レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2014/01訪問 2014/12/24
はじめての土地を訪れる時は、緊張と高揚があいまって胸がいっぱいになる。
今年、最初の旅は生まれて初めての北陸。
そして、今年もっとも心を揺り動かされた鮨との出逢いは、この北陸で。
金沢の名店、『小松弥助』。
予約至難のお店だと言われているが、今回、旅行の直前に奇跡的な幸運で予約を取ることができた。
営業は昼のみ。
11時半、13時、14時半の三回転。
店内はつけ場を囲む形のカウンターと、テーブル席。
カウンターでいただくことができたのも本当に幸運だった。
基本は5500円のおまかせ。
いか、とろあぶり、甘海老、づけ、にはま、ばいがい、やまかけ、うなきゅう巻き
これに追加でいただいたのは、
うに、穴子、づけ、ねぎとろ巻き
素晴らしい鮨だった。
圧巻、だった。
丁寧な仕事が施されたネタは旨みが溢れどれも魅力的。
塩や柑橘を大胆に振って供されるがその塩梅も完璧。
もったりした舎利はやわらかな味わいで、口の中でほろりほどける。
ネタを包み、受け止める力のある舎利。
ネタによって舎利の握り方も大きさも違い、ネタの旨みをぐっと引き立てている。
この一体感。
ネタと舎利の温度、大きさのバランス、食感。
融合して、一体となる。
絡み合い、蕩け合う。その芸術的なまでの技に胸が打ち震えた。
最後にいただいたねぎとろ巻き。
ご主人の森田さんが「はい」とにこやかに手渡してくださる。
ぱりぱりっと軽やかで香ばしく炙られた海苔は極上に薫り、くるまれた舎利と葱と鮪と一瞬にして一体になる。
鮪の旨みと甘みがふわぁと広がってゆく。
あぁ、この口福。:..*.゚:..
森田さんは御年80を越えておられる。
銀座久兵衛の先代が森田さんのことを「日本一の鮨を握る職人」と称したという逸話があるほどの、
もはや伝説の域にまで達しておられる方。
でもね、カウンターで拝見しているととても気さくで素敵なお人柄なんです。
その所作は美しく、安定感があり、自信と余裕に満ちている。
熟練。円熟。
その匠の技が目の前に。
森田さんの何十年にもわたる職人としての人生が、その魂が、此処に在る。
カウンターに座りながら、涙が出そうだった。
美味しかった。
本当に美味しかった。
お会計は2人で18000円ほど。
これほどのお鮨をこのお値段でいただける奇跡。
金沢ではもう1軒鮨屋を訪れたが、そちらも素晴らしい店だった。
北陸ならではの繊細な食文化。
また訪れたくなる魅力がこの土地にはある。
心満たされた幸せな旅でした。^^
2位
2回
2017/11訪問 2017/11/01
(2017年2月再訪)
その後、2016年5月、2017年2月に訪問。いずれもさいとうさんが握るカウンター席。
今年の2月に訪れた時は1人で。しかも大将前!!もうド緊張(笑)
お隣の席の男性お二人が気を遣って話しかけてくださったので救われました。
しかも大変稀少なお酒を1杯ご馳走になってしまい・・・。
ありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます♪
この日いただいたもの。
・富山の白海老
・鮟肝
・白子ポン酢
・蛸と鮑
・鯖寿司
・子持ちやりいか
・メジマグロ
・のどぐろ
・鯛
・平目の昆布締め
・小鰭
・赤身のづけ
・中とろ
・大とろ
・墨烏賊
・車海老
・鯵
・とりがい
・根室のバフンウニ
・穴子
・ねぎとろ手巻き
・お椀
・玉
舎利小さめでタネにくるまれるような、端正で色気のある鮨。
酢も塩も加減が絶妙。
そしてさいとうさんの所作が美しすぎて見惚れてしまう。
右手に舎利を取ってから四手で握りきるまでの流れ。
無駄のない、見事すぎる動き。
しかしこの日はちょっと舎利の温度が高すぎて、タネとの温度感の噛み合わなさがあったように感じました。
1合お酒をいただいて、お会計は25000円ちょっと。
