2回
2025/06 訪問
終わりなき創造
旧店舗より少し坂を下った場所の新店舗。
入口から細い通路を経てメインの部屋は
高い天井はワイン樽のような半円形で壁は
地層のようなデザイン。大きな窓があって外
は緑が茂る。
料理のコースはいつもの通り創造と想像に
溢れ一切の手間を省く事なく厳選された
素材の旨みを究極まで極めた品の数々。
中でも出色の出来だったのが定番のスモーク
サーモン、毎回ソースが微妙に変わるが
今回の紫蘇を加え鮮烈な尖った酸味や旨みが
いつものQuinto Quarto Rossoの紫蘇っぽい
香りと合ってこれまでの最高。
メインの美ヶ原の仔鹿肉はミルキーながら
しっかり旨みに溢れカシスの仄かな香り
とChinonのワインの柔らかい味わいとピッタリ。
料理にかける凄まじい探究心と尽きること
のない創造、鈴木夏暉シェフは止まらない。
2025/06/18 更新
2025秋メニューで訪問。今回は7名で賑
やかに。出だしは意表をついてオレンジ
ワインからスタート。すっぽんスープの
ニョッキがアミューズ。
驚きは次にブドウが来た。ナガノパープル
高級なやつ、それを1mm以下にスライス
贅沢に中心部分のみ使用し一人当たり数
十枚。クローブの香りを仄かに纏った
スライスを口に含みブランドノワールの泡
を合わせれば幾層にも重なるブドウ天国。
ビーツはいつもながらとてつもない手間と
時間をかけ醸し出した甘みと旨みは経験
したことがない。この素材の真髄を見せて
くれる。家庭で茹でただけではこの味は
絶対に無理。
「はや」のおやき風も美味かった。甘辛
のタレで焼いたはやを春巻きの皮で包み
山椒や黒胡椒を効かせて見事。
いちじくのデザートも凄いこだわりで
ドライ黒いちじく、生の身、イチジク
オイルをアイスと合わせた、The いちじく。
素材をとことん突き詰める、ここまで
やる店を他に知らない。