レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2012/08訪問 2014/04/30
かねてから伺いたいと思っていたお店。
先日念願叶い、真っ白な気持ちで行ってまいりました。
みなとみらい線 元町・中華街駅3番出口を出て右折、一つ目の角を左折し、更に左折するとすっきりと際立つ紺色の屋根が見えてきます。
ハーブの植木も置いてありセンスの良い店構え。
お店の前まで近づくと、スタッフの方が笑顔でドアを開けてくださいました。
オープンフロアーにテーブル席が2列配置されており、12時半の予約で席を選ぶことができたので中ほどの席に座ることにしました。
青い壁に金色の蔦の装飾、天井からはシャンデリア、隅にはガレの置物・・・と聞くと華美なように思われますが、やり過ぎ感がありません。
適度な高揚感をもたらしてくれる、そんな店内です。
綺麗にテーブルセッティングがされたテーブルにはランチメニューが既に置かれていました。
ランチは3,000円のコースのみで、本日のお料理について導入部ともいえる説明がなされます。
本日のスープ
本日の前菜
ニョッキ 白身魚のラグー
または、ラザーニャ サルサ ジェノベーゼ
または、羊のラヴィオリ ブッロ エ マジョラーナ
豚のバッサ テンペラトゥーラ
または、鮮魚のアッロースト
スパゲッティ アル ポモドーロをお好きな量で
小さなドルチェ
コーヒー、エスプレッソまたは紅茶
私が選んだのはニョッキ 白身魚のラグーと鮮魚のアッローストで、ご一緒いただいた方は別のお料理を選びました。
ノンアルコールカクテル: 好みを言えば作っていただけるとのことで、洋梨をベースにすっきりした感じでお願いしました。
洋梨の他に、ブドウジュースを加えトニックウォーターで割ってあり、甘さ控えめだったのでいずれのお料理とも合いました。
本日のスープ: ジャガイモの冷製スープでした。
ビシソワーズとは違い、キタアカリを塩とオリーブオイルのみで作ったものだそうです。
一口いただくと、綺麗に乳化されたとろりとした舌触りで、大地で育ったじゃがいものの風味がします!
カリカリに焼かれた生ハムが香ばしく、カルダモンと黒胡椒の効かせ方が秀逸。
このスープだけで、こちらに来た甲斐があった、正直にそう思いました。
スープと一緒に運ばれてきたのは、塩分少なめパーネトスカーノとローズマリーのフォカッチャ。
パーネトスカーノは甘味がありもっちりとひきが強く、フォカッチャはローズマリーとオリーブオイルの香りが非常に控えめ。
これもお料理の味を引き立たせる工夫でしょうか。
本日の前菜
ビーツとチーズのスフォルマート: クリームのように優しい口どけでビーツ本来の甘味を生かした一品。
アクセントに効かせたフレッシュタイムの香りが美しいこと。
(さり気ないけれど綺麗に香ります。ドライとこれほどまでに違うとは!)。
津軽鶏のエスカベッシュ: 淡白で柔らかい鶏肉に、タマネギ、セロリ、ニンジン、松の実、レーズンを優しい甘酢で和えてありました。
上にはピューレ状にしたフランボワーズソースとディル。
鶏肉、野菜にフルーツの香りと酸味が引き立ちます。
水ナス、ひとみ人参、わさび菜: 水ナスは塩とオリーブオイルのみで調理され、他は生のまま供されました。
食感が残った水ナスは甘く、クセのないひとみ人参のフレッシュな食感とわさび菜の苦味が味わえます。
添えられたブラックオリーブソースとサルサ・ヴェルデをつければ違った世界が広がりますが、それだけで十分美味しかったです。
ニョッキ 白身魚のラグー: 北イタリア地方のお料理。
ミルクで作ったもっちりしたニョッキに、歯応えあるセロリが白身魚の旨味がじっくり出たスープに絡みます。
魚の種類をお伺いすると、ディナーで出されるヴァポーレで使われる鯛やスズキを利用されているとのこと。
魚も数種類使うことで味に深みと甘味が出ることをそのまま証明してくれたようなお料理。
赤タマネギは甘く、フレッシュミントとピンクペッパーの香りがこちらでも生かされていました。
羊のラヴィオリ ブッロ エ マジョラーナ: 乳飲仔羊肉を使ったラヴィオリの上にはフレッシュマジョラム、ヘーゼルナッツ、そして甘く煮たレモンピールがのっていました。
程好い脂を感じるラムは、苦手な私からすると繊細な主張で嫌な臭みは全くありません。
ラム肉にマジョラムとレモンピールとの取り合わせが秀逸でした。
鮮魚のアッロースト: 鮮魚は鰆で、クスクスを添えたシチリアのお料理だそうです。
ふっくらと柔らかい火通りの鰆に、濃厚で甘い赤パプリカのピューレを添えてありました。
海老、ナッツ、シナモンを効かせたクスクスは、濃密でありながらシナモンの効かせ具合が絶妙。
散らしたイタリアンパセリがさっぱりと香り、上にあしらったオレンジピールが南イタリアを想起させました。
豚のバッサ テンペラトゥーラ: 60度で低温調理された豚肉は綺麗なピンク色。
程好い塩味が肉の甘味を最大限に引き出し、肉質も柔らかで見事としか言いようがありません。
塩を効かせたラルドとローズマリーがアクセントになり、リンゴのジャムに粒マスタードを合わせたもの、アニスの香りを付けたソースとバラエティー豊かに楽しめる一皿。
添えられたゴボウのカポナータも繊維が解けるように甘く柔らかかったです。
スパゲッティ アル ポモドーロ: 通常量40gにしていただきました。
(大体100gぐらいまでだそうですが、過去には200gの方もいらしたそう。(驚))
量によって形の違う皿で供されました。
トマト大好きなので、個人的に楽しみにしていたのがこちらでしたが、トマトソースのみの非常にシンプルなスタイルで、運ばれてきたときは驚きにも似た嬉しさがありました。
あえて柔らかめに茹でたスパゲッティがしっかりトマトソースに絡み、余計なものは一切入っていない滑らかなソースの甘味を存分に味わうことができました。
小さなドルチェ: 事前にチョコレートが苦手だと連絡していたので、オレンジのセミフレッドになっていました。
セミフレッドは少し硬めのものを想像していたら、ミルクが効いたババロアのような柔らかいものでこれもまた美味しい。
カスタードクリームにはピンクとイエローのグレープフルーツがのり、パイ生地が仕切るように立てられ、時折ブルーベリーソースと一緒に楽しみました。
通常はチョコレートとラム酒のセミフレッドで、これなら私もOKでした。
ラム酒の香りが美しく口どけの良いセミフレッドもいただけてラッキーでした。
カフェまたはティー: 私はレモンティー、お連れ様はエスプレッソをダブルで。
ちょうど良い入れ加減のウバを、お料理の余韻を楽しみながらいただきました。
食材の旨味を引き出したシンプルな調理法、それを味わいの違ったソース、ハーブ、スパイスでいただく醍醐味。
一皿の中でいろいろな展開が感じられる見事なお料理でした。
彩りと配分を考えた盛り付けも美しく、一品一品にどれほどの手間をかけているのだろうと考えただけで気が遠くなりそうです・・・。
お料理の素晴らしさを伝えたくてできるだけ詳しく書いたつもりですが、聞いた説明の3分の1にも至っていないように思います。
素材、調理法、取り合わせ、どのように食したら美味しいか・・・非常に丁寧で詳細な説明は、一皿一皿の料理の世界を膨らましていたことは明確。
ただマニュアルのように鵜呑みに覚えたものであったなら、決してそうは思わなかったでしょう。
グラスワインも個性的な3種類が白・赤共に揃っていて、その説明を聞くのが楽しかったです。
一皿一皿お料理のサーブされる間隔は流れるように絶妙でした。
途中、お互いに試食しあっているのを見てか、次のお料理から取り皿がさりげなく置かれていました。
最後に渡辺シェフ自らご挨拶に来てくださった際にお話を伺うと、南イタリアの料理がお得意だそうです。
私が野菜が好きなことを伝えると、こちらではエコファームアサノの野菜を多用され、その野菜を調理するとどんな風になるのかもお話してくださいました。
一点気になっていたスパゲッティーソースについて質問すると、何と作り方(トマト、タマネギ、セロリすべて同量をアメ色になるまで炒める)まで教えてくださり、使っているオリーブオイルまでテーブルに持って来てくださいました。
「訊いていただければ何でも、隠し事なんかありません」ときっぱり。
そんな潔さから生まれるお料理です。
土曜日のランチの予約は激戦ですが、平日ならば比較的空きがあるようです。
いつ又伺えるときが来るかわかりませんが、当分は先日いただいたお料理の味の余韻を楽しみたいと思います。
最後に、ご一緒くださったマイレビュアー様、貴重なお時間を本当にありがとうございました!!
