行列のできるさんが投稿したつる幸(石川/金沢)の口コミ詳細

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香港百景。

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行列のできる (70代以上・千葉県) 認証済

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閉店つる幸北鉄金沢、金沢/日本料理

1

  • 昼の点数:5.0

    • ¥4,000~¥4,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク -
1回目

2013/05 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥4,000~¥4,999
    / 1人

正統派日本料理をベースにした味のマジック。今回もまた感銘を受けた千枚田の器。

(2013年5月 再訪)

富山・金沢旅行の3日目。最大の楽しみであったつる幸さんでのランチです。

今回予約をお願いしたのは2か月前。つる幸さんの予約を軸に旅行の計画を立てます。

既報のように駅前を出発し、ウォーキングでひがし茶屋街をぐるっと周ってからつる幸さんにやってきました。深呼吸をひとつしてから入口の戸を開けて、凛とした空気の中に入っていきます。通されたのは前回と同じ2人用のテーブルが入った個室。テーブル席でのランチコースをお願いしてあります。

まず、今回もっとも河田料理長の持味が出ていたと思いました、お造りの画像をご覧ください。一番最初に貼りつけました。最初、何事が始まったかと思うじゃないですか。まず、お造りであることすら気がつかず、何か野菜を使った郷土料理のようなものかなと思いました。なんですかこれ~~。

今回は最後まで奥様がお相手をしてくださいました。奥様に、何ですか、とお訊きすると料理長が能登の千枚田のテレビを見ていて思いついたと説明していただきました。すごい発想ですね。こういう流れで千枚田の器を作ろうと思う料理人って、日本に何人いるでしょう。河田さん、お一人でしょうね。非常に柔軟な考えであり、シャープなセンスも持ち主であると、今回もまた料理人としての魅力に惚れ込んでしまいました。

簡単に説明しますと、太きゅうりをつかって棚を作るわけです。そして、棚にするために、後ろ側には細いキュウリで作った足場があるんです。足場の高さを変えて千枚田にしているのです。足場のキュウリはちょうどいい太さでしたので、しっかりいただきました(笑)。

お造りの内容は、さわら、まぐろづけ、がすえび、かつお、さば、たい、など。本当においしいお造りでしたが、この演出でおいしさが倍増しましたよ。

部屋に通されると、まずはあられ茶で気持ちと口をすっきりするんですね。この日は結構気温の高い日でしたので、冷たいビールで口に中をすっきりさせました(笑)。

そして、最初のお皿からおいしいものが並べられ。なんと、いかのるいべですね。烏賊のお腹に緑のものが入っていてるいべにし、ごくごく薄くスライスしてるんです。緑は何かの野菜でしょうか。料理長のことですから、ジェノベーゼソース、なんて答えが返って来ても驚きませんよ。

このるいべが先付だとすると、次のお盆はお凌ぎから向付の前の中間に位置するものですが、日本食にも疎いワタクシ。呼び名が分かりません。オードブル、前菜盛り合わせ、などと呼ばせてくださいませ。お盆には6種類のお料理が並んでいます。どれも手が込んだ料理で、つる幸さんでは一体一日に何種類のお料理を作るんだろうと思ってしまいますね。100種類位になるんでしょうか。それを毎日毎日ですから、料理人の方はものすごい重労働なんですね。いくら好きとは言え。

はたはた、白ずいき、レーズンとフォアグラのにこごり、ごまどうふ、インカのめざめ、穴子寿司、笹鰈一夜干し。レーズンとフォアグラを煮こごりに入れてしまう河田マジック。

その次が向付にあたるお造りなのでした。そして次に続いたのがふぐの白子ソースがからんださくらますの粕漬けと筍とやまいも。これが旨かった。和食であまり使わない食材でサプライズがあったかと思うと、このようなガチな正統派がサーブされたり、こんな楽しい食事はありません。

そして目でも楽しませてくれる九谷焼の数々。このブルーの器も素敵でした。次は、餡蒸しです。餡のなかに宝ものがいっぱい入っています。白身の魚、うに、ぎんなん、キノコ、くわい、イモ。出汁がたっぷりきいたこの餡。大好きです。

そして最後の料理が運ばれて来ます。大きな毛ガニ、いちじく、たけのこ、いか、そらまめ。これもまた前のお料理とは違い味の変化も楽しめます。素材と調理法、味のバラエティ指数が高いんです。

ここでお食事となり、今回は筍と烏賊のごはんでした。お椀はじゅんさい。もちろんお代りしました。デザートはフルーツのゼリー寄せ。そして、お抹茶には諸江屋さんのからまつせんべい。

こうして、再び大興奮の中食事をいただきました。やっぱりすごいお店です。今回は奥様がずっとお相手をしてくださり、いろいろお話を聞くことができました。また最後に河田料理長とも話をすることができ、たいへん心の籠ったお料理のお礼を言うことが出来ました。季節季節の食材でこんなすばらしい日本食がいただけるお店。遠いのでそう簡単には行けませんが、元気なうちは1年に2回ぐらいはおじゃましたいですね。

この日いただいたランチコースは4000円。すごいことです。


(2012年12月 初稿)

キリ番22回目レビュー2200件目は金沢の料亭つる幸さん。正統派日本料理をベースにした味のマジック。

金沢に来ております。

金沢でキリ番レビューを書くことになりました。お店は、老舗の料亭つる幸さん。そして、今回の金沢・能登旅行の組立の要となったお店がつる幸さんだったのです。食べログで人気上位なことは毎回金沢訪問時に気がついていましたが、食べログで全国トップ10に入っているお店とは今回レビューするに当たって、初めて知ることになります。相変わらずの暢気レビュアーです。

