような錯覚に陥りそうになります。ふわんとしながらもしっかりとした歯応え、そして何ゆえにこんなに滑らかなんでしょうか。
漆黒のタレはたまりしょう油を使っているらしく丸みを帯びた奥行きのある甘みがうどんと調和してます。
うどんを手繰っている間も頭の中では「！」が点滅しっぱなし。あっという間に啜り、噛み締め余韻に浸りました。
このころかけうどんを食べ終わると店主らしきおじさんが出てきて「味は大丈夫ですか？」みたいなことをいかにも朴訥に尋ねられましたが何故にこんなに謙虚なんでしょうか？
目を白黒させていると続いて支那そばがやってきます。
こちらも一見暗黒しょう油系のツユの中に扁平で透明感のあるフォーのような麺が沈んでいます。薬味は刻んだネギだけ。まさしく異形の麺ですがこちらも啜ってみるとうどん同様頭の中に「！」が点滅し始めます。シコシコとした食感、つるりとした喉越し。独特の奥行きのある甘さのツユと調和し新鮮な驚きに包まれました。何も足さない、何も引かない、と言えばウイスキーのキャッチコピーですがこちらの麺類もまさしくそんな感じではないかと。
基本的にはうどんと支那そばそのものの美味さだけをシンプルに追及しておりともすれば求道者のような凄みを感じなくもありませんが、お店の方々にはそんなそぶりなど一切感じられず。素性もわからない私のような客にも朴訥に丁寧に接していただきました。
他のレビューにもある通り、メニューは3品だけ。半分のサイズもあるようですがシンプルな分だけ胃腸への負担も少ないのか普通に2品は食べられますね。
映画のセットのような店の雰囲気はもちろんの事、うどんと支那そばのまさしく異次元の美味さに加えて温かみのある接客。
こんな突出した個性を持つ店がこうした地方都市にポツネンとあるわけですから意地汚い食べ歩きは止められないワケです。
キツネにつままれたような気分に浸りながらもと来た鉄路を一路名古屋へと戻りました。
多治見の信濃屋。こうした店、業態がいつまで続くのかは定かではありませんが稀有なうどんと支那そばの店。今年最大の衝撃でしたネ。