2位
1回
2012/09訪問 2012/09/26
【再訪】
いつもお世話になっているマイレビュアー様と冷かけをいただきにランチ時に行って参りました。
開店時の11時半に予約を入れて伺いましたが、かなりの席が埋まるという盛況ぶり。
もりそば又はかけそば、小鉢、香の物、炊き込みご飯 並、又は鳥そぼろ丼 大、並みが選べるお昼の献立(1,000円)は週末もやっていて、その上、追加料金を払えば蕎麦の変更も可能。
先日伺ってとても気に入ったプリフィックスコースも夜同様昼にもいただけるようで、このフレキシブルなメニュー構成は本当に嬉しいばかりです。
今回はせっかくなので、本日の酒肴から真子鰈の昆布締め、本日の野菜小鉢と野菜料理から数点いただくことにしました。
真子鰈の昆布締め(1,500円): お品書きに無いですが、口頭で薦めいただいたお品。
うっすらと透明で淡いピンク色の身が何とも涼やかです。
引き締まった身をいただくと、昆布のまろやかな甘味と風味が口一杯に広がりました。
こちらの山葵、ピリッと目が覚めるように辛く、爽やかな風味で非常に美味でした。
焼き椎茸 鬼おろし和え(800円): 一焼きして一口大に切った椎茸に、荒く下ろした鬼おろしを和えたもの。
椎茸の香りが広がると、前回と同様、ほんのり苦味のある柚子風味の鬼おろしが食感良く絡みます。
冬瓜 木の子 海老しんじょ スープ(1,000円): 冬瓜、しめじ、舞茸、そして椎茸の裏側に海老しんじょをあしらった、見るからに優しげな椀物です。
あえて歯応えを残した冬瓜に、甘味とコクをたたえた海老しんじょ。
澄んだスープをいただきながら木の子をいただくと、木の子のお味がじんわりとスープに滲み出て絶品でした。
野菜の天ぷら(1,000円): レンコン、ヤングコーン、茗荷、舞茸、万願寺唐辛子、茄子からなる天ぷら。
こちらから申し出なくとも、なみなみと注がれた天汁と塩が人数分運ばれ、至れり尽くせりのサービスぶりです。
私は万願寺唐辛子、茗荷、舞茸をいただきましたが、薄く付いた衣がカラッと揚がっていました。
甘味の抑えられたすっきりした天汁に、丁寧に下ろされた大根おろしを入れていただいたり、時に塩をつけてみましたが、素材の持ち味が十二分に引き出されていました。
冷かけしらすおろしそば(1,300円): 私は通年あるというこちらを。
「こちらは辛味大根になりますがよろしいですか?」と事前にお断りがあったとおり、なかなかの辛味。
細めのコシのある蕎麦を手繰るたびに、小さめのしらすがさらさらと絡みます。
口に含むと、中に散らしてある海苔の風味が薫り良く広がり、磯の風味一杯。
喉越し良い蕎麦にすっきりとした汁は本当に清涼感たっぷり。
汁が冷えていることもあるとは思いますが、最後までコシが変わらないところはやはり見事です。
刻みねぎが付きますが、入れるのをほとんど忘れていたほど美味しくいただきました。
茄子とにしん冷かけそば(1,700円): マイレビュアー様が頼んだこちらも少しいただいてみました。
甘味ある、ほっこりと煮てあるにしんに、汁をたっぷり含んだ崩れるほどに柔らかい茄子。
にしんの旨味と油で揚げてある茄子のコクで味わい深くなった汁を満喫できます。
ほんのりの酸味はにしんからなのか、汁のかえしから感じるのでしょうか。
蕎麦湯は下に行くほどとろみを増していく自然体。
お蕎麦をいただいた後の蕎麦湯は本当にまったりします。
丁寧な仕事ぶりが見て取れるお料理、そつのないサービス、温かい空間・・・話しこんでいたらあっという間に数時間が経っていました・・・。
平日はわかりませんが、週末は通し営業のようでした。
中国大使館に近い場所柄、時折右翼?の騒がしい演説が耳に入りましたが、こちらのお店のくつろげる雰囲気に救われました。
今後、二国関係が友好的解決へ進むことをひたすら望みます。
残暑の折、「冷かけをいただく会」(←勝手に命名)にご参加くださった皆様、楽しい時間を本当にありがとうございました!
(画像ですが、料理は14枚、メニュー2枚(最後)追加しました。)
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‘12/05/31のレビュー
東京メトロ日比谷線、広尾駅 出口1番を出て有栖川宮記念公園を右に見ながら道なりに歩きます。
愛育病院の信号右側に交番があるのでさらに少し進むと左手に“蕎麦 たじま”の文字が。
(暖簾もなく、目立った看板もないので、実は通り過ぎてしまいました・・・。)
平日19時に予約して伺いました。
蕎麦屋にしては少しモダンな雰囲気が漂う店内は、柔らかな間接照明で満たされています。
既に7、8割のテーブルが埋まっていました。
お品書きにざっと目を通しましたが、気になっていたのはこちらのコース料理。
3,000円、3,700円、4,400円、5,100円と4種類あり、野菜小鉢3品に野菜料理、最後にもり、又はかけそばがいただけます。
値段が上がるにつれて野菜料理と主菜の数が増えていく内容。
おそばは大盛、又は2枚まで可能で、他のおそばも承るとのこと。
本日の料理は以下の通り。
【野菜小鉢】(値段は単価)
胡麻寄せ豆腐 600円
水茄子酢味噌和え 700円
芯取菜お浸し 600円
印元の胡麻和え 600円
ふき味噌 鬼おろしポン酢かけ 600円
【野菜料理】
焼き竹の子 1,100円
山芋饅頭ゆばあんかけ 1,000円
野菜の天ぷら 1,000円
茄子とにしん 炊き合わせ 1,000円
【主菜】
合鴨あぶり焼き 1,600円
巻き海老天ぷら(コースは+350円) 1,250円
穴子天ぷら 850円
3,000円と3,700円で迷ったのでお伺いすると、最初に3,000円の方で注文し、後でお腹に余裕があるようなら3,700円に変更可能とのこと。
何とも嬉しい対応に、とりあえず3,000円のそばコースでお願いすることにしました。
香ばしい蕎麦茶をいただいていると、じきに野菜小鉢が運ばれてきました。
水茄子酢味噌和え: ふっくら、そして皮際がきゅっとした独特の歯応えの水茄子は何と美味しいこと!
一口いただいた瞬間から酢味噌の和辛子がつーんと鼻に抜けます。
水茄子のお漬物はいただいたことがあっても、生の水茄子は初めていただきましたが、何とも言えない美しい食感で一品目から目が覚めるような驚きを感じました。
芯取菜のお浸し: 白菜と小松菜の中間のような食感とご説明いただいた通りの、潔いほどのシャキシャキ感。
非常に繊細なお出汁でこそ生きる芯取菜の爽快感をいただきました。
ふき味噌 鬼おろしポン酢かけ: 荒くおろした辛味大根にふき味噌をあしらったお品。
大根の辛味が生かされるよう、下には薄めのポン酢のお出汁がかけてあり、芸が細かいです。
たっぷり量のふき味噌のほろ苦さが秀逸だったのは言うまでもありません。
一言で表現すると、大人の味の野菜小鉢たちでした。
山芋饅頭ゆばあんかけ: 野菜料理に選んだのはこちら。
少し時間がかかってアツアツの状態で運ばれてきました。
しっかり、だけどとてもなめらかな饅頭状の山芋は、表面を油で揚げてあり、その香ばしさが味にコクを与えています。
とろっとろのゆばを、あんの効いたお出汁と絡ませながら山芋と一緒にいただく幸福感。
そして、山葵を溶いていただく清涼感。
蕎麦屋でこそいただけるお出汁の味に舌鼓を打ちました。
お腹もちょうど良くなってきたので、主菜はいただかず、とりあえずもりそばをいただくことにしました。
もりそば: 色は淡くて細く、とても美しいお蕎麦です。
一口いただいてまず感じたのは、爽やかさ。
コシは適度にありますが、喉越しが良く、非常に上品な味わい。
蕎麦の風味がふわんと鼻に抜けて非常に心地良いです。
蕎麦粉の甘味がじんわり感じられるとても優しいお蕎麦でした。
汁はすっきりと辛めで節の味わいは抑えめです。
この優しいお蕎麦にこの汁は・・・やや強すぎるのでは・・・と思いながらいただきました。
薬味は刻みねぎと山葵。
薬味を入れると汁がすっと馴染んで風味が変わります。
この山葵、甘味がやわらかで辛味も弱く、香りと味わいが独特でどこかでいただいたことがあるけれど思い出せない・・・。
(後でお店の方にお伺いしてみましたが、産地は特にこだわっていらっしゃらないそうです。)
あまりに美味しいお蕎麦のため、いつものことながらほとんどそのままでいただいてしまいました。
蕎麦をそのままで、すぐその後汁をほんの少しだけいただくと、これが絶品に美味しかったです。
かけそば: ほんの少しお腹に余裕があったので、少なめでお願いしました。
薬味の刻みねぎを早めに投入し、さっそくいただきます。
もっちり感が出て汁の味を含んだお蕎麦がこれまた何とも美味しいです。
節の風味が弱めで辛めの汁は、非常にすっきりとした味わい。
最後に、大好きな黒七味を入れて再び汁を味わいました。
蕎麦湯: 非常になめらかな味わい。
最後の方、ややこっくりとしてきますが、今までいただいた中でもかなりさらりとしている方かも・・・。
でも、このお蕎麦にはこれでいいのです、ひたすらそう思います。
初めの野菜小鉢から締めのお蕎麦に至るまで、さりげなく味の真髄が伺われました。
季節感があり、冷たいものと温かいもの両方がいただけ、そのバランスが秀逸。
野菜が大好きなので、その点でも新しい発見があり、非常に満喫できた理由の一つだと思います。
どのお料理に至っても質が高く、一つお気に入りの品を・・・と言われても、どれも美味しく甲乙つけがたいです。
量的にも十分で、非常に満足感の高いコース内容と言えると思います。
注文時にどのコースか決める必要も無く、お腹加減で追加注文できる点もフレキシブルで非常に有難かったです。
8時頃にはほぼ満席になり、途中いらした方を何度もお断りしていました。
人気店ですが、嫌な慌しさは微塵も感じられません。
時間がただただゆっくり流れる余裕すら感じさせます。
4人席に2人、8人席に6人等、席に余裕を持たせているところもその理由の一つかもしれません。
食事のサービスの配分がとても良いのは、ホールの方が始終目を配っているからでしょう。
てきぱきと仕事をこなしながらも、丁寧な説明で笑顔のサービスを絶やさない点にはとても好印象を持ちました。
子供からお年寄り、外国人の方も見受けられ、幅広く愛されていることがわかります。
再訪必至。
秀逸の野菜料理、他のお蕎麦を季節を変えて又味わいに伺いたいと思います。
(*他のお客様のご迷惑にならないように、とのことで写真撮影したので、お料理の写真の色がうまく出ておらず、申し訳ありません。)
3位
1回
2012/02訪問 2012/02/07
こちらで高評価なのでずっと気になっていたお店です。
先日ようやく伺う機会に恵まれました!
