Sean☆さんが投稿したもつ焼 でん 水道橋店(東京/水道橋)の口コミ詳細

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もつ焼 でん 水道橋店水道橋、九段下、神保町/もつ焼き、居酒屋

1

  • 夜の点数:4.0

    • ¥2,000~¥2,999 / 1人
      • 料理・味 4.2
      • |サービス 3.6
      • |雰囲気 3.6
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク 3.8
1回目

2025/11 訪問

  • 夜の点数:4.0

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス3.6
    • | 雰囲気3.6
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク3.8
    ¥2,000~¥2,999
    / 1人

勝っても負けても“でん”に帰る──水道橋の夜をととのえる、昭和もつ焼きの名店

WINS水道橋で“ほんのり勝った気分”を抱えた日曜の夕方。
大勝ちではない、かといって負けでもない──そんな宙ぶらりんなテンションの日には、決まって身体がもつ焼き屋を探し始める。
そして、水道橋にはその気分に完璧に寄り添ってくれる一軒がある。
それが 「もつ焼 でん 水道橋店」。

暖簾をくぐった瞬間、昭和の煙がまだ残っているような、どこか懐かしい匂いが鼻をくすぐる。
店内は コの字型カウンターのみの潔さ。
テーブルも座敷もない。余白も迷いも削ぎ落とした空間は、むしろ“飲むためだけの場所”として完成している。
壁一面に並ぶ 木札のメニューには、朱色札がいくつもぶら下がり、
それが“売り切れ”の印。
まだ日曜の夜の早い時間なのに、この状態。どれだけこの店が愛されているか一目でわかる。

まずは 黒ホッピーを。もちろん“中”は シャリキン。
キンと冷えた焼酎が少しずつ溶けて、味が変わっていくあの感じがたまらない。
競馬の余韻をゆっくりほどくには、これ以上の飲み物はない。

スターターは マカロニサラダ。
奇をてらわない味なのに、気づけば箸が止まらない。こういう“普通の旨さ”が実は一番難しい。
続いてハツ刺 ゆっけ風。
ごま油の香りと卵黄の濃厚さが新鮮なハツに絡み合い、思わず「これだけで一杯いける」と声に出そうになるほどの完成度。
鮮度が良くないと絶対に出せない味だ。

そして、いよいよ もつ焼きの真骨頂へ。
たん、かしら、だんご(つくね)、のどかしら。
どの串も丁寧に焼かれ、部位ごとの旨さがはっきりと主張してくる。
焦げ目の香ばしさ、肉汁の甘み、噛んだときの弾力──
「でん」はやっぱり抜群にうまい。
中目黒店のファンでもあるけれど、この水道橋店の“渋さと実直さ”は独自の魅力だ。

締めは 牛もつ煮込み。
白味噌のまろやかさが、胃袋にすっと降りていく。
余計な脂を落とし、旨味だけをきれいに残した、優しいのに深い味。
これを啜ると、勝ち負けなんてどうでも良くなってしまう。

昭和レトロで、飾り気がなくて、ただただ“旨いものを静かに届けてくれる”店。
ひとり飲みの背中をそっと押す温度を持った、特別なもつ焼き屋だ。

勝った夜も、負けた夜も、
そして勝ち負けさえ忘れたい夜も。
ここでホッピーを飲み、串を噛めばすべて帳尻が合う。
そんな店があるなんて、水道橋はちょっとずるい。

2025/12/13 更新

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