行列のできるさんが投稿した慈久庵(茨城/常陸太田市その他)の口コミ詳細

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香港百景。

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行列のできる (70代以上・千葉県) 認証済

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慈久庵常陸太田市その他/そば

1

  • 昼の点数:5.0

    • ¥3,000~¥3,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク -
1回目

2011/10 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥3,000~¥3,999
    / 1人

里の秋を疾走し、茨城県水府村の慈久庵に。日本の素晴らしい秋の景色の中でいただく蕎麦三昧。

(2011年10月 再訪)
2年ぶりとなりましたか。慈久庵が、最初に蕎麦のうまさを教えてくれたと思ってます。蕎麦の魅力を教えてくれたと言い換えてもいいかもしれません。蕎麦店で★を5つつけたのは、ここだけ。

やっぱり秋にきました。紅葉にはまだ1ヶ月あります。里山では、もう柿が色づいてました。ほうぼうで煙があがり、何を燃やしているのでしょう。慈久庵の場合、どのくらいの行列ができるのか、まだ予測できません。行列の後ろになれば間違いなく2時間待ち。そう思って早めに家を出て、お店の前に着いたら開店2時間前。いくらなんでも早すぎました。竜神大吊橋まで行って紅葉の進み具合でも見てこようかな。

それでも少し黄色や赤が混じり始めてます。確実に季節が動いていました。お客さんのいない売店に入り、時間をつぶします。しみこんにゃくがあったので買いました。この地方独特のこんにゃくの冷凍乾燥品です。慈久庵にもどり、いつもの縁側に座って時間が経つのを待ちました。手にしているのは蕎麦本。いろんな店に行きたくなります。

定刻前に店主の小川さんが店から出てきました。招じ入れられます。靴を脱いで、入り口で小川さんからおしぼりと品書きを受け取り、お好きな席へ、といつものルーチンです。座るのは、厨房に一番近いテーブル。ここからですと、厨房で働く店主の姿が格子窓越しに見えるのです。

今日は、3点セットをやめて、葱天せいろ(1700円)にしました。魂胆があるのです。もう1軒、なかなか行けなかったお店に行こうかなと。店主の小川さんがこわそうだというレビューを散見します。忙しいと怒っているように見えると。違うと思います。真剣になったときの表情かな。それと、まず無口です。でも、こちらから話しかけると、いろいろ教えてくれます。この日は、とてもおだやかなお顔でした。今月末にひかえている蕎麦の収穫のことを考えているのかなあ。蕎麦が満開な畑を見ました。

どうしてかなあ。慈久庵のこの部屋に入ると落ち着くんです。この椅子やテーブルのデザインもいいなあ。1番目に入店したので1番目に調理してくれます。2番目が同じオーダーなら一緒に調理。違うなら、1番を配膳するまで2番を始めません。2時間待ちの理由です。小川さんの手で配膳されたのは20分後でした。

いつ見ても迫力ある蕎麦です。なんでしょう、この星は。殻の黒や甘皮の茶色は分かりますが、黒、茶、黄が七色になって透明な蕎麦の中に点在しています。粗挽きです。芳しい蕎麦の香りにくらくらします。江戸蕎麦細打ち。蕎麦の豊かさが匂いにも味にも。どうやって閉じ込めたのか、どうやって開かせたのか。つゆは濃厚な辛め出汁。ほんのさきっちょにつけて、一気にすすります。やっぱり慈久庵だなあ。大げさに言えば、胸が熱くなって・・。だめですね、フォールインラブです。夢中でいただきました。2分で蒸篭が空に。

地葱の天ぷらは、岩塩でいただきます。蕎麦と一緒には食べません。葱の天ぷらを自宅でもしようと思って勉強のためにいただきました。な~んだ、目からうろこの天ぷらでした。

この日も忙しい時間の中で少し話ができました。前を向いて歩き続ける人です。里の再生ももう次の段階に入って来ていると感じました。小川さんの熱意が地域を動かしてます。今月末収穫する蕎麦が食べられるころ、来年初頭かなあ、またこの部屋に戻ってきたいとおもいました。


(2009年10月再訪)
約1年ぶりの訪問です。同じ季節での訪問ですが、里山で感じる秋はごくわずか。紅葉もまだまだのようです。

小川さんのご活躍はこの1年も目をみはるものがありました。相変わらずマスメディアからは好意的に取り上げられ、里の再生運動も順調に推移しているような記事も拝見しました。千葉に帰ってきて短期間での自宅滞在ですが、どうしても慈久庵でお蕎麦が食べたくて、小川さんの仕事振りを拝見したくて自宅から120kmかなたの山里にある慈久庵を訪れました。

見覚えのあるフランスのカントリーハウスと日本の曲がり家を融合させたデザインの家が登山道に突然現れます。実家に帰って来たようなふっと安堵感を感じました。同時に、あのお蕎麦を食べられる、というわくわくした高揚感。

