1回
2015/04 訪問
浅草にあるフレンチのオマージュ。6つの難関をクリアするポテンシャルの高さで2015年度も★獲得。
鶏モモ肉のバロンティーヌ
長崎産イサキの海老トースト乗せ
小桜のかりんとう
かんぱ~い
定番オリーブのつき出し
三層トウモロコシのスープ
豆乳のブランマンジェと赤ピーマンのムース(左)
ライスコロッケと生ハムのせポンテケージョ
ヘーゼルナッツ乗せサラミ
自家製パン
レモンクリームクレープと金柑アイス
雷おこし風味ブラマンジェ
カフェ
フォアグラ フラン
高知産金目鯛松笠焼き
岩手産地養鶏腿肉のロティ
再会に感謝して
ポンデケージョ
フォアグラフランにスプーンを入れ
地鶏のコンソメのジュレ
雷おこし風フロマージュ
山梨産白桃ソルベ
銚子産ホウボウのポアレ ジュ・ド・ポアソン
イモ豚肩ロースのロースト
トピナンブール(菊芋)のヴルーテ
リンゴのデクリネゾン
アミューズブーシュ
フルーツトマトとコンソメジュレ
フォアグラのフラン
マッシュルームのヴルーテ フランス産栗とノワゼットのクリーム
冷製奥美濃古地鶏のドーブ セップ茸のクリーム
スパイシーなパン粉を纏った蝦夷鹿シンタマ ソース・ポワヴラード
洋梨のイル・フロッタント スパイシーなキャラメルのスープ仕立て
フォアグラのフラン 葡萄のジュレ 茄子のピュレ 秋鮭のリエット
小桜のかりんとう、マドレーヌ
ポンデケージョ
2015/04/27 更新
(2015年4月 再訪)
10か月ぶりのオマージュです。マイレビュアーさんのハッピーバースデーのリクエストを訊いたら、オマージュと言うことでしたので予約して行ってきました。マイレビュアーさん二人との3人で浅草フレンチ。
また一段とパワーアップしたと感じた料理の数々。オマージュが初めてと言うお二人が喜んでいたのも分かりますね。2時間半の大満足なランチでした。
かんぱ~い、の後はアミューズから幕が上がり。
*パプリカとあおさ海苔のサブレ エルダーフラワーが味の変化をもたらすクリームで。
*クロケット、サラミ、いわし、春巻風、田楽風 最初の前菜は小品をちょっとずつ。コースによってポンデケージョとクロケットが変わる?こんな細かい作業を毎日毎日続けるシェフって。前菜の一皿をボンと置く店とは一線を画し。そう言えばオリーブもなかったな。
*生うにジュレ この日のスペシャルティで追加料金。ウニが大好きと言うマイレビュアーさんで、一も二もなくオーダー。これが大当たりでした。うにを引き立たせるジュレがまた秀逸。シェフの感性をまざまざと感じる皿でした。
*フルートトマト、黒トリュフ、ケッパー、生クリーム 飴の円盤の上には野菜、それを割りながらいただく中はフルーツトマトをメインに生クリーム仕立てのソースで食べる。マイレビュアーさんはトマトが苦手ということで代わりに出てきた1皿。上にはラディッシュのサラダになっていて、中は生からすみ。こっちがよかった、両方食べたいなど議論百出。
*新玉ねぎ 同じ素材で調理方法を変えてその味わい、風味を楽しむ趣向。玉ねぎの七変化には驚きました。皿にペイントしてるのはヨーグルトソース。黒く見えるのは、玉ねぎのグリル。
*宮城産鮎魚女(あいなめ) 鮎魚女ももちろんおいしいですが、付け合わせのブイヤベースソースで煮込んだスペルト小麦のリゾット風が旨い。パンには上質なオリーブオイルを合わせたり、リゾット風が出てきたり、イタリアンとの接近もダイスキ。
*天草梅ポーク、フォアグラ、うるい うるいの葉をめくるとフォアグラソテーが見えてテンションマックス。ソースの力もありますが、こうなるとビーフ<ポークになりますね。きょういちでした。
*バースデープレート 喜んでいただけました。
*デセール、イチゴ
*小菓子 フィナンシェ、ミニマカロン
*コーヒー、ハーブティー
また明日にでも行きたくなるシアワセ時間。あれ?このコースには小桜のかりんとうが出ませんね。じゃあ、帰りに寄って買って行きましょう。
(2014年6月 再訪)
今回はオマージュデビューの女性おふたりとステキ浅草の散策&食べ&呑み&カラオケ(笑)。
まずは浅草駅から出発して仲見世に。ジブンは少し早く来て0次会がありましたが、それはまた次で。この日も仲見世は世界からの観光客や修学旅行生で溢れてました。浅草寺の常香炉で煙をかぶり、そこから左に舵を切って花やしきに向かいます。
