行列のできるさんが投稿したポエシア(徳島/文化の森)の口コミ詳細

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香港百景。

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行列のできる (70代以上・千葉県) 認証済

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移転ポエシア文化の森、二軒屋、阿波富田/イタリアン、フレンチ、パスタ

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 3.5
      • |雰囲気 3.5
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク -
1回目

2017/01 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気3.5
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

まだまだ進化の余地を残すすごいシェフがいるポエシア。徳島に来たら絶対に寄ってみたいイタリアンの名店がここ。この日の主役は新潟産無双網猟の青首鴨という豪華さでした。

徳島に来ています。

マイレビュアーさんがセットしてくれたミニオフ会。楽しみにやって来ました。徳島駅から車でおよそ10分。すっかり夜のとばりがおり、車から降りてレストランを見上げます。18時ですが冬の夜ですのであたりは真っ暗。川のほとりにいるようです。闇の中でレストランの文字が浮かび上がって。

中に入ります。大きなホールが2つあるかなり大きなレストラン。手前のホールはまだお客さんが入ってませんので明かりが落とされてますが、白いテーブルクロスが本物の空気感を醸し出しています。

案内された奥のホール。写真でも分かるように、一番奥にテーブルセットがなされて我々の到着を待ってます。この日のメインは

*新潟産無双網猟の青首鴨

であると、すでに幹事さんから聞いてます。幹事さんはシェフと入念な打ち合わせをして、このオフ会をセットしてくれていました。3人でのミニオフ会。

この時期、シベリアから新潟、秋田の米を求めて飛来する青首鴨。日本の多くのファンが待ちわびる冬の贈り物です。自然天然のものですから当然数はその時任せ。この日に入荷があるのかないのかは天のみぞ知る、と言う状況でしたが。天が味方してくれてシェフが腕を振るうおぜん立ては整っていたのです。

後からお訊きすると、毎年のように青首鴨を取り寄せているということでシェフの志の高さをうかがい知ることが出来ます。

さ、どんな料理が用意されているでしょうか。先ずはワインで乾杯です。

**白子のエスプーマと白子のポッシェ 醤油のジュレ添え

うわあ、こうきましたか。このレストランについても先行レビューには全く目を通してませんので、実に新鮮な気持ちで料理と接することが出来ます。

今更ワタシが言うことでもありませんが、この最初の皿のインパクトってそれから始まる食事の印象を大きく左右するきわめて重要なことですよね。おおお、とワクワク期待させるのか、たいしたことないや、と2皿目に進むのか。

この前菜、ジブンはすっかり感心してしまいました。そのココロは、旬の白子を使ってそれをイタリアンでありながら醤油で食べさせようという設計ですね。見た目の見事さはもちろん、エスプーマとジュレでの演出を介して我々の醤油DNAに迫るという設計。

**フォカッチャ2種

**鳴門産天然真鯛の炙りカルパッチョ 筍と大麦のサラダ添え 木の芽のソース

10年ぶりと言うこの不漁な時によくぞ鳴門産の鯛を入手したなと感謝しかありません。全国に名をとどろかす鳴門鯛でそれだけでもありがたいのに。スライスにして炙って使ってます。スライスと簡単に言っても、その大きさと厚みが味に与えるインパクトを考えつつですからね。新筍もさすが。

イタリア産の大麦を敷いてます。大麦はよくリゾットにして敷きますが、ここではもっと硬めで食感を生かしていて工夫を感じます。

直接シェフにお訊きしたところ、オーナーシェフは海外修業の経験はないそうです。大都会のミシュランなど実力店で修業したわけでもなく、熱心な勉強のための食べ歩きや本などのメディア活用をもとにアレンジしたジブン流おもてなしイタリアンなんですね。全国区になってもおかしくない実力店です。

**大阪産河内鴨のタルタル 椎茸ペースト添え

シェフが食材として好きだという河内鴨をタルタルで。ぐいぐい攻めてきます!

**牟岐産のアオリイカ、聖護院蕪のタリオリーニ カラスミ添え

ここで手打ちパスタ。太麺のタリオリーニをもってきましたね。これもじんわりと旨い。手打ちパスタもイケますね。そしてこの炭火で炙ったアオリイカの旨さも光ってました。パスタの後はメインの青首鴨のはずですからワインを空けて準備。

**新潟産天然真鴨の炭火焼き 天恵菇のクレピネット包み添え

想像だにしなかった華麗な登場にびっくりでした。こういう使い方で来るとは正直全く考えてませんでした。シンプルな味付けで炭火焼、と言う先入観がありました。それがきりりとした赤ワインベースのソースと合わせてきましたから。あとでシェフに使ったソースのことを訊きましたが、このソースがベスト!ときっぱり。

ひとつは、徳島産椎茸天恵菇に詰めて網脂で包み炭火で焼いたもの。もう一つは、 胸肉を炭火でローストしたもの。つまり1匹の各部位を2つに分けて最も味わいを引き出せる2種類の料理に仕立ててきたんですね。お客さんが少人数でも最大楽しんでもらえるような工夫。すごいです。

興奮を鎮めるデザートは

**ココナッツプリンとキャラメルのジェラート

そして

**カフェ

いやあ、すっかり料理に魅了されました。実に謙虚で人柄もすばらしいシェフの研究熱心さは、まだまだ上位の料理を生み出していくものと思います。

シェフが成長していくうえで一点だけ足りないものがあると感じました。

それは、シェフご自身ではなく、お客さんです。厳しく育ててくれるお客さん。食べログで言いますと、徳島では虎屋壺中庵が今日時点で★4.49で断然です。2位が★3.77ですから俗な言葉で言えば全国区な店は壺中庵だけ。しかし壺中庵の中身を見ると、食べログの上位レビュアーが数名のグループで1度訪問したことが大きく寄与していますね。

ですから、そのグループがポエシアのことをその時点で知っていてポエシアに寄ったら、と、仮定の話ですが、かなり評価点が違っていたと思います。評価点が★3.8くらいになれば、また評判を呼んで口うるさく、口の肥えた経験豊富な客が全国から訪問し、とまさに正のスパイラルに入ります。

例えば、ワイン。ワインに精通した人がここに来たら、ワインのセレクションに不満を覚える事態になることも万が一のないことはないと思います。今の状態ではシェフがここが一番苦しいところではないかと拝察いたします。呑んでほしいワインを揃えても呑んでくれる客がいなければ意味ないし、と。

折角今回お会いできたシェフですのでまだまだ上を目指して、徳島に木津シェフあり!と言われるまでがんばっていただきたいと思います。全国のくいしんぼうがここに来て是非育ててほしいと思いました。

このレビューを上げる前の評価は★3.54。そんなレベルのレストランじゃないな、と思いながらレストランを後にしたのでした。

(#5240)

2017/01/29 更新

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