この日一人で訪れて感じたのは、こちらのカウンターはさいとうさんのサロンだということ。
それをリラックスして楽しめる度量のある人こそが、ここに座るに足るのだと思う。
いつの日かこちらに相応しい客になれた時に、また訪問の機会をいただけたら。
幸運にもさいとうさんのカウンターでこの握りをいただけた五夜を振り返ると、やはり幸せな気持ちになれる。
貴重な機会をいただけたことに感謝。ごちそうさまでした♪
再訪。3回目。
そして初めての春のさいとうさん。
お誘いくださった素敵紳士様に本当に感謝です。
しかも今回は大将前。
右手でぐっと舎利を握ったかと思うと流れるような美しさで左手の所作を加え、
すっと目の前に鮨が置かれる。
客も大将も真剣。一瞬張り詰める空気にドキドキする。
春の気配が漂うネタの数々。
出始めたばかりの貝類に季節を感じる。
子持ちのやりいかは甘く肉厚、柚子の香りがふわわっと広がる。
鮟肝はレア感があってとろうりやわらか。こんな鮟肝はじめて。
のどぐろは瑞々しさを残した素晴らしい焼き具合。
握りは、こはだ、とり貝、穴子が特に素晴らしかった。
こはだの絶妙な〆具合、酸味と旨みのバランスの妙。
穴子はこの時季なのに何てふっくらしているの。
逆に脂感が強すぎず身の旨みがしっかりしている。
舎利は、この日は少し酢が強めで主張する印象。
そして前回よりもやや大きめ。
素晴らしかった。
最高に幸せな時間でした。
ただ。
次の予約を入れた時に感じたのは、わたしにとってこちらは分不相応なお店なのだということ。
近々、またカウンターを訪れる機会はあるけれど。
この埋まらない距離感は切ないね。
■■2015年10月再訪--------------
約1年ぶりに再訪。
お声がけいただいたのは今年の4月。
それから7か月、待ちに待っての訪問。
(お誘いくださった常連様、ありがとうございます♪)
2度目ということで少し落ち着いていただくことができたのだけれど、
改めて感じたのは、こちらの鮨は大きめのネタが小ぶりの舎利を
包み込むような塩梅なのね。
力強い腕が、可憐で繊細な体躯をかき抱くような。
そんな、とても色気のある鮨。
でもこのバランスは実は好みが分かれるのかも知れない。
今回いただいたのは、つまみがいくら、蒸し鮑と蛸、鰹、のどぐろ、真鱈の白子、穴子。
握りは、真鯛、金目、こはだ、鮪赤身、中とろ、大とろ、すみいか、鰯、海老、
鯵、唐津の赤うに、穴子塩、穴子ツメ。
最後に手巻き、椀物、玉。
つまみの中では、穴子が素晴らしかった。
ぶるんと撥ねるような弾力と、絶妙な焼き加減からなる薫りの良さに悶絶。(笑)
握りは、鰯が感動的な美味しさだったなぁ。
わたしは青魚が大好きなんだけど、煌めくような美しさと、口に入れた時の
脂と旨みの絡まり具合がもう素晴らしすぎて。
舎利との温度感のバランスも完璧。
ただ、鮪の赤身と海老はやや難しく。
ネタのムラ加減を今回は感じた。
しかしやはり、他の鮨屋とは一線を画したお店だと思う。
来年は何度か訪れる機会があるので、ゆっくり、じっくりこの鮨に向き合いたい。
次回は、3月。
■■2014年9月初訪-----------------
【まえおき】
もうすぐ2014年も終わりを迎えるけれど、今年ほど「縁」というものを強く感じた1年はなかった。
それほどまでにさまざまなことが起きた今年。
もう何年も恋焦がれてきたお店との突然の出逢い。
それもきっと、縁。
【で、本編】
今年2月、アークヒルズサウスタワー1階に移転した、『さいとう』。
一見の予約は至難、というかもう不可能に近いのでは。
色々な経緯があってこの日、こちらの常連の方とご一緒する幸運に恵まれた。
もうね、ここ数年分の運を使い果たしたんじゃないかと。(笑)
店内は7席のカウンター。
奥には4人まで入れる個室があるが、そちらは常連の方用。
こちらはネタのショーケースを置かないお店なんですね。
さいとうさんがその場で魚を切りつけまず並べてゆく。
それを使って握ってゆくスタイル。
