レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2012/09訪問 2012/09/02
西池袋のちょっとはずれに有名なうなぎやがある。その名も『かぶと』。狭いカウンターと奥に小さいテーブル席がある。それだけの席数の店だからとっても予約が取りにくい。近くのイタリアンバルうおきんほどじゃないが。しかし、いく価値はこちらのほうが断然上である。うなぎのタイプは関東では珍しい関西風。でも身が柔らかくて関東と関西の折衷な感じ。しかし、ここは最初からうな重食べて満足するだけは素人。一通りといううなぎ串こそが真髄なのである。そのあとでゆっくりと本体を楽しむ。ここの店でのウリはウナギをあたまからしっぽまでしかも美味しくたべてしまおうというもの。これが意外に珍味過ぎず万人に受ける味。しかも驚くほど柔らかくてすごく美味しい。モツが苦手な人でも大丈夫だ。そして、極めつけは店主のS的接客。自身がSな客や飲食店慣れしてない人はどきもを抜かれるかもしれないが、よく観察していると店主なりのキャラづくりだとわかる。日本酒好き店主の日本酒の好みは濃い系。あっさりだよって言われてもしっかり味。それがうなぎとよく合うのだ。
再訪
あいかわらず楽しい店である。今どきの店にはない、いけばいくほど面白いするめのような店である。
3位
1回
2012/10訪問 2012/10/22
仙台って本当に良い居酒屋が多い。そして、ホヤが本当に美味しい。ホヤなんてグロテスクで臭いとか、塩辛で誤魔化したようなものしか食べたことのなかった私は仙台で開眼した。ホヤを食せねば仙台に来た意味なし。牛タンなんて、駅で売ってる伊達の牛タンでも十分である。まあ土産にしては高いけどね。さてここは国分町でも北のはじにある『かん』。人の良さそうな、でも品の良いおじさまがやっているこじんまりとした、でも人気店だ。人気の秘密はその人柄と一流の素材と一流の日本酒。一流の素材を用いながら、出来るだけ値段を抑えようという努力が垣間見えるいいお店だ。ここで初めて食した仙台の高級マグロひがしものは初めて食した大間のマグロよりインパクトで上回る。日本酒もよいものばかり揃えてるし値段はそれなりに張る。しかし、それ以上のコストパフォーマンスを誇る良みせであることは確かだ。
4位
1回
2012/07訪問 2012/07/18
静岡でこんなバーが成り立つのか!と驚きの連続だったのが『ブルーラベル』。静岡駅から程近く、とある普通の雑居ビルを上がると現れるオーセンティックバー。その、棚に並ぶウィスキーがすごい。国内正規ものゼロ。全てが直輸入に徹底。国内正規は全て偽物として、オーナーが世界を買い付けてまわるという徹底ぶり。ウィスキーひとつひとつにテプラで思いを語る。そして無茶苦茶古いライウィスキーでマンハッタンの贅沢。こだわりのウィスキーバーと言えば想像するのが薀蓄大好きなオジサン登場。しかし、ここはウィスキー好きの淑女が指南…。接待でも使えそう。この店にはイロイロ罠が仕込まれている。なんか、静岡でやっていけるワケがわかった気がする。
5位
1回
2012/12訪問 2012/12/09
浅草のハズレにある「蕎亭大黒屋」が京都ミシュランかね井以来の鮮烈な蕎麦屋であった。かね井とは違う意味で。見た目はまさに老舗。入るとあまり綺麗とは言えない店内。走り回る小さなおばちゃんがいる。おばちゃんを叱るおっちゃんの声丸聞こえである。いっこうに取りにこない注文。でも、通るたんびに待ってねえ待っててねえ〜と言って過ぎ去るので忘れてはいないのだ。待っててねぇのドップラー効果を楽しみながら、やっときた焼き味噌は蕎麦の実大ぶりで香ばしい。そしてむちゃくちゃ待って出て来た蕎麦が…絶品。こんな香り高い蕎麦は生まれて初めてだ。