『「プレコード・ハリウッドII」 @シネマヴェーラ渋谷』AI94さんの日記

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日記詳細

原節子の特集上映を観に行ったとき、こちらのパンフレットが置いてあり、4月12日(土)~5月2日(金)まで「プレコード・ハリウッドII」という特集上映を行っていることを知りました。
‘プレコード’と聞いて、そしてパンフレットの表紙を見たら気にならないはずがありません!

以下2作品を観てきました。

『夜の看護婦』(1931年)
看護婦になろうとしてニューヨークの市立病院に入ったローラ・ハートは、貧血症と栄養不良で永く市立病院に入っていた幼女二人の退院後の看病のためとある富豪の家の夜勤となる。
幼女の看病を続けるも徐々に容態は悪化していき、ローラは裏に何かがあると不審に思う・・・。

幼女の命を救うべく悪と戦う看護婦ローラ役バーバラ・スタンウィックが男勝りでカッコイイです。
富豪の家に同居する悪徳運転手ニックに平手打ちされてもひるまず、彼女が便宜を図った酒類密輸入者モーティ、ベル博士の助けを借りて真実を暴き、幼女の命を救います。


既にネットで観たことがありますが、悪徳運転手役としてクラーク・ゲーブルが出ているからこの作品を映画館でも観てみたいと思ったのですが、登場シーンから始まって彼が出ているシーンは強烈ですね(圧を感じるというか。。。彼が身体がデカいからだけでは決してないと思う)。
例のスタンウィックを平手打ちするシーンに当時の女性たちはかえって惹きつけられたそう。


『限りなき旅』(1932年)
香港のある有名な酒場で偶然カクテルをこぼしたことから、殺人を犯して追われる身のダン・ハーデスティと不治の重い心臓病を患ったジョーン・エイムスはお互いに一目惚れする。
奇しくも、二人はサンフランシスコ行きの旅客船に乗り合わせたが、現在の刹那に生きること以外に望みのない二人は共に自らが近く死ぬべき運命であることを隠し、お互いの愛にすべてを棒げつくす・・・。

パウェルとフランシスが出会う冒頭のシーンからこれから起こることを予感させ惹きつけられます。
殺人犯とは思えないほど軽妙洒脱なパウェルと、憂いある大きな瞳で魅力的なフランシスの主演二人がストーリをひっぱり、ダンを追う刑事と彼の友人であるスリと偽伯爵夫人役の共演者が脇を固めて良い味を出していました。


今特集上映のパンフレットの表紙がこの映画からのもので、これを見ただけで絶対に観たい!と思ってしまったほど。
パウェル、フランシスにとって黄金期の作品の一つなのではないかとこの写真を見ただけで想像できるほど魅力的ですよね!
この作品について調べていると、主演二人は何と6回も共演していて、中でもこれが一番のヒット作だそう(道理で絵になるわけだ)。
プロットは違いますが、船中だからこそ燃え上がるラブ・ストーリーを描いた点で『歴史は夜作られる』をちょっと思い出してしまいました。

観に行ったのは週末でしたが2回共に4割くらいの入りで、やはり年齢層高めの男性客が多かったです。

プレ・コードの作品は私的にも興味深いところではあるのですが、上映スケジュールと自分のスケジュールがどれだけ合うかにもより、でも上記2作品見れたので良かったです!
時代的にもジーン・ハーロー出演作がかなり多く入っていたので、彼女のファンは足繁く通ったのではと想像します。
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