花やしきでゴンドラを見上げたのちに5656会館を横目で見てオマージュに到着。珍しく一番乗りで左奥のテーブルに案内されます。こちらに座るのは初めてですので、うれしくて記念撮影。
お二人はお酒を呑まれない方と酒豪の方の組合せ。申し訳ありませんと言いながら、酒豪さんにワインの選択をお願いします。いいワインでした。1本では足りないお顔でしたが、ここでは我慢していただき、このあとホッピー通りへご案内しました(笑)。
たいていお料理の名前があやふやで内容が分かるジブンネーミングもありますが、今回はこの後すぐに大阪に飛び、リアルタイムでレビューしたためこのレビューが遅れに遅れました。従いまして、既にレビューされている酒豪さんのブログをコピペでごめんなさいです(笑)。こんど、お酒で穴埋めさせていただきます。
まずはカンパイの後、定番のオリーブをアテにしばし談笑で。
今回は趣向が変わって、ずらずらアミューズが繰り出せれます。これがとても新鮮で、おいしくて、にこにこが止まりません。
赤ピーマンのムースと豆乳のブランマンジェ。こちらは写真で緑の方ですが、上には枝豆と枝豆のソースがかけられてます。豆乳と枝豆、相性がよくないわけがありませんね。でも手間がかかりますから、オマージュのシェフ以外手を出す人はいないでしょう(笑)。とことんやり遂げるシェフの姿勢に惚れてます。
定番のポンデケージョには生ハムが乗ってますね。お初です。お二人の歓迎でしょう。そしてライスコロッケまでも。温かい料理がありがたいです。サラミの上にはヘーゼルナッツを乗せて。
とうもろこしのスープです。甘くてとてもおいしいスープです。が、そこはオマージュ。それだけでは終わらせない。スープは2層になっていて、上はトウモロコシスープ、下は黒ゴマのジュレ。そしてトウモロコシスープの上からはヘーゼルナッツクリームが。もうすごい、としか言いようがありません。
ランチはダブルメインで、魚の方はイサキ。上には海老のトースト。帆立と芝海老の上に新じゃがを乗せてローストする手間が入ってますが、それだけに旨さも格別。泡状のソースはウイキョウとアサリでとったソースから。
肉の方は、鶏肉のバロンティーヌ。鶏肉に詰め物をした料理という意味だそうです。詰め物はフォアグラとあおさのり。下町フレンチの面目躍如です。これらの手の込んだ料理が一皿いくらだと思いますか。
デザートは、雷おこし風味のブラマンジェ、レモンクリームクレープと金柑アイス、小桜さんのかりんとう、生チョコでした。
まあ、三人とも大満足。ワタクシが何故か鼻高々で(笑)。
お店を出るときにシェフと奥様とで話ができました。そして、記念写真をパチリ。
かくして、浅草ジャーニーは次のお店へGO。
(2013年8月 再訪)
久々となったオマージュ。マイレビュアーさんと待ち合わせて行ってきました。
初めてですね。同行の方がジブンよりもずっと浅草にくわしいことって。いろいろ教えていただきました。いろいろ知っているとその土地がずっとジブンに近づいて来て、いつもと違った景色に見える。そんなこと、サン・テグジュペリが言ってませんでしたか。
“愛、それはただ互いに見つめ合うことではなく、ふたりが同じ方向を見つめることである。”とか言っているでしょ。どうも待ち合わせからサン・テグジュペリが回想されていたんですよ。
“きみが夕方の四時に来るなら、ぼくは三時から嬉しくなってくる。そこから時間が進めば進むほど、どんどん嬉しくなってくる。そうしてとうとう四時になるともう、そわそわしたり、どきどきしたり。こうして、幸福のありがたさを身にしみて思う。”
オマージュに着いたのが開店1分前。おしゃべりしながらも、帳尻はぴったり合わせてきました。この日まさかの予約が取れて、ランチの3800円のコースをお願いしてました。1か月前のことですけど。
今回もまあ出て来る料理、全部が全部、めちゃめちゃおいしかったです。料理の名前を聞いて想像する味を見事に超えてくるシェフの独創性。調理の細やかさ。純フレンチではなく、和15%仏50%オリジン35%みたいな。技はフレンチですが、この豊かな独創性ってすごい。
料理の度にあまりのおいしさにおもわず目と目を合わせて何回にんまりしたことか。帰りに出口で見送ってくださったシェフと奥様には、料理のおいしさへのお礼を申し上げると同時に、同行の女性との距離がぐんと縮まってこれからそれを確かめに行ってきます、と言ったくらい。浅草でいとは、このお店の予約を取ることから始められたほうがよろしいと。