東京メトロ銀座駅A12出口から松屋と三菱東京UFJ銀行の間の道を入り、二つ目の角を左折、少し歩いた右側地下1階にお店があります。
1階に赤い暖簾とハヤシライスのメニューが出ていました。
午前中の用事が少し長引いてしまい、お店に到着したのは11時半少し前。
お店を探していたら既に行列が出来ていてすぐわかりました。
数えたら8番目だったので、何とか入れそうです。ホッ。
女性スタッフに招き入れられ、カウンター席に順番に座っていきます。
照明を少し落とした小さな店内ですが、カウンターには綺麗に並べられた色とりどりの野菜たちが一杯!!
「いらっしゃいませ~、美味しいから食べてね!!」と出迎えられているようです。
(カウンターの端に座ったため、他のお客様に悪いのであえて写真は撮りませんでした。)
カウンターに貼ってあるランチメニューは以下の通り。
★ハヤシライスランチ 1,200円
朝採れ野菜のサラダ
野菜たっぷりハヤシライス
デザート盛り合わせ
ホットコーヒー
サラダ大盛り+200円
ハヤシライス大盛り+100円
★期間限定ランチ(*用意がない場合もあり) 1,500円
野菜たっぷりハヤシライスの代わりに、限定ランチが入ります(ちなみにその日は豚バラの炙り丼でした)。
★お昼の懐石 (要予約) 2,500円、
ハヤシライスランチに、先付けと本日のグリルが加わります。
着席するなり、もちろん限定20食のハヤシライスランチをオーダー。
椅子にはひざ掛けが置いてあるので掛けて待ちます(寒い時期には嬉しいサービスですね)。
席の間隔は狭いので、体の大きな方はちょっと窮屈に感じるかもしれません。
朝採れ野菜のサラダ: 順番に手際よく作られていき、待つこと数分で到着。
なんと彩りが綺麗なこと!
レタス、トレビス、ブロッコリー、赤・黄パプリカ、ヤングコーン、キュウリ、紅芯大根、金美人参。
軽く茹でてあるのはブロッコリーのみで、どれもこれもシャキシャキで瑞々しいです!
それに、野菜の甘味がハンパではありません!
チーズ風味の少し甘めのドレッシングが、多からず、少なからず(ドレッシング多めは野菜の味を殺してしまうのでちょうど良い量だと思います)、野菜の甘さを見事に引き出してくれています。
(あまり自分では好まないタイプのドレッシングだったのですが、すっきりとした味わいなのでこのサラダにはとても合っているように思いました。)
あまりの美味しさに、「美味しいですね~!!」と感嘆していたら、関東地方でその日の朝採れた野菜を使っていると教えてくださいました。
野菜たっぷりハヤシライス: カツオ出汁と野菜から作ったハヤシライスだそうです。
やや黄色っぽいルーの中にはジャガイモ、玉ネギ、赤・黄パプリカ、ブロッコリー、ヤングコーン、シメジ、舞茸が。
野菜の旨味と甘味を同時に感じる優しいルー。
鰹節の風味は、野菜本来のお味を決して邪魔することなく陰に隠れています。
コクがあって、なめらかで、円やかで、まるでスープのよう。
こってりと濃厚でスパイシーなルーとは明らかに違います。
中に入っている野菜は食感を大切にした調理加減、まさに名前どおりの野菜が主役のハヤシライスです。
ご飯は五穀米で、ふっくらと炊かれ、噛むと甘味が感じられ、ハヤシライスのルーと絡めながらいただくと、ルーがより円やかさを増して感じられました。
デザート盛り合わせ: チョコレートアイスクリーム+チョコレートケーキ、抹茶のわらび餅、パンナコッタ、オレンジの4点で、手前にはカラメルソースで線が描かれていました。
実はチョコレート苦手なんです。
でも、せっかくなのでいただいてみたら、これがあっさりなめらかで美味!
土台のチョコレートケーキは硬めな仕上がりで、上部の口どけ優しいアイスクリームと好相性。
弾力ある抹茶のわらび餅からは和のテイストが感じられました。
パンナコッタは硬めで、甘味、くちどけがもう絶妙~!
でもどこか違う風味がするのでお伺いしたら、赤ワインを少量加えていらっしゃるそう。
道理でミルク味がすっきりで、少し色がパープルだったわけですね。
ホットコーヒー: 締めでコーヒーが出てきたのですが、実はコーヒーも飲まないんです・・・。でも、どんなお味なのか知りたくてミルクをたっぷり入れて口に運ぶと、良い香りと共にこっくりとした味わいの酸味の少ないコーヒーでした。
コーヒー苦手な私でも少しいただくことができました。
新鮮なお野菜の美味しさを率直に引き出したお料理満載のとても贅沢なランチでした!
ある時はシンプルな形で、又ある時は丁寧に手を加えて・・・。
(私の中での“贅沢”とは、高級食材を多用したお食事や、しっかりとフルコースをいただくことではなく、食材の持つ風味や食感を余すことなく生かしたお料理や、心のこもったサービスに出会ったときにこそ感じるものだったりします。)
サラダからデザート、そして最後のコーヒーに至るまで、食した後の満足感は非常に高いものでした。
(苦手なものがあったにもかかわらずです。)
野菜好きなら、絶対に行って損のないお店です。
お肉が入っていないハヤシライスなんて・・・と思う方にも、野菜とカツオ出汁だからこそ作り出せる芳醇なハヤシライスを是非味わっていただきたいです。
量的にもたっぷりだとは思いますが、男性の方は大盛りを頼む方もいらっしゃいました。
サラダからコーヒーまでいただけて1,200円とは素晴らしいコスパだと思います(とてもありがたいことですが、採算とれるのかしら・・・?と不安になってしまうぐらいです)。
ちなみに、朝採れ野菜のサラダのドレッシングですが、お好みを言っていただければ変更可能だそうです。
(たとえばイタリアン・ドレッシングが良い、オイルのみで、何もかけずそのままで等)。
実は、私の後から来た方のドレッシングが違っていたのでお伺いしてみたら、↑のようなご回答をいただけました。
なにしろハヤシライスは限定20食なので、開店11時半を目指して伺う方が賢明です。
もしくは、ランチ時間の13時までなら(席&ハヤシライスを)事前に電話予約可能だそうです。
女性率は高いですが、常連と思われる男性や男性だけのグループもいらっしゃっていました。
お店を出るとき、あまりに美味しかったのでお礼を言うと、シェフが笑顔で挨拶してくださったのがとても印象的でした。
再訪必至。
時を少し置いて、又美味しいお野菜を味わいに伺いたいと思います♪
4位
1回
2011/12訪問 2012/01/03
シンプルな素材、彩りよい盛り付けに、お値段以上の幸福感が感じられるお店
JR京浜東北・根岸線石川町元町口を出て左折、元町とは逆方向の川沿いに歩くこと数分、左角にあるイタリアンレストラン。
エンジ色の大きく”REGA”と書かれた旗と屋根があるのですぐわかりました。
木製の扉を開けると、こじんまりした店内から笑顔のスタッフと、続いてエプロンをかけたシェフと思われる方が出迎えて下さいました。
通されたのは入って右側の窓際席。
11時半に予約を入れて伺いましたが、少し遅れてしまったので2組目でした。
さりげなく掛った水仙の絵、柔らかなライト・・・非常に心和む雰囲気です。
テーブルに綺麗に折られたナプキンと”REGA”の革製マットが置かれ、テーブルセッティングも素敵で気分が上がります!