お聞きするところによると、月に何度も訪れる常連さんが少なからずいらっしゃるらしい。
何か月先まで予約で埋まっていたとしても、恐らく常連の方はその枠にはまらぬ自由度の高さがあるのだと思われる。
そんなお店に来れちゃったなんて。うひょー!(コーフンしすぎて挙動不審でしたねきっと・・・)
こちらを一言で言い表すとしたら。
つまみも握りも非の打ちどころがないお店だということ。
つまみの中で、感動すら覚えたのは穴子。
ぷりっぷりでほんのりとレアな食感を残し、そこに甘みがぎゅっと乗るような。
こんなに美味しい穴子には出逢ったことがない。絶品です。
そして、握りは美しく、素晴らしく。
まず舎利。
赤酢が一瞬キュっと来た後にまろやかに、ほろほろっとほどけて、
ふわっと口の中にその香りが広がる。
ネタは舎利との完璧なバランスを保っている。
一体となってとろけてゆくような塩梅。
おいしい・・・。
すごい、この一体感。
ネタと舎利の温度もぴったりとはまる。
ネタはもう、適度な熟成感で旨みがぐっと立ち表れるものもあれば。
バジルペーストをあしらうような、ほんのり遊び心を織り交ぜたものもあって。
一直線ではない、随所に盛り上がりのある構成。
当然のようにつまみからの握り、の流れなんだけど、すべてが終わった後のほどよい満腹感。
「追加はよろしいですか」と訊かれなかったのは、きっとこの流れに自信を持っておられるということなんだろうな。
・いくら
・蛸と鮑
・雲丹2種(壱岐と淡路島)
・毛蟹
・厚岸の牡蛎
・長崎の穴子
・ホシガレイ
・鰤
・こはだ
・鮪
・中トロ
・大トロ
・イカ
・鰹
・車海老
・鯵
・厚岸の雲丹
・穴子
・お椀
・かんぴょう巻
・玉
日本酒を2種類、1合半いただいてお会計は25000円ちょっと。
至福の時間でした。
【おわりに】
完璧すぎる鮨。
完全無欠な鮨。
努力だけでは生み出せない。
これが天賦の才というものなんだと思う。
この高みにお若くして到達しておられるさいとうさん。
ユーモアのある方で気さくによくお話しされる、そのギャップも素敵^^
いや~、参りました。(笑)
きっとわたしは、さいとうさんの凄さの10分の1もまだ解っていないような気がする。
その素晴らしさをもっと解るようになりたい。
そのためにはもっともっと修行を積まなくちゃね。(笑)
そしてこの日お誘いくださった常連様、本当にありがとうございました^^*
3位
2回
2017/09訪問 2017/09/09
(2017年7月再訪)
カキゴーラー肉子、沖縄の旅ふたたび。
3年ぶりにこちらを訪れました。『喫茶ニワトリ』。
前回の旅はスマホもなく、靴は靴擦れしまくりのサンダルでした。
今回は靴も歩きやすいしナビもある!無敵!(笑)
13:30の開店と同時に伺ったら何と先客3組!もう食べてるし!
どうやら開店時刻よりも早くお店を開けておられるようです。
注文先会計。3年前は奥様が削っておられましたが、現在は奥様が接客をされ、削り手は若い男性の方になっていました。
・苺みるく氷(小・590円)
・ドラゴンフルーツとシークヮーサー氷(小・480円)
テーブルに座って呼ぼれるのを待ちます。先にできたのは「苺みるく氷」。
出来上がりを見てびっくり。盛りがでっかい!
「小ですよね?」と思わず確認してしまいました。
斜めにかしいだ氷。これは急いで食べないと崩れるー!(>_<)
苺蜜はジャム状でもったり。練乳は県産の牛乳と生クリーム、バニラビーンズを合わせたオリジナル練乳。
バニラがとても利いていて濃厚ですが、さらりとした仕上がりです。
削りは粒状でふわふわさくさく。氷温の問題か、最後は再結晶して固まってしまいました。
さらに3分の1も食べ終わらないうちに次のかき氷が完成。
「ドラゴンフルーツとシークヮーサー氷」。
こちらは美しいフォルム。
ドラゴンフルーツは思ったよりも淡い酸味。シークヮーサーが酸味を加えてくれている印象。
追い蜜を舐めてみて、おおっ!と。この甘み、めっちゃ懐かしい!
