3回
2023/09 訪問
坂の上の名店──宮前平「しお田」で堪能する極上とんかつ体験
田園都市線・宮前平駅から徒歩10分。
急な坂を登り切った住宅街に、知る人ぞ知る老舗とんかつ屋「しお田」がある。
かつて人気ドラマ『孤独のグルメ』にも登場し、とんかつ好きの間では“聖地”とまで呼ばれる存在だ。
訪問したのは連休中日の土曜夜。
店先には数組の待ち客が並び、店内はすでに満席。
記名制で順番を待つのが基本だが、この日は運良く30分ほどで入店できた。
扉を開けると、L字型のカウンターのみが並ぶシンプルな空間。
余計な演出は一切なく、まさに「とんかつと向き合うための場所」といった雰囲気だ。
メニューは「ロースかつ御膳」「ひれかつ御膳」「海老フライのミックス御膳」などの御膳スタイルが中心。
カツのサイズを“少なめ・ふつう・たっぷり”から選べるのも特徴だ。
ご飯・豚汁・小鉢・香の物がセットになり、シンプルながら一食としての完成度は高い。
今回まず選んだのは「ロースかつ御膳(ふつう)」。
分厚いロースは衣が軽やかに揚がり、中はしっとりジューシー。
脂身は甘く、塩でいただけば肉の旨みがダイレクトに響く。
ご飯と一緒にかきこむのも良いが、思わず「ワインで合わせてみたい」と感じる上質さだ。
実際、常連客の中には白ワインをボトルで楽しむ姿もあり、とんかつの奥行きを感じさせる。
続いて「海老ヒレ御膳」。
大ぶりの海老フライはぷりっと弾力があり、自家製タルタルとの相性が抜群。
ヒレかつは脂控えめながら肉自体の旨みが濃く、塩でいただくとその上品さが際立つ。
常連がこぞって海老フライを注文する理由がよくわかった。
価格は御膳で2,000円前後と決して安くはないが、その肉質と揚げの技術を考えればむしろ割安。
ご飯や豚汁のおかわりは有料ながら、それすら気にならない満足感がある。
静かな空気の中で、一枚のとんかつに集中する時間。
坂を登る労力をかけても通いたくなる理由が、ここには確かにある。
宮前平の「しお田」は、単なる食事を超えた“大人のとんかつ体験”を提供してくれる名店だ。
2025/09/27 更新
2015/01 訪問
住宅街の名店──宮前平「しお田」で味わう至高のとんかつ
田園都市線・宮前平駅と宮崎台駅のちょうど中間。
住宅街の中にひっそりと佇む「とんかつ しお田」は、地元で長年愛されてきた名店だ。
グルメ番組や雑誌でも取り上げられ、“とんかつ好きが一度は訪れるべき店”として知られている。
店内はL字型のカウンター12席のみ。
決して広くはないが、その分「一枚のとんかつと真っすぐ向き合う」静かな空気が漂う。
ピークタイムは常に満席で、入店には待ち時間を覚悟する必要があるが、それもまたこの店の特別感を高めている。
この日の注文は定番の「とんかつ定食(1,050円)」。
厚みのある豚肉は、衣がサクッと軽やかで、中は驚くほどジューシー。
脂身は甘く上品で、ソースをかけずとも塩で十分に楽しめる完成度だ。
添えられるご飯と豚汁、小鉢はシンプルながら丁寧な仕上がりで、一膳としての満足度をさらに引き上げてくれる。
価格はランチなら1,000円台から、御膳スタイルのロースやヒレ、海老フライなどを組み合わせると2,000円前後。
キャベツやご飯のおかわりは有料だが、それを補って余りある肉の質と揚げの技術に、誰もが納得するはずだ。
街中の喧騒から離れ、静かな住宅街の坂を登った先で出会える極上の一枚。
わざわざ足を運ぶ価値のある、とんかつの聖地がここにある。
2025/09/27 更新
田園都市線・宮前平駅から徒歩10分。
住宅街の急坂を登りきった先に、知る人ぞ知るとんかつの名店「しお田」がある。
テレビや雑誌でも取り上げられることの多いこの店は、まさに“とんかつ好きの巡礼地”と呼ぶにふさわしい。
アクセスは決して楽ではないのに、開店前から行列ができるのも納得だ。
扉を開けると、目の前に広がるのはL字カウンターのみの凛とした空間。
客は皆、黙々ととんかつと向き合う。
その静けさは、まるで一枚のとんかつを真剣に味わうための舞台装置のようだ。
メニューはヒレ・ロース・海老といった定番に加え、銘柄豚「32℃豚」を使った特別メニューも揃う。
御膳スタイルで提供され、ご飯・豚汁・小鉢・香の物がセット。
さらに肉の量を「少なめ・ふつう・たっぷり」から選べるのも嬉しい配慮だ。
この日は「ロースかつ御膳(ふつう)」と「海老ロース御膳」を注文。
ロースかつは衣が薄くサクッと軽やかで、中は驚くほどジューシー。
脂は甘く、重さを感じさせない。
塩で味わえば肉そのものの旨みが際立ち、擦り胡麻を合わせたソースでは香ばしさが広がる。
海老ロース御膳は、プリッとした海老フライに自家製タルタルが絶妙に寄り添い、ロースとの組み合わせでも最後まで飽きさせない。
脇役の完成度も見逃せない。
やや硬めに炊かれたご飯は脂を受け止める理想の食感。
具だくさんの豚汁は出汁がしっかり効き、御膳全体の完成度を底上げする。
小鉢や香の物に至るまで一切の妥協がなく、全体としての調和が素晴らしい。
とんかつの完成度、空間の静けさ、丁寧な接客。そのすべてが「しお田」を唯一無二の存在にしている。
坂を登りきった先に待つのは、ただ一枚のとんかつに真剣に向き合う時間。
宮前平でしか得られない特別な体験だった。