ランチメニューは肉・魚どちらかをチョイスするAが2,500円、肉・魚料理両方味わえるBが3,500円、スペシャルが5,000円と3種類。
あまり重い食事は好まないのでランチメニューAをオーダー。
セコンドはスパゲッティ プッタネスカ、スパゲッティ ラグー ディ ペッシェ、ペコリーノチーズを使った本日のパスタから1種類選択、本日のお魚料理はアクア・パッツァ、肉料理はイベリコ豚のソテーでした。
ピーチネクター(500円): 細いグラスに入って品良く運ばれてきました。
甘味はあるけれど、すっきりした芳醇な白桃を使ったネクターでとても美味しかったです。
エントレ: マルゲリータとゴルゴンゾーラチーズのピッツェティ(小さなピッツァ)。
ピッツァ生地ではなくパイ生地なのでサックサク!
トマトとゴルゴンゾーラチーズがそれぞれしっかり感じられました。
前菜の盛り合わせ: 右から子持ち白魚のフリット、有機野菜のバーニャカウダ、サラミの盛り合わせ。
子持ち白魚のフリット: 子持ち白魚は初めていただきましたが、プツプツとした食感と塩加減がGood。
脇に添えられた菜花もぬめりがあって美味、子持ち白魚共々揚げ衣がサクサクでした!
有機野菜のバーニャカウダ: 彩りを考えた盛り付けの素晴らしいこと!!
大根(味一番かしら?)、ニンジン、スナップエンドウ、ブロッコリー、キャベツ、黄パプリカ、ちりめんキャベツ?
アンチョビ風味が軽いソースなので野菜の甘みが生かされていました。
サラミの盛り合わせ: 真中がニラのサラミで、噛むと硬めのサラミから上品な脂がジュワッと出てきてました。
左はピカンテというピリ辛味のサラミで、辛い物好きな私にはとても合っていました。
オリーブと枝つきのケッパーが添えられ、とても良い酸味でサラミの味と好対照。
フォカッチャが運ばれてくるとオリーブオイルのとても良い香りが漂ってきました~。
ローズマリー入りのフォカッチャはハーブの香り良く、サクサク感が強いタイプでした。
スパゲッティ ラグー ディ ペッシェ: 白甘鯛の身がふんだんに使われ、シコシコのスパゲッティーがそれに絡みます。
ケッパーの酸味で白甘鯛の甘さが引き立ち、スパゲッティが絶妙な塩梅。
ニンニクと唐辛子が効いたスバゲッティを、爽やかなイタリアンパセリと共に食すと何とも爽やか~。
見かけキャベツと思ったのが実は白菜で、茎部分が甘味があり食感が最高でした。
オイル少なめだったこともさっぱりいただけたことの理由だと思います。
途中モチモチのパンも持って来てくださいました。
フォカッチャもそうでしたが、温かいものを持って来て下さるのがいいですね。
本日のお魚料理: 真鯛、ムール貝、アサリ、トマト、オリーブ、ケッパーからなるアクア・パッツァでした。
真鯛はふっくら、貝も柔らかく、火入れ加減がとにかく素晴らしい!!
トマトの甘味と酸味が生かされ、オリーブは違った風味のブラックとグリーンが使われていました。
苦みともとれる魚介の旨みがぎゅーっと染み出たスープをパンにつけて・・・魚好きには応えられません。
本日のデザート: カボチャのプリン。
カボチャの食感と滑らかな甘さが如何なく発揮されたデザートでした。
個人的に大好きなカラメルソースとバニラソースが使われているのを知った時、何と嬉しかったことか!
小さくカットされたイチゴ、リンゴ、グレープフルーツ、キウイ、ブルーベリーが華を添え、果物の酸味がカボチャプリンの甘さをより引き立てていました。
プティフール: クッキー3種とカラメリゼしたアーモンド。
バターの香り高いクッキー、ナッツを砕いて混ぜ込んだ柔らかいチョコレート味、ナッツ入りの硬いものとそれぞれ味・食感の違うものの取り合わせでした。
普段ナッツ類は苦手なのでほとんどいただきませんが、こちらのアーモンドはカリッととても香ばしく美味でした。
アップルミントティー: 通常レモンティーを頼むことが多いのですが、ハーブティーがあるということだったのでお伺いするとアップルミントティーだったのでこちらを。
ミントティーが注がれたカップの何と素敵なこと!!
一杯のハーブティーから空想の世界に迷い込んでしまうとはこういうことを言うのでしょうか?
今までにいただいたお料理のお味を壊すことのない爽やかさと優しさでした。
食べログを検索して初めて伺ったお店でしたが、食材の持ち味をふんだんに生かしたお料理に出会うことができました。
後から考えると、セコンドとメインに魚を選んだこともあり、食材的に被った部分もあったのですが、それを感じさせない素晴らしいお料理達でした。
シンプルに食材を調理し、どう盛り付けるか・・・過度なひねりを加えずに基本に忠実に・・・シェフのお料理への真摯な姿勢が伝わって来るような一品の数々。
食材の量や調理法でボリュームを出すタイプではなく、素材一つ一つに込めた一手間でアレンジを効かせている感じがしました。
オイル少なめで、すっきりした味がお好きな方にはぴったりのイタリアンだと思います。
お料理が提供される時間配分も本当にそつなく、時間の流れを邪魔しないスムーズさ。
お店が広くないからと言ってしまえばそれまでですが、満席ともなるとなかなか出来そうで簡単なことではないと思います。
お客様に終始目を配っているホールスタッフの気持ちの良いサービスが最後までとても心に残りました。
フレッシュミントを入れてあるお水を注ぐ際、繊維が入ってしまうとすぐ取り換えてくださいました。
12時頃からお店が混み出し、満席になっていました。
年末でも(年末だからこそ?)人気店は混み合うのですね。
もう一つ特筆すべきは清掃が行き届いた清潔感溢れるトイレ。
蛇口を向こう側に倒すと、水がサラサラと流れ落ちる仕組みになっている洗面で、ハンドソープと緑色のハンドタオルが巻いて置いてありました。
ホテルのように上品で優雅な雰囲気を味わえる素敵なトイレでした。
お店を出る際、スタッフに加えて先程のシェフ自ら再度笑顔でお見送りに出て下さったときは、嬉しいの半分、こちらが恐縮してしまったくらいです。
入店からお店を後にするまで、美味しいお料理だけでなく、人の温もりやホスピタリティがずっと記憶に残りました。
場所柄、友人、カップル、ご家族連れ・・・幅広く対応できるお店です。
駅からも近く、温かい雰囲気でお値段以上の幸福感を味わえるかと思います。
5位
1回
2012/04訪問 2012/04/19
以前から伺いたいと思っていたお店に機会あって伺うことができました。
西武新宿線東村山駅西口を出て、ファミリーマートを背にして伸びる道を直進。
右に赤い屋根の美容院があるので、そこを右に入り細い道を進むと左に土方内科医院、そこからすぐ右側に素朴な「土家」の文字を掲げた古風な佇まいの一軒家が見えてきます(駅からは徒歩約5分)。
週末の12時に予約して伺いましたが、外には既に予約で一杯との張り紙がありました。
引き戸を開けると笑顔の奥様が出迎えてくださり、高い天井と大きな丸い灯かりに映し出された温かい空間が広がります。
左手奥に厨房、その前にカウンター席、離れた右手には別室にテーブル席があり、空間を贅沢に使った造りです。
予約していた席に座ると、「足元がお寒くないように・・・」と奥様が膝かけを出してきてくださいました。
ちょっとしたことですが、おもてなしの心を感じます。
コースでしかいただけないお料理もあるとのことで、予約していた4,200円のコース料理をいただきました(以下料理名はご主人の説明に基づき書いておりますが、書かれたメニューはないので正式名称ではないものもあると思います)。
蕎麦豆腐: 上には菜の花、桜の花びら型の人参、おろし生姜、蕎麦豆腐はうすい豆(エンドウ豆の一種)のあんに抱かれていました。
菜の花の緑、人参の赤、うすい豆の黄緑が目に鮮やかで、いただく前から春を感じます。
蕎麦豆腐に、下味を施した菜の花、しっかりした鰹出汁のあんがとても良く合い、生姜できりりとお味を引き締めています。
プルンとした食感と蕎麦自体のお味を確かめられる蕎麦豆腐でした。
季節の盛り合わせ(左上から下に):
白アスパラガスのスープ: 生クリームを入れ上品に仕上げた洋風なスープ。
出汁巻き玉子: ご主人にお伺いして、中に入っているのが青海苔であることがわかりました。
青海苔は脇役、上品なお出汁のふんわりと柔らかい玉子焼きを主役として生かす技に脱帽しました。
氷魚(ひうお、鮎の稚魚): 甘辛く上品に煮詰められ、白いご飯があったら最高のお供になりそうな一品。
白魚の天ぷら: 桜の葉に巻かれて美しい揚げ上がり。桜の香りと絶妙な塩加減が際立ちます。
蛍烏賊と春キャベツの酢味噌のせ: 濃厚な蛍烏賊のワタに負けない春キャベツの食感と味を酢味噌で。
辛し菜のおひたし: 辛味と苦味を抑えつつ鰹節と胡麻が香ばしいです。
田芹の佃煮: 軽く炒り煮してあるのか、シャキシャキとした食感が素晴らしいです。
蕗のうま煮: やや酸味を効かせてあるので、長芋の蜜煮とは好対照。
一ひねり効かせたところが心憎いです。
長芋の蜜煮: 上品に煮上がった桜型の長芋は、ぬめりが落ちてまるで梨のようでした(←k様がとてもうまく表現してくださいました)。
蕎麦がきが入った椀物: 蕎麦がき、鴨のつくね、筍、ほうれん草、蕨、木の芽が澄んだお出汁に整然と入っていました。
滑らかで粘りのある蕎麦がきは、味わうのにはたっぷりな量。
綺麗に整えられた鴨のつくねは臭みが全く無いので上品なお出汁の味を壊すことなく、春の食材の引き立て役となっていました。
