8回
2025/05 訪問
花山椒食べられた
比良山荘、定期訪問。
熊肉の季節はすでに過ぎているが、そこは熊肉で知られる比良山荘。保存された熊肉を、旬の食材と掛け合わせて“季節外し”で仕立てる技。今回予定されていたのは、じゅんさいと熊肉の鍋。…だったのだが、なんと奇跡的に花山椒がまだ残っていたとのことで、急遽、じゅんさい×花山椒×熊肉という超豪華な組み合わせが実現。
前菜からして、鯉こくに始まり、八寸にはなれ鮨、鯉の子、コシアブラ天、赤蒟蒻など、“ここでしか食べられない”が詰まっている。お造りもまた面白く、鱧、鯉、そして琵琶湖にしかいない“琵琶マス”と、希少な顔ぶれ。すべてが印象深い味だった。
いよいよ本命の熊鍋へ。
花山椒の香りとじゅんさいのなめらか食感が熊肉にうまく寄り添い、文句なし。花山椒の熊鍋は、本来は2週間ほどの短い提供期間しかない希少な料理。それをこのタイミングでいただけたことは幸運そのもの。筍、なめこ、クレソンなど、さまざまな食材とのマリアージュも堪能しながら、熊肉を楽しんだ。
〆はいつもの、栃餅からの自然薯入り雑炊でフィニッシュ。今回はソムリエさんもメンバーとして参加しており、シャンパーニュからサシャーニュ・モンラッシェ、ニュイ・サン・ジョルジュと、料理と見事に調和するワインの数々が加わって、贅沢極まりないランチになった。
比良山荘はやっぱりすごい。美味しかった。
2025/05/26 更新
2020/02 訪問
熊鍋 月とスッポン
お友達に誘っていただき、約1年ぶりの比良山荘へ。今回も目的は熊鍋とイノシシ鍋。離れから見る庭が美しい。
最初の八寸からテンションあがる。鹿のロースト、なまこ、宝石のように透き通った卵の黄身の味噌漬け…続いてお造りは鯉と岩魚。これも美味しい。
うなぎの筒焼きとうなぎの稚魚のあとは、待ちに待った熊鍋。身がほとんど脂なのに、歯応えはシャキシャキで、脂身と思えない。一緒に入ったネギとキノコが熊の出汁を吸って美味しくなる。イノシシ鍋も美味しいが、やはり熊鍋のインパクトが強い。
最後はスッポンの雑炊。さっき食べた熊鍋の出汁にスッポンを入れて作ったもの。ツキノワグマとスッポンだから、月とスッポンにかけているという洒落の聞いたお料理。美味しさも抜群である。
遠くからでも行く価値のある比良山荘。また来たい。
2020/02/18 更新
雪の比良山荘。なんてきれいなんだ。雪を見るだけではしゃぐのが、気楽な静岡人の特徴である。何年も通っているが、ここまで雪深いのは初めてだ。部屋からの景色も、しんと静まり返っていて実にいい。
食事は鯉こくから。いきなり体が温まる。お造りは鹿のたたき、鯉、イワナ。ここでしか味わえない、山の正義。続くすっぽんスープで、芯から完全に温まった。
鰻の筒焼き。焼いてから開き、骨を取り、山椒を仕込んである。琵琶湖の天然鰻だが、これがまたうまい。手間の勝利。
そして、お待ちかねの熊鍋。当店では一年のほとんどで熊鍋を味わえるが、この季節だからこその価値がある。獲りたてのツキノワグマ、100キロ。まずは熊肉だけをさっと試食。おお…いつもはシャキッとした熊の脂だが、今回はトロ感もあって実においしい。良い個体だと、こうなるらしい。
次は大量のセリと合わせる。セリと熊肉の香りが絡み合い、最高。さらにナメコと熊肉、セリも少し。これもまた美味。そして雑炊前の定番、栃餅。栃の甘さとほろ苦さが、大人の味わいだ。
締めは、うどんと自然薯雑炊の両方。むう…なんてうまいんだ。気づけば、シャサーニュ・モンラッシェとヴォルネイの二本が空いていた。