*アミューズ・ブーシュ
カンパイをして、いつもの熱々ポンデケージョをいただきます。何回食べても絶品ですね。そして、フォアグラのフラン。料理は仕掛けがいろいろあります。スプーンで宝物をさがしつつ。うめええ、と山羊になって合唱。
*ビシソワーズ
地鶏のコンソメのジュレ
奥様から丁寧な説明を受けますが、聞いているときは100%理解していても、紙に書こうと思った瞬間、聞いたことが霧散してしまいます。おいしければいいよね、って二人で言い訳のしあっこ。
*高知産金目鯛松笠焼き
ムールのジュと枝豆のクーリー
めっちゃおいしい金目でした。うろこを逆立ててかりかりに。ここでテンションマックスに。枝豆のクーリーもばっちり効いてました。
*岩手産地養鶏のロティ
ローリエのジュ
おいおい、どこからこの木株の皿持ってきたんだ、とまず器のインパクトですね。やってくれます。これもたくさん説明をいただきました。メモしてありますが、まちがったこと書くよりも書かない方がいいかなって。
*デザート
最後まで喜ばせていただきました。3年連続★ですが、どこまで進化していくんでしょうか。人の良さがお顔に出ているシェフを見ていると、無限大の可能性を感じます。ごちそうさまでした。
(2013年2月 再訪)
ランチの予約が取れましたので、再訪しました。
お店に入ったのは正午。マダム、スタッフのみなさまに温かく迎えられて2階へ。テーブルはすべて埋まってます。予約していたのでそこだけは空いています。二人で着席。テーブルの上には既に用意されていたこの日のメニューが置かれていました。魚と肉も含んだプリフィックスランチです。
飲み物のメニューを持ってきたのはマダム。ご一緒した女性は飲めないということでソフトドリンクを、ジブンはオマージュでビールいいですか?あわてて急いで来ましたので。理由を知っているので温かいほほえみ返しです。
ソフトドリンクとビールという不思議組み合わせでようやく乾杯までこぎつけました。経緯は最後で。つきだしのオリーブとポンデゲージョを間に置いてアイスブレーク。話が弾みます。このオリーブの産地はラングドック。へ~え、そうなんですか。アミューズブーシュは2品。
フルーツトマトとコンソメジュレを合わせ、上にお化粧でカリカリな板状のキャラメライズされたものを乗せ。もうひとつが、フォアグラのフラン。このあたりからオマージュの世界にどんどん引き込まれていきます。
トピナンブール(菊芋)のヴルーテは、思わず目と目を合わすほっこりふわふわな味。思わず笑いが出てしまうおいしさって。前回来た時も、お~し、オイラも自作してみよう、と思って絶対近づけなかったヴルーテ。ここに来てシェフのをいただくのが一番やね。自家製のクルトンだって、この味、この大きさ、この数がピンポイントなんでしょ。
銚子産ホウボウのポアレ ジュ・ド・ポアソンでは、ホウボウの味が際立ってました。魚のポアレ、そんなに多くの経験はありませんが、ここまでのは初めて。焼きはもちろん完璧でしょうし、ソースがどれだけ主役を引き立たせるかしみじみ思ったことでした。フレンチはソースなんて聞いたことはありますが、実感。つぼみ菜、自家製のセミドライトマト、プチベールが更に料理に凄みを与えてました。
春菊のソース。魚の骨のソースは、まったく塩を入れていないというのが不思議な塩梅のいい味に驚嘆するばかり。手が込んで、手が入って。どれだけ根気が続くシェフなんでしょう、と今回も性格判断したくなりますよ。
イモ豚肩ロースのロースト、のほうは逆に魚に株を奪われた感じで肉の旨味やNA醤の味わいがホウボウの余韻を消すのに難しいくらいでした。これだけ高いポテンシャルの肉料理が前の皿の引きずりを許すという魚料理の素晴らしさを特記しておきたいと思いました。
デザートはリンゴのデクリネゾン。変化、と意味だそうです。リンゴチップを天使の羽根のように使い、その下にアイスクリーム、その下にクリームケーキと焼きリンゴ。リンゴ尽くしです。そして最後は、小菓子。小桜のかりんとう、人形焼フィギュアマドレーヌ、やげんぼりの乗ったチョコ。
シアワセ時間をいただきました。1人前でよかったあ。