花芽をあえて使ったほうれん草は見た目綺麗で、より歯応えを感じる食感でした。
鰆のサラダ: 山葵が添えられた鰆に、揚げたじゃがいもと水菜がのっていました。
爽やかな水菜と山葵が清涼感と共に、鰆が口の中でとろけます。
酸味抑えめのドレッシングが、鰆の旨味を余すことなく引き出していました。
ホクッとしたじゃがいもは甘醤油を軽くつけて揚げてあるのか、口の中でフワッと消えるときに軽く焦げたような香ばしさが残りました。
田舎蕎麦: ホシがしっかり見える極細のグレーのお蕎麦が綺麗に皿に盛られてきました。
ざらっとした感じはあるのに喉越しは良く、蕎麦の香りがとても繊細です。
程好いコシはありますが、決して強くはなく、後味にふわっと甘味を感じます。
素朴でどこか温かみのある、和みを感じるお蕎麦でした。
汁は甘味と出汁のバランスがとても良いものでした。
まろみがあって尖ったところがなく、この蕎麦にこの汁ありといった印象。
薬味は甘味のある大根おろしでした。
お蕎麦自体をなるべくそのまま味わいたくて、ほとんど汁要らずでいただいてしまいました。
お蕎麦をいただいたすぐ後に汁を口にふくむいただき方もこちらのお蕎麦にはかなり合っていたように思います。
蕎麦湯はお蕎麦同様繊細で、わずかにクリーミィながらさらりとしていました。
酒粕のシャーベット: 妊婦やご年配の方も居るのでアルコールは飛ばしてあるそうで、最後まで気配りが感じられます。
すっきりとした酒粕の風味を感じる、とても上品な口解けのシャーベットでした。
最初はほうじ茶、最後は緑茶が供されましたが、双方共にお料理の味を損なわない入れ方でとても美味しくいただけました。
蕎麦会席を実は初めていただいたのですが、予想通りの素晴らしい出来栄えでした。
春の食材をふんだんに取り入れ、視覚、嗅覚、味覚・・・で楽しむお料理とはこのことを言うのでしょう。
素材の持ち味と食感を大切にし、一つ一つ丁寧な手仕事ぶりが随所に光っていました。
個性ばかりを際立たせるのではなく、一体となったお味の調和に重きを置いたような品々。
小川のせせらぎにも似た、静かでゆるやかな流れを感じました。
ゆっくりいただくこともあり、男性の方でもかなり満足できる量だと思います。
お料理を作る手元までは見えないものの、ご主人の並々ならぬこだわりとひたむきな姿勢が伺えたのは言うまでもありません。
古民家を改造した店舗は、ゆとりのある空間と温かいおもてなしの心で溢れています。
店内には素朴でぬくもりが感じられる器がたくさん置かれていました。
トイレに向かうひとときでさえも、傍らに置いてあった和照明や生花、素朴なたたずまいのトイレそのものから、どこかの田舎屋に入ったかのような懐かしさが呼び起こされました。
雨がそぼ降る肌寒い日でしたが、散りかけた桜を愛でつつ、いただいたお料理のお味を反芻しながら帰途につきました。
念願だったお店で有意義な時間をご一緒させていただいた皆様、本当にありがとうございました!!
6位
1回
2012/05訪問 2012/05/12
ずっとずっと伺いたいと思っていたお店です。
西武池袋線江古田駅北口を出て左折、線路沿いに歩いて右側、韓国料理店と蕎麦屋の間の道を直進し、突き当たりより少し手前左側に白壁の小さな間口と道路に置いてる看板が見えてきます。
お店に着いたのは11時少し過ぎたあたり。
ドアを開けると、縦長なお店に小さなテーブルとカウンターがあり、既にお客さんでいっぱいでした。
運良くパンを選んでいる方はいなかったので、パンの良い香りが漂う中、どれにしようか選びます・・・。
フィセル(170円): 実は前日に電話をしてバゲット(280円)を取り置きしていただいていました。
実際見たら長さもあったので、他にいろいろ買いたいこともあり、小さいサイズのフィセルに変更。
小麦粉がまぶされた表面はカリッカリ。
大きな気泡が目立つ断面。
クラムは予想通りモチッとしていてかなりのひきがあります。
香ばしいクラストに、噛み応えのある食感で甘味のあるクラム・・・バゲットとしての二大要素を完璧に備えています。
噛めば噛むほど中から味が出てくるパンでした。
食べるのには顎が疲れますが、こういうパンが大好きです!
全粒粉の食パン(280円): もう1種類あったレーズン酵母食パン(380円)と実は迷いました。
「粉の甘味が感じられるのはどちらですか?」とお伺いしたら全粒粉の方とのことだったのでこちらを。
好みの枚数にカットしてくださるので、6枚切りでお願いしました。
ビニール袋に入った状態だと、普通の食パンと変わらないくらい綺麗な見栄え。
袋を開けた瞬間からとても良い香りと共にうっすらベージュな食パンが顔を出しました~。
耳はしっかりしているのに、中はフワフワ~!
全粒粉といっても、生地は滑らかでボソボソした感じはありません。
食パンなのに、おやきのような味わい(私なりの解釈だと、地粉の味?)があり素朴な印象も。
こちらも小麦粉の香りと甘味が強く感じられました。
翌日軽くトーストしたら香ばしさが増してとても美味しかったです。
全粒粉のプチパン(60円): 全粒粉の食パンと同じ生地を使ったプチパン。
1個売りからしてくださるところが嬉しいです。
まあるくて形が素朴で可愛い♪
どれだけこの生地が好きなんだ?って感じですが(笑)、同じ生地を使っていても、こちらの方がちぎったときのモッチリ感が強かったです。
ほうれん草とリコッタチーズのキッシュ(440円): ドライトマトが入っているとのことだったのでこちらも購入。
ほうれん草がたっぷり、ドライトマトはほんの少し入っていました。
玉子がしっかりした厚めのキッシュで、ボリュームがあります。
タルト部分はサックリと歯切れ良いです。
バター風味がかなりあったので、私には少し重たく感じました。
白いちじくのベーグル(170円): びっくりしたのは生地の弾力感。
ちぎろうとしてもなかなかちぎれません。
いちじくの種のツブツブが噛むたびに音がしてとっても面白い食感。
白いちじくのほのかな甘味が生地の甘味とあいまってとっても美味。
ベーグルというと、もう少しボソッとした感じがありましたが、こちらのものはしっとり、もっちりで噛み応えがあって、香りが良くて・・・今まで食べたものの中でベスト1です!!
皆さんの評判に違わずとても素晴らしいパンたちでした。
ハード系のパンが好きなので、そちらを中心に購入してみましたが、それだけでもこちらのお店の底力が伝わってきました。
(というか、シンプルなパンにこそそのお店の実力が出るのではないかと思っています。)
初めて伺いましたが、好みのパンを伝えるとお薦めを教えてくださったので、すんなり購入することができました。
パンを選ぶと、焼き立てのものがあればそちらを入れてくださる心遣いが何とも嬉しいです。
祝日だったこともあり、次から次へとお客さんがいらしている感じでした。
週末、祝日でお天気が良いとパンが早く売り切れてしまうそうなので、お目当てのパンがある場合は、事前に取り置きしていただく方が良いですね。
既に売り切れてしまったというハーブが入ったフォカッチャ(正式名不明)を次回はゲットしたいです。
混んでいることは予想できたので今回はテイクアウトにしましたが、機会があればこちらでサンドウィッチもいただいてみたいです。
7位
1回
2012/02訪問 2012/02/21
エスニック好きなので、こちらのお店は以前からずっと気になっていましたが、先日念願叶って訪問してきました!
JR荻窪駅北口のバスロータリーを出て右折、道なりに進み、左側にファミリーマートが見えたらすぐ先の地下にお店があるはず・・・。
地図読みは間違っていないはずなのに、それらしいお店が見当たらず、角にある不動産屋に入って場所をお伺いすると、「(眉間にしわ)・・・隣りの地下だよ!」(はぁ・・・すみません。)
外に出てもう一度良く見ると、「馬来風光美食」の文字がうっすらと残る木製の看板を発見!
(写真はフラッシュ撮影したものです。夜だとその文字ははっきり確認できません。
なので、私のように、不動産屋で場所を訊く人がたくさんいるんでしょうね・・・。)
ビルの地下とのことなので下りて行こうとすると、やたら目立つ「ひ○○の店」の看板。
半信半疑でいたら、その隣りにあったマレーシアの国旗を見つけ、やっと入店です。(ホッ)
入ってすぐのところにテーブル席2卓、右側にカウンター席があるのみの小さなお店です。
6名なのでテーブル席を陣取る模様と、先にいらしていた方からお伺いしました。
エレインさん(←エレンさんだとばかり思っていましたが、エレインさんのようですね)からご挨拶があり、こちらの必須メニューを押さえつつお薦めも取り混ぜてお任せでお願いしました。
叉焼: おつまみとして出されました。
焦げ色がついた表面は香ばしく、噛むと肉の旨味が感じられてパクチーと合いますね~。
空心菜炒め: 空心菜に赤パプリカ(赤唐辛子ではありませんので方ご安心を~)と彩りも綺麗。
空心菜はシャキシャキ、ニンニクと唐辛子が効いた味付けですが、甘めで海老の風味(干し海老を使っているような)がするところがマレーっぽいです。
アボガドとパクチーのサラダ: アボガド、レタス、トマト、玉ネギ、パクチーを、酸味+ピリ辛味のドレッシングで和えてあります。
トロッと溶けたアボガドが料理全体に行きわたり、とっても美味しいですね!
