早いもので今日が今回の旅行の最終日。天気予報通り朝から雨が降っていました。
チェックアウトを済ませ、荷物を預かってもらい、大雨の予想が出ていたのでホテルで長い傘を借りて竹原へ向かいます。
広電で紙屋町西電停で下り、高速バスかぐや姫号の始発 広島バスセンターから8時20分発に乗車(土曜日でしたが広島駅からでも問題なく乗車できました。でも、念のため始発駅から乗ったので気持ちに余裕はありました)。
雨のせいなのか?、高速道路に乗るまでと乗ってから少しの間かなりの渋滞で、たけはら街並み保存地区に一番近いバス停 道の駅たけはらに到着したのは40分遅れの10時20分過ぎ。
道の駅の2階にある観光案内所でどの辺を重点的に回ったら良いか、どこが見学時間が長くかかりそうか、ここから一番近い帰りのバス停 新港橋の場所等訊いて、地図をもらっていざ出発!
少し歩いて行くとすぐ、燻したような色合いの木造建築が並ぶ町並みに入り、一番近くに位置している旧笠井邸を見学。
塩田経営者の家として明治5年に建てられたもので、派手さはありませんが戸の組子やガラスの模様、床の間の飾り棚や欄間の装飾が素敵で、展示品が整然と陳列され、こじんまりした中庭がありました。
雨模様なので人気がなく、真っすぐな路地がしっぽり雨に濡れて何とも風情があります(晴れていたら景観がクリアに見え、町歩きがしやすかっただろうと想像しますが、悪天候でも考えようによってはとても素敵に感じました)。
竹鶴酒造(現在も営業中)の玄関先にはわかりやすく大きな杉玉がありました。
こちらはニッカウヰスキーの創業者であり、「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝の生家で、彼の生涯はNHK連続テレビ小説「マッサン」のモデルにもなりました。
曲線状に反った唐破風の屋根が印象的な旧松阪家住宅は、室内が広めで周囲の渡り廊下から見える中庭が風雅で、調度品も当時の様子を伝えてくれていました。
右側の階段を上って行くと西方寺があり、境内前面には石垣と壁で囲まれていました。
さらに階段を上ったところにある普明閣は、先端がピンとはねた屋根と赤い柱が特徴的な二重屋根の舞台作りで、京都の清水寺を模して1758年に建立されたそう。
空がグレーだったのが惜しいところですが、瓦屋根が続く竹原の町並みが一望できました。
初代郵便局跡を過ぎた右側、竹原市歴史民俗資料館脇にある広場に竹鶴政孝・リタ像がありました。「マッサン」を観ていた人は、きっとこちらで一緒に記念撮影したくなるでしょうね。
続いて竹原市歴史民俗資料館を見学(建物は昭和初期、図書館として建てられたレトロモダンな洋風建築で素敵でしたが、ブルーグレーの塗装がかなり傷んでいました)。
町に繁栄をもたらした製塩業の歴史や資料などが展示されていました。
修景広場の隣にはまちなみ竹工房があり、実際に竹細工作成の体験をしている人がいました。
右側にある道を上っていくとおかかえ地蔵がありました。
赤いちゃんちゃんこを着て座っておられる優しいお顔のお地蔵様は1650年に創建。
願い事をしながら地蔵を抱きかかえ、軽く感じると願いが叶うと言われているそうです(普通の重さに感じたのできっとダメだと。。)。
胡堂(えびすどう)で参拝。
大林宣彦監督の映画 『時をかける少女』でもお馴染みのスポットだそうで、塩田業が盛んだった頃、この地区は上市・下市と呼ばれていて、上市の商業の守り神として祭られていたそうです。
藤井酒造は酒蔵交流館になっていて、中に入ると天井が高く、ひんやりして酒の香りがします。
酒粕を使用した化粧石けん「酒花」や雑貨、食器、酒器等が販売されていました(「酒花」は気になったのですが、少々お高く購入却下)。
手打ちそば処「たにざき」は生憎お休みでした。
下部がなまこ壁になっている旧光本家住宅も障子、ガラス戸越しに見た庭が素敵でした。
隣にある土蔵は「今井政之 陶芸の館」に改装され、草花や生き物等自然をモチーフにした作品が陳列されていました。
橋を渡った側にある旧森川家住宅は構えも造りもひときわ大きく、襖が開け放たれた広い座敷はカフェになっていて庭を見渡せるようになっていました。
綺麗に刈り込まれ整えられた庭園は雨に濡れて情緒たっぷりで、しばし見つめていました。
土間には製塩業で使用された道具や衣類、酒壺が展示されていました。
竹原塩田の1番浜跡地に建てられた豪邸で、竹原市の重要文化財に指定されています。