その香り、のどごし、生涯食べて来たなかで間違いなく最高の蕎麦である。いい蕎麦は待たないと食べれねぇんだなぁぁぁぁと実感。つゆも辛すぎずいい塩梅で、蕎麦によくマリアージュする。日本酒は冷蔵庫に突っ込まれているが、これもなかなかセンスのよい品揃え。ただ、せっかちな人や時間のない人はここに来てはいけない。最初にアテを頼んだとは言え注文から蕎麦到着まですごい時間がかかるのだ。お会計するときに時計を見たら一時間半以上かかっていた。最高の蕎麦は待ってこそありがたく口にできるものなのだ。でもその価値がこの蕎麦にはある。感服。
6位
1回
2012/07訪問 2012/07/17
天神にある『きはる』の五島サバは絶品であった。これが、美味しいサバか、としみじみした。サバの生き腐れというほど生で食べてはいけないサバではあるが、だからこそ生がさらに美味しく感じるのか。泳ぎサバ刺しはまさに絶品であった。福岡名物ごまさばは結構ごまであえてあるのに、サバがそれでも主張してきた。そう、あまりの鮮度の良さに驚く。我のつよいサバだ。活の穴子がまた美味しかった。スッキリしているのにあとからやってくる深い味わいと脂。クセになる。生のアナゴがこんなに美味しいとは人生初の発見である。宮崎馬肉のフタエゴも美味しかった。脂身がまったく脂っぽくもなかった。これだけの質のものを出して、しかも安い。最後に値段で驚いた次第。いくら物価が安いとはいえ、これだけ食べてこの値段とは!接客もきびきびしていて良い。
7位
1回
2012/02訪問 2012/02/19
渋谷と言っても神泉駅に、そしてラブホ街に近い細道であるが、オシャレな飲食店立ち並ぶ中でも大繁盛店がこちら『ぽつらぽつら』。流行りのカウンター丸見え系、ドヤ顔だけど丁寧な仕事をされる調理人さんを眺めながら、臨場感を楽しめる割烹居酒屋。名物、野菜のテリーヌを見てもわかるように、その色合いのセンスは他店より抜けている。牛肉のタタキは素材と調理がよくフワフワ肉である上にネギまみれのこのビジュアルにオドロキも隠されている。器にもこだわり、酒器も普通に錫製を使っていて、セレブな雰囲気満点。ワインは国産しばり。日本のワインしかない店なんて初めてである。わかりやすいコンセプトは好き。国産ワインだけに縛るとなかなかいいのを見つけるのは難しいだろうに、しかも美味しい。そう、ここはワインと日本酒にそれぞれ担当がいて、アイテムを厳選している。だから、ワインと日本酒は担当の案内を肴に飲める。特に日本ワインのレベルが上がっていることをヒシヒシと感じられる店である。奥にテーブルが2つくらいあるが、カウンターメイン。
8位
1回
2012/04訪問 2012/04/14
神楽坂の坂の途中を裏路地にすこし入ったところにある焼き鳥屋が『酉玉』である。本店は白金台にあるようだ。ここで久しぶりに花まる満点の焼き鳥に出会うことになる。店は地下にあり、ピークタイムをはずしても満員な店内は厨房を囲んでカウンターのみである。来店客も予約客ばかり。どうやら予約は必須の店のようだ。焼き鳥は希少部位をウリにしており、中でもちょうちんを頼む客が多い。ちょうちんといえばもそもその干からびた粗悪品しか食べたことが無かったのだが、あまりにまわりが頼むので恐る恐るちょうちんを注文。なんと!トロッとしてる!いやこれは全く別物だ。新鮮だからか臭みもなく、そして普通のたまごより味わい深い。これまでたいしたちょうちんを食べたことないのに美味しくないと言ってた私に恥ずかしさを覚えるくらいである。焼き鳥に使っているタレは非常に繊細かつ上品であり、巷の焼き鳥屋のタレみたいにへんにドロドロしていない。焼きはもちろん炭で。しかもその焼き方も絶妙なのである。焼き手がこれ以上焼いてはいけないギリギリのタイミングを見計らって出しているのが食べてわかるのだ。つきだしでおろしと野菜味噌が出てきたのだが、どちらも素材の良さが実感できるとびきりのうまさ。シメの酉玉丼はたまごとそぼろと焼き鳥の構成なのだが、このそぼろが絶品である。ふわふわしていて、口の中でとける。どれを食べても美味しい。どれも調味料の使用を必要最低限に抑え、素材を生かす計算をしているのがわかる。ぜひまた来たい。席はカウンターオンリーだがひとり客はなぜかゼロ。店もにぎやか。焼き場が丸見えのような作りで臨場感がある。