パクチー好きなので、もっとパクチーが入っていても良かったくらいです。(笑)
ペーパー・チキン: 名前の通り紙に包んだ状態で運ばれてきました。
中を開けるとタレにつけこまれた鶏の塊肉が入っていました。
大きいので骨付き肉かと思いきや、そんなことはなく、箸を入れただけで魚のようにホロッと身が解けます。
こちらも甘めのタレに生姜が利いていて爽やかでした。
肉骨茶(バクテー): 土鍋の中に骨付きの豚肉、シイタケ、エノキ茸、油揚げ、レタス、パクチー。
スープはサラサラですが、ほのかな甘味、コク、スパイス・・・でも決して強い味ではありません。
後味スッとするのが気になってエレインさんにお伺いすると、なんと20種類の漢方薬が入っているとか(スッとするのはおそらく当帰のせいではないか・・・とのこと)。
道理で味に深みがあるわけですね~。
ニンニクと青唐辛子が入ったつけダレを入れると、コクが加わり、お味が変わってこれまた美味しかったです。
「8年物の紹興酒がこのお料理には合うのよね~」とはエレインさんの弁。
10年物ではダメだそうで、その辺に拘りが感じられます。
少し味見させていただきましたが、円やかでクセがあまりなく飲みやすかったです。
フィッシュ・ヘッド・カレー(3,000円): 事前に予約したお料理です。
レビューで読んではいたものの、いざ運ばれてきて目の前にすると、その量の多さにびっくり。
具材は鯛の頭の他にオクラ、ナス、そして上にはミントの葉がいっぱい。
多少の酸味と後味に辛味がありますが、見ためほど辛くはありません。
混合されたスパイスに鯛の旨味がしみ出て、ミントの爽やかさが加わり、予想以上にすっきりとした味わいです。
はらりと炊かれたジャスミンライスも香り良く美味。
いつものようにカレーはスープ感覚でいただきました。
最初のうちは減らない~と思っていたカレーも、さすが6名、綺麗に完食いたしました!
本格的マレー料理は初めてでしたが、円やかな甘味にスパイスが感じられ、とても美味しいお料理の数々でした。
スパイスはふんだんに使ってありますが、味に尖ったところがなくて優しく感じるのは、笑顔の美しいエレインさんそのもの。
彼女のお母さんが作ってくれた味の再現なんだそうです。
明るくて、気立てが良くて・・・彼女のファンになってしまう方は多いのではないでしょうか。
量もたっぷり、コスパの良さは言うまでもありません。
フィッシュ・ヘッド・カレーは量が多いので、4名以上でオーダーされた方が賢明です。
他のお料理も楽しみたい場合は6名ぐらいが適当ですね。
マレー語、英語、中国語が聞こえる店内はそれだけでエスニック感ばっちり。
1人で行っても皆で仲良くなれてしまうような雰囲気がそこにあります。
私達の前にも後にも次から次へとお客さんがいらしたので、予約は必須です。
次回は1人で伺ってみようかしら・・・?と思案中です。(笑)
今回ご一緒いただいた皆様、楽しい会話にディープなお話、本当にありがとうございました!
8位
1回
2012/07訪問 2012/07/23
エスニック好きとしては絶対に伺ってみたいお店でしたが、まめぞう様主催のオフ会にお招きいただく好機を得て先日行ってまいりました。
小田急線経堂駅北口を出て、左側にある経堂コルティ沿いに左手に進み、左にニッポンレンタカーを見ながら道なりに直進、小さな交差点を過ぎると右側に緑の樹木に覆われたカラフルな看板が目に入りました。
ドアを開けるとこじんまりした店内はどこか可愛げで気取りのない雰囲気。
これも、店主ハサンさんのお人柄を表しているような気がします。
着席すると、既にテーブルには特別メニューが置かれていました。
今回は主催のまめぞう様とハサンさんの入念な打ち合わせ&お手配からなるものなので通常価格ではありません。
出されたお料理は以下の通りですが、とにかく品数が多いのでいつもにもまして長文となりますことを御了承ください。
パパド: オードブル感覚で提供されたパパドは盛り付けが綺麗で、これからのお料理に期待感を持たせます。
パリッとした香ばしい食感にタマネギ、ショウガ、コリアンダーがのってスパイシー。
サモサ: パリッと揚がった皮の中は程好いスパイスが感じられ入念に作りこまれていました。
サバ缶: ゴーヤ、オクラ、タマネギ等を缶詰の鯖と混ぜて缶に入れて供されるこちらの人気定番料理。
鯖のクセがゴーヤの苦み、香りの強いスパイスと絶妙にマッチしていました。
パクチー春巻: タンドリーチキンのスライス、パクチー、リーフレタスの生春巻。
コシのある皮(ここのところ重要!)に巻かれたたっぷりの新鮮パクチーは、その風味が秀逸!
パクチー好きを唸らせる一品でした。
タンドリー砂肝: タマネギ、ピーマン?等の野菜がのった砂肝。
砂肝はとても柔らかく、言われなければ絶対に気づかなかった珍しい食感。
(誰でもが予想するコリコリ感とは一味も二味も違います!)
強めのチリスパイスが光るお酒が進みそうな一品。
骨付きラム: そのもの勝負と言いたげなシンプルな盛り付けながら、インド料理とは違った美しいビジュアル。
テリある骨付きラムを切ると中は綺麗なピンク色。
程好いスパイスが効いているので嫌なラム臭さは全くなく、苦手な私でも美味しくいただけました(出されるお料理の量が多くなかったら、きっと1ピースいただいていたことでしょう)。
ブリバジャ(牛モツの鉄板焼き): 牛モツをスパイスで鉄板焼きし、上にはたっぷりの紫タマネギがのっていました。
牛モツがとても柔らかく、ガーリックが効いた濃いめの味付けでお酒と合いますね~。
内臓系の臭みは感じられなかったので、苦手な方もOKだと思います。
チキンピクルス: チキンの砂肝をヒヨコ豆、タマネギ、ショウガ、コリアンダーと和え、透明なグラスで供されました。
赤く見えるのは何とイチゴで、甘酸っぱさが良いアクセントを加えていました。
牡蠣マリネ: 緑色が目に鮮やかでとっても綺麗!
抜群の火入れ加減でふっくら柔らかな牡蠣はクリーミィ。
それにアボガドを絡め、梅干しのふりかけのようなものがかかっていました。
思いつきからできたお料理とはいえ、個性が光ります。
鳥レバータンドリー: レバーのマスタード焼きをカットし、紫タマネギ、パクチー、ピーナッツを和え胡麻がたくさんかかっていました。
濃厚なレバーにスパイシーな野菜が絡みます。
アボガドサーモン: 今度は缶詰の鮭にアボガド、コリアンダー、スパイスを混ぜて缶に入れ戻した一品。
添えられていたアボガド・トルティアチップスにのせていただくと、素敵なおつまみに変身。
クリーミィなアボガドがサーモンにとっても合うということを思い知らさせた一品でした。
ワサビ・ダック: 香ばしく焼かれたダックに、ワサビ風味のふりかけのようなもの(もしや某社のわさび○○?!)がかかっていました。
そえられているリーフレタスと一緒にいただくと、ワサビの爽やかさと相まって、また新感覚の風味が得られました。
サバもんじゃ焼き: 細かくほぐした鯖の身、コリアンダー、粒状のグリーンペッパー、荒挽きしたブラックペッパーが入ったお好み焼きのような一品。
鯖の個性が掻き消されるかと思うほどスパイスが鮮烈に香りました。
ブリカマ: 添えられていたレモンをギュッと絞っていただきます。
コクのあるブリにスパイスがまぶされ、見事にインド風に味付けされていました。
タンドリーチキン: 赤いタンドリーチキンとはまた違ったスパイシーなチキン。
ジューシーな焼き上がり具合はさすがです!
カレーは5種類、すべて土鍋で供されました。
レモンチキン: カフィア・ライム(こぶみかんの葉)、レモングラス等の風味が香り高い酸味のあるカレー。
タイとインドの融合?とも言えるエスニック感溢れるお味で、カレーの中ではこちらが一番気に入りました。
サバ納豆: 湯気と共に納豆の強烈な香りが・・・。
ところが、いただいてみると意外や意外、柔らかく煮込まれた納豆に鯖の個性が溶け合って美味しいではありませんか!
新しいカレーの考案者ハサンさんに拍手!