雨の中での見学でしたが、雨に濡れた竹原の町並みがより情緒を増して見え、人も少なかったので快適に見学できました(途中傘は要らない程度の小降りになるときもあったりして、後から考えると本当に観たいところでは私の“晴れ女”パワーがちゃんと働いてくれていたとご先祖様に感謝!)。
事前に観るべきところを調べておいたことで、短時間でも効率良く回ることができました。
まちなみ保存地区を一通り見終わり、13時少し前に道の駅に戻って昼食後、お土産購入のため売店へ。
竹原に来たらやはり手作りの塩を買いたいと思っていたのですが、道の駅には売っておらず、旧笠井邸でのみ販売している(実は見学中酒蔵交流館でも見つけていました)とのことで走って戻り、何とか購入できました(購入時、製塩や邸について詳しく説明していただきありがたかったのですが、バスの時間があるため途中で断り道の駅に戻りました 苦笑)。
竹原でのお土産を購入し、観光案内所で教えていただいたバス停へ(旧森川家住宅見学後慌てないよう事前に場所を調べておいたのでスムーズに行くことができました)。
ネットで調べたところ10分程度の遅れが出ているとのことだったので気長に待つことにします。
定刻(14.10)から20分はかからずにバスが来て(ホッ)広島へ。
広島駅に着いても雨はおさまるどころか、下からも吹き上がってくるほど激しく降っていました(又しても涙雨か・・・)が、歩いて最後の目的地 縮景園を目指します。
予想より時間がかかって到着したのは16時頃。
入口で案内図をいただき、所要時間を伺うと、左右共に30分くらいとのことだったので、左側のみ観て回ることにしました。
真っすぐ進んだところにある清風館から橋を渡ってぐるりと池の周囲を左に回るコースを歩きましたが、雨で土砂がぬかるみ大きな水溜まりができていて、スニーカーでなければとてもとても歩いて行けない場所もあったり。。。
それでも、緑豊かで、中央に広く池をとった日本庭園はとても美しく手入れされていて癒されました(方角によっては視界にビルが入ってしまうのでちょっと。。。都市にある庭園はその辺仕方ないですね)。
来た道のり+ホテルまでの所要時間を逆算してホテルに戻り、長傘を返却、預けた荷物をもらって手荷物の入れ替えをして広島駅へ。
お弁当が買えそうな場所がekie内にあることがわかり、いざ行ってみるとお店の数が予想より少なく、それでも広島らしいものをどうにか購入して新幹線乗り場へ。
出発時間が迫ってきて少々慌てましたが、余裕を持ってホームに到着。
(いざ着いてみれば大丈夫だったのですが、駅構内が広いのと、自分が乗車する場所まで新幹線のホームは非常に長く、重い荷物を持っていることもあって大汗;; 前回の奈良旅行の時もやや焦ったので、今後もう少し時間に余裕を持とうと思った次第。)
ぼーっと待っていると、飲み物が残り少なくなっていたことに気づき、ホームにある自販機で水を購入(やれやれ、危うく買わずに乗車するところでした。今は新幹線内で販売がないので、気づいて良かったです 苦笑)。
17.43発の新幹線で東京へ。
乗車時、スペイン人と思われるやや大勢の家族/友人連れが大きな荷物で通路を塞ぎ、なかなか乗車できず。。(発車ベルが鳴っているのにまだホームに人が溢れていたのは私たちの入口のみ?という状況。私の場合荷物も身体も小さめなのでさっと入口に入れましたが、こういうのインバウンドの方々もう少し考えてもらいたいです。。)
今回も心地良い疲労感と共に、自分のプラン通りに旅を終えられたという充実感で満たされました。
(終点まで寝ても良いのに、まだテンションが上がっていてあまり眠れずという感じ。)
いつも思うけれど、事前学習はとても大事ですね。
そして、今回の旅程の大部分(JR)と竹原見学場所、縮景園がすべて含まれている周遊券「宮島・瀬戸内tabiwaぐるりんパス」(3,800円)で行けたのは超格安でした!(実はこの情報を知ったのは旅行の約1週間前だったのでラッキーでした。後で確認したらもうこの周遊券なくなっていましたー。)
私にとって広島とは、卒業して最初に就職した会社の本社があったところで、実は身近だったものの当時は旅行できず、今回このような機会に恵まれて行ってくることができて本当に良かったです。
広島は都市でもやはり東京に比べゆっくり感があり、尾道、宮島、竹原と各所それぞれ特徴があって見どころ満載、食べ物も美味しかったです。
又旅立てるのはいつだろう・・・と思いつつ、あー、やっぱり旅っていいものですね!(←ってかな~り前の誰かさんのパクリですね 笑)