9位
1回
2012/03訪問 2012/03/05
西新宿にはバーが多い。こちらは最近できた『カクテルブック』。角の雑居ビルの二階でわかりにくい。目印は白い置き看板で、外の階段から上がる。中に入ると新しいだけあって、キレイな店内。髪型バッチリのお店の方は新宿京王プラザホテル出身だけあって、立ち振る舞いがとても上品。バーテンダーという人は個性派が多いというか、簡単に言うと我が強い人が多いというか、それが全てだと言っても過言ではないが、こちらにきてそうじゃないバーテンダーもいるんだね、と驚いた。初めて出会うタイプ。もう、びっくりするくらいソフトである。居心地良過ぎでしょ。フルーツカクテル推しだし、女性向け。で、会計を見たら驚いた。カクテルコンペを勝ち抜いた美味しいカクテルのお値段ではない。いや久しぶりにいいバーを見つけた。
10位
1回
2012/04訪問 2012/04/07
神宮球場のそばにある『珈琲専門店香咲(かさ)』はなにも知らなければ普通に通り過ぎる、てか裏路地にあるから前を通ることすらないであろうごく普通の喫茶店だ。ただひとつ店の前にある看板にオススメがホットケーキであることを示しているだけ。そのホットケーキの写真もごくごく普通のビジュアルである。いちげんさんの誰がこのホットケーキに期待をしようか。いや、期待して欲しい。このホットケーキを食べるとビルズのリコッタパンケーキなど霞む完成度に驚くからだ。表は絶妙にパリッと、中は絶妙にふんわーり、絶妙なバターの割合、そして添えられたクリームとの絶妙なマリアージュ。あゝ、こんなに絶妙な割合でつくられたホットケーキを今まで食べたことがあろうか。いや無い。凄まじい感動が我を襲うホットケーキ。たぶん美味しいであろう珈琲がかすむくらいのインパクト。
これまで食べてきた中華とはなんだったのか・・・。まさか今までの人生に反省することになろうとは・・・。食べたことない上海ガニを食べに来たのがこのありさま・・・。こちらは東京中国飯店グループの最高峰「富麗華」。中華好きなら誰でも知っているミシュランの店である。場所は六本木。駐車場は店の裏に多数。某元首相もお忍びで裏通路からやってくるらしい。炒め物、スープ、蒸しごはん、そしてメインの上海ガニ。すべてはずすことない・・・というか、今までの中華の概念を覆す素晴らしい料理ばかり。全然脂っぽくないのである。でも和風中華でもなく、もう新しい料理。残っているタレも飲みたいくらいの素晴らしい味付け。これはなんだ。なんなんだの連続。そして上海ガニ。上海から空輸ですよ、空輸。11月はオスもメスも美味しい絶好の季節。オスとメスの食べ比べなんて贅沢!!オスは味濃くどっしりと。メスは卵の食感よく酸味強め。個人的にはオス派。そして紹興酒漬けも絶品。漬けとは言いながら生ですよナマ!またこのソースが絶品なんだわ。1階は席ぎゅうぎゅう。でも客でいっぱい。中華の店というよりはホテルのダイニング狭めといった印象。でも二胡と箏の生演奏が高級感を演出。店員もたくさんおり、日本人スタッフと中国人スタッフ半分半分といったところか。人数多いだけにサービスはバッチリ。しかしお値段もバッチリゆえ、今度はいつ来れることか。教訓。東京では金さえあれば美味いものがある。あぁやな世の中。