蜂蜜でもなく、べっこうあめでもなく、濃厚でちょっと焦げたような甘み。何の甘さだろう・・・気になる!
そしてかき氷2つを同時に高速食べ(笑)昔を思い出すなあ。。
35度を超える気温。みるみる溶けるかき氷。屋外でいただく前提ならもう少し盛りは小さくても良いようにも思いました。
3年前とは色々変わってしまっていましたが、最後にお話しさせていただいた奥様は3年前と変わらずとてもあたたかいお人柄で、やっぱり今回もこちらのお店に癒されたのでした。
今年の夏は『マツコの知らない世界』に出演されたり、テレ朝のイベントや池袋東武の沖縄展などにも出店されたようです。
3年ぶりの懐かしい再会。またいつの日か、こちらのかき氷に逢う日を楽しみに。
ときめく瞬間って、きっと決まってるんだと思う。
はじめてこちらのお店のことを知った時、胸が高鳴ってドキドキするのが分かったから。
『喫茶ニワトリ』。
パン専門店『ippe coppe』の庭に、お天気の良い日だけオープンするかき氷屋さん。
昨年は夏季限定。
今年は春からオープン。
去年の冬、こちらのお店について書かれた記事を目にした瞬間、わたしの心は決まっていた。
沖縄に行こう、って。
何度も言うけれど、旅する理由はいつもとても単純なのです。(笑)
暑い暑い7月のある日。
那覇空港から120名護行きのバスに乗り、第二城間(ぐすくま)下車。
そこから地図を片手にどれだけ遭難したかはもう書くまい。(´д`)
港川の外人住宅の一角にそのお店はありました。
たくさんの緑に囲まれた、涼しげなお庭。
そこに自由な感じで置かれているさまざまな形の椅子やテーブルたち。
メニューは4種類。
苺みるく、たんかん、みるく、蜜(シークァーサー添え)。
記事によると、どれも沖縄の素材を使ったものばかりだそう。
・たんかんのかき氷(沖縄県産・ちょこっとサイズ390円)
・苺みるくのかき氷(ぎのざ村苺・ちょこっとサイズ390円)
最初にたんかん。次に苺みるく。
どちらも小ぶりな可愛らしいサイズ。
氷はやわらかくてふわふわ。゚+..。*゚+
たんかんは柑橘の爽やかさ、酸味と甘みがぎゅっ。
沖縄の大地の力に包まれるような。
苺みるくはやさしい果実の甘みと、やわらかいみるくの味わいにとろけそうになる。
屋外でいただくごちそうかき氷。
なんて瑞々しくて、なんてさわやかなんだろう。
虫の羽音。
さわさわと鳴る木々。
木陰を通り過ぎるやさしい風。*・゜゚・*:.。..。.:*
目を閉じて、その空気を胸いっぱいに吸い込む。
すごく幸せだなあって。
何度も何度も思いながら。
心も体も、あたたかい色でみちてゆく。
『ippe coppe』はご主人が、『喫茶ニワトリ』は奥様が手掛けておられて。
おふたりとも本当に素敵な方たちでした。
『ippe coppe』のパンもすごく美味しかった♪
沖縄の旅は、幸せな瞬間の連続で。
わたしにとってかけがえのない宝物になりました。
きっとまた、次の夏に。
ふたたび幸せな瞬間に出逢えることを祈って。
4位
1回
2014/11訪問 2014/12/02
【まえおき】
