レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2011/12訪問 2011/12/07
コリドー街の裏路地を入ったところにある、ビルの地下にあります。
何とも隠れ家チックな佇まいなのですが、ビルに入っている他の飲食店は、看板を見る限り、いずれも高級そうな印象。
狭い路地にも関わらず、接待用の黒塗りカーが続々入ってきます。
思わず轢かれそうになりつつ、緊張を抱えつつエレベーターに乗り込みます。
しかし、こじんまりとしたカウンターメインの店内は、仰々しくなく、醸し出す空気が柔らかい。
お客さんも身構えず、「ふらっと飲みに来ました」的な雰囲気です。同伴カップルもおらず、接待でもなく。
そして、当日オーダーしたのは以下。
「佳肴コース」6,300円
先付け・前菜・お椀・お造り・焼き物・煮物・食事・デザート のコースです。
全体に、必要以上に高級な食材がふんだんに使われているようでもなく、和食ど真ん中・直球ストレートです。
前菜に鮟肝を使ったお料理が出たくらいで、その後は、普通の和食素材が丁寧に調理されて出てくるという感じでした。
何と言っても、季節感がしっかり出されています。気をてらうことのない、清々しいインパクトを与えてくれます。
飲み物は、最初の乾杯がプレミアモルツ(735円)、その後は「日本酒で作った梅酒 梅まろや香」(735円)、「米焼酎で作った梅酒 梅琴音」(735円)をそれぞれロックでいただく。
お酒は、食事とは逆にもう少しこだわってもいいのかも…見る限り普通過ぎるラインナップでした。
とにかく全体的に特殊な物は何もなく、ただただ普通なのですが、安心できる、質のよい「普通」という感じ。
いい「塩梅」という言葉がぴったりかと思います。
こちらの店をもって、銀座というトップステージでも安心な和食のお店が見つかりました。
齢40にしてやっと辿り着いた境地。有り難いことです。
2位
1回
2012/04訪問 2012/04/08
女子2名で利用。
カウンターが中心の、こじんまりした店内。
この店のメインは何と言っても「厨房」。店内の大半を厨房が占めています。
コの字型のカウンターが、厨房をぐるりと取り囲むように配置され、他に4人がけのテーブルも1組ありました。
台所と客との距離が異常に近いので、どこかの家に呼ばれて食事をいただいているというイメージですね。
<注文した料理>
○生ハムのムース
○茄子とボロネーゼのフェットチーネ
○ズワイガニとアボガドのサラダ
○カジキマグロのカツレツ
全体に美味しいですが、量がけっこうありますね。女性だと3人で分ける感じでしょうか。
一皿のボリュームがあるので、あまり種類が食べられなかったのが残念でした。
<ワイン>
ビール(ヱビスの瓶ビール)
ハウスワインの白をデキャンタでいただきました。
<サービス>
シェフがお一人でやっています。
あまり愛想を振りまく感じではないのですが、グラスがあくと即座に継ぎ足してくださるなど、こちらのペースや具合を細かく見てくださいます。
<価格>
上記で、トータル11,000円程度でした。
安い部類に入ると思います。
恵比寿はイタリアン激戦地ですが、こちらの店は、独特のポジションでマイペースなところがいいと思います。
最近オープンして話題のアンティーカピッツェリア ダ・ミケーレがちょうど真裏にありますが、同店の凄まじい行列っぷりに対し、こちらは土曜日の夜にも関わらず半分以下の入りで、穏やかです。
知る人ぞ知る…という雰囲気が漂っていますね。
スペースが狭いので、行くとしたら2人同士がベターです。
本当に二人だけで深刻な話をするといったシチュエーションなら、ばっちりでしょう。
3位
1回
2012/01訪問 2012/01/26
前勤務先の同僚と2名で利用しました。
週前半の20時という時間帯にも関わらず、カウンターも2階のテーブルも満席で、飛び込み客を次々断わるという人気ぶりです。
我々はカウンターに案内されました。まだ新しく、什器も内装もピカピカしています。
注文は以下。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
グリーンサラダ 600円
鮮魚のカルパッチョ 700円
フォアグラのテリーヌ 1,200円
牛網焼き 赤ワインソース 2,000円
鮮魚のポワレ 1,400円
ビール×2杯(価格失念)
白ワイン×3杯(600円〜)
スプマンテ×2杯(価格失念)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれま、東銀座なのに安いわね…
カルパッチョはマグロをいただきましたが、一切れのサイズとボリューム感が「築地」風。切り身がまるまるとしています。
しかも、味付けはよくあるてかてかしたソースではなく、なんと塩。
すごく不思議なカルパッチョ体験でした。
フォアグラのテリーヌは、あまりくどくなく、繊細な味に盛りつけでした。
バンとの相性がぴったりです。
肉と魚はシンプルにグリルしたもの。こちらも盛りつけは丁寧でこじゃれています。
どの皿もボリューミー。
前菜2皿・肉と魚を各1皿ずつ注文して、男女なかよく2人でシェアしてちょうどいい量。
これで足りなければ、パスタ等の炭水化物ものの追加でぴったりかと思います。
ワインは、グラスで白を何種類かいただきました。常時4〜5種類あるようです。
ボトルに600とか700など、一杯あたりの価格がマジックで書かれていました。明朗会計ですね。
一杯の量もたっぷりめで、大きなグラスになみなみと注いでくれます。本当に「なみなみ」。
他の方も書かれていますが、こちらではグラスのほうがおトクかもしれません。
飽きっぽいタイプには、何よりも有り難いことです。
シェフと店員さんは、黒っぽいTシャツ姿でオシャレです。
当日、カウンターのお客さんの中には常連もいらっしゃったようで、寿司屋のようにカウンター越しの会話が盛り上がっていました。
2階を利用されていた男性お一人のお客さんも、カウンターが空くとそちらに移動されていたようです。
会計は、この内容で一人あたり5,000円台。
ザギンであれば、8,000円は下らないと思われる内容なのに、驚きです。
人気の理由が伺えますね。
カウンター居酒屋風な雰囲気に、ちょっと本格的なフレンチというミスマッチが、魅力を放っている斬新な店。
東銀座の飲食店には、正直食傷気味でしたが、この店の体験で、ちょっとだけ希望の光が見えてきたようです。
今年は接待が多かったため、必然的に「出されたものを仕方なく食べる」状況が多かったように思う。
しかも、どちらかというと「ベスト」より「ワースト」の方が挙げやすいという、なんとも悲しい年であったと認識している(涙)。
ベスト3に選んだのは、全て自腹で来店した店に限ったが、偶然にも客と作り手との距離が近い店が選ばれた。
よく言えばアットホーム、悪く言えば単に狭いというだけだが、いずれの店も食事やサービスに関しては一切妥協がなく、また何よりも「頑張ってます」的な仰々しいオーラを放つこともなく、とても自然に食事を楽しめたと思う。
大箱が廃れ、こぢんまりとして席数が少ない店が昨今のトレンドとなっているようだが、それだけ客の選択肢や拘りが細分化されていることの現れではないか。外食自体も、大勢でわいわいではなく、少人数でこじんまりがトレンドなのだろう。