お昼の予約をお願いしますが、満席であるとの丁寧な文面のメールが届きました。書き方からして、ひとつひとつのリクエストに対して真摯に回答していることを感じます。これならなんとかなりそうだ。5回もリクエストすれば、その心情を斟酌してくれるのではないか。手ごたえを感じて、次の日をリクエストします。

『お日にちをご変更して頂きまして、誠に恐縮でございます。「つる幸」河田と申します。…』

そのようなメールを頂戴し、お昼のミニ懐石コースの予約がとれました。申し訳ないくらい、想像した通り、すっごいホスピタリティを感じるメールです。こうして今回の旅行のスケジュールはつる幸さんの予約日を軸に決めました。金沢、能登七尾でおいしいものを食べ、そして金沢に戻ってきて、つる幸さんにお伺いすることになりました。

お店は、格式がありそうな大きな料亭です。開店時間前ですが、お客さんが次々入って来ます。車の中で開店時間まで待機してましたが、あわてて店の中に入りました。和服姿の仲居さんに案内され、入口に近いところにある二人部屋に通されました。こじんまりとしてますが、窓の外には雪が見えていて落ち着いた感じの部屋でした。二人用の個室です。

頼んでおいた料理がミニ懐石であることを確認され、コースがスタートとなります。

最初にお茶が出されました。ぶぶあられが入った白湯ですね。これで気持ちと舌が切り替わって。

御凌ぎ:しゅうまいです。蟹のしゅうまいで、今が旬と言う香箱の内子と蟹の身が入った、しゅうまい。熱々を食べる、ということでこのようなスタイルにしたのでしょうか。最初から不思議の扉を感じます。伝統的な調理法をしながらのチャレンジ、という感じがしました。

八寸:これがすごかった。いっぺんで、つる幸さんの力量を見ることになります。むかご、アンチョビ、チーズ、ブルーベリー、くわいのせんべい、きぬかつぎ、しらあえ。なんという組み合わせなんだろう、と。アンチョビやブルーチーズを和食に取り入れ、味わいをより深く、たのしさ一杯の和食にまで昇華させています。すごいなあ。和食の基本はきっちりと守り、新しさに挑む姿に驚きました。予備知識を持っていなかったため、強烈なインパクトがありました。

向付:おつくりはすだれで覆われていて、中身は見えません。へ~え、とおもいながらすだれを取ると、中から出てきたのは、新鮮なお造り。すずき、まぐろづけ、かんぱち、あまえびラー油、バイ貝、たこ。づけで巻かれているものは、アボガド。ラー油とアボガド。ここでも新しい和食です。

蒸しもの:九谷焼の鮮やかな黄色い器でいただきます。茶わん蒸しかと思って蓋を開けると、まったく違いますね。あんかけ、でしょうか。いろんな食材が入っていて、アツアツを食べる楽しさです。出汁が利いていてうまい。なまうに、えび、キノコ、ぎんなん、うなぎ、白身魚、ゆりね、くわい、蓮根。これも印象に残るお椀でした。

揚げもの:彩りがすばらしいです。白玉、白身魚かきもち揚げ、アスパラ、パプリカ、かぼちゃ。白玉の天ぷら、初です。うまいです。かきもちもうまくて魚が目立ちます。。

鰤のるいべ:これまた意表をつく食べ方です。酢味噌とホースラディッシュで食べるんです。この口どけとか食感とか、まあどうしてこんなこと思いつくんだろう、とここでもサプライズ。料理長はきっと若い方に違いない!と思ったのでした。ちょうど部屋に来られた女性の方に、料理長さんのお歳は幾つくらいですか、と尋ねます。

え~っと、息子なんですけど、いくつだったかしら。46歳かな(聞き違いかもしれません。すみません。)

はああ、おかみさんでした。菊の花が添えられていました。

お食事:香箱ごはんでした。うれしいですねえ。本当においしいです。香箱の内子、外子、蟹の身がたっぷりと入って、まずかろうわけがありませんが、とにかくめっちゃうまし、です。お代わりしてください、と部屋に入って来た女性に言われお代わりをお願いしました。お椀、香の物もさすがです。

あのお、丁寧なメールをいただきました。差出人の方のお名前が河田さんという方でしたが、お店ではどのようなことをされている方なんですか?

はい、私の主人ですが、料理長をしております。

うあああ、若おかみでした。そして、料理長自らがあのメールを出していることのオドロキ。やっぱりすごいお店です。このあと、レビューするときに先行レビューに目を通すと、28歳で和の鉄人道場六三郎さんに勝ったという伝説の料理人だったのですね。何にも知らずにねえ、ワタクシ。 

そして、デザートは、白玉、そるべ、黒豆、果物。最後はお抹茶と金沢の銘菓。名前をお聞きしましたが、知識がないため記憶に残りませんでした。おいしいことだけは分かります。以上が、4000円のミニ懐石です。何皿ありましたでしょうか。10皿ですね。すると平均して1皿いくらでしょうか!?信じられないCPの高さ、と至高のホスピタリティ。

お勘定をするとお店で使っているお醤油をおみやげにいただきました。そして、いつのまにか、おかみさんと料理長の河田さんが見送りに店の外まで出ていらっしゃいました。このとき、何にも知らないワタクシ。河田料理長に、北陸版のミシュランがあったら絶対間違いないですね。この前湯島のくろぎさんでいただき感激しましたが、今日のお料理はそれを超えた驚きとシアワセな気持ちにさせていただきました、ととんちんかんなことを申し上げました。

伝統的本格的な和食とシャープに切り込む斬新な味への挑戦。忘れられない食事になりました。

  • 太きゅうりで作った”千枚田”の器でお造り。

2013/05/26 更新

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