握り偏愛のわたしにとって、鮨屋のつまみというのはあくまで添え物というか、積極的に食べたいとなかなか思えなかったりする。
これまでのうすーくあさーい鮨経験の中で、心を揺さぶられるほどのつまみに出会えなかったというのもあるし。
小倉の『天寿し』を訪れて、握りにこそ鮨職人の美学やエッセンスが詰まっているのを感じたからというのもある。
そんな浅はかなコムスメの考えをいとも簡単に引っくり返してくれたのが、こちらのお店。
【で、本編】
北新地駅すぐそばにある鮨屋、『さえ喜』。
大阪出張の際に訪れた。
北新地という土地は、東京で言うと銀座のような立ち位置らしい。
夜の香り漂う高級店が立ち並ぶ中、こちらのお店はひっそりと、看板もなく佇む。
11席のカウンター。
客の目の前に置かれるお皿がそれぞれ美しくて素敵。
基本はおまかせ。
つまみからの鮨、という流れだが比重はつまみが高い。
食材を大胆に見せながら産地や謂れを丁寧に説明してくださるパフォーマンスが楽しく心躍る。
・厚岸の牡蛎 モロヘイヤのソース
・かわはぎと鳴門鯛 肝ポン酢と昆布醤油で
・松葉蟹のしゃぶしゃぶ
・青柳貝の焼物
・海鰻の焼物 お芋のソース
・押し鮨の海苔巻
・クエのお椀
・大間の鮪
・中とろ
・こはだ
・剣先いか
・白ぐじの昆布締め
・雲丹といくら丼
・穴子
・とろタク
・シャインマスカット
つまみをいただいて驚いた。
鮨屋のつまみのイメージを軽く超えてしまう秀逸さ。
旬の食材の旨みをぐっと高め、あぁこれはこの食べ方がいちばんだよねって思わせてしまう調理法。
最初にいただいた厚岸の牡蠣は牡蠣そのものの旨みの凄さに、薬味によってほんのりと酸味が乗る。
うぅ、おいちぃ。
特に素晴らしかったのは松葉がにのしゃぶしゃぶ。
甘みと旨みの詰まったかにの身はぷりっとはじけて弾力が花開く。
いや~、これはほんとに旨いです♪
つまみを下支えする出汁がまた素晴らしく。
クエのお椀は上品な出汁の香り高さに思わず唸る。
あぁ、これはちゃんとした和食のお店なんだなあと。
侮っていた。やられてしまった。(苦笑)
握りはとても個性的。
赤酢を使った褐色の舎利はもったりとして粒が立った独特な食感。
中には舎利が強くネタが負けてしまう印象のものも。
今回のネタの中ではイカやぐじの熟成加減がかなり良く、旨味の乗り具合が絶妙。
この流れに触れるとよく分かる。
ご主人が何をしたいか、何を提供したいかという目的や意志がはっきりしたお店。
そこに腕が伴っているお店。
こういうお店、大好きなんだよなあ。
お会計は2人で4万を切る程度。安くはないが決して高すぎない価格。
この日、カウンターはオールカップル。(笑)
しかも美しい女子ばかり。
そして皆さん白か赤の服をお召しでした。
(ちなみにわたしの服はグレーでしたよ、ええ。(苦笑))
北新地という場所柄、同伴やデート利用も多いお店なんだろうね。
さすがにここでおひとりさまはしんどい。(苦笑)
今回、同じく大阪出張だったお連れ様と合流できたのもラッキーでありました。ふふ^^
【おわりに】
今回、仕事の合間に大阪らしい店をいくつか訪れた。
たこ焼き、おでん、立ち呑み。。etc.