定刻、小川さんが営業中という看板を持って中から出てきます。そこで、外で待っていた客が中に招き入れられます。物静かで余計なことは言わない話し方。華奢な体躯のどこにあれだけのエネルギーが潜んでいるか不思議な思いです。

今回オーダーしたのも慈久庵コース4品(3100円)。こんにゃく、そばがき、せいろ、デザート。この日は前回と違い、Bさんも同行してます。二人でひとつ、地葱の天ぷら(600円)を追加しました。

窓の外に広がる里山を見ながら、お料理を待ちました。小川さんが一人でオーダー取りから後片付けまでスタイルは同じですから、このお店に入ったら時間の流れをすべてお任せします。その時間の流れを楽しみます。

さあ、お料理が順番に出てくる時間が来ました。最初はこんにゃくからです。本当にうまい、味があるぷよぷよのこんにゃくに感激もあらたに。この続くお料理はどれもすばらしく旨さにふるえましたが、初稿ですでに8000文字を使い切っていて、それぞれの評を載録するスペースがありません。評は初稿にゆずるとして、地葱のてんぷらだけ。葱の食べ方で、初めての経験でした。そぎ切りにしたネギを天ぷらに。衣を薄くして、パリッと揚げてます。南米の海の塩が添えられました。この爽やかな天ぷら。絶対自作しよう。蕎麦には、えびでもいかでもなく、このような素材の天ぷらだけが蕎麦を生かすんだなあ、とあらためて思いました。


(2008年11月初稿)
慈久庵のことを初めて食べログで知ったのは、およそ3か月前のこと。庵の主小川宣夫さんのことがだんだん分かるにつれ、慈久庵でお蕎麦を食べたいとずっと焦がれていました。

ご自身でお生まれになった古里である茨城県水府村(現在は、常陸太田市)に慈久庵を創設、理想の蕎麦処にしようと近在の蕎麦農家に声をかけて。いい蕎麦を手に入れるべく伝説では農家から手に入れた玄蕎麦すべてを粉にして吟味したとか。
かつて蕎麦の一大産地だった水府から、一軒また一軒と蕎麦農家が消えていき、良質な蕎麦を手に入れようとしたとき、その事実が重くのしかかる。しかし、小川さんは持ち前のバイタリティで2つの解決法を見出し、成功の道を大きく歩み始める。

ひとつは、大きなテーマになった里山の再生。蕎麦の生産だけでは生計が立てられないが、裏作に小麦を栽培することで成り立つ道を柱とした里山の再生。近在の農家に熱く訴え二毛作の裏表、蕎麦、小麦の生産量を徐々に増やしていく。そうなると、蕎麦と小麦の消費増大の道筋をつけなければならない。

良質な小麦の消費を目的に、常陸太田に粗挽き蕎麦と石臼うどんの慈久庵鯨荘塩町館を開店させた。さらに小麦の消費を伸ばすため、乾うどんの生産を昨年2007年から始めて運動を加速させる。

2つ目の解決法は、一度荒れた畑はもとに戻らないと言われているのを焼畑農業の手法で見事に再生させ蕎麦を収穫できるようにする。そこでご自身のホームページでは、“幻の焼畑そばを食しませんか!”とズバリ呼びかけている。焼畑をすることで畑からストレスがなくなる、と。

常磐道那珂インターをおりて1時間、どんどん都会から離れて山と畑と農家が主役になる里へと走り進んで行きます。この日も、まさに日本の正しい秋晴れ。綿雲がひとつふたつ浮かぶ透きとおった青い空。窓から入って来る空気が冷たくて、気持ちがいい。農家には必需品の柿の木が、どの家のも柿の実をたわわにみのらせ、平和な光景が広がっています。さすがの、晴天の連休日。常陸太田を抜ければ名所袋田の滝もすぐそこなので、紅葉狩りが目的の人も一緒に北へ北へと向い、里は1年ぶりの活気にあふれています。

開店60分前。2番目のお客さん到着。40分前、突然小川さんがお店の外へ。縁側でまつお客さんが座る座布団を持っての登場でした。縁側に座れるだけの座布団を抱えて。おお、これで、100%食べられる。5分前、開店。

この日のオーダーは、慈久庵コース5品で。5人掛けのテーブルで、ひとり。贅沢を堪能させていただきます。このとき、お店のそとで待っていた人は1時間以上は待ったのかもしれません。相席はなし。相席の雰囲気ではない、真剣な場所。だから、1時間前に来て待っていたほうがずっと楽しいのに。

1品目。こんにゃくです。もちろん自家製のさしみこんにゃく。この辺一帯はコンニャクイモの生産が盛んで、さしみこんにゃくが名産品になってます。小川さんがお盆に乗せて運んできます。なにしろ、お店は小川さんひとり。オーダーとり、調理、配膳、片付け、レジまで全部一人でやります。普通のお店の感覚とは全く違います。わたしは待つあいだも、慈久庵がでている雑誌、本を読んで外の景色を見て、ものすごく楽しかったのですが。