待ち合わせを決めていた場所にご一緒する人が現れないというハプニング。携帯、ははん、家に忘れているな。連絡が取れないのでとりあえずお店には30分遅れると連絡しておきます。もうあきらめて、今日は2人分食べれるな、しめしめと思って店に向かって歩きはじめます。間もなく携帯が震え、お連れの方がお見えになったます。え~~~!急いで、速歩でお店に向かったため、いやあ、喉が渇きました。
お料理、ちゃんと満足できるように1人前は1人前なんですね。帰り際、シェフのお見送り。この方が、あの繊細で手の込んだ料理を、毎日毎日作っているんですね。
『とってもおいしくて。また幸せな時間をいただきました。あの手のかかるお料理。シェフはご自身ではSではなくてMと考えることありませんか?』究極のインタビューです。まあ、答えがすばらしい。けど、公にしないほうがいいような直截的ワードで。絶対的ファンになりました。
(2012年11月 初稿)
キリ番レビューの21回目。2100軒目のお店になりました。
ここまでレビューしたお店の数が増えてくると、書き手、読み手にとってキリ番の緊張感がゆるみがちだと思いますが、少なくとも書き手であるジブンは特別なお店を特別な思いで書く、ということには変わりありません。100軒目、500軒目、1000軒目、2000軒目と同じように、
熱い気持ちをお店に、読み手に伝えたい。
キリ番レビューの歴史がジブンの食べログ史であると思っております。いつもは行けないところやお店、いつもは食べられないお料理。
夢枕に閻魔大王が登場。
なあオマエ、オマエの命もあと21日。一日一食だけ好きなものを食べさせてあげよう。命が尽きる前に。どこで何が食べたいか申せ。
と言われたら、間違いなく食べログで刻んできたキリ番のお店21軒で食事をさせてくれえ、と言います。それだけ、自分にとってキリ番のお店はスペシャルなものなんです。今回も素敵な出会いがありました。
浅草には永年通い続けているアドバンテージを生かして、最近、浅草の美味しい店シリーズを走らせております。洋食、天麩羅、大学芋、肉まん、粟ぜんざい、とまずは目玉のお店を取り上げて、浅草通のはしくれであるアピールをしていたのが、ここオマージュとの出会いの伏線になったのでは、と今思ってます。浅草案内ならジブンにまかせなさい、みたいな。
ある日、毎回千葉オフ会UB会でお世話になっているうめばらももさんからランチのお誘いが。お店の名前がオマージュ、場所が浅草。あれま、やだよ。オマージュという名前のレストランが浅草にあることを知らないワタクス。これじゃあ、浅草通ライクも返上だし。いやあ、とってもうれしいお誘いですから万難を排して行くのは当然でありましょう。
行けなくなる可能性もありますよ、と脅かされましたが、それはこっちではなく向こうのこと。都合が悪くなったらドタキャンしますから、とも言われました。オマージュのことをすぐさま調べたら、ミシュランの一つ星。これは、ドタキャンはないな。絶対に行くはず、のつもりで浅草ガイドツアーのことも少し考えておかなきゃあ。浅草に行ってオマージュで食べて、はい、解散、という場所ではありません。時間の許す限り、お腹の許す限り、浅草の魅力を伝えましょう。
浅草駅での待ち合わせ時間が、予約してあると言う時間の直前です。ものすごい早歩きで行くような時間を言われました。これも、ただお店に行けばいいっつうもんでもありませぬ。お店に行く道中で何軒か紹介もしたい。浅草寺に来て、常香爐の煙を頭や顔にかけないとか、お賽銭をあげてお祈りしないとか、それはもう、ありえません。どんなに急いでいても、浅草ではやっていただきたい。
約束に時間に首尾よく会えました。そんなわけで、行きすがら何軒かのお店を紹介します。もちろん外観をみて、ガイドするだけです。雷門をくぐると人が多過ぎて歩くにも歩けませんから、雷門をくぐってすぐ脇道に入り、宝蔵門のところまで来て門をくぐります。こうすれば、常香爐で煙をかけられますし、お賽銭もあげられる。その後は一直線でお店を急襲。
ジブン、お誘いを受けてから1度オマージュの前に来てます。本番の日には道を間違えず、一発で来る必要がありますので、できたら下見をすると。機会があって、そうすることができました。お店は周囲の様子とは異質の外観を誇るコンクリ打ちっぱなしのモダンクール。ふたりでその前に立ちました。ドタキャン、ないない。