大阪の食文化は多様で奥が深く、そして楽しい。
こちらのお店もまた、大阪の食文化をバックグラウンドに持つ、大阪ならではの鮨屋なんだと思う。
大阪の空気や食文化が大好きになった瞬間。
大阪に来ることがあれば、またぜひ訪れたいお店の1つ。
5位
1回
2014/03訪問 2014/07/20
初めての出逢いは、東日本大震災復興支援のチャリティーカレーイベントだった。
カレーを食べると必ず体調を崩すわたしが、このイベントに参加できただけでも奇跡みたいなことだったのに。
こちらのお店のカレーをいただいて(しかも1000円という安価で)、カレーが大好きになってしまったという。
そんな2つの奇跡が起きてしまった。
次の奇跡は、3月。
ずっと訪れたかった、夜の『シェ・イノ』。
この日、こちらのお店に伺うことになった経緯はイロイロあってここには書けないけれど。(笑)
きっとご縁があったんだろうなと今振り返って思う。
ディナーは3つのコースとアラカルト。
こちらのスペシャリテ、マリアカラスを差し替えでいただいても良かったのだけれど、
以前ランチで食べたよね、ということでこの日は前菜2品、フォアグラ、魚、肉、
という構成の15750円のコースをいただきました。
言うまでもなく、方向性はどっしりと重厚感のあるクラシック。
塩の利かせ具合もぴたっとはまっていて、ワインとの合わせを存分に楽しめます。
そして、こちらのお店の持ち味は、ソースの素晴らしさ。
素材の組み合わせの必然性、絶妙なバランスの良さ。
それらを濃厚で深みのあるソースが包み込み、素材の味わいをさらに高めるという。
もーやられちゃったね、という仕掛け。(笑)
ただ、時折感じる温度への違和感。
例えば、最初のラヴィオリのマロンソースは少しぬるめで、ラヴィオリの温度とのギャップが。
魚料理は、ほっくりふわっと肉厚なスズキに、バターたっぷりな魚介の旨みが沁みたスープ。
これもスープの温度が低めに感じられました。
意図があって、あえてそうされているのかな。
これはまた来て確かめてみなきゃ。
そして、ワゴンデザートはお好きなだけ!
女子もオッサンも狂喜乱舞でございます。(笑)
デザートは甘さ控えめでさっぱりといただけるものばかり。
2人で全種類がっつり制覇♪
これに加えて4種類のお皿もののデザートも好きなだけいただけます。
太っ腹!(笑)
サービスの方は、つかず離れず、こちらが心地よく過ごせるように
最大限の心配りをしてくださっている印象。
でも堅くなくとてもフレンドリー。
だからこんなにリラックスできてしまうんでしょうね。
美味しいお料理とあたたかいサービスに、心も身体も満たされて。
目の前のバースデープレートに、思わずほっぺたがゆるむ。
そして。
食後、少し席を外して、戻った時に起きたサプライズ。
テーブルの上に置かれた黒い箱。
うーー、だからこういうサプライズに女子は弱いんだってば。
今年もやられてしまいました。(苦笑)
こんな奇跡が起きても不思議じゃない。それが『シェ・イノ』。
これ以上はない、幸せな奇跡。
その想い出は、いつまでもやさしくあたたかい。
6位
1回
2014/04訪問 2014/11/18
【まえおき】
美味しい鮨は世の中にたくさんある。
でも心に響く鮨との出逢いは本当に貴重で稀少だ。
味だけではない何かが其処にはあるのだと思う。
【で、本編】
いわき駅からほど近くにある鮨屋、『鮨いとう』。
こちらのお店を教えてくれた友人・蛭子さんに倣い、温泉で身を清めてから訪問。
店内はL字型のカウンター。
ちょっとした非日常感を味わえる雰囲気。
結論を言えば、素晴らしかった。
心のある鮨だ。
舎利は小ぶりでやや固め、酢の利かせ方はちょっと強めで好みとは違うけれども。
「小さめに握ってますか?」とお訊きすると「たくさん食べていただきたいので」と。
最初のうちはネタ大きめ舎利小さめでバランスがいまいち。
サビも強すぎ。
それがだんだんいい塩梅になってゆく。
ネタと舎利の、作り手と客の呼吸が次第に合ってゆく感覚。
・あおやぎ
・白魚の桜の葉蒸し
・鯛の桜の葉巻き
・タイラガイの磯辺巻き
・中トロ
・赤貝
・すみいか
・みる貝
・鯛
・さより
・いさき
・しめ鯖
・鯵
・白海老
・しゃこ
・車海老
・こはだ
・煮はま
・小柱
・赤身
・大トロ
・雲丹手巻き