ホワイトラム: ココナッツミルクでマイルドに仕上げたラムカレーにはチーズがかかり、こちらにも飾り付けにイチゴが使われていました。
こちらのラムも嫌な臭みはなしでした。
マトンのひき肉: ブラックペッパーが効いたマトンのキーマカレー。
マトンカレーはいつも臭みが鼻についてしまいNGなのですが、それほど気にならなかったのはさすがと言わねばなりません。
ミントビーフ: フレッシュミントのペースト入りカレーだけに、かなり濃い緑色。
フレッシュミントリーフと一緒にいただいたので、爽やかな香りが鼻に抜けました。
ナン: プレーン、シナモン、ガーリックの3種類。
シナモンナンはシナモンパウダーを練り込んだもの、ガーリックナンは数々のスパイスが上にのっていて見るからに綺麗!
周囲はパリッと、中はふっくら、程好い甘味があって・・・いずれも美味しかったです!
サフランライス: パラリと炊かれた長粒米。
大人数用とはいえ、かなりの量でした。
インドチヂミ: サービスで出していただきました。
唐辛子の部分をいただかなかったせいもあるのか?、ふわふわな食感で優しいお味でした。
シナモンアイスクリーム: シナモンは実は苦手なスパイスなので、恐る恐るいただいたところ・・・、
ざらつきを感じる舌触りですが、シナモンが香り良く全く嫌味がありません。
謎が解けずお伺いすると、やはりシナモンしか使われていないそうで、シナモンの挽き方によるところが大きいのかも・・・という結論に至りました。
プレーンラッシー: 濃厚でかなり甘めでしたが、細かい柚子の皮が入っていて飲み口はとても爽やか。
“プレーン”でありながら一捻りさせているところがニクイです。
ウーロン茶: 300円(通常価格)にしては量がたっぷりでコスパも◎。
素材の味を生かしながら使われるスパイスの妙技と綺麗な盛り付け。
日本の食材までも多用し、アレンジしたお料理の数々はインド料理の枠を遥かに超えています。
それは飽くなき探求心に溢れたハサンさんが作り出す創作料理。
独自のハサン・ワールドに触れた一夜でした。
食材では、大好きなパクチーが多く使われていたので非常に嬉しかったです。
怒涛のように次々と出されるお料理は、正に圧巻でした。
今回は、私も尊敬するカレー師匠様が出席されることで、ハサンさんが腕によりをかけて作ったメニューだったそうで、そんな場に居合わせることができた自分は本当に幸せ者です。
この日のために特別メニューを考えてくださったハサンさんのおもてなしの心は本当にとどまるところがありません。
又、彼の手となり足となりきびきび動くスタッフの皆さんも好印象。
入念なる準備と事細かなお手配、会の進行をしてくださったまめぞう様にはただただ感謝の気持ちで一杯です。
場を盛り上げて下さった男性陣のレビュアー様、御一緒させていただいた女性陣のレビュアー様、本当に楽しい一夜をありがとうございました!
9位
1回
2012/07訪問 2012/08/03
こちらのお店の存在を知ってから、一体どれくらい経ったことでしょう。
伺いたいと思いつつ、1年以上経ってしまったことは間違いなく、先日やっと伺うことができました。
西武池袋線池袋駅東口を出て、正面の大通りを東池袋方向へ直進。
頭上に首都高速が見えてくるのでその手前の道(角にENEOS)を右折。
ENEOSに沿って次の細い道を左に入り、道なりに右に進みます。
途中左手にUCHOUTENの赤と白の屋根が見えてくるので、さらに少し歩くと白っぽい壁の一軒家が見えてきます。
窓際にはワインのボトルが置いてあり、どこか可愛げな雰囲気もあります。
人気のお店であることはわかっていたので、平日11時頃伺ったら又しても一番客でした。
(店頭には、店内での待ち合わせ、席の取り置きはできない旨書いてありました。)
本を読みながら待っていると、11時15分を過ぎたあたりから人が並び始め、開店の11時半には15人ぐらいの行列ができていました。
やっぱりすごい人気ですね!
開店と共に、あらかじめ何名なのか訊かれた後、1名だと1階、2名以上は2階に通されました(席の空き具合によって2名だと1階のこともあるようです)。
入って左側に厨房、その前にカウンター席、右側にテーブル席が3卓あり、こじんまりした中に多少の年季が感じられる店内です。
テーブルにはランチョンマット、フォークとスプーンが綺麗にセッティングされ、お水はブルーのボトルに入って既に置かれていました。
ランチメニューは以下の通り。
(*メニューもお料理も撮影禁止のため画像はありません。)
★PRANZO A 本日のスープ、パン、コーヒー付(アイスコーヒー、アイスティー、エスプレッソ +200円で交換可)
トマトソース: フレッシュトマトとモッツァレッラチーズ 1,000円
オリーヴオイル: シラスとキャベツ 1,000円
クリームソース: ツナとキノコのペンネ 1,200円
★PRANZO B 本日のスープ、パン、自家製ジェラート、コーヒー付(アイスコーヒー、アイスティー、エスプレッソ +200円で交換可)
スペシャル: 渡り蟹のリングイネ トマトクリームソース 1,600円
すべてラージサイズ +250円
生ビール(500円)、グラスワイン(赤・白)(400円)、デカンタワイン(赤・白)(1,500円)、グラススプマンテ
初志貫徹で以前からいただきたかったPRANZO B 渡り蟹のリングイネ トマトクリームソースを注文。
スープ: ジャガイモの冷製スープでした。
白いスープに緑のパセリ、オリーブオイルが少量散らしてあり、胡椒も少しかかっていました。
チキンベースの滑らかな舌触りのスープはコクがあるけれどすっきり味。
丸みを帯びた小麦の浮き身が入れてあり、プルンとしたはじき返すような食感が楽しいです。
フレッシュパセリを使ってあるので後味がとても爽やかな印象でした。
パン: 温かいフォカッチャが2ピース、スープと共に運ばれてきました。
オリーブオイルの香りは軽く、それより焼き立てのパンにあるような小麦粉のとても良い香りが鼻をつきます。
手に取ると、表面はカリッとしていてバゲットのクラストを想起させます。
中は軽いもっちり感はありますが、塩味薄め。
その分、表面に効かせた塩加減が絶妙です。
よくあるモッチリしたフォカッチャとは違うので好みが分かれるかもしれませんが、個人的にハード系のパンが好きなので、とても気に入りました!
渡り蟹のリングイネ トマトクリームソース: ソースの赤と上にのったバジルの緑が鮮やかに目に飛び込んで来ました。
甲羅つきの渡り蟹がバジルの下にのっていて、周囲に軽く胡椒がかかっていました。
やや細めのリングイネを持ち上げると、ソースがよく絡んでいるのがわかります。
乾麺の食感を程好く残したアルデンテで、茹で加減も良好。
ソースには蟹肉が豊富に使われ、蟹味噌も使われているのか濃厚で甘味があります。
濃厚と言っても、クリームがくどすぎることはありません。
無造作に大きめにカットされたフレッシュバジルが時折爽やかに香り、ソースを引き締めていました。
十分美味しいのですが、野菜好きとしてはトマトの酸味があまり感じられず、少々甘めなソースが私の好みとは少し違っていました。
(蟹本来の素材からの甘味、それにトマト、生クリームを使ってもあれほどの甘みになるかどうか・・・?)
自家製ジェラート: チョコレートクッキー&バニラ、その上にチョコレートソースがかかっていました。
チョコレートはあまり好きではないので、見た瞬間あぁ・・・とは思ったものの、とりあえず一口いただいてみることにしました。
クッキーの食感が心地良く、軽くリキュール(か何か?)で香りづけされたジェラートは、とっても美味しいではありませんか!
上にかけられたチョコレートソースもしっかり冷えていて、ラム酒(かな?)の芳香が効いていました。
味わいながらいただいていて、見事完食。(笑)
チョコレートオンリーでなかったこともありますが、非常に美味しくいただけました。
コーヒー: ハードのマカロンが一つちょこんと添えられて運ばれてきました。
実はコーヒーも苦手で普段いただかないものの一つなのですが、せっかくなので一口。
香り高く、酸味が少ないので飲みやすくて美味しいコーヒーでした。
マカロンはアーモンド風味で香ばしかったです。
一品一品丁寧に作られているお料理に舌鼓を打ちました。
定番であってもどこか一捻り効かせてある美味しいお料理だったと思います。
ランチセットメニューにありがちな内容の薄さや手抜きは一切感じられません。
非常にレベルの高いお料理をいただくことができました。
‘美味しいお店はデザートまで一貫して美味しい’というのがそのまま当てはまるようなお店。
苦手なものも美味しく食べさせてしまうのは、やはり料理人の腕によるところが大きいです。
パスタも量があるので、男性でもラージサイズにすれば量的にも問題ないでしょう。
私がいただいたPRANZO Bは自家製ジェラートも付くので非常に充実した内容だと思います。
このお値段は破格だと言わなければなりません。
厨房に1名、ホール1名の体制でしたが、間隔を空けることなくお料理が運ばれてくるタイミングも非常に良好。
常時多くの客をさばいていらっしゃるせいか、その辺よどみがなかったです。
ただ、忙しいせいもあり多少の素っ気なさがあるかもしれません。
ランチは水曜日を除く平日のみの営業と変則なので、注意が必要。
いらしていたのは女性がほとんど(9割ぐらい)で、お1人で来ていらっしゃる方も多かったです。
夜はなかなか予約が取りづらいようですが、次回は是非とも夜に伺ってみたいです!