1階のクロークで荷物を預けて2階に案内されます。13時を少しまわってました。ラストオーダーまで20分。余裕でした?2階は外観とは異質な木を使った温かな空間が用意されてました。L字型に配置されたテーブル席。既にわれわれ以外は食事をスタートさせています。静かです。話をするよりも食べる方に専念しているかのような雰囲気。おれらも早く仲間入りしたい。
手わたされたメニュー。3800円!!か6300円ですよ。6300円になると魚と肉の両方が出てきますが、二人いることだし、3800円のコースでそれぞれ肉と魚をチョイスして半分ずつ食べることに。このランチのあとも控えてますので、少ないくらいがいいんです。お飲み物はと訊かれ、2種類の赤ワインを頼みました。
◎突出し的アミューズブーシュ
お店の定番だそうですが、オリーブが素敵スティックに刺さって。ポンデケージョをうめえうめえと食べていよいよ始まるなあ的気分になります。もちもち好きのももさんが、スマイルすることすること。このあとも、スマイルしっぱなしで、二人でうめえうめえを連呼してます。二人とも、初オマージュ、初ミシュラン。ワインが食欲を引き上げてきて。
◎アミューズ2種
フォアグラのフラン 葡萄のジュレ
茄子のピュレ 秋鮭のリエット
とってもシンプルに見えるのですが、作るのは大変だろうな。そんな思いを起こさせるアミューズ。既に素材の種類は両手で数えられないほどでしょう。フォアグラのフラン。
フランがいい。田舎者ですから、もっとくれ~的発想しかできませんが、これひとつとってもシェフのすごさが伝わってきます。あとでミシュランの採点の項目を調べると、なるほど、それぞれの項目で高い完成度を感じました。
◎マッシュルームのヴルーテ フランス産栗とノワゼットのクリーム
これが今日一だったかなあ。ヴルーテの旨味とクリームの濃厚さ。マッシュルームの風味。栗とヘーゼルナッツの刺激。こういう料理が出来るんですねえ。これはびっくらぽんのおいしさでした。ここ何年のベストワンと言ってもいいくらいの出色の出来。あまりに感激して、直後にマッシュルームスープを自作したくらい。もっと旨くするために、フードプロセッサーも買ったくらい(日記参照)。
マッシュルームクリームスープが、泡とともにふわとろ。ふわふわとろとろ。いやだなあ、もう、の逸品でした。フレンチトーストが箸休めの豪華さ。
◎冷製奥美濃古地鶏のドーブ セップ茸のクリーム
このテリーヌも複雑な味でこれだけの旨味を出すための苦労が、労力が透けて見えてきます。フレンチってすごい。セップ茸ってポルチーニですよね。濃厚なクリームで、この変化の山谷や味の深さには驚嘆です。
◎スパイシーなパン粉を纏った蝦夷鹿シンタマ ソース・ポワヴラード
メインの肉は蝦夷鹿でした。ちょっとジミな外見。目の前で食べている魚が豪華なセッティングゥに比べれば、メインらしからぬジミー大西。シンタマってもも肉の種類で、ウチモモの下にあって球状なので芯玉って言うそうです。肉肉してて、いい味してますね。しかし、魚の勝ち。
◎洋梨のイル・フロッタント スパイシーなキャラメルのスープ仕立て
フレンチの定番デザート。島、浮いている、ということで、スープがまわりを囲んでます。言ってしまえば大人の味。おいしいですが、これも目の前で食べているデザートの勝ち。この日はチョイスは全敗でした。ま、ガイドはでしゃばっちゃあいけませんぜ。
珈琲と小菓子。このスプーンがほしい。人形焼のマドレーヌは店のスペシャリティ。これから訪問する小桜のかりんとうも登場でした。
これで、全幕の終了。お客さんは二人だけで全員退場してます。余韻を味わい。お料理の素晴らしさ、というより、凄み。ミシュランが評価するという、「素材の鮮度と品質」「調理技術の高さ」「オリジナリティー」「コストパフォーマンス」「常にクオリティーを保つ料理全体の一貫性」「味付けの完成度」。この6項目クリアはもちろんのこと、深く印象に残ったのは、美意識。食の感性とアートなこころ。
選び抜かれた食材。完成度の高い調理技術。それを美的に見せる、魅せる。満足なランチでした。
ひとつだけココロ残りがありました。何であのとき、次回の予約を入れなかったのか。
これが、2100軒目に選ばれたオマージュです。いつもレビューを応援していただき、感謝いたします。また、2200件に向かってがんばっていきたいと考えます。
2012.11.4
(G)