・お椀
・穴子
・玉
・中トロ手巻き(追加)
緩急の流れのある構成。
どれも非常に丁寧に仕事がされていて安心感がある。
鯛の熟成具合は絶妙で、大トロは旨みがほどよく乗り、江戸前の穴子は非常に脂が乗りとろけるような旨さ。
こはだはやや酢がきつかったかな。
しめ鯖は若いと思ったら1日目のものを敢えて出しておられるらしい。
トータルで20貫。
いや~、よく食べました。(笑)
食べ終わっても苦しい満腹感がない。
さわやかな食後感の鮨。
こちらのお店の特筆すべきところは、日本酒の揃えにもある。
希少なものが多く珍しく迷ってしまった。
一人飲みということで、1/4合にも対応していただけるのが嬉しい。
・九平次「別誂」(純米大吟醸・1合1800円)
・梵「超吟」(純米大吟醸・磨き20%・皇室献上品・1合5000円)
・義侠「慶」(純米大吟醸・1合2400円)
梵は非常に清涼感があり水のようにすううっと身体に馴染む。
義侠はしっかりボディのあるものだが強すぎずこれも鮨に合う。
地方のお店でここまで揃えのあるところはなかなかないのでは。
予約の時の伊藤さんの応対がとても素朴であたたかみがあって、そのお人柄が伝わるものだったのだが、
思った通りの素敵なご主人だった。
伊藤さんは2006年の2月にこちらをオープン。
5年が経ち、さあ自分の色を出していこうと思った頃に被災。
相当なご苦労があったと思う。
ネタはこの近辺のものは使えない。
そのことも無念なのではないかと。
わたしが大好きな東京の『なんば』さんのご主人がこちらにいらしたのは、
目光をなんばさんが出していて、同じくこちらでも出しているのを知ってのことらしい。
しかし今はここで目光は出せない。
そのお話を伺いながらさまざまな思いが去来した。
【おわりに】
この日、こちらでいただいたお鮨は心にとても響いて。
この地で鮨を握り続けるご主人の思い。
それが着実に仕事に現れていることへの尊敬の念。
完璧ではないし、粗もあるけれど。
でもひとを惹きつける魅力に溢れた鮨。
次にいわきを訪れる時も、またぜひ伺いたいお店。大好きです。
7位
1回
2014/07訪問 2014/10/13
彼女の生き方は、彼女が綴る文章とおんなじだ。
みずみずしくて、凛として、澄んでいて、しなやかで。
いつもきらきらした輝きでいっぱいで。
小難しさとか、計算とか、打算とはいちばん遠いところにいて。
だから、みんな彼女のことを好きになる。
だから今でも、あのひとにとって最愛のひと。:..*.゚:..
彼女がレビューするどのお店も、わたしはすぐに行きたくなって。
「行きたい♪」っておねだりして、彼女と一緒に訪れたお店は、どこも大好きになって。
でもこのお店は、おねだりしたけど、ちょっと遠すぎて。(笑)
だからひとりで訪れました。
『ひがし食堂』。
バスでの行き方が分かりにくくて、いっぱい遭難して、結局タクシーを使ってしまいました。
蛭子さん太川さんごめんなさい。。。
こじんまりした、昔ながらの食堂。
お座敷席に座ってゆったり。
沖縄では、かき氷のことを「冷やし物」って言うんですね。
冷やし物メニューは数えたら22種類もありました!
・ミルクぜんざい(360円)
わぁ~、ふわふわ♪
氷と氷の間にいっぱい空気が入っていて、すごくやわらかで軽い食感。
やさしい味のミルクが氷にたっぷりかかっています。
心地のいい甘みと冷たさ。
おいしーーい!!
こちらの金時豆は少し堅めでしっかりした炊き具合。
まぜまぜしながら、お豆と白玉と氷を頬張りました。
この後の予定があったので、がしがし食べ進めるしかなくて。
もっと時間があったら、もっとゆっくり味わえたのに。(涙)
たぶん、近いうちに。
彼女に「ひがし食堂、行ってきたよ!」って胸を張って報告できそうです。
その日を楽しみに。*・゜゚・*:.。..。.:*
8位
1回
2014/07訪問 2014/11/01
旅しながら、ふと立ち止まって思うことがある。
どうしてわたしは旅に出るんだろう。
その答えは明確なようで曖昧だ。
大体いつもふとした思いつき。
単純でシンプルであまり深く考えてはいなくて。
「鹿児島を旅しよう♪」
それもいつもと同じ、気まぐれな思いつきだった。
夏の空気の中、はじけるように飛び出す。
黒豚&しろくまの旅へ。*・゜゚・*:.