10位
1回
2012/06訪問 2012/07/01
ピッツァ大好きなので、ずっと気になっていたお店でしたが、先日マイレビュアー様と訪れてきました。
井の頭線 永福町駅北口を出て道路を渡り左折、井の頭通りを直進していくと右側に“MASSIMOTTAVIO”と書かれた鮮やかなブルーの看板が目に入ってきます(駅から徒歩数分)。
ガラス張りの間口の広いお店のドアを開け2階に上がると、縦に長い店内。
階段脇左側にはワインのボトルがたくさん置いてあり、インテリアとなっています。
2階左手前にピザ釜がありその前に居たマッシモさんが「チャオ!」と迎え入れてくださいました。
左手にはカウンター席、右手にはテーブル席がずらりと連なっています。
平日の19時半に予約して伺いましたが、テーブル席のほとんどが満席状態なのには驚いてしまいました。
まず各自好みのドリンクを頼んで乾杯!
メニューを見ると、ピッツァだけで定番からオリジナルまで・・・目移りしてしまうほどの数があります。
人数がある程度いるので定番ピッツァを中心にオーダーしてみることにしました。
(*メニューの写真撮影は禁止です。)
ブラッドオレンジジュース(550円): 深みがあって、酸味があって、これをいただくと南イタリアンな気分になれます。(笑)
グレープフルーツジュースも好きだけれど、ピッツァにはこちらを合わせることが多いです。
アンティパストマッシモ(前菜の盛り合わせ)(1,800円):
カボチャ: ほっくりしたカボチャが酸味ある味付けで仕上げられていました。
グリル茄子: オリーブオイルをつけて焼いたようでしたが、個人的にはもう少し大きめだと茄子をもう少し感じられるように思いました。
カルピオーネ: 甘めに味付けされたビネガーとオリーブオイルで漬け込んであり、説明の際、“南蛮漬け”と仰っていらしたとおりのお味。
添えてあったセロリの食感が良かったです。
豚テリーヌ: 主にゼラチン部分と脂身を使ったテリーヌで食感が面白かったです。
豚レバー: ペーストにしたものをさいころ状に固めたような感じで、時間が経つと解けてかなり濃厚なお味。
セグロイワシのパン粉オーブン焼き: パン粉の香ばしさとイワシのお味がもう少し感じられたらもっと良かったです。
生ハムペースト 自家製パニーニにのせて: 生ハムのお味はOKながら、自家製パニーニの特徴は感じられませんでした。
ひよこ豆のサラダ: ビネガーとオリーブオイルで和えてあり、酸味を効かせてありました。
食材と前菜の取り合わせは面白さがありますが、お味は平凡な感じが否めません。
盛り付けは悪くはないのですが、彩りの冴えがなくて少々残念。
ピッツェリアなので仕方がないかな・・・とピッツァのお味に期待です。
マルゲリータ コン ブッファラ(2,250円): ブッファラ(水牛のモッツァレラチーズ)に拘ってこちらを選びました。
運ばれてきた瞬間、おぉーっと一同歓声!
トマトソース、ブッファラ、オリーブオイルの湖が所々大きく膨らんだコルニチョーネ(縁部分)に守られています。
ブッファラとフレッシュバジルはその中に点在しています。
取り分ける際も、取り皿を寄せてさっと取らないとソースが流れ落ちてしまいます!
トマトは甘く、ブッファラはコクがあってクリーミィ、そして時折爽やかなバジルの香り。
これぞ王道マルゲリータならではお味、あぁ~至福の瞬間・・・。
ピッツァ・オブ・ピッツァの風格さえ感じられるお味ながら、とても繊細な印象を受けました。
生地の中心部分は意外にも多少厚みがありしっかりしています。
縁に行くに従って厚みを増していくので、ナイフで切るときも力が要るほど。
コルニチョーネをちぎると、ふんわりフカフカ、そしてモッチリ、ひきがあります!
膨らんだ部分も大きな空洞が空いているようなことはなく、しっかり噛み応えがあります。
塩分も程好く、噛んでいて粉の旨味が感じられる生地ですね~!
マリナーラ(1,260円): コルニチョーネが綺麗に立ち上がっているので、マッシモさんがカットするのは忍びないとそのままの形で運ばれてきました。
確かにここまで縁の幅が同じに立ち上がっていることは珍しいですね。
今までどれほど多くのピッツァを焼いてきたとしても、コルニチョーネの出来は偶然の産物と言えるのかもしれません。
コルニチョーネに守られた中に、トマトソース、アンチョビソース(おそらくペーストが使われている模様)、オリーブオイルが渦模様を描き、その上にドライのオレガノがふんだんにかけられていました。
芸術的見栄え・・・こういうマリナーラをいただくのは初めてな気がします。
まず感じるのは濃いトマトのお味。
酸味が強めのトマトに、アンチョビの旨味と塩気がアクセントとなり、オレガノが効いてこちらも美味しいですね~!
マルゲリータとは別のトマトソースを使っているのでは?と思うほど、トマトの味に違いが感じられました。
マッシモッタヴィオ(2,680円): 生ハムとルッコラが好きなので、それにフレッシュトマトをプラスしたこちらに拘ってみました。
(生ハム+ルッコラのピッツァはマルゲリータベースのもの、フレッシュトマトがのっていないもののと、他に2種類あるようでした。)
ピンクの生ハムの隙間からのぞいた緑のルッコラ、カットした赤のフレッシュトマトがとっても綺麗!!
それはまるで、キャンバスに描かれた絵のよう~。
チーズにドライハーブのベース、それにルッコラの香りと生ハムの塩気、フレッシュトマトの爽やかさをプラスして・・・。
プラス噛み応えのある生地。
それぞれの素材のお味が相まって何とも贅沢なお味。
店名を付したピッツァだけに、あらゆる具材を併せてみた・・・という心意気を感じます。
ですが・・・、ルッコラがあまりに繊細すぎたこと・・・それが残念です。
(お値段的に無理なのかもしれませんが、本場はもっと迫力があります。
それとも、あえてそういう種類を選んでいらっしゃるのかも?)
クワトロフォルマッジ(2,180円) ハチミツ(+200円): 言わずもがな、4種類のチーズ(ゴルゴンゾーラ、タレッジョ、モッツァレラ、パルミジャーノ)のピッツァ。
ゴルゴンゾーラのみ後からのせた感じの見かけです。
種類の違うチーズのお味が渾然一体となり、ゴルゴンゾーラが後追いするかのようにピリッとスパイシーな風味を加えます。
クリーミィなチーズを味わっていると、ふんわりとしたハチミツの香りが鼻腔に抜けます・・・。
ハチミツの甘味がチーズの塩気に完全に一体化して、めちゃくちゃ美味しいです!!
クワトロフォルマッジは少人数の際は頼んでいないため、意外にもハチミツをプラスしたものは初めていただきましたが、至極のお味でした~!
東京で現在ピッツァ部門No. 1であるだけに、とても勢いを感じるお店です。
ピッツァイオーロのマッシモさんが作るピッツァは特徴的です。
時に繊細、時に大胆。
具材ももちろんですが、個人的に生地がモチモチのピッツァが大好きなだけに、以前から「ラ・ピッコラ・ターヴォラ」はとても気になっていました。
こちらは、そこでピッツァイオーロだったマッシモさんのお店ですから、1店訪問して既に2店伺ったような得した気分です。
生地のふんわり、フカフカ、モッチリとした食感、そして噛み応えある生地の美味しさは格別です。
モチモチの生地がお好きな方なら絶対に気に入ると思います。
(全体的に(特に中心部分が)後もう少し薄かったら、完璧でした。)
反対に、薄めでサクッとした生地がお好きな方には合わないでしょう。
非常にボリュームがあるので、男性でも前菜とピッツァ一枚で十分お腹一杯になると思います。
ピッツァが大好きな方なら、ピッツァオンリーのオーダーでも問題ないかと思います(かえってその方がはずれはないでしょう)。
ピッツァを食べ終ってから、次のピッツァがサーブされるタイミングが非常に良かったです。
ピッツァ1枚につき取り皿も換えていただけました。
店内は広いので、人が入っていないとかなり大箱なのが目立つような感じもしないではありません(人気店なのでそれは稀有だとは思います)が、その辺も今後個性をさらに出していかれることでしょう。
来店時非常に混んだ状態でしたが、大きなグループだったようで、21時を過ぎた頃には客足がひけていました。
席数はありますが、団体客が入っていることもあるので、予約して伺った方が賢明です。
伺った日は使われていませんでしたが、地下はパーティー等大人数での利用らしいです。
ピッツァ好きなら伺って絶対に損はないお店。
ピッツァってどれも味が似てるよね・・・って方には向いていないかもしれません。(苦笑)
独自性が感じられるピッツァがあるので、そのお味が恋しくなったら再訪するつもりです。
ピッツァが何種類もいただけて満足の夕べでした。
ご一緒した皆様、楽しいおしい食事とお話、本当にありがとうございました!
自分の独断と偏見で今年伺ったお店の中から選んだベストテンとなりました。
再訪したお店の中にランクインするお店もありますが、あえてそれらは除いた今年の新規訪問店のみから選ばせていただきました。
来年もマイペースですが、新しい味に出会うべく新しいお店に伺いたいですね。