素敵なお皿にそぎ切りされたこんにゃくがのってます。小川さんは、お料理を持ってきてお料理の説明をしてくれますが、こっちは初老のビューアーなので小川さんの小さな声では聞き取れませんでした。わさびを付けて召し上がって、とかそのような事をおっしゃってたのか、と。小川さんは、むだなことは言わず、必要以上の大きな声は出さない、あるいはシャイ?なのかも知れません。

何もつけないこんにゃく。うまい。こんなさしみこんにゃく、初めてです。ぶりっとした食感にうまみがあるこんにゃく。むかしは、みんなこんなおいしいこんにゃく食べていたんだ。大量生産で道を踏み外した、のか。次に、すったばかりのわさびをちょい乗せて。これも、いい。おいしい。でも、何もつけないほうがおいしい。ぺろっと、あっという間に全部なくなりました。食べた後のお皿もかわいいので、記念撮影しましょう。そば湯と一緒にいただきました。そば湯は、最後まで熱いのが出されます。途中、一回そば湯ポットごと新しいものに交換されました。

2品目。そばがき。結構な量です。湯気が立ってます。小川さんからは、“はじめは何もつけずに・・・・・・”。あとは、わかりませんでしたが、ねぎと味噌が別のお皿で来ましたので、お好みでつけたら、とか言ったのでしょう。

このそばがき。本日一番でした。あつあつ、ほふほふ、ふくよか、なめらか、もっちり、あまさが、蕎麦そのものの香りのなかにあるんですよ。このそばがきは、いままでのどれとも違いました。うんまい。もう、いや、うますぎる。くろい点々があって、これは粗挽の特徴ですね。ねぎをちょっと、みそをちょっと、で試しましたが、これも何もつけないほうが格段においしい。量もたっぷりで、しあわせな時間もたっぷり。

ちょっとベランダに出てみます。まあ、なんと目の前はずーと秋たけなわの里の風景が広がっています。景色を楽しめ、とはこのことだったのですね。テーブルもあり、そとでも食事、お茶ができます。風景の記念撮影を。

3、4品目。粗挽きせいろ蕎麦と野草の天ぷら。きれいな色のお蕎麦です。そばがきと同様、黒のてんてんが多く、食欲をそそります。この蕎麦こそが、焼畑農法で自家栽培し手刈り天日乾燥したものを石臼で粗挽に自家製粉した蕎麦粉から打ったものです。野草の天ぷらは全部説明していただきましたが、聞き取れたのは、たんぽぽだけ。知識のなさで、すみません。お塩の説明がありましたが、これもわからず。

おそばを何もつけず、ひとくち。うーん、さわやかなうまさ。不思議なさわやかさ。細いけどこしがあります。ホントにおいしいお蕎麦です。そばの香りが高く、こんなしあわせあっていいんかい、と思えるうんまいお蕎麦です。くちの中でふあっと一瞬の香りを残して、すうっとのどを通り過ぎて行きます。

“蕎麦も饂飩もめんを打つだけでは未完成。おいしいつゆと出会って、はじめてその真価を発揮する。”小川さんは著でそのような発言をしていますので、それではめんつゆにつけて食べてみましょう。

うあー、やっぱりおいしいですね。つゆは、こいくちであまみは少ない。きりりとした味で節のかおりが立っています。結局、お蕎麦だけをそのまま食べたのが半分、残りの半分だけがつゆと一緒にいただきました。おそばも過去最高点。残りのつゆは、お約束のそば湯に。しあわせすぎる。

5品目。もう最後になってしまいました。本日のデザート。いちじくのふろふき。いろんな料理を考えだすものです。いちじくの上に味噌がのっています。

いちじくのうまみがすごい。久しぶりに食べるいちじくでしたが、こんなおいしかったっけ、というぐらい、うんまい。ただ、かわをむいて、なにかシロップのようなものに漬けただけ?煮た感じはしません。とにかく、うんまい。味噌は控えめでインパクトではなく味のひろがりのためか、いちじくのあまさをより引き出すためか。文句のつけようなし。いや、むしろ大絶賛のデザートで雄大な舞台の一幕の終了です。

  • 葱天せいろ

  • 黒、茶、七色の星

  • 葱天

  • 自然からの贈り物

  • こんにゃく

  • いちじくのふろふき

  • そばがき

  • 地葱の天ぷら

  • そばがきの薬味

  • せいろ

  • 慈久庵の奥にある日本一のつり橋

  • 里の秋、ベランダから広がってます

  • 粗挽蕎麦せいろ、山菜天ぷら

  • 蕎麦のおいしさ、伝えたい

  • 絶品さしみこんにゃく

  • 山菜の天ぷら

  • こんにゃくの下には

  • 絶品そばがき

  • おいしさ、伝えたくて

  • いちじくのふくよかな味

  • そばちょこ、庵主はこれを選びました

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  • ざぶとんで行列する

  • 里の秋、空の色

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2011/10/04 更新

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