鹿児島空港から車で20分くらいの距離。
カフェ『ZENZAI』。
蒲生の大クスのすぐ近く。
武家屋敷をそのままを使った和カフェ。
深緑に囲まれたしっとりとした空間。
清涼な空気に満ちていてとても豊かな気持ちになれる。
広いお座敷に席がいくつかあるが、せっかくなので庭を見渡せる2人席へ。
窓越しの空はとても明るい。
この空間でかき氷を。
「いちごミルク」「完熟トマト」。
この時、発熱と腹痛で体調は最悪で。
そこに連動したようにカメラのシャッターが下りなくなって。
何かの呪いだわと思いながら、お連れ様にほとんど食べてもらって。
覚えているのは、氷の粒が大きいのに、やさしい柔らかさだったこと。
トマトは酸味がほどよく甘みが添うような蜜だったこと。
とても幸せな気持ちになったこと。
この1年、さまざまな土地を旅したけれど。
この時のことはとても印象深く心に刻まれて。
ひとりで。君と。君たちと。
触れたい空気が其処にある。
見たい景色が其処にある。
食べたいものが其処にある。
今なら分かる。
きっとそれが、わたしの旅する意味。
9位
1回
2014/08訪問 2014/09/10
今回わたしが大分を訪れようと決めた理由はたったひとつ。
こちらのお店のかき氷をいただきたかったから。
わたしにとって、旅する理由はいつもとても単純なのです。(笑)
この日、中津駅からバスに揺られて訪れたのは耶馬溪。
平日はお店のすぐ近くまでバスが通っているのだけれど、生憎この日は土曜日。
「裏耶馬入口」バス停からタクシーを使いました。
しかしタクシーの台数が少なくなかなか来ない・・・。30分待ち。(苦笑)
開店20分前に着くと先客あり!うひゃー。
ハイシーズンには大行列するお店だそうですよ。
『蛍茶園Tenjiku』。
茶園直営のカフェ。
ご主人とは事前にお電話でやり取りさせていただいていて、その節は本当にお世話になりました♪
すごく丁寧で物腰やわらかなご主人。
奥様が下北沢のしもきたさんで10か月修行され、1年前にこちらをオープン。
ご夫婦ともにかき氷が大好きなんだろうな。
そしてここを訪れるお客ひとりひとりを大切にされていて。
そういうの、本当に素敵だと思うんです(^_^)
お店はオープンエア。20席くらいかな。お庭にも6席ほど。
かき氷メニューは、抹茶、黒みつきなこ、いちごなど7種類ほど。
果物蜜は季節によって変わるようです。
・抹茶(600円)+白玉とわらび餅とあんこトッピング(各100円)
・日向夏(500円)
「気になるのがあればミニサイズでお出ししますよ」と言っていただいたんですが、2杯が限界。(苦笑)
やって来たかき氷はしもきたさんそっくり!
「抹茶」。てっぺんを飾るキラリな化粧氷。
そこから始まるふわふわしゃくしゃくの削り。
深く濃い味わいの抹茶蜜が氷に万遍なく絡み、口の中いっぱいに口福が広がってゆく。
そよそよと流れるひとすじの風。
いつの間にか傍にはトンボが。
何て心地のいい、何て開放感のある空間なんだろう。
お店の背景には耶馬溪の山々が望めます。
翠深き山々は、白い霧にけぶり静かにそこにあって。
荘厳な山の色に、抹茶氷の深い翠が溶けてゆく。
「日向夏」は優しい柑橘の酸味と甘みがやわらかな氷に絡み合って、とてもさわやかな気分に。
耶馬溪の深緑の山々を眺めながらいただくかき氷。
それは極上の翠。゚+..。*゚+
シリーズレビューを書くようになって3年目。
今年は毎度おなじみ「かき氷シリーズ」と新作「お鮨シリーズ」で1年が終わりました。
日本全国を回りつくした旅。
行く先々で出逢うひとたちから、たくさんのあたたかさと幸せな気持ちをいただきました^^*
いや~、旅ってほんとにいいものですね♪
今年のベストレストランは、食の旅を続ける中で、特に印象深かった9軒を選びました♪
最後の1軒は、こちらのお店。
http://tabelog.com/okinawa/A4704/A470402/47014920/
かけがえのない想い出を、